《3人称side》
そこは地獄絵図だった。
バルベルデ共和国の住民が避難している村には、国連から派遣されている軍が常駐している。しかし数時間前、反乱軍と共和国軍が戦闘を開始。その余波が、国連軍が常駐している村にまで飛んできたのだ。
「村に一歩も近づけるな!」
「俺たちの後ろには、無辜の命がいる!怯むなぁ!」
「ちッ!なんだアイツら、国連の軍でも平気で攻撃をかけるとは……」
「隊長ッ!S.O.N.G.から通信、間もなくこちらに到着、救援に入るとのことです!」
村を防衛していた部隊の隊長に、救援の知らせが入ると同時に、彼らの頭上を3発のミサイルが飛び去る。
後方を飛んでいた2発のミサイルは空中でパージし、先頭を飛んでいたミサイルは遅れてパージする。
そのパージしたミサイルから、色とりどりの鎧を纏った少女たちと、生身の少女たちが飛び出す。
「デヤアアアアア!」
先頭のミサイルから飛び出した立花響は、真下にいた戦車の砲身を砕きながら着地する。
同時に降り立った風鳴翼と雪音クリスも、周囲の兵を次々と無力化していく。
「なんとイガリマぁあああ!」
暁切歌、月読調、マリア・カデンツァヴナ・イヴは比較的、国連軍の付近に降り立ち、彼らを援護する。
そして最後に、高所から降り立ったにも関わらず、ゆっくりと降りたった白黄七海と、セレナ・カデンツァヴナ・イヴを抱えて降りたキャロル・マールス・ディーンハイムは、部隊の隊長へと声をかける。
「こちら、S.O.N.G.外部協力員、白黄七海です!貴方がこの部隊の隊長ですね!現状の情報を」
それは質問というより、もはや確認であった。出撃前から、この部隊の重要な立場の人間はすでに頭に入れているので、当たり前といえば当たり前である。
「君たちが…?いや、協力感謝する!今、我が軍は共和国軍の攻撃を受けている。やつらは東側から攻めてきており、今の所例の部隊は現れていない!」
「了解です。情報感謝します」
「おい七海!やつら何かがおかしいぞ!」
ショットライザーと錬金術で援護していたキャロルが、共和国軍の兵士の様子に何か気づく。
「奴らの目…正気とは思えん!」
「ほんとだ。何かしらの暗示を受けている?もしくは洗脳か……」
共和国の兵士は、その全てが催眠を受けているかのように、フラフラとしているのだ。目のハイライトは消え、口は不規則に何かを呟いている。そのくせ、練度がなぜかやたらに高い。
その時、通信機から藤高朔也の声が聞こえた。
『翼さんたちのいる戦闘地域に、謎の巨大空中戦艦が出現!交戦を開始しました!』
「お、おい!なんだあれは!」
通信が終了すると同時に、兵の1人が指差した方向に目を向けると、そこには空中に浮かぶ巨大な戦艦が佇んでいた。
「なるほど。あれがやつらの秘密兵器か…。まあ、あの3人ならどうにかできるでしょう」
その言葉通り、十分ほどで空中戦艦に大きな穴が空き爆発した。
共和国軍も撤退を開始し、この場での戦闘は終わった。
「救援、本当に感謝します」
「いえ。無力化した共和国軍兵士のこと、よろしくお願いします」
無力化した共和国軍の兵士は国連軍に任せ、七海たちは村に設置されたS.O.N.G.の仮拠点に向かう。
仮拠点には、すでに装者たちが到着していた。
「おう!お疲れ様だったな、七海くん!」
「どうもです。それと、響たちもお疲れ」
弦十郎からの労いの言葉をもらい、響たちに労いの言葉をかける。七海も一応、弦十郎と同じ立場なので、こういう事にも気を使う必要があるのだ。
「……それで、どうでした。何かわかったことは?」
「ああ、それも含めて、後で報告しようと思う」
そして諸々の準備が終わり、火が沈み夜になった頃。国連軍は昼間よりもピリピリしていた。
それもそうだろう。なにせ、暗闇に紛れた奇襲で、国連の軍が壊滅したのだから。
「(まずいな…。これだと、昼間の戦闘に支障が出るかもしれない)」
一刻も早く、部隊の謎を明かさないといけない。そう心に決めた七海は、仮司令室に向かう。ここで昼間についての報告が行われるらしい。
「あ!七海ちゃん!」
「バカッ!もう夜なんだから、静かにしろっての!」
「クリスちゃんの声の方が大きいよ!?」
「なんだとッ!」
「落ち着きなさい、2人とも」
毎度のように響とクリスが言い合い、それを年長者であるマリアが止める。
七海はよく飽きないなと思いつつ、全員そろったため報告会が始まる。
「よし、まずはこれを見てくれ」
そう言って、本拠点ほどではないけど、それなりに巨大なモニターに調査結果が映し出される。
「君たちの戦闘中、こちらでいろいろと調べてみた。その結果について、エルフナイン君から説明してもらう」
「はい」
弦十郎の言葉を受けて、エルフナインが前に出る。
余談だが、エルフナインは白衣に身を包んでいる。なんというか、こうした方が気合が入るんだって。彼女って、意外と形から入る子だったりする。
「皆さんの戦闘中に解析したデータを調べた結果、奇妙な反応が検知されました」
「奇妙な反応?」
「この反応を追跡した結果、この場所にたどり着きました」
バルベルデ共和国一帯の地図のある一点に、マーカーが付けられる。
「皆さんの報告に会った、共和国軍の兵士の様子がおかしいというのは、おそらくこの反応によるものだと思います」
「よって俺たちは、この反応の正体についても探ることになった。例の奇襲部隊の調査も必要だが、現状の問題はこっちだ。もしこの反応の正体が兵士の異常の正体なら、おそらくバルベルデ共和国でも、何かが起こっている可能性があるからな」
「ですがこの反応の場所って…敵地の真っただ中デス」
「そうだ。そのため七海くんと相談した結果、部隊を2つに分けることになった。まずはこの反応の正体を探る部隊。これは七海くん、キャロルくん、セレナくん、響くん、翼くんを。現地での指示は七海くんに一任する。残りはこの村で待機、再び襲撃を受けた際の防衛部隊に回る」
七海たちの本来の任務は奇襲部隊の調査だが、この任務も超常的なものが関係している兆候があるなら、S.O.N.G.として見逃すわけにもいかない。
その後もいくつかの確認をした結果、この場は解散となった。
「……それで、七海くんはどう思った?」
「まあ、十中八九聖遺物でしょうね」
七海とキャロルはその場に残り、弦十郎たちとさっきのデータについて話していた。
セレナを除いた七海陣営は聖遺物など、飽きるほどに見てきたので、データを見るだけでもある程度は察しはつけれる。
今回のことも、何かしらの聖遺物が関わっていると、2人はあたりをつけたのだ。
「ボクと了子さんもそう考えています。ただ、どうにも気になるところが…」
「このデータね、所々にノイズが入っているみたいに、どうも安定しないのよね~」
「ふむ…。実際が分からない以上、確定するのは危険だな」
「ああ、まだ頭の片隅に置いておくぐらいで良いだろう」
そうして日にちは変わり、作戦が決行された。
前書きか後書きに何か書かないといけないと思ってしまう(使命感)
でも書くことがない(絶望)
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キャラクター紹介
エルフナイン
キャロルと七海によって作られたホムンクルス。
2人の記憶をベースに人格を形成されており、錬金術はキャロルが教えた。
主に七海が書き出した設計図を基に「ライダーシステム」の研究、開発を行うのが主な仕事。
家事も一通りこなせる。ちなみに教えたのはキャロル。
セレナとの相部屋になったことで、セレナとの関係に少しばかり変化が……?
好きな戦闘シーンはどれ?(作者が個人的に好きなシーンの中で)
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オーバーグリスのデビュー戦
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バイカイザー戦
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七海と黒夜の決着
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フィーネとの決戦
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他のシーンが良かった