読まれる際はご注意を。
《三人称side》
「オレが見せてやろう。絶望をなぁ……!」
そう言って平行世界のキャロルが取り出したのは、2つのプログライズキー。
オルトロスバルカンのキャロルは、それがただのプログライズキーではないことを察した。
平行世界のキャロルは、片方のプログライズキーをサウザンドドライバーの左側に差し込む。
「あれは…まさか!」
《
「終焉を始める『ビギニングドラゴン
「気をつけろ!あたし達もあれにやられた!
「何ッ!?」
奏の警告にキャロルは驚愕し、平行世界のキャロルはもう片方のプログライズキーをキー状態へと展開する。
《ブレイク!
「希望を破壊し、全てに終わりを告げる『エンディングアルケミストプログライズキー』……この2つがそろう時、有象無象は絶望を知る。変身ッ!」
《コンプリートライズ!》
平行世界のキャロルが、エンディングアルケミストプログライズキーをベルトの右側へと差し込む。
すると、巨大なドラゴン型ファントムモデルと錬金術師型ライダモデルが出現し、空中を飛び回る。
やがてファントムモデルは平行世界のキャロルの背後に、ライダモデルは正面に平行世界のキャロルと同じような姿勢で降り立つ。
《
ファントムモデルとライダモデルは分解、装甲として再構成し装着されていく。
ベースはサウザーに似ているが、頭部にはドラゴンの頭部の様な装飾、腕や足、胴体の一部にもドラゴンの様な装甲が追加された。
さらに背部には背中を腰まで覆う扇形のマントが装着されている。
「仮面ライダーカラミティサウザー。オレの強さを測れると思うなよ……?」
絶望は、ここに君臨せり。
《七海side》
…………ここは、どこだろう。
深い深いどこかを落ちていく。
いったいどこまで続いているのか、そもそも終わりがあるのか。そんなことを考えながら落ちていく。
やがて私の意識は、闇に落ちた。
「…………………ここは?」
気づけば、田舎らしき場所にいた。あたりには畑が広がっており、近くには誰もいない。
仕方なく歩いていると、道の脇に立てられている看板を見つけた。
「猿渡、ファーム……」
「誰だ、お前」
背後から掛けられた声に振り向くと、そこにはフードのついたコートを着ている男の人がいた。
どうしてだろう……どこかで見かけたことがある気がする。
「おい、聞いてんのか?」
「あ……えっと」
「こんなところ、お前みたいなやつが一人で来るところでもないだろ。迷子か?奇遇だな、オレも連れが迷子になっちまってよ。ったく、いつの間にかはぐれちまいやがって」
男の人はそう言って近くの低い石垣(おそらく柵なのだろう)に腰を下ろす。
いや、貴方は方向音痴なんだから迷子なのは貴方なのでは?
………あれ、私何でそんなこと知ってるの?
「で…お前、名前は?」
「名前……」
男の人に問われて気づく。私の名前って、なんだっけ……?
「分からない。名前も自分が何者なのかも……」
「おいおい……まじかよ」
だけど、なにも忘れているだけじゃない。
私も男の人の隣に座る。
「でも、何かあった気がする。守りたいもの、守らなくちゃいけないもの、私がやらなくちゃいけないこと、やりたかったこと…なにか、大事なことを忘れてる気がする」
「守りたいもの、ねぇ。お前も、何か背負ってんだな」
「貴方も、背負っている者があるの?」
「ああ、なんせここら辺の大地主だからな。俺についてきてくれるやつらを守らなきゃならない。それに今までも、いろんなものを守って、背負ってきた」
「例えば……?」
「世界の平和」
おちゃらけた感じで、男の人はそう言った。
でも、私はどうにも冗談だとか、嘘だとかと思えなかった。
「つらかった?」
「そりゃあな。痛い目にあって、苦しい思いをして……それでも後悔したことはない。その結果が今の幸せだ」
「私は…きっと耐えられない。こんなはずじゃなかったって言って、きっと諦める」
「それも一つの手だろうな……良いことを教えてやる」
「良いこと?」
私が聞き返すと、男の人は自分の右拳を胸に当てた。
「挫けそうになったり、諦めそうになったらな、心火を燃やすんだ」
「しん、か……?」
「そうだ。心の火、心火だ。こいつを燃やして、とにかくやってみろ。そうすりゃ、案外なんとかなるんじゃねえの?」
心火…か。なんだろう。その言葉を聞くだけで、すごく胸が熱くなる。
「それに、守りたいものがあるやつは強いぞ。俺はな、そういうやつらを知ってるんだ」
守りたいもの……私は何を守ろうとしていたんだろう。
よく分からないけど…でも、それが私の”何か”に繋がる気がする。
「よし」
「あ?」
「とりあえず、思い出してみる。私のやりたかったこと、守りたいもの」
「……そうか」
「おーい!カシラー!」
「ん?あ!あいつら!」
男の人の視線の先には、3人の男の人と1人の女性がいた。
カシラと呼ばれた男の人の元に、その人たちが駆け寄る。
「……ありがとう。私の憧れたヒーロー」
「カシラ、またはぐれてもぉー、探すの大変だったんですよー?」
「しかも、結局ここにいるし」
「カシラは俺たちがいねえと、なんもできねえからな」
「ああ?うっせぇ、バカ野郎ども」
「カ・ズ・ミ・ン?」
「み、みーたん……」
「はぁ……いつものことだけど、その方向音痴、ほんとどうにかして」
「はい……」
「さすがのカシラも、みーたんには逆らえねえな」
「そんじゃ、俺たちも帰るとしようぜ」
「ああ……あ、そういやお前は……あ?」
「どうしたの?カズミン」
「いや、さっきまでそこに女の子がいたんだが……」
「でも、私たちがカズミンを見つけた時から、誰もいなかったよ?」
「え?……ま、大丈夫だろ」
「うわ、適当」
「辛辣だな。まあ、あいつも心火を燃やせるんだ。心配ないだろ」
「ちょっと、どういうこと!?」
「さーて帰って飯にしようぜー」
「ちょっとカズミン!」
風鳴機関の研究室のモニターには、外の戦いの様子が映し出されていた。
否、戦いとは呼べないだろう。
『グァ!』
『ハハハハッ!ほら、もっと向かってきなよ。ほらぁ!』
『アアアアッ!』
「キャロルッ!」
エルフナインの悲痛な叫びが研究室に響く。
先ほどからオルトロスバルカンに変身したキャロルが、手も足も出ずにやられているのだ。
「このままでは、かなりまずいぞ」
「ええ、どうやらあの装備も急造の物の様ですし、このまま持つかどうか……」
「そんなッ!?キャロル……」
研究者たちの声を聞きながら、黒夜は必死に端末を操作していた。
既に殆どの処理は終わっており、後は七海が適合に耐えるかどうかだけだが、黒夜は何か手はないかと必死に動かしていた。
しかし、結局は待つしかないと言う結果しか出ない。
その時、黒夜は七海のモニタリング映像に変化が出ていることに気付いた。
「これは……!」
サウザーの新フォームが登場しました。
オルトロスさんには申し訳ないですが、ボコボコにされてもらいました。
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