錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

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遅れてすいません。課題が…課題がぁ……


53 再誕

《3人称side》

 

「アハハハッ!」

「「グアアッ!!」」

「ウフフフ…」

「「キャアアッ!」」

 

ネリとモネを足止めしていた装者たちは、全員苦戦していた。

2体の戦闘能力はもちろん、ライダーシステムという力が、彼女たちを追い詰めていた。

 

「翼さん!マリアさん!」

「暁!月読!」

「余所見をしている暇があるのですか!」

「ぐッ…!」

 

アウラネルと戦っている響とクリスも、アウラネルの戦闘力に怯んでいた。

新たな仮面ライダーとの戦いは、彼女たちの思っている以上に疲労を与えていたのだ。

 

「このやろぉ!」

「苦し紛れの攻撃など……」

 

クリスが小型のミサイルを放つが、アウラネルはアタッシュアローから一本の矢を放つ。

その矢は途中で分裂しミサイルを撃ち落とすが、その勢いは衰えずクリスへと向かっていく。

 

「くっ!オオオッ!?」

「クリスちゃん!ダアアアッ!」

 

クリスはリフレクターを展開し、なんとか矢を防ぐ。

響はアウラネルが再びアタッシュアローを構えるのを見て、そうはさせまいとパンチを放つ。

しかし、その拳はいとも容易く掴まれる。

 

「そんなッ!?」

「弱い、弱すぎますね……フン!」

「ぐッ!ガアアア!」

 

アウラネルは見本を見せるかのように、響にパンチを放つ。

その拳は響を捉え、大きく吹っ飛ばした。

 

「これが貴方たちと私たちの差……それではさようなら」

「くッ……ここまでか…」

 

翼が無念そうにつぶやいた時、アウラネルに向かって一本の槍が飛んできた。

 

「ッ!?…貴女は」

「やらせない……」

「奏……?」

「奏さん?」

 

アウラネルが背後を向くと、そこには棒立ちの奏がいた。

彼女の髪は乱れ、服は際どく破れている。しかし、その目は死んではいなかった。

奏は手に持ったショットライザーのバックル(・・・・・・・・・・・・・)を腰に巻く。

 

「ハッ!……あれは?彼女、一体何をするつもりで…ッ!?くッ!」

 

その様子に、キャロルと戦っていた七海も気になるが、キャロルの攻撃でそれどころではなくなる。

そして奏は、右手に持ったシューティングウルフプログライズキーを起動させる。

 

《バレット!》

「奏…まさか!やめろ!貴女ではそれは使えない!」

 

七海は奏が何をするつもりなのか察すると、やめるように叫ぶ。

だが、奏は聞く耳を持たず、右手でプログライズキーを握りしめ左手でも掴み、強引にこじ開けようとしだした(・・・・・・・・・・・・・・)

 

「ぬぐッ…うう、ウウアアアアアアア!!」

「まさか…プログライズキーをこじ開けるつもりですか?」

「アハハハッ!そんなの無理に決まってるじゃん!」

「ウフフフ…。まさか、ここまで愚かとは。救いようがありませんね」

 

あらん限りの声を出してプログライズキーをこじ開けようとする奏を、ネリとモネは小馬鹿にしたように笑う。

しかし、アウラネルはその様子を笑う事もなく見つめていた。

 

「アアアアアアアッ!!」

「アハハハッ!諦めが悪いなぁ」

「うるせぇ!何がロックだ。何が感情の発現だ!そんなもの…関係ねえ!もう、何も奪われないために!あたしは……こんなところで終わってられねんだよおおおお!!ウアアアアアアアッ!!」

「……ここまで、ですか」

「ッ!?奏、逃げて!」

 

アウラネルが奏に向けて、アタッシュアローを引き絞る。

翼の声もむなしく矢が放たれようとした瞬間、シューティングウルフプログライズキーに青い炎のような幻影が現れ、そして―――

 

―――ミシッ、と音が響いた。

 

「ッ!?これは……!?」

「お前らを…ぶっ潰す!ウアアアアア!!」

 

ミシッ、ミシミシミシミシッ!……パキンッ!!

 

「「「「開いた!?」」」」

「ッ!?嘘っ!?」

「なんだと!?」

 

シューティングウルフプログライズキーが開かれた。

プログライズキーを無理矢理こじ開けるという、まさかの光景に、アウラネルは思わず手を止め、七海とキャロルですら驚愕した。

 

「ふん!」

《バレット!》

《オーソライズ》

《Kamen Rider…Kamen Rider…》

 

開いたプログライズキーを、ショットライザーに装填し、銃口を真正面に向ける。

そして、あのワードを心の底から叫ぶ。

 

「変身!!」

《ショットライズ!》

 

その一声と共に撃ちだされた銃弾は、途中で軌道を変え奏へと向かう。

その銃弾を、奏は引き絞った左腕を思いっきり突きだし殴りつける。

 

《シューティングウルフ!》

《The elevation increases as the bullet is fired》

 

殴られ分解した銃弾は、青と白のアーマーへと姿を変え、奏を包み込む。

そして1人の仮面ライダーバルカン(オオカミ)が再誕した。

 

「ウオオオオオオッ!」

「まさか…本当に変身するとは……」

「アハハハッ!面白そうじゃない!」

「ウフフフ…。脅威の芽は摘み取りましょう」

 

静かに驚愕するアウラネルをよそに、ネリとモネは2体で奏へと襲い掛かる。迫る2体に、奏も走りだす。

 

「どいてろぉ!」

「ウソっ!?」

「背後をッ……」

「「ぐあッ!」」

 

2本のスチームブレードが奏に迫るが、それを奏は跳躍して回避。同時に背中を取った2体へショットライザーを連射し、銃弾を叩き込む。

次に奏はアウラネルを視界に収めると走り出す。

アウラネルは冷静にアタッシュアローを左手で構え、警戒体制を取る。

 

「おらぁ!」

「フッ!」

「ガッ!?」

 

奏のパンチを右手で逸らし、同時にアタッシュアローの斬撃で反撃する。

よろめく奏に近づき、次々と斬撃を食らわせていく。

 

「ハァ!」

「うわぁ!」

「終わりだ」

「うわあああッ!」

 

アタッシュアローの切り上げで吹っ飛ばした奏に、今度は数本の矢を放つ。

矢は奏の周囲に着弾し、爆発を起こして奏も巻き込まれる。

 

「ふん……ッ!?」

《オーバーライズ!》

《ショットライズ!》

 

こんなものかとアタッシュアローを下ろしたアウラネルに、爆発で起きた煙の中から、1匹の狼の幻影が飛び出て来た。

襲い掛かる狼を、辛うじてアタッシュアローで跳ね除けると、その狼は再び煙の中へ戻っていく。

 

《レディーゴー!アサルトウルフ!》

《No chance of surviving》

「ウオオオッ!」

《オーソライズバスター!》

 

次に煙の中から飛び出てきたのは、アサルトウルフのバルカンだった。

空中でオーソライズバスターを撃ち、アウラネルを怯ませる。さらに着地と同時に、オーソライズバスターの銃身を開き、グリップを真っ直ぐにする。

 

《アックスライズ!》

「オラァ!」

「ぐッ!ハアア!」

 

オーソライズバスターをアックスモードにした奏は、勢いそのままにアウラネルに斬りかかる。

アウラネルもアタッシュアローを使って応戦するが、一撃の重さは奏の方にあるのか、防御ごと切り崩される。

 

「こいつで!」

《パワー!》

《Progrise key comfirmed. Ready for buster》

「……………」

 

奏はパンチングコングプログライズキーを、オーソライズバスターにスキャンする。

アウラネルもフォースライザーのレバーを動かし、プログライズキーを1回開閉する。

 

「ラァアア!」

《プログライズボンバー!》

「ハッ!」

   

    

     

    

 

奏はオーソライズバスターを振るい、ナックルデモリッション(パンチングコングの武装)の形のエネルギー弾を飛ばす。

アウラネルも左腕からサソリの尻尾を模した刺突ユニット「アシッドアナライズ」を伸ばす。

エネルギー弾とアシッドアナライズは真正面からぶつかり合い、エネルギー弾がアシッドアナライズを破壊していく。

しかし、エネルギー弾も爆発し両者を爆風が撫でる。

 

《アサルトチャージ!》

「オオオオッ!!」

《マグネティックストームブラストフィーバー!》

「……フッ!」

《スティングディストピア!》

 

右足にオオカミの頭部を模したエネルギー体を形成した奏は、オーバーヘッドキックの要領で回転しながらキックを叩き込む。

対するアウラネルも、エネルギーを纏った上段蹴りで奏に対抗する。

 

「アアアアッ!」

「……フン!」

 

必殺技のぶつかり合いは………奏が制した。

 

          ブ ラ ス ト

                 

                  

                   

                 

                 

 ス ト ー ム

 

 

奏のキックがアウラネルに叩き込まれ、アウラネルは吹き飛んだ。

 

「アウラネルがやられたか」

「………次は、てめえの番だ!」

「キャッ!?」

 

奏はキャロルと戦っていたセレナを突き飛ばし、荒々しく殴りかかる。

しかし、キャロルはサウザンドジャッカーを使い奏の攻撃を受け流していく。

 

「がぁ!」

「まさしく獣、そんな奴がこの力を使うとはな!」

《ジャックライズ!》

「ぐッ!?ガア、アアッ!」

 

奏からアサルトウルフのデータを収集したキャロルは、サウザンドジャッカーのレバーを戻す。

 

《JACKING BREAK》

「ハァ!」

「奏!くそ!」

 

キャロルが振るうサウザンドジャッカーから、オオカミの頭部を模したエネルギー弾が飛ばされる。

咄嗟に奏を押しのけた七海が、エネルギー弾に捕まり上空に打ち上げられる。

そして上空には、跳躍していたキャロルが待ち構えており、高く掲げた右足を振り下ろしかかと落としを食らわせる。

 

JACKING

 

 BREAK

 

「アアアアッ!」

 

七海は地面に叩きつけられ、変身が解除されてしまう。

そして、キャロルの足元に七海が持っていたハザードトリガーが転がった。

 

「これは……?ほう、中々面白そうだな」

「かえ、せ……」

「ふっ……それじゃあな」

 

それだけを言い残して、キャロルは転移してしまう。

気づけばネリとモネ、アウラネルにトリロバイトマギアも消えていた。

 

「う、あ……」

「お姉ちゃん!」

「七海ちゃん!」

 

キャロルの必殺技を食らった七海は、セレナに抱えられながら息も絶え絶えになっていた。

その様子を見た奏は、変身を解除し膝から崩れ落ちた。

 

「あたしの、せいで……」

 

呆然と呟く奏の視線は、手に持ったショットライザーに向いていた。

 

 

 

 

 




というわけで、奏がバルカンに変身です。奏バルカンは、キャロルバルカンよりも荒々しく戦うのが特徴です。ちなみに、オーソライズバスターは基本アックスモードを使用します。

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キャラクター紹介

月読調/シュルシャガナ
黒髪ツインテのロリっ娘。
マリアたちと共に日本に亡命後、S.O.N.G.に加入する。
炊事家事洗濯が得意で、装者最年少ながらもシュルシャガナを纏い戦う。
戦闘経験が少ないため、恐怖にすくんでしまうことがあるが、仲良しの切歌と共に訓練に励み、一人前になりたいと思っている。

装者たちの切り札、どっちが良い?(本編に関係はありません)

  • イグナイト
  • デュオレリック
  • 心象変化ギア
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