それから、思ってたよりも長くなったので、前編後編に分けました。
《三人称(セレナ)side》
燃え盛る発電所で、銃声と金属がかち合う音が絶えず響く。
「調!」
「…うん、切ちゃん!」
調の放った大量の鋸が、トリロバイトマギアたちの動きを阻害する。
その隙を見逃すことなく、切歌が魂を刈り取るイガリマの鎌を振るい、マギアたちを一気に殲滅していく。
「やったデス!調!司令さんとの訓練の成果が出てるデスよ!」
「…そうだね。でも、まだ油断できない」
キャロルが裏切ったあの日、強大な力を突きつけられ力不足を痛感した2人は、時間を作っては、可能な限り弦十郎に訓練をお願いしていたのだ。
もちろん、他の装者たちとの訓練も行っていたが、シンフォギアを使った訓練をしていなかったマリアを、短期間で成長させたことを見込んでだった。
だが、その時2人はまだ甘く見ていたのだ。弦十郎と言う男の異常な戦闘能力を……。
「あの時の訓練の厳しさは今でも思い出せるデスよ……」
「切ちゃん!おかわりきた!」
「合点承知デス!」
苦い思い出を思い出した切歌は、空虚な笑い声を上げる。
しかし、それも訓練の賜物(?)のおかげか、調の声に気持ちを切り替え再び鎌を振るった。
そしてマリアとセレナの姉妹コンビは、ネリとモネのくしくも同じ姉妹コンビと相対していた。
「「ハアアア!」」
《バーニングレイン!》
《アイススチーム》
セレナの炎の斬撃と、ネリの絶対零度の斬撃がぶつかり合い、辺りを水蒸気が包みこむ。
その直後、主翼「バーニングスクランブラ―」を広げたセレナが、勢い良く飛び上がる。
さらに、その後を追うように、2つの歯車型のエネルギー体が飛び出す。
「く、くぅう……キャア!?」
必死に躱すセレナを、上下から挟み込んで捉える。
地面に投げ出されたセレナは地面を転がる。
「アハハハッ!ほら……早く立ってよ」
「グッ……」
「もっともっと遊ぼうよぉ!」
「アアッ!」
セレナを強制的に立たせ、ネリは癇癪を起こした子供の様に何度もスチームブレードを叩きつける。
何度も叩きつけられるスチームブレードに、セレナは堪えきれず膝をつく。
「セレナッ!」
「ウフフフ…。貴女の相手は私ですよ?」
「ッ!この、そこをどきなさい!」
セレナのピンチを見たマリアは、すぐに救援に入ろうとするが、ライフルモードのネビュラスチームガンでのモネの射撃に足止めされてしまう。
マリアはさっきからモネを相手に、苦戦を強いられていた。
「このッ!」
「ウフフフ…」
モネはネリと比べ、近接能力は劣るものの射撃のセンスが高い。
その能力を持って、マリアの主武装である操舵剣の関節を狙っているのだ。
操舵剣は鞭のようにしなることが強みだが、鞭の動きを再現するためには多くの関節が付いている。
間接を狙い打たれ、操舵剣はすぐに破壊されてしまうのだ。
「ッ……だったら!」
マリアは破壊された操舵剣を投げ捨てて、右手に短剣を取り出し、モネに向かって斬りかかる。
しかし、モネもそれは予想済み。
ライフルモードである銃身の長さを利用して、次々と振るわれる短剣を逸らしていく。
「フッ!」
「なんですって!?」
ネビュラスチームガンを振り上げると同時に、バク宙しながら跳躍。
眼下にいるマリアに、ネビュラスチームガンを乱射する。
「アアアッ!」
激しい銃弾の嵐に晒されたマリアの周囲で爆発が起こり、マリアは大きく吹き飛ばされてしまう。
「アハハハッ!どうしたのよ!このままだと、死んじゃうよ!?あの奏者も、殺されちゃうよ!?」
「ねえ、さ……アアッ!」
地面に倒れるマリアにセレナは手を伸ばすも、再びネリが立ち上がらせ蹴り飛ばす。
ゴロゴロと地面を転がり、セレナの変身が解除された。
「マリアァ!」
「…セレナッ!」
無惨にもやられてしまったマリアとセレナに、切歌と調の注意が逸れる。
その一瞬が隙となり、数体のトリロバイトマギアが撃ったロケットランチャーを食らってしまう。
「「キャアァッ!」」
「暁さん…月読さん……」
シンフォギアこそ解除されていないが、ダメージを負った2人は立ち上がることができず、その2人にトリロバイトマギアが近づいていく。
その様子を見たセレナは、倒れながらも2人に手を伸ばすが、しかしネリが伸ばした手を踏みつける。
「うぁ……!」
「アハハハッ!かわいそぅね……アハハハッ!」
セレナの手を踏みつけながら、ネリは狂ったように笑う。
モネはその様子を見ながら、マリアに聞かせるように言う。
「ウフフフ…。私たちは先日の一件の後、貴女たちのデータをラーニングされると同時に、バイカイザーとヘルブロスにはスペックの改良がおこなわれました。まあ、その結果ネリはいつにもまして好戦的になりましたがね」
「くッ……セレナ」
「アハハハッ!まずはあそこの2人から……」
「やめ、て……」
「ん?」
「おねが、い…し、ます……やめて」
「んー、どーしよっかなー……アハハハッ!なーんてやめるわけないじゃーん!」
「うぁあ……」
ネリはセレナの懇願を容易く切り捨て、一際強く手を踏みつける。
「(いやだ……せっかくまた会えたのに、もう離れたくない。みんなで暮らせるようにって、今まで頑張ってきたのに、こんなところで……終わりたくない!)」
セレナが心で強く願った瞬間、セレナの傍に転がっていたスラッシュライザーに装填されっぱなしの、バーニングファルコンプロブライズキーが強く光り、セレナを炎の渦が巻き起こった。
「……ここは……私は確か、炎に呑み込まれて……」
セレナが目を開けると、そこは炎に包まれた大地だった。
周囲を見渡していると、後ろからセレナに声をかける人物がいた。
「君が、この世界の仮面ライダー迅か」
「え……?」
セレナが背後を向くと、そこにはスーツ姿の青年がいた。
青年はセレナに向けて微笑むと、彼の傍に不死鳥のような炎の鳥が舞い降りる。
炎の鳥の頭(?)を撫でながら、青年はセレナに問いかける。
「君も、守りたいものがあるのか?」
「守りたいもの……」
「そうだ。守りたいものがあるから強くなる。それが、人なんだろ?」
突然質問されたこともそうだが、続く言葉にセレナは困惑する。
そんなセレナに青年は再び微笑むと、空を見上げる。
「今は気付かなくても、大丈夫さ。きっと気づける。気付かせてくれる人が、君にはいるんだろう?」
「あ……」
セレナが青年の視線を追いかけると、曇っていた空から光が差し、そこから翼が生えた白馬が降りてくるのが見えた。
「ペガ、サス……?」
七海に救われる前、F.I.S.にいた頃にはあまりそういう事を知らなかったが、七海たちの元で暮らしてから身に着けた知識で、その姿を知っていた。
そして、天から舞い降りたペガサスは、青年とセレナの間に着陸する。
「さ、お迎えだ。君が守りたいものを守れることを、生きてその人たちを帰れることを、願ってるよ」
「ま、待って……ッ!?」
思わず青年に手を伸ばしたセレナの視界を、目映い光が覆い尽くした。
場所は変わり、セレナを中心に発生した炎の渦に、ネリは困惑していた。
「くッ……一体なんだってのよ」
やがて炎の渦は消え、中から出てきたのは、立ち上がっているセレナだった。
その顔に浮かぶのは恐怖や悲しみなどではない。何者にも恐れない、勇気と決意の表情を浮かべていた。
驚くネリやモネ、マリアたちを尻目に、スラッシュライザーのバックルを腰に巻く。
「クウクウ、クーウ!」
「ッ!?ちょっ、何!?」
そこに、ライトペガサスがネリに攻撃しながらやってくる。
セレナの隣に滞空するライトペガサスは、自身の身体から「セインティングペガサスムゲンライズキー」を排出。
そのムゲンライズキーを掴んだセレナは、起動スイッチ「ホープスターター」を押して起動する。
「私の家族は……」
《ブレイブ!》
「……誰にもやらせない」
スラッシュライザーにセインティングペガサスムゲンライズキーを装填し展開する。
《ムゲンライズ!》
《Kamen Rider......Kamen Rider......》
ここでいつもならトリガーを引くのだが、今回は違った。
待機状態になったスラッシュライザーをバックルから外す。それと同時に、セレナの周囲に王を守護する光の剣「ソードクリスタ」が12本出現する。
12本のソードクリスタはセレナの周囲を円状に周回し、セレナは手に持ったスラッシュライザーを天高く掲げた。
「………変身ッ!ハッ!」
《スラッシュライズ!》
12本のソードクリスタとスラッシュライザーから光の柱が上り、13本の光はペガサス型の「ファントムモデル」を生成する。
ファントムモデルは嘶きを上げながら、ネリやモネ、トリロバイトマギアたちをなぎ倒し、
ファントムモデルの身体が、分解と同時に装甲を生成。王を守る純白の鎧となりセレナの身を包んでいく。
《Hope of legend! セイントペガサス!》
仕上げに12本のソードクリスタがマントとなり、セレナの背部に装着された。
さらにライトペガサスが変形し、スラッシュライザーの先端に合体される。
《
「仮面ライダー迅……私の光は、尽きることのない無限の光です」
仮面ライダー迅の新フォームの感想
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カッコいい!
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微妙