台風が近づいてますね。皆さんも気をつけてください
《3人称side》
蝉の声が響く真夏の公園に、七海の姿はあった。
木製のベンチに腰掛け、手にはL字型のアイテムを持っていた。
「(ハザードトリガー、か……。解析しようにも、複雑な暗号と強固なプロテクトのせいで不可能……)」
七海が持っていたのはハザードトリガー。七海の姉、宵姫黒夜が制作した仮面ライダービルド強化アイテムだ。
黒夜が亡くなった後、彼女が持っていたアイテムは七海が回収したのだが、その中にはハザードトリガーもあった。
七海はもしもの手として、ハザードトリガーの使用を考えていたが、いざ解析しようとすると、黒夜の手によって張られたプロテクトが邪魔をするのだ。
「キャロルの裏切りに気付けず、皆を守れず……はぁ、私は何をしてるんだろ……」
「ずいぶんとお悩みのようだなぁ、白黄七海」
「ッ!?キャロル……」
突如かけられた声に、七海が立ち上がり周囲を見渡すと、キャロルとアウラネル、ネリとモネもいた。
「ふん……随分と辛気臭い顔をしているな」
「……うるさい。貴女なんかに……!」
「少なくとも、理解はしてやれるぞ?なんせ、オレはこいつの記憶を見れるのだからな」
「その言い方はつまり、貴女はキャロルじゃないということ……貴方は誰なのかな?」
キャロルと受け答えしながら、背後に回した手で通信機を操作しS.O.N.G.に救援信号を発信する。
「貴様も錬金術師の端くれなら……自分で答えを探すんだな!ネリ、モネ!」
キャロルの声に、ネリとモネがネビュラスチームガンにギアを装填する。
《 《ギアリモコン!》 》
《 《ギアエンジン!》 》
《 《ファンキーマッチ!》 》
「バイカイザー」
「潤動」
《 《フィーバー!》 》
《 《パーフェクト!》 》
「バイカイザー、参上」
「ヘルブロス、推参」
ネリは赤と青のバイカイザーへと、モネは青と白のヘルブロスへと変身した。
七海もスクラッシュドライバーを装着し、ロボットスクラッシュゼリーを装填する。
《ロボットゼェリィィ!》
「変身」
《潰れるぅ! 流れるぅ! 溢れ出るぅ!》
《ロボッットォイングゥゥリスゥゥゥ!》
「心火を燃やして、ぶっ潰す……!」
「やれ」
仮面ライダーグリスに変身した七海に、ネリとモネが襲い掛かった。
そして、S.O.N.G.司令室では、七海の救援信号を察知した弦十郎やオペレーターの声が飛び交っていた。
「現場はどうなっている!」
「七海ちゃんがバイカイザーならびに、未確認のライダーシステム、さらに複数のトリロバイトマギアと交戦しています!また、その付近にキャロル、アウラネルもいる模様!」
「装者たちへの通達は!」
「すでに装者たちは現場に急行しています!セレナちゃんもすぐに向かうとのことです!」
画面では交戦を開始している七海が映し出されていた。
その画面を見ながら、了子は首を捻る。
「片方は、七海ちゃんからデータをもらっていたバイカイザーね。もう一体は何かしら?どことなくアウラネルが変身していた、エンジンブロスとリモコンブロスを足したみたいな感じね」
「あの2体が似た姿をしていることから、おそらくバイカイザーと同じように、2つのギアを使用したのだろうな。実力は未知数。だが、こちら等も一部だが例の改修が完了しているのが幸いだな」
「装者たちとセレナちゃんが現場に到着、戦闘に介入します!」
「来たか!」
公園では七海が、襲い来るトリロバイトマギアと戦っていた。
「ハッ!でやああ!」
振り下ろされるコンバットナイフを弾き、ラリアットの要領で地面に引き倒す。
さらに背後から飛びかかってきたマギアを、地面に転がりながらも投げ飛ばす。
「らぁ!」
ツインブレイカーから光弾を撃ち、正面の3体を撃ち抜く。
「はぁ、はぁ…はっ!?」
「アハハハッ!久しぶりだねぇ!遊ぼうよ!」
「ウフフフ…。マスターの命令です。楽しませてくださいね?」
「くっ!」
荒い息をする七海に、ネリとモネが襲い掛かる。
七海は2人が振るうスチームブレードを、ツインブレイカーで受け止め、身体を逸らして躱していくが、徐々に追い込まれる。
「アハハハッ!ほら!」
「ガッ!だあああ!」
ネリがスチームブレードを振り抜き、七海は後ろに吹き飛んだが、体勢を立て直し背後の木を足場に2人に突撃する。
「ウフフフ…甘い!」
「ガッ!?」
しかし、モネがライフルモードへと変形させたネビュラスチームガンで撃ち落とされる。
地面に倒れる七海にネリとモネが近づくが、その前に炎の鳥が舞い降りた。
「お姉ちゃん!」
「セレナ……?」
「あたしたちもいるぜ!」
「デェス!」
【LAST∞METEOR】
【切・呪りeッTぉ】
遅れて竜巻と3枚の刃がネリとモネに飛来する。
それらは全て振り払われるが、その隙に装者たちが七海の元に集っていた。
「装者6名、現着しました」
「大丈夫、七海?」
「アハハハッ!増えた増えた!もっともっと楽しませてよ!」
「上等だ!」
「交戦を開始する!全員、適切な行動をしなさい!」
奏が意気揚々と先陣を切り、一瞬遅れて響と翼、七海が動きだす。
「アハハハッ!そう簡単に行かせないって!」
「それはこちらのセリフでもある!」
「あんまり好き勝手されたくないのよ!」
「風鳴翼にマリア・カデンツァヴナ・イヴ!貴方たちに、私を止められるかなぁ!」
バイカイザーのネリを、翼とマリアが足止めする。
ネリの振るうスチームブレードと、翼の刀が激突する。
「ウフフフ…」
「させるかデス!」
「…やらせない」
「貴女たちはこの間の……ウフフフ…貴女たち程度で、私をどうにかできるとでも?」
「そのためにたくさん訓練をしてきたデス!」
「…前の様にはいかない!」
ヘルブロスであるモネに、切歌の鎌と調の鋸が振るわれる。
だがモネは2人の武器を狙い撃ち、強制的に後ろに下がらせる。
「ふん……装者たちも出てきたか。丁度良い。アウラネル例の装備を使え」
「了解しました、マスター」
キャロルの命を受けたアウラネルは、トリロバイトマギアをなぎ倒す七海たちの前に出る。
そして右手に持った物体を腰に近づけると、その物体からバックルらしき物が現れ、その棘を身体に食い込ませ固定する。
「アウラネル……!」
「あれって、ベルト?」
「おいおいまさか…!?」
「そのまさかですよ」
《ポイズン!》
「フォースライザーの力を、見せてあげましょう。変身」
アウラネルはスティングスコーピオンプログライズキーを展開せず、腰のフォースライザーに装填。レバーを引き、プログライズキーを強制展開する。
《フォースライズ!》
《スティングスコーピオン!》
《Break down》
「仮面ライダー
「仮面、ライダー……」
《アタッシュアロー!》
「やる気満々ってか」
「クリスちゃん!」
「分かってるよ!持ってけぇええ!」
「……ここは彼女たちに任せる」
クリスがアウラネルに向けて弾幕を張り、その隙に七海、セレナ、奏はキャロルの元にたどり着いた。
「キャロル……」
「先生……」
「くどい。未だにありえん可能性に賭けるか。オレは貴様らの敵だ。それをはっきりさせてやろう」
《ゼツメツ!Evolution!》
「今回はテストのつもりで来たが、もう一度、現実を教えてやろう」
《ブレイクホーン!》
「変身ッ!」
《パーフェクトライズ!》
《When the five horns cross,the golden soldier THOUSER is born.》
《Presented by Alchemist!》
ライダモデルとロストモデルがアーマーを形成し、キャロルは仮面ライダーサウザーに変身する。
七海とセレナが警戒する中、奏は拳を握りこみ震わせていた。
「……テストだって?」
「なんだ?」
「こんなもんのテストの為に、お前たちは、多くの人を危険に晒したっていうのか?」
「そうだ。アウラネルらを作り、フィーネを利用したのも、このオレが
「そんなもんで、そんなもんの為のせいで………お前らは、たくさんの人を殺したのか!!」
「そうだ……といったらどうする?」
「てめええええ!!」
キャロルの態度に激昂した奏は、大槍を振り上げ斬りかかるも、いとも簡単に槍を掴まれ動きが止まってしまう。
「ふん。勇敢と無謀をはき違えているな」
「うるせえッ!家族を失ったあの日から、あたしの心の奥底には、未だに憎しみが宿ってんだ!」
「良いことだ。憎しみとは強い力になる。このオレの様にな!」
「ぐッ!?」
驚愕に包まれた奏に、キャロルは槍を引っ張る。
急なことに奏の体勢が崩れ、キャロルはサウザンドジャッカーを振るう。
奏は何とか腕の装甲で防ぐが、すぐにその行動が間違いであったことに気付く。しかし時すでに遅し。
「しまった!」
「遅い」
《ジャックライズ!》
「ウ、グアアアア!?」
「ガングニールのデータ、貰っていくぞ」
「ガッ!?」
奏を蹴り飛ばしたキャロルは、サウザンドジャッカーのトリガーを押し、伸ばしたレバーを戻す。
《JACKING BREAK!》
「ハア!」
「グアアアア!?」
JACKING
BREAK
巨大な竜巻の奔流が奏を襲い、大きく吹き飛ばした。
「ガハッ!」
『奏さんのバイタル、大きく低下!これ以上は危険です!』
『すぐに撤退しろ!奏、撤退するんだ!』
朦朧とする意識の中で、奏は自身の敗北に打ちのめされていた。
どんなに高く飛ぼうとしても、それよりも高くそびえる壁に遮られる。
失意に沈む奏の頭に、過去の記憶が蘇る。他でもない、家族を失ったあの日の出来事だ。
「(走馬灯、か?……はは、あたしもここで終わりか……)」
薄れゆく意識で見えたのは、キャロルと交戦している2人だった。
何を思うわけでもなく、奏はそのまま意識を失い――――
気づけば立ち上がろうとしていた。
「(あたしは何を、してるんだ?)」
震える手で体を起こし、痙攣する足で地面を踏みしめようとする。
奏はその様子を、自分の身体でもあるはずなのに、他人事のように感じた。
「(やめろ……やめてくれ!もう終わったんだ。あたしはあいつに勝てない。何度やったって、あたしじゃ!)」
「これなら!」
《フリージングカバンストラッシュ!》
「そのデータも貰って行こう」
《ジャックライズ!》
セレナが放った氷の斬撃をサウザンドジャッカーで受け止めつつ、キャロルはジャックライズでデータを収集する。
それを終えると氷の斬撃を粉砕し、今度はキャロルが氷の斬撃を飛ばす。
「お返しだ!」
《JACKING BREAK!》
「ッ……!」
「やらせるかぁ!」
《Ready go!》
《レッツブレイク!》
すんでのところで七海が割って入り、クローズドラゴンをツインブレイカ―に装填。氷の斬撃をレッツブレイクで砕く。
両者の動きは一瞬止まり、再び走り出す。
―――ドクンッ
―――欲しい
あの力が、奪われないための力が欲しい。
―――ドクンッ
―――あの力ならあるだろう?
あの錬金術師と同じ力が。貴様はそれを既に手にしている。
さあ、言え。口にしろ。叫べ。お前の欲しい力を。
―――あたしは、欲しい。
―――守るための力が、奪われないための力が、やつらをぶっ潰すための力が!
―――今ここに、1人の
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キャラクター紹介
暁切歌/イガリマ
金髪で明るい巨乳っ娘。
マリアたちと日本に亡命後、S.O.N.G.に装者として加入する。
まだ戦闘経験が少なく、恐怖にすくむことがあるが、それでも仲良しの調と共に訓練を繰り返し、一人前になりたいと思っている。
装者たちの切り札、どっちが良い?(本編に関係はありません)
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イグナイト
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デュオレリック
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心象変化ギア