錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

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前回のあとがきにキャラ説明入れるの忘れてました。


47 裏切りの序曲

《三人称side》

 

「ハアアアッ!」

「フッ!」

 

七海が放った蹴りを体を逸らすことで躱し、アウラネルは反動を使ってスチームブレードで斬りつける。

それをツインブレイカ―で防ぎ、ドロップキックで距離を離す。

 

「ぐッ!…やりますね」

「まだまだ…ッ!?」

「アハハハッ!久しぶりね!」

「ウフフフ…!あの時の借りを、返させてもらいましょう!」

 

再び攻撃しようとした七海に、横からネリとモネが割って入る。

ネリが振るうスチームブレードを、七海は右足で受け止め左足を振り上げて弾く。

モネがライフルモードのネビュラスチームガンを撃つが、今度はバク宙と同時に後退、着地と同時に、ユニコーンフルボトルをスクラッシュドライバーに装填、レバーを下ろす。

 

《チャァァジボトル! 潰れな~い!》

《チャァァジクラッシュ!》

「ラアアアッ!」

 

七海が回し蹴りを放つと、右足からヴァリアブルゼリーで形成された角が飛ばされ、ネリとモネの放った歯車型のエネルギー体とぶつかり爆発した。

 

「アハハハッ!やっぱりあなたとの闘いは面白いわ!」

「ウフフフ…。シンフォギアよりは、楽しめますね」

 

キャロルとセレナはトリロバイトマギアを相手にしているため、援護は期待できないが、やるしかないと構えた時、戦場に歌が響いた。

 

「―――だったら楽しませてやるよ。あたし達の歌でな!」

「竜巻ッ!?」

 

七海とアウラネルたちの間に、1つの巨大な竜巻が叩きつけられる。

そして降り立ったのは、シンフォギアを纏った装者たちだった。

 

「七海ちゃん!大丈夫?」

「うへえ…。あの時の2体がいるデス……」

「アハハハッ!あの時のお子様もいるんだ!貴方たちは楽しめないんだよねえ」

「…それでも、見逃すわけにはいかない」

「奏…RiNKERが出来たんだ」

「ああ、これであたしも戦える!」

『トリロバイトマギアの増援です!』

 

言葉を交わす七海たちに、S.O.N.G.の司令室から通信が入る。

見れば、続々とトリロバイトマギアが現れていた。

 

『響くん、翼、奏は七海くんと共に、アウラネルらを対処。他はトリロバイトマギアを撃破だ!』

「了解しました、師匠!」

「行くぞッ!オオオッ!」

 

先頭を切ったのは奏。真正面からアウラネルに向かって、槍を振り下ろす。

しかしアウラネルは容易くその攻撃を受け止める。

 

「フン!…この程度で、私をやれると思ったら……」

「ハアッ!」

「何ッ!?」

 

奏の背後から現れた七海が、飛び蹴りを放つもアウラネルはぎりぎりで躱す。

 

「お姉さま!「ハアアアア」…ッ!?邪魔するな!」

「貴様らを野放しにしておくことなど、出来はせん!この場で倒すぞ、立花!」

「ウフフフ…。できるのかしら?あなた方に」

「やって見せます!その後に、きっちりと手を繋いでみせる!」

「アハハハッ!寝ぼけたことをッ!」

 

ネリとモネ、響と翼の間でも戦闘が開始される。

響が放った拳を、ネリはスチームブレードでうまいこと逸らしていく。

その隙を狙いモネが狙撃しようとするが、翼が投げた短刀によって防がれる。

 

「ウフフフ…。接近主体のあなたが、私に勝てるとでも?」

「ならば、近づいてしまえば私のステージだ!」

 

そしてトリロバイトマギアを相手に戦っていたキャロルとセレナも、装者と合流していた。

 

「吹っ飛びやがれー!」

「セレナ、大丈夫?」

「姉さん!こちらは大丈夫です!」

「ふん!やっと来たか」

「ったく。わざわざ援護に来てやったんだ。少しは感謝しろよ」

「ならさっさと来いというのだ」

「ああ!?」

「今は喧嘩してる場合じゃないデース!」

「…増援、更に来た」

 

売り言葉に買い言葉なキャロルとクリスは、一触即発の空気となるが、切歌と調がなんとか鎮める。

そのタイミングでトリロバイトマギアの一斉射が放たるが、散開することで回避する。

 

《ポイズン!》

「数ばっかり出てきおって!」

《Progrise key comfirmed. Ready for buster》

「貫けぇ!」

《バスターダスト!》

 

「鉛玉のプレゼントだ!」

【CUT IN CUT OUT】

 

キャロルのオーソライズバスターから、サソリの尻尾を模した特殊な弾丸が放たれ、複数のトリロバイトマギアを貫く。

さらに、キャロルと背中合わせのクリスの放ったミサイルは、複雑な弾道と共にトリロバイトマギアを一掃する。

 

「フッ…やるな」

「当たり前だッ!」

 

キャロルの賛辞にクリスはそっぽを向くが、照れているのは明白だった。

 

「ッ!?……おい!ここは任せるぞ!」

「はあ?っておい待てよ!……何なんだ一体?」

 

突然キャロルが頭を押さえると、すぐに七海が戦っている場所に向かっていった。

クリスはいきなりのことに訳が分からず、首をひねるのだった。

 

 

「行くデスよ調!」

「…うん、切ちゃん!2人で、合わせて!」

 

「「ハアアアア!」」

【切・呪りeッTぉ】

【γ式・卍火車】

 

切歌の鎌と調の鋸が、左右から挟み込むようにトリロバイトマギアを切り裂いていく。

 

「やったデス!」

「…うまくいった!」

「お二人とも、まだです!」

「デデス!?」

 

連携がうまく行ったことに喜ぶ2人だったが、生き延びたトリロバイトマギアがバズーカを構える。

セレナの声でそれに気付くも、咄嗟のことに2人の動きは遅れ、バズーカが撃たれる。

 

《ブリザード!》

「やらせません!」

《フリージングカバンストラッシュ!》

 

「切歌たちはやらせないわよ!」

【EMPRESS†REBELLION】

 

セレナの氷の斬撃が、バズーカの砲撃から切歌たちを守り、マリアの操舵剣が蛇のごとくうねり、トリロバイトマギアを切り刻む。

 

「まったく、油断しない!」

「ごめんなさいデース…」

「…ごめんなさい」

「まったく…」

「それより、お姉ちゃんたちの方がどうなったか…」

「ぐあッ!」

「ガハッ!」

「響!?翼!?」

 

セレナが七海の元に向かおうすると、ボロボロの響と翼が飛ばされてきた。

遅れて、ネリとモネが近づいてきた。

 

「アハハハッ!シンフォギアっていうのもこの程度か~。つまんないのー」

「ウフフフ…。仕方ありませんわ。私たちの目的は、あのお方のお迎えなのですから」

「くっ!不覚……」

「おい!大丈夫か!」

「クリス!?貴方キャロルと一緒に居たんじゃ…」

「それがあいつ、突然どっか行っちまってよ。とりあえずこっちに来たってわけだ。とりあえず、全員であいつらをやるぞ!」

「全員抜かるな!やつら、強い!」

 

翼の警告に、その場の全員が警戒するが、ネリとモネは構える様子を見せない。

 

「アハハハッ!どうせなら相手してあげたいけど、今回のメインはあっち」

「何…?七海たちがメインだと?」

「何を言ってやがるか知らねえが、んなもん構うな!」

「ウフフフ…。私たちはやり合うのは構いませんが、見ていた方が貴方たちの為ですわよ?」

「いったいどういう事デス?」

 

ネリとモネを警戒しながらも、装者たちが見たのはアウラネルにキックを放つ七海の姿、そして―――――。

 

遡ること数分前。

 

「こいつでも食らいな!」

【LAST∞METEOR】

「グハァ!」

 

奏が掲げた槍の穂先に竜巻が発生し、アウラネルはその奔流に吹き飛ばされる。

 

「どうだッ!」

「そういうところが…甘いのですよ!」

「うわッ!?」

「油断するな!」

 

奏に迫る歯車型のエネルギー体を、間一髪で七海が弾く。奏は手早く、七海に礼を言う。

 

「悪い、助かった!」

「ちッ…白黄七海…ッ!?」

「七海!大丈夫か!?」

「キャロル…?どうしてこっちに?」

「…いや、何となく嫌な予感がして、な」

 

アウラネルをオーソライズバスターの砲撃で足止めしたキャロルは、七海の問いに歯切れ悪く答える。

七海は気になったが、今は目の前の敵に専念するべきだと、気を引き締める。

 

「とりあえず、アイツを仕留めるぞ!天羽奏、行くぞ!」

「はいはいっと!」

 

キャロルがオーソライズバスターを撃ちながら、アウラネルに接近しタックルで吹き飛ばす。

さらに、奏の塔適した槍がスチームブレードを弾き飛ばす。

 

「オオオッ!」

「オリャァ!」

「グゥ!ガアア!」

「「今だ!」」

「これで決める!ハッ!」

 

2人の声に、七海はスクラッシュドライバーを下ろし、高く跳躍する。

 

――ジジ――オレ――題を――す時が―た―――目覚―ろ(なん、だ……?)」

 

これで決着が着く。そう思った時、彼女(・・)の頭に、最近頻度が高くなったノイズが走った。

そのノイズはいつもと違い、途切れ途切れ誰かの声が聞こえた。

その声は彼女(・・)にとって、聞きなれているような感じがし、自分に関係ないものだと割り切ることができなかった。

 

「(なんだ、何なんだこの声は……!?)」

《スプリングフィニッシュ!》

「ハアアアッ!」

 

七海が必殺技のスプリングフィニッシュを放とうとする間も、彼女(・・)はこの声の正体を探っていた。

 

キサ―の――もら――ぞ!―――貴様の意識、貰うぞ!

「(なッ…!?―――)」プツン

 

そして彼女の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

「ハアアアアアッ!」

 

七海のキックが、アウラネルに向かって放たれる。アウラネルはダメージのせいか動かない。

そして奏がいる場所を通り過ぎ、キャロルがいる場所も通り過ぎようとした時―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――キャロル(・・・・)が放った、オーソライズバスターの砲撃で撃ち落とされた。

 

「グアアアアアッ!」

「なッ!?」

 

無防備な体勢から攻撃を食らったことで、七海の必殺技は不発に終わり、地面に叩きつけられる。

 

「ガハッ!」

「おい!大丈夫か!?」

 

地面に打ち据えられ、肺の中の空気を全て吐き出した七海は、立ち上がることができなかった。

それでも、たった今起きた出来事の真偽を、どうしても確かめなければならなかった。

 

「……どう、して……キャロル……」

「……………」

「七海ちゃん!」

 

七海の問いかけに何も答えず、キャロルはオーソライズバスターを投げ捨て、さらに変身を解除する。

ショットライザーが乾いた音を立てて、バックルごと落ちた。

変身が解除されたキャロルは、目が群青色(濃い紫みの青)から燃えるような赤色に変わっていた。

そして、ことの一部始終を見ていた響たちも、七海の元に合流する。

 

「キャロルよ……これはどういうつもりだ!」

「な、何で七海さんを撃ったりしたデスか!」

「先生……どうしてですか!答えてください!」

 

セレナたちは、キャロルに七海を撃った理由を問う。

 

「相も変わらず、お前たちは甘さには反吐が出る。つまりは、こういう事だ」

「……お待ちしておりました。我らがマスター(・・・・・・・)

「なッ!?」

 

キャロルは身をひるがえし、アウラネルの元に歩く。そしてアウラネルとネリ、モネがキャロルの足元に跪いたのだ。

これを見た装者たち、そしてこの状況を同じように見ていたS.O.N.G.の司令室も驚愕し、誰も動くことは出来なかった。

 

「これが真実だ。そして……」

 

再び装者たちに向き直ったキャロルは、右手に大きなドライバーを召喚し、腰に当てバックルを巻く。

 

《サウザンドライバー!》

「ッ!?それは……!」

「そう……。その強大な力故に、お前が封印していたベルトと、このゼツメライズキー」

 

キャロルが「ゼツメライズキー」と呼んだプログライズキーに似た装飾のアイテムを、サウザンドライバーの左側に差す。

 

《ゼツメツ!Evolution!》

 

「そしてこのプログライズキーで……」

 

今度は左側に金色の装飾のプログライズキーの起動スイッチを押し、キー状態に展開する。

 

《ブレイクホーン!》

「この力は、このオレにこそ相応しい!……変身ッ!」

《パーフェクトライズ!》

 

キャロルが展開したプログライズキーを、サウザンドライバーの右側に差し込む。

すると、ベルト中央の「ゲートリベレーター」が観音開きに開き、コーカサスオオカブトのライダモデルが召喚されキャロルの周囲を飛び回る。

さらに、絶滅種のデータイメージである「ロストモデル」の一つ。アルシノイテリウムのロストモデルが現れ、こちらもキャロルの周囲を駆け回る。

 

《When the five horns cross,the golden soldier THOUSER is born.》

 

コーカサスオオカブトのライダモデルの角と、アルシノイテリウムのロストモデルの角が交わり、5本の角を持つ戦士の装甲へと姿を変えた。

 

《Presented by Alchemist!》

 

 

「仮面ライダーサウザー……。憶えておけ、これが奇跡の破壊者だ……!」

 

 

 

 




サウザーの変身音の最後って、みんなお馴染み「ZAIA」なんですけど、この世界にZAIAはないので「Alchemist(アルケミスト)」つまり錬金術師に変えました。
最初はキャロルにするか迷いましたが、それだと自己顕示が強すぎるので、アルケミストに決定しました。

キャラクター説明

立花響/ガングニール
原作「戦姫絶唱シンフォギア」の主人公。
初めから敵愾心を持っていた翼と奏と違って、仮面ライダーグリスとは初めから歩み寄ろうとしていた。
小日向未来が原因で、意図せず七海とショッピングに行くことになった際は、彼女と話し合い、少しだけだが仮面らいが―グリスないし白黄七海という人間を理解する。(ショッピングに行く前は、まだ正体を晒していなかった)
また、その際の七海の言葉によって、たとえ相手だろうと歩み寄ろうとする彼女のスタンスを貫き通すことを決める。
しかしそれは、守りたい人たちを危険に晒してまでするのではなく、相手を無力化してから話し合うという意味である。
フィーネとの最終決戦ではエクスドライブモードを発現し、キャロルの放ったオオカミ型のエネルギー弾と心を通わせるという現象を引き起こした。




好きな戦闘シーンはどれ?(作者が個人的に好きなシーンの中で)

  • オーバーグリスのデビュー戦
  • バイカイザー戦
  • 七海と黒夜の決着
  • フィーネとの決戦
  • 他のシーンが良かった
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