マリアさん誕生日おめでとー!
心火を燃やさないシンフォギア
《協力体制》
「……それじゃ、私たちの間での取り決めはこれくらいかな?」
「そうだな。国連の方でも、俺たちと君たちが協力体制を取ることは承認されたようだ」
そう言葉を交わす七海と弦十郎の間には、一枚の紙が置いてあった。
「それじゃ、最後に改めて確認ね。
1つ、私たちは対等な立場であり、基本的に互いの指揮系統に属されることはないこと。
2つ、S.O.N.G.側からは風鳴弦十郎を代表に、錬金術師側からは白黄七海を代表とすること。
3つ、お互いの持つ特定の技術または情報において、その取引及び譲渡の判断を風鳴弦十郎及び白黄七海に一任すること。
4つ、お互いがすでに所持している聖遺物に関しては、情報を共有するが、極度の干渉はしないこと。
5つ、お互いの任務、活動に関しては、互いに協力を求めることができるが、その増援についての裁量は送る側に委ねられる。
6つ、戦闘や救助活動においては、互いの連携を密にとり、民間人の安全を第一に考えること。
7つ、緊急事態や作戦行動時には、状況に応じて、互いの指揮権を貸与することが可能である。
以上で、間違いはないね?」
「ああ、こちらも問題はない。……しかし、国連は勿論のこと、よく政府もすんなり認めたことだな」
「……ねえ、訃堂のお爺さんは元気にしてる?」
「ああ……いや待て、何故親父の名を……まさかッ!?」
「いや~、何事も準備って、やっぱり必要だよね~」
そう言って笑う七海を前に、弦十郎は珍しく冷や汗を流すのだった。
《見れないと思っていたような光景》
「キャロルちゃーん!!」
「ええい!いい加減オレを見たらくっ付こうとするのをやめんか!」
「もう…響?キャロルちゃんが困ってるでしょ。こんにちはキャロルちゃん、エルフナインちゃん」
「はい!こんにちは未来さん」
「今日はどうしたの?」
「七海の付き添いだ。いいから離れろ!」
「うひゃあ!?」
錬金術によって起きた風で、響がキャロルから離れる。
そんな2人をよそに、エルフナインと未来は会話を弾ませる。
「お2人は幼馴染なんですか?」
「うん、そうだよ。本当に…本当に大変だったんだ」
「(そういえば、お2人は2年前の迫害を受けたと、ナナ姉えから聞きました)」
「エルフナインちゃん…?」
「ボク、お2人なら何があっても大丈夫だと思います!……あ、え、偉そうなこと言ってごめんなさい…」
「エルフナインちゃん…。ううん、ありがとう」
「だあああああッ!しつこいぞ立花響!」
「ええー!もっとお話ししようよキャロルちゃん!あ、それと私のことは響で良いよ!」
「あははは…なんか、ごめんね。うちの響が」
「いえ…(なんでしょうか。今のキャロルと響さんを見ていると、なぜか心が温かくなります。まるで、見れないと思っていた光景を見れたような…そんな気がします)」
《謝罪》
「改めて、あの時のこと、すまなかった」
「私もだ。是非を問う前に斬りつけたこと、申し訳なかった」
「……まあ、私は気にしてないよ」
「私は……怖かったです。あの時、争う原因がなかったとは言いません。…それでも、子分かったです」
「………」
「だから…今度は誰かに、こんな思いをさせないでください。貴方のそのシンフォギアは、そのためにあるわけではないはずですから」
「ああ…分かった」
セレナと奏は立ち上がり握手をした。
《どっちが姉?》
「白黄七海!」
「何?マリアさん…。あ、私は七海で良いよ。これからは協力することになるんだし」
「そ、そう?だったら私もマリアで良い…じゃなくて!貴女………」
「セレナにお姉ちゃんって呼ばれてるって本当なの!?」
「……はあ?いやまあ、そうだけど」
「言っておくけど、セレナの姉は私なんだからね!!」
「いや、知ってるけど」
「はわわわわッ!?どうしましょう暁さん、月読さん!」
「…うーん、どうにもできないと思う。
「マリアはセレナのことが絡むと、いっつも人が変わってあんな感じでしたからね~」
切歌はそう言って煎餅に手を伸ばす。
「…もう、切ちゃん。お菓子食べてたら、夜ご飯食べられないよ?」
「うっ…そうでした。ご飯を残したら、マリアからお説教デス…」
「そういえば、3人は同じ部屋を手配してもらったんでしたよね?」
「そうデス!まあ、マリアがアイドルとしての仕事で、いないこともあるデスけど…」
「…私たちも、もうすぐリディアンの寮に移るし……。でも、今日はマリアがちゃんと帰ってくるんだ」
「そうなんですか……」
「そうデスッ!今日はセレナも来ればいいデスよ!みんなでお泊り会デス!」
「…切ちゃん、いいアイディア。きっとマリアも喜ぶよ」
「良いんでしょうか?」
「良いに決まってるデス!それに、あれもありますし……」
「あれ?」
「…今日って、マリアの誕生日でしょ?だから、誕生日パーティーをしようと思ってるの」
「すでにクリス先輩たちにも通達済みデス!」
「なるほど…じゃあ、これもその時に渡しましょうか」
セレナが隠すように持っていたのは、綺麗にラッピングされたプレゼント。実はセレナは、これを渡そうと思っていたのである。
しかし、2人から誕生日パーティーの話を聞いて、渡すタイミングを変えた様子。
錬金術で部屋に戻した次の瞬間、セレナの肩をマリアが掴んだ。
「セレナ、行くわよ!」
「え!?な、なんですか~!?」
「七海!どっちがセレナの姉として上か、勝負よ!切歌と調は先に帰ってるのよ!」
「なんでそうなるんだか…」
「ど、どうするデスか調!」
「…むしろチャンスだよ切ちゃん。今の内に、準備を進めておこう」
「合点デス!」
《最高の誕生日》
「な、中々やるわね」
「そりゃどーも。それで?私は認めて貰えたの?」
「ええ」
「……つ、疲れました……」
どっちがセレナの姉として上かを競うために、いろんなお店をたらい回しにされたセレナは、自分の”姉たち”を見る。
「(私にとって、どっちも素敵な姉なんですけどね…)」
「それじゃあ、私はこっちだから。セレナのこと、お願いね」
「分かってるよ」
「それでは、姉さん」
マリアと別れた2人は裏路地に入り、テレポートジェムを使う。
転移した先は、マリアたちが手配された家の目の前だ。
2人は、説明されていた通り中に入る。
「…あ、セレナ、七海さん。いらっしゃい」
「お邪魔するね」
「お邪魔します。皆さん、もう集まってたんですね」
セレナと七海が部屋に入ると、すでに装者とキャロル、エルフナインが集まっていた。
「うん!マリアさんの誕生日、たくさん祝わないとね!」
「響、料理運ぶの手伝って」
「はーい!」
「マリアは装者ではないといえど、私たちと同じく防人だ。祝うのは当然だろう」
「ま、まあ、私はこいつらがどうしてもっていうからで……」
「素直じゃないな~クリスは」
「ち、ちがッ!?別にそんなんじゃ……」
「ただいま~。あら?靴がたくさん……切歌~?調~?」
パンッ!パンッ!パパンッ!
「キャッ!」
「「「「「「「「「誕生日おめでと~!」」」」」」」」
「な、何…?」
「えへへ……今日はマリアの誕生日デスからね!」
「…誕生日会を開いたの」
「もう…調、切歌ッたら……」
「姉さん…その、これ、私からのプレゼントです」
「綺麗なネックレス…ありがとう。大切にするわ。…皆もありがとう。最っ高の誕生日よ!」
後日、首にかけている綺麗なネックレスを大事にしてるマリアが見られ、S.O.N.G.職員の間でちょっとした話題になった。
《セレナのペット》
「キュルキュル!」
「クウ!」
「アオーン!」
「セレナー…ってあれ。それなに?」
「あ、お姉ちゃん」
「ナナ姉え…これはフルライズアニマルです」
「エルもいたんだ…それで、フルライズアニマルねぇ…この子の形から見て、私がエルに渡した設計図?」
「はい。この子たちは順番に、クローズドラゴン、ライトペガサス、リボルウルフです」
「この子たちは、対応するボトルもしくは、プログライズキーで起動します。クローズドラゴンはドラゴンフルボトル。リボルウルフはシューティングウルフプログライズキーです」
「ライトペガサスは?」
「それは今開発中のプログライズキーです。なので、この子だけ長時間動けないんです」
「へえ~。新たなプログライズキーか。すごいね2人とも!」
「えへへ…ありがとうございます、お姉ちゃん!」
「褒めて貰えた…嬉しいです!」
「私も頑張らないとね。とりあえず今は、クラッシュブースターの修理からかな?」
「そういえば、クラッシュブースターは修理中なんですよね?」
「そ。あの時の無理が祟ったのかねぇ。時間がかかりそうだったから、ロボットスクラッシュゼリーの方を改修して、戦力的に問題はないはずだよ」
「キュルキュル、キュール!」
「クウクウ!」
「アウ!」
「しっかし、こうしてみるとまるでセレナのペットだな…」
《予兆》
「……ふう。今日はここまでにするとしよぐッ!……くそ。最近頭痛の頻度が短くなってる。七海には話していないが、新たな筐体を用意しておいて損はないか…」
未だ痛む頭を押さえながら、後片付けをしていく。
「…そういえば、セレナの授業が明日あるんだったな。ある程度は教えたし、あとは自分で学ばせるか?…いや、せっかくだ。ちゃんと教えてやろう」
考えていることを無意識に呟く。
「そうだな……エルフナインにも、授業をやらせてみるか?セレナにとっても、エルフナインにとってもいい影響があるだろう。七海は…あいつは感覚型だしな」
動かしていた手が止まる。
「…七海…ナナ姉え…会いたい………くそッ!」
いつの間にか陰気なことを考えていたことに憤慨し、拳を机に叩きつける。
「これではまるで、今にも死にそうなやつではないか!オレはまだ死なない。パパが託してくれた命題、オレは夢を見つけたんだ!…それに、せっかく七海と、こ、恋人に慣れたんだ。こんな時に死ねるか」
キャロルは頭を押さえていた手を離し、工房を後にした。
《ひと時の安らぎ》
「ふふー。キャロルー」
「も、もう……///」
夜。私とキャロルは
前までは、4人同じ部屋で寝ていたのだが、私たちが恋人になって数日たったある日、突然セレナが2人部屋に分けようと提案してきた。理由を聞いても、のらりくらりと躱された。
ただあの時の顔からして、たぶん気づいてるんじゃないかなー。私たちの関係について。
だから多分、気遣ってくれたんだろうね。
「んー!キャロル~」
「なぁに、ナナ姉え?」
「んー?呼んでみただけ~」
今、私はキャロルに膝枕してもらってる。
二人部屋になった時から、就寝する前の1時間。この時間は2人のスキンシップの時間になっている。
時には肩を寄せ合って座ったり、キャロルを膝に乗せて頭を撫でたり…etc。
今日はキャロルに膝枕してもらいながら、頭を撫でてもらっている。母性を感じる…。
幼女に膝枕されているという見た目だが、キャロルが好きなのだからいいじゃないかと思う。
「ナナ姉え、気持ちいい?」
「うん。フカフカで~モチモチで~気持ち~」
「そ、そんなに言わなくていいから……///」
私の感想に、キャロルは顔を赤らめる。その可愛さに、思わず手を伸ばしてキャロルの頭を撫でた。
キャロルは目を細めて、されるがままだ。その様子を見ていると、ムクムクとある欲求が生まれた。
「ふみゅ~………んんッ!?」
両腕をキャロルの首に回し、上体を上げてキャロルの唇に自分の唇を押し当てる。
「ん、んん……」
「んむ、はぁ……ぷはぁ」
息が苦しくなるまで、たっぷり口づけを交わす。
唇を離し、苦しさからか涙目になっているキャロルを見上げる。
「何するの……?」
「…ごめん。キャロルが可愛くて、キスしたくなった」
「……次からはちゃんと言ってからね?」
「うん、分かった」
「約束だよ…?……チュ」
「ん…チュ」
こんどはキャロルが上体を倒して、キスをしてくれた。
唇を合わせるだけじゃなくて、強く押し付けてきたり、私の唇を唇で擦ったり、さっきよりも激しくキスを求めてきた。
やがて唇を離し、ダブルベッドに入る。
「お休み、キャロル…ん」
「ん…お休み、ナナ姉え」
最後にお休みのキスを交わし、いつものように抱き合って眠りについた。
どうでした?キャロルって母性ありそうですよね。
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そして、次回から新章に行こうと思います。予告があるのでどうぞ(予告のセリフが必ず出てくるわけじゃないです)
世界を破滅へ導こうとしたデュランダル事件から一か月
旧二課が再編成されたS.O.N.G.と七海たちは、国内外での救助活動、紛争地域の制圧任務、そして夏休みと、忙しい毎日を送る。
そんな中、紛争地域であるバルベルデでの任務で、七海たちは異質な敵と遭遇する。
「ロボット…デスか?」
「なんなんだよこいつらはッ!?」
しかし、それは絶望の始まりでしかなかった――――――
「この世界は愚かさで満ちている」
―――立ちはだかる最恐最悪の敵
「やっとだ…やっと叶う」
―――本当の敵は
「どう、して…」
「嘘です!こんなのって…」
「これが真実さ」
――――すぐそばに
「うわあああああああ!!」
―――守りたいものの為に
「あたしの心の奥底には、未だに憎しみが宿ってんだ!」
「手を繋ごうよッ!」
―――叶えたい願いの為に
「大切な家族を、やらせません!」
「これが、皆さんの切り札です」
「私が戦う理由なんてのは、いつだって一緒だよ」
―――彼女らは、その身に鎧を纏う
「「「「変身ッ!!」」」」
「英雄とはぁ!自らの願いを叶えた者を、叶えた者をそう呼ぶのですよぉ!」
「天才の私を越えた貴方なら、奇跡を越えた必然を作り出せるよ」
「例えどれだけ険しかろうと、私は家族を見捨てない!」
「ならばやってみろッ!白黄七海ッ!!」
「オレは……奇跡の破壊者だッ!!」
「心火を燃やして…ぶっ潰す…!」
――― 輪廻の憎悪編 始動 ―――
「さようなら……キャロル」
好きな戦闘シーンはどれ?(作者が個人的に好きなシーンの中で)
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オーバーグリスのデビュー戦
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バイカイザー戦
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七海と黒夜の決着
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フィーネとの決戦
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他のシーンが良かった