《三人称(奏)side》
「おらぁ!」
奏が振るうオーソライズバスターを、アウラネルはアタッシュアローで受け流す。
「フッ!」
「グゥ!」
振り下ろされるオーソライズバスターを、半身になって躱すと同時に蹴りを放つ。
胸部に食らった奏は数歩下がり、アウラネルはアタッシュアローから矢を放ち追撃する。
「寝ていなさい」
「やだね!」
《ガンライズ!》
しかし、奏は地面を転がることで回避し、さらにガンモードのオーソライズバスターで
迎撃する。
紫色の矢と黄色の砲弾が激突し、爆発を起こした。
「ウオオオオッ!」
オーソライズバスターを投げ捨てた奏は、煙の中を突っ切って殴りかかる。
不意を突かれたアウラネルはその身に拳打をあびるが、しかし一筋縄ではいかず、蹴りを屈んで回避し、そのままアタッシュアローの斬撃を浴びせていく。
「フン!」
「グアアアッ!」
さらに、零距離から放たれた矢によって、奏は火花を散らしながら倒れる。
しかし、すぐに立ち上がり再びアウラネルに向かっていく。
「おまえだけはぁ!」
「憎しみを胸に戦うか」
「だからどうした!てめぇらがソロモンの杖を使って、あの時、ノイズを使わなけりゃ!響が戦うことも!いろんな人が傷つくこともなかった!お前らのような奴がいるから!ずっと、ずぅっと!あたしの心から憎しみが消えねえんだよ!」
トリロバイトマギアと戦っていた翼は、奏の様子にエルフナインの言葉を思い出す。
『翼さん。奏さんが再びアサルトウルフに変身すれば、また奏さんが暴走する危険性があります。奏さんの様子には気をつけてください』
「くッ!まさか今の奏は……やめろ奏!」
奏が暴走しかけていることに気付いた翼は、アウラネルを殴り飛ばした奏の肩を掴み、必死に呼びかける。
しかし、アサルトウルフでも抑えきれない奏の強い感情は、そう簡単に止まることはない。
「どけぇ!」
「奏!」
「………」
《サンダー!》
「ハッ!?奏!」
《ライトニングカバンシュート!》
アウラネルがアタッシュアローを構えるのを見た翼は、奏を突き飛ばす。
その一瞬後、アタッシュアローから雷を纏った矢が放たれた。
「「うわあああああ!?」」
吹き飛んだ2人は地面に叩きつけられ、バルカンもシンフォギアも解除される。
アウラネルは倒れ伏す翼に近づき、首を掴んで持ち上げる。
「ぐッ……ガッ…ァ……」
「つば、さ」
奏は翼に這いつくばりながらも手を伸ばす。だが、その手は届かない。
「かな、で……」
「まずは一人」
「やめろ……やめろぉぉおお!!(失いたくない!奪われたくない!もう、守れないのは嫌だ!)」
アウラネルがアタッシュアローを振り上げる。
奏の叫びもむなしく、アタッシュアローは振り下ろされ、そして奏の意識を目映い光が覆った。
「ッ!?ここは……」
気づけば、奏は
真っ暗な穴をゆっくりと落ちていく。
「あたしは、死ぬのか?……いや、そんなのどうでも良い。翼は、翼はどうなる?」
奏は必死に手を伸ばす。だがその手を掴む者はいない。
「ちく、しょ……いやだ、いやだ。もう、失いたくない。失いたく…ないんだ」
このまま暗闇に落ちていく。そう思われた時、彼女の手を引く手があった。
男性らしき手で引かれた奏は、いつの間にか白い空間にいた。
「今度はなんだよ」
「……お前の夢はなんだ?」
「ああ?」
奏の目の前には、コートを着た男性が立っていた。彼は奏に問う。
「……お前の夢はなんだ」
「あたしの、夢。そんなの、アイツらをぶっ潰すことだ!」
「それが、本当におまえの夢か?」
「なんだと……?」
「おまえにも夢があったはずだ。今ある憎しみじゃない。純粋な夢が」
目の前にいる男の言葉が、奏の心を刺激する。込み上げる怒りのままに、男に掴みかかる。
「ふざけんな!あいつらのせいで、私の夢は消えた!もう、あの時のような夢なんて……!」
「あるだろ。お前にも、守りたいやつが」
「私の、守りたい……?」
その時、奏のポケットが光を放つ。光を放っていたのは、ランペイジガトリングプログライズキーだった。
「こいつは……」
「お前の守りたいもの、お前の夢に反応したんだ」
「あたしの夢に……」
奏の様子に満足した男は、奏の背中を押して近くに空いている穴につき落とした。
「あとはお前次第だ。ほら、行って来い」
「え?っておい!?やめ、押すなってぇえええええええ!?」
「今のお前なら、落ちることもないだろう」
「てめえ絶対憶えてろよぉおおおおおお!?」
「ぐッ…かな、で……」
「散りなさい!」
翼に向けてアタッシュアローが振り下ろされ……割り込んだ奏のショットライザーによって防がれた。
「何ッ!?」
「その手を……離しやがれぇ!」
アタッシュアローを弾き、零距離でショットライザーを撃つ。
「大丈夫か翼!」
「かな、で……」
「待たせたな……あたしはもう大丈夫だ」
「憎しみを抱き、闘争本能に支配される貴女に何かを守れると?」
「守ってやるさ。叶えたい夢ができた……いや、思い出したからな」
どこかすっきりとした表情の奏は、ショットライザーのバックルを腰に巻く。
そして取り出したのは、青いプログライズキーに円状のマガジンが付いたランペイジガトリングプログライズキー。
「どれだけ足掻こうと、貴女のデータは私にラーニングされている。変身しようと無駄だ」
「…………憎しみに囚われた夢を見るのはもうやめだ!あたしが守りたい夢、叶えたい夢。これから忙しいんでな」
《ランペイジバレット!》
「そんな暇ぁねえんだよッ!!ウアアアアアアアアアッ!!」
リミッターを解除するためのスイッチ「ガトリングリミッター」を押し、プログライズキーを力任せに展開する。
「フンッ!」
《オールライズ!》
《Kamen Rider......Kamen Rider......》
ランペイジガトリングプログライズキーをセットしたショットライザーを、バックルから外し銃口を正面に向ける。
「変身ッ!!」
《フルショットライズ!》
その言葉と共に引き金を引き、アウラネルに向かって歩き出す。
放たれた一発の銃弾が、複数のライダモデルに分離する。
ライダモデルは一斉にアウラネルに攻撃を仕掛け、その内の数体から生成された5発の銃弾が奏に向かって飛んでくる。
「グゥ!」
先頭の一発が奏の右肩にぶつかり、右腕を深い青色の装甲が包む。
「ガッ!」
次の一発が左足にぶつかり、左足を装甲が覆う。
「ダッ!グッ!ダァ!」
残り3発も左腕、右足、胴体にぶつかり、装甲で覆われる。
残った顔も装甲が包み、さらにライダモデルが装甲へと形を変え、奏の左半身へと装着される。
それに加え、左複眼の目元にも各ライダモデルの色のパーツが装着された。
《Gathering Round! ランペイジガトリング!》
《マンモス!チーター!ホーネット!タイガー!ポーラベアー!スコーピオン!シャーク!コング!ファルコン!ウルフ!!》
「ウオオオオオオオオッ!!」
仮面ライダーランペイジバルカン。10種のプログライズキーのデータを使用することで、完成したバルカンの究極の形態。
「オオオオオオ!!……ダァッ!」
咆哮を終えた奏は、再びアウラネルに向かって歩き出す。
トリロバイトマギアが奏に攻撃を仕掛けるが、奏はショットライザーで撃ち抜いていく。
「おらぁ!」
ナイフで斬りかかってきたマギアを左腕で受け止め、ショットライザーで撃ち抜く。
続く2体を殴り飛ばし、背後から襲いかかるマギアを背負い投げる。
「邪魔をするな!」
《パワー!スピード!ランペイジ!》
「フン!」
《ランペイジスピードブラスト!》
ランペイジガトリングプログライズキーのマガジンを2回回し引き金を引く。
「行くぞ!」
チーターのライダモデルの力によって超高速で動き、マギアに拳打を浴びせる。
「ハッ!オオオッ!」
次はファルコンのライダモデルの力で飛翔する。
そのままホーネットのライダモデルの力で、蜂の針を模したエネルギー弾で爆撃してマギアを一掃した。
「フッ!」
「ッ!ラァ!」
着地した奏に、アウラネルがアタッシュアローで斬りかかる。
奏もオーソライズバスターを取り出して迎撃する。
「……くッ。私はこんなものなのか。奏が立ち上がったというのに、私は……いや、良いわけない!」
翼も傷をこらえて立ち上がり、シンフォギアのペンダントを強く握る。
「私だって、諦めたくない!夢を、未来を!」
「
聖詠を歌い、天羽々斬を纏った翼は、左腕に装着されている「コネクティブユニット」のダイヤルを回し、中央のボタンを押す。
「デュアルシステム、コネクト!」
《デュアルリンク!アメノムラクモ》
翼のシンフォギアの姿が変わり、頭には鉢巻き、サムライを思わせる姿に変わった。
これが『Project:DUAL』によって開発された新兵装「デュアルシステム」。
6つの聖遺物の欠片から作られた特殊な兵装を、従来のシンフォギアに加えて、もう1つのシンフォギアとして展開することで、反動を減らし尚且つスペックを上げることに成功した。
「これが新たな力……使いこなさせてもらうさ」
左腰に着けられた刀「天叢雲剣」を抜刀し、更に右腰の「天羽々斬」も抜刀する。
「セヤアアッ!」
翼は2刀流でトリロバイトマギアに斬りかかる。
見る者に美しいと感じさせる剣技で、次々と切り捨てていく。
「翼ッ!?その姿は……」
「奏。貴女だけじゃない。私も戦う!」
「へッ!ああ、行くぜ翼!」
「「オオオオッ!」」
2人は同時にアウラネルに攻撃を仕掛ける。
最初に斬りかかった翼の刀を、アウラネルはアタッシュアローで防ぐ。
刀を弾き、奏のオーソライズバスターの一撃を横転して躱す。
「フッ!」
「させるか!」
「ハァア!」
アウラネルが矢を放つが、奏がオーソライズバスターを盾にして防ぎ、その背後から翼が飛び越して斬りかかる。
奇をてらった攻撃をアウラネルは防ぐことは出来ず、2振りの斬撃に切り裂かれる。
「ヌゥ……!」
「これで止めだ!」
奏はマガジンを一回回し、引き金を引く。
《パワー!ランペイジ!》
《ランペイジパワーブラスト!》
「ラァアアアア、ダァ!」
「ヌァ……!」
コングの力を得た右腕を地面に叩きつけ、地震を発生させてアウラネルの動きを止める。
「フン!」
「グァ!」
さらに右足を振り上げ、マンモスのライダモデルを模したエネルギー体で蹴り上げる。
そのまま跳躍した奏は、シャークのライダモデルの力で威力を増した回し蹴りで、アウラネルを吹き飛ばした。
「ハッ……ハアアアア!」
ラ パ ワ ー ブ ラ ス ト
ン
ぺ
イ
ジ
「グ、オオオ……」
「翼、こいつで決めるぞ!」
「ああ、私たちなら、どこまでも飛んでいける!」
奏はマガジンを4回回し、翼は2振りの刀を合体させる。
《パワー!スピード!エレメント!オールランペイジ!》
「フン!ハアアアア………」
「受けてみろ、防人の剣を!ハアアアア!」」
【叢雲ノ一閃】
翼はアウラネルに接近し、合体させた刀を振り抜いて切り裂き打ち上げる。
「ハアアア……ハァ!」
そして左背面部の翼をアンカーとした奏も、10種のライダモデルの力を集結させたウルフ型のライダモデルを放つ。
撃ちだされたライダモデルは、虹色の光を放つ銃弾に変わり、空中のアウラネルを貫いた。
ラ オ ー ル ブ ラ ス ト
ン
ぺ
イ
ジ
「グアアアアアアッ!」
「ランペイジオールブラスト」に貫かれたアウラネルは爆散。
新たな力を得た2人に撃破された。
ランペイジバルカンとーうじょーう!
個人的にはゼロワンライダーの中で、一番好き。
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キャラクター紹介
アウラネル/仮面ライダー滅
敵対したキャロルに付き添う、従者的な存在。キャロルをマスターと慕い、彼女の幸せの為に動く。
キャロルが裏切る前から暗躍しており、何度も七海たちと相対してきた。
キャロルが裏切ってからは、フォースライザーとスティングスコーピオンプログライズキーを使い、仮面ライダー滅として戦いに繰り出す。
デュアルシステム
キャロルたちに対抗するために発案された『Project:DUAL』で設計された新兵装。
新たなシンフォギアシステム『リンクギア』を、従来のシンフォギアと同時展開することで、新たな力を得ることが可能になった。
リンクギアは6つの聖遺物の欠片から作られており、それぞれが各装者たちごとに適合率が違う。
一番の大きな特徴は、6つのリンクギアは装者間で使いまわすことが可能なこと。例を言えば、風鳴翼が一番適合率が高いリンクギア『アメノムラクモ』を立花響が使うことも可能。
リンクギアの展開には、『コネクティブユニット』を使用。展開するリンクギアの目盛にダイヤルを動かし、中央のボタンを押すことで展開する。