⭐︎10 秋月玲さんありがとうございます!
《3人称side》
夜が明け、七海たち調査組は慎重に森の中を歩いていた。
「セレナ、探知の方はどう?」
「はい、あたり一帯には特に誰もいないみたいです」
セレナは手のひらに浮かんだ魔方陣を見る。
彼女もキャロルから錬金術を学んでいるため、ある程度は術式を使える。今使っているのも、キャロルから学んだ探知の術式だ。
ちなみに、先生であるキャロルの方針で、攻撃系の術式は教えていない。本人曰く、錬金術をよく知ってからでも遅くないとのこと。
「さて、それじゃあ、改めて確認するよ」
七海は振り返り、キャロル、響、翼に目を向ける。
「私たちの目的は、ここから1キロ離れた場所から発せられている反応の確認及び奪取。と言っても、これは私たちの本来の目的じゃない。だから、あくまでも隠密に行動し、万が一見つかった場合は、即座に撤退する。質問は?」
「よろしい。では行こうか」
七海を先頭に、翼、セレナ、響、キャロルの順で歩く。
特に敵と接敵することもなく、一同は反応が発せられているポイントに到着した。
「これは……祠?」
「反応はこの中から出ている。どうする七海?」
「もちろん潜入する」
一同は祠の中に侵入する。どうやら中は地下にあるらしく、少し進むと開けた場所に出た。
以外にも祠の中はそこまで暗くなく、周囲に流れる透明な水が、入り口から入ってきた光を反射することで、幻想的な光景を生み出していた。そこまで中が広くないことも、関係しているのかもしれない。
「わぁ…すごくきれい…」
「まるで夢のような場所だな」
「未来にも見せてあげたいな……」
「お前たち見惚れている場合か。腐ってもここは敵地だぞ」
滅多にお目にかかれない光景に、セレナ、翼、響が目を奪われるが、そんな3人をキャロルが叱咤する。
しかし、七海はそんなものが聞こえないほどに、目の前に浮かんでいる物に釘付けだった。
気づけば、フラフラと目の前に浮かんでいる物に近づいて行った。
「おい七海……!?」
「ど、どうしたんですか……!?」
後ろから投げられる声に構わず、目の前に浮かぶ何かの欠片のようなものを手に取る。
「なんだ、これは…」
「なんだか、怖い……」
七海の後を追ってきたキャロルたちも、七海の手の中にある欠片を見る。
別段見慣れているわけではない響や翼は、特に何も感じないが、飽きるほど見てきたキャロルや、それなりに見慣れているセレナは、その欠片に何かを感じる。
セレナに関しては、言い表せない恐怖を感じていた。
「ともかく、発生源はこれで良いだろう。後はさっさと戻って……ッ!?伏せろ!」
キャロルが叫びながら手をかざし、魔方陣による防壁を出すと、その防壁にいくつもの銃弾が突き刺さる。
「きゃあ!」
「襲撃かッ!」
「フフッ…ネズミが紛れ込んでいると思ったら、まさか泥棒猫なんて……」
「お前は……アウラネル!」
入り口には1人の女が立っていた。その名はアウラネル。
デュランダル事件において、幾度と七海たちと戦ったアンドロイドである。
「(クリスがいなくて良かった…)」
七海は心の中で安堵する。
アウラネルは七海の姉である黒夜の仇でもある。黒夜を気にかけ、その死を誰よりも悲しんでいたクリスがいれば、おそらく何も考えずに激昂して突っ込んでいただろう。
「(だけどあの後ろに居るやつらは何…?)」
疑問なのは、アウラネルの背後にいる、複数の同じ姿をしたアンドロイド。
アサルトライフルを持っているのを見る限り、先ほどの銃撃はこいつらの仕業だろう。
「その欠片を持って行かれるのは、少々困ります。そう言うわけなので、ここで死んでもらいましょう」
「ちぃ……そう簡単にやらせるか!」
「待ってキャロル。ここで戦えば、祠が崩落する可能性がある。響、翼。私が隙を作るから、その隙にシンフォギアを纏って。そしたらすぐに響は天井に穴を開けて、翼は敵の射撃を牽制して」
戦う気満々のキャロルを抑え、脱出の作戦を伝える。それに全員が頷いたところで、アウラネルが話し始める。
「何をこそこそと話しているのかは知りませんが……まあいいでしょう。全体、構え」
アウラネルの命令に、彼女の背後にいるロボットたちが、一斉に銃を構える。
それに構うことなく、七海は話しかける。
「せっかちだなぁ。そんなにこの欠片が大事なの?返してあげようか」
「いいえ結構です。あなた方を始末してからで大丈夫ですよ」
「……そう言わずに、さッ!」
「なッ!?……ぐぁ!?」
おもむろに七海は、手に持った欠片を上に向かって放り投げる。それによって、アウラネルとアンドロイドの視線が欠片に集中する。
次の瞬間、七海が放り投げた欠片が強烈な光を発し、アウラネルたちを怯ませた。
ちなみに今投げた欠片は、錬金術で作った偽物である。そしてその偽物が発した光は、確実な隙を作った。
「
「
「くっ!やつらを逃がすな!撃ちなさい!」
「遅い!」
【天ノ逆鱗】
シンフォギアの聖詠を聞いたアウラネルは、背後のアンドロイドに命令を出す。
しかし撃たれた銃弾は、天羽々斬を纏った翼がこの場所のギリギリの大きさで生成した剣によって防がれる。
さすがに垂直に突き立てることは出来なかったので、切っ先を地面に対して斜めに突き立て坂道になるようにしたが、十分壁としての役割を果たした。
「ハアアアア!」
そうして稼いだ時間で、響は天井に向かってドリルの様に穴を開けていき、やがて外に突き出た。
「離脱する!」
「先に行け!オレが殿を務める!」
七海やキャロルと違い錬金術が不慣れであり、且つシンフォギアがないセレナを、七海がお姫様抱っこして穴から脱出する。それに続いて翼も祠から脱出する。
殿を務めたキャロルは跳びあがる直前、アウラネルをちらりと一瞬だけ見たが、すぐに七海たちを追い祠を脱出した。
「キャロル!すぐにここを離れるよ!」
「ああ!」
キャロルが穴から出てくると、すぐに一行は移動を開始する。
セレナの顔が赤かった気がするが、今は気にしている暇はない。
森の中を一直線に駆ける。
「皆!向こうと連絡が取れた。どうやら村の方も、あのアンドロイドの襲撃を受けているらしい!」
「ええッ!?」
「どうするつもりだ七海!」
「このまま合流するのが一番だけど……」
「その暇もなさそうだ!」
「追いつかれた!」
キャロルは振り返り、再び防壁で銃弾を防ぐ。
後ろから迫っているアウラネルたちに、七海は予定を変更する。
「予定変更!このままここで、アウラネルたちを迎え撃つ!」
「大丈夫なのか!?」
「このまま戻れば、どのみちやつらと戦うことになる。村の方の敵戦力を下手に増やして、損害を増やすよりマシだ!」
「分かりました!」
「私たちが切り込む!行くぞ立花!」
【千ノ落涙】
反転した翼が、大量の刀を降らしてアンドロイドたちを迎撃する。
響も接近するアンドロイドを、次々と殴り飛ばしていく。
七海たちもその間に、仮面ライダーに変身する。
《ロボットゼェリィィ!》
《バレット!》
《オーソライズ!》
《インフェルノウィング!》
《バーンライズ!》
《 《Kamen Rider…Kamen Rider…》 》
「「「変身!!」」」
「やらせません!撃ちなさい!」
七海たちが変身しようとするのを見たアウラネルは、アンドロイドに命じて七海たちを撃たせようとする。
その命令通り、アンドロイドたちは七海たちに向かって、銃の引き金を引く。
銃弾の嵐が七海たちを襲うが、その1つたりとも彼女たちを傷つけることはなかった。
《潰れるぅ! 流れるぅ! 溢れ出るぅ!》
《ロボッットォイングゥゥリスゥゥゥ!》
《ブルァァァァァ!》
液体を満たしたビーカーと「ケミカライドビルダ―」が、七海に迫る銃弾を弾く。
《ショットライズ》
《シューティングウルフ!》
《The elevation increases as the bullet is fired》
魔方陣による防壁を並行して使用しているキャロルの身体に、彼女の撃ちだした銃弾が当たりアーマーを形成する。
《スラッシュライズ》
《バーニングファルコン!》
《The strongest wings bearing the fire of hell!》
不死鳥型のライダモデルがセレナを包み、その炎と羽で銃弾を防ぐ。
「さあ、心火を燃やして…ぶっ潰す!」
バルベルデ戦はさっさと終わらせたかったのに、思ったよりも長引きそうな気が……。
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好きな戦闘シーンはどれ?(作者が個人的に好きなシーンの中で)
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オーバーグリスのデビュー戦
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バイカイザー戦
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七海と黒夜の決着
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フィーネとの決戦
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