錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

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66話の後書きに書いているカラミティサウザーの設定に、「容姿」の説明を追加しました。
また、一部ルビ付き英文がスマホで見ると、変な風に書かれています。パソコン版ではちゃんと書かれているみたいなので、おそらく仕様だと思います。どうすればいいか分からないので直しようがありませんが、スマホを横向きにすると問題なく映ります。



68 激突 撃破 安堵

《三人称side》

 

「「オオオオオオオッ!!」」

 

七海の拳とサウザーの拳が、お互いを吹き飛ばす。

地面を転がった2人は立ち上がり睨みあう。

 

「お前は……何者だ?オレが知っている歴史に、お前の存在は知らない」

「そりゃぁ、平行世界だからじゃない?」

「……あくまで何も語らないか。それもいいだろう。だが、貴様はここでつぶさせてもらう!」

《ユナイトライズ!》

「ッ!」

 

サウザーがユナイトコーカサスのタッチパネルを操作し、ユナイトライズを発動する。

それを見た七海もボトル―――『シンフォニーフルボトル』の捻っていた左側のツマミ『ライダーリューザー』を戻す。

加えて、右側のツマミ『シンフォギアリューザー』を捻り、セフィールトリガーのスイッチを起動スイッチを押す。

 

《シンフォギア!》

《フィーバー!》

「ハァアアッ!」

《JACKING UNITE!》

「………()()()()()()()

 

サウザーは紫電を纏った三日月状の斬撃を、ブーメランのように回転させて放つ。

それに対して()()()()()()で、3つ全てを真っ二つに切り裂いた。

 

「貴様……それは、天羽々斬か!」

「こういうのもあるよ」

《イチイバル!》

 

イチイバルのガトリングを召喚した七海は、サウザーに向けてぶっ放す。

サウザーは目の前の地面を盛りあげ、盾とすることで防ぐ。

 

《イガリマ!》

《シュルシャガナ!》

 

今度はイガリマの鎌を手元に、シュルシャガナの鋸を空中に召喚させた七海は、鋸を飛ばし自らも斬りかかる。

 

「ちぃ!」

「なんとイガリマァ!」

「やかましいわ!」

 

サウザーは悪態をつきながら、鋸を斬り払い鎌の一撃を防ぐ。

弾かれた七海は、イガリマの鎌の刃を3枚に分裂させ、2枚の鋸と共に投げつける。

 

【切・呪りeッTぉ】

「技まで再現可能という事か!」

《ジャックライズ!》

「だが、イガリマとシュルシャガナのデータは貰っていくぞ!」

 

サウザーは跳んできた攻撃を障壁で防ぎ、イガリマとシュルシャガナのデータを収集する。

そして、錬金術で突風を発生させて鎌の刃と鋸を吹き飛ばす。

 

《ユナイトライズ!》

《JACKING UNITE!》

「フンッ!」

 

ユナイトライズにより、刃のついたヨーヨー型のエネルギー体を生成し、七海に投げつける。

 

《ガングニール!》

 

しかし、ガングニールの大槍を召喚した七海の一振りで弾かれ後方で爆発する。

そのままの勢いでサウザーに接近し、槍のリーチを活かして攻める。

 

《JACKING BREAK!》

【LAST∞METEOR】

「「オオオオッ!」」

《アガートラーム!》

 

2つの竜巻がぶつかり1つの竜巻となるが、それをアガートラームのロングソードを召喚した七海と、サウザンドジャッカーを持ったキャロルが同時に跳躍。

竜巻を切り裂き空中でぶつかり合う。

だが、空中という不安定な場所でお互いの武器がぶつかったことで、2人は離れて地面に着地した。

 

「「はぁ…はぁ…はぁ」」

「す、すごい……」

「一歩間違えれば敗北につながりかねない……これが、新たなグリスの力」

 

2人の戦いを見守っていた響たちは、その戦闘の様子に魅入っていた。

キャロルと同質の存在である者と、そのキャロルと共に長くを過ごしてきた者。

相手の行動を理解していなければできえない戦いを、目の前の2人は繰り広げているのだ。

 

「相変わらず忌々しい……全てわかっていると言わんばかりのその動き。貴様という存在は、オレの心を激しくかき乱す!ハッ!」

 

サウザーはエンディングアルケミストプログライズキーを押し込み、高く跳躍する。

 

《フィーバー!》

《ライダーパート!シンフォギアパート!オールパート!》

「ハァ!」

 

それを見た七海もシンフォギアリューザーを戻し、セフィールトリガーの起動スイッチを押して、ビルドドライバーのレバーを回して跳躍する。

 

《Ready Go!》

《シンフォニックフィニッシュ!》

「ハァアアアアアアアッ!!」

《カラミティプロヴィデンス!》

「ハァアアアアアアアッ!!」

 

虹色の光を纏った七海のキックと、深い黒色のオーラを纏ったサウザーのキックが激突する。

激しい衝撃が周囲に放たれ、それでも2人は全ての力を振り絞る。

 

「ハァァァ……ハアアアッ!」

「ぐ、ウウ……グアアアアッ!」

 

遂にその均衡は崩れ、七海のキックが体勢を崩したサウザーに命中した。

吹き飛んだサウザーは地面を転がるも、変身は解除されなかった。

 

「私の勝ちだ」

「……なぜ、止めを刺さない」

 

そう。変身が解除されていないという事は、キックが命中したあの一瞬で手加減されたという事だ。

手加減された。ただの負けよりも屈辱的な事実に、サウザーは拳を握りしめる。

そんなサウザーに、七海は淡々と答えた。

 

「思い出したから。私がしたかったこと、叶えたかったことを」

「………次は倒す」

 

サウザーはそれだけ言うと、テレポートジェムを使い転移した。

 

「……なら、私は救うよ。()()()()

 

ポツリと呟かれたその言葉は、誰の耳に届くこともなく虚空に溶けた。

 

「七海……」

「お姉ちゃん……」

 

後ろからかけられた声に振り向くと、そこにはボロボロのキャロルとセレナがいた。

七海は変身を解除し、2人を抱きしめる。

 

「ごめんね。私が遅れたせいで」

「そんなことないです。お姉ちゃんのおかげで、私たちは助かったんですから」

「うん……ねえキャロル?」

「ん?なん…ふみゅっ!?」

 

七海は唐突にキャロルを呼ぶと、キャロルの頬をむにっと掴む。

突然のことにキャロルの口から、変な声が漏れた。

 

「にゃ、にゃにすりゅんだ……!」

「キャロル、途中で諦めたよね?私が間に合ったから良かったものの、あのままだと死んでたんだけど……」

「し、しがだにゃいりゃりょぉ……って」

 

七海に掴まれた頬をむにむにされるせいでちゃんと喋れないキャロルは、七海が頬を掴んでいた手を離しきつく抱きしめると目を見開いた。

抱きしめられているせいで顔が見えないが、キャロルの来ている服の肩の部分が濡れる感触がしたからだ。

 

「良かった……本当に、助けられて、間に合ってよかったぁ……」

「七海……」

 

それから、しばらく抱き合っていた2人は抱擁を解く。

周りを見れば、すでにS.O.N.G.のスタッフが出てきて後処理を行っていた。

キャロルは何かしなければと思い戻ろうとするが、それよりも早く七海がキャロルをお姫様抱っこで抱きかかえた。

 

「お、おい……!今度はなんだ!」

「キャロル、私たちは帰るの。すでに弦十郎さんから許可は貰ってる。しっかり休んで来いってさ。セレナ、悪いけど……」

「はい!こちらはお任せください!」

 

七海の言葉に、セレナは()()()()()()()()()()()()を返す。これはバレてるかなと思いつつも、今はその賢さに感謝してテレポートジェムを使って家に帰る。

 

「だからなんだと言うのだ!?というか、いい加減に下ろせ!」

「だーめ。部屋まで待って」

 

異を唱える前に家に連れて帰らされたキャロルは暴れるが、あれだけの戦闘の後だからかいつもよりも弱弱しい。

七海に宥められながら運ばれ、2人は自分たちの部屋にたどり着く。

 

「ずいぶんと、久しぶりだね……」

「……そうだな」

 

キャロルは感慨深いのか、しみじみと呟く。

キャロルが操られてからというもの、2人でこの部屋に帰ってきたことは一度もなかった。キャロルが救出されてからも、彼女は医務室で療養していた。

七海も、一人でこの部屋にいるとキャロルのいない寂しさを自覚してしまうために、襲撃にいち早く対処するためと言ってS.O.N.G.の拠点に部屋を用意してもらっていた。

弦十郎も七海の心中を察したのか、特に何も言わずに部屋を用意してくれた。

 

「痛むところはない?」

「身体に疲労感はあるが……重症と呼ぶものはない」

「そっか」

 

七海はキャロルをベッドに座らせる。キャロルの傷と自分の傷を錬金術で治すと、キャロルの両肩を掴んでそのまま寝そべった。

 

「ねえ、キャロル」

「なんだ?」

「私たち、恋人だよね?つき合ってるよね?」

「何を当たり前のことを」

「じゃあ、もう諦めて死のうとしないで」

「………………」

「生きて欲しい。どれだけ惨めでも、どれだけ辛くても、必ず諦めないで。私は何があっても、キャロルを守るから。離れ離れになんて、なりたくないよ……」

()()()()……分かった」

 

口調が砕ける甘々モードになったキャロルは七海のお願いに頷き、そんなキャロルの頭を七海は優しく撫でる。

 

「ありがと………でもまぁ、それはそれ、これはこれという事で」

「……ん?」

 

なにやら変な空気になったことをキャロルは察するが時すでに遅し。

七海がキャロルの上にのしかかり、キャロルを逃がさないようにほどほどの力で押さえる。

 

「あの……これは……?」

「さっきの戦いで諦めようとしたから、もうそんなことをしないようにする」

「い、いや、あれは仕方な…ヒャンッ!?ちょッ!?どこを触ってるの!?」

「キャロルは私の物で、私はキャロルの物だって、教えてあげる……」

「ま、待って…お願いだから待っ………にゃああああああああああああッ!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、ううん……」

 

若干の気だるさが残りながら、キャロルは目を覚ました。

カーテンの隙間から零れる日差しが、寝起きの瞳には眩しく手をかざす。だが、下腹部に軽い痛みを感じ表情を少しだけ歪ませる。

軽く冷えたむき出しの柔肌をさすりながら、徐々に冴えていく頭で昨日何があったのかを思い出し、歪んでいた表情を緩ませながら顔を赤面させる。

 

「うう……ナナ姉えのバカ」

「スゥ…スゥ…スゥ…」

 

恨みがましい表情で、隣で未だに寝ている当人を見れば、穏やかな表情で寝息を立てていた。

 

「むぅ……チュッ」

「んん……」

 

キャロルは軽い仕返しのつもりでキスをしたが、今の格好では何しても恥ずかしいだけだと気づき、再び顔を赤くする。

やがて、諦めたキャロルはベッドから降りる。

下腹部の痛みに耐えながら、床に乱雑に脱ぎ捨てられている服を集める。その最中、部屋に置かれた姿見が目に映る。

姿見には一糸纏わぬ自分の姿。しかし、その細い首には紫色のチョーカーが巻かれていた。

 

「……私はナナ姉の物で、ナナ姉は私の物か……フフッ♪」

 

首に巻かれているチョーカーをそっと撫でると、キャロルは幸せそうな顔で部屋を出るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにその直後、いつの間にか帰っていたエルフナインとセレナに素っ裸の姿を見られてしまい、エルフナインに口をパクパクとしながら赤面され、挙句の果てにはセレナに「昨日はお楽しみでしたね♪」と言われてしまい、羞恥のためにキャロルはその場で気を失いその後も悶えることになるのだが…それはまた別のお話。

 




若気の至りってやつです。でも2人はそんな歳でもないんですけどねぇ……。

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仮面ライダー紹介
仮面ライダーグリスシンフォニー
・概要
白黄七海が『シンフォニーフルボトル』と『セフィールトリガー』を使って、『ビルドドライバー』で変身する。
黒夜の提案によって生まれたグリスの強化形態。
戦いの中で、敵を倒して家族を守ることだけが目的となっていた七海が、自らがやりたかったこと「キャロルを救う」という目的を思い出した七海によってその力を振るう。
変身プロセス時は、七海の周囲にフルボトルとプログライズキーが漂い、『ケミカライ
ドファクトリーステージ』が展開される。

・スペック
スペックはカラミティサウザー同様、本編で登場する仮面ライダーの中で最強レベル。
しかし、防御や攻撃力が勝っているが素早さではカラミティサウザーの方が上。
従来通り錬金術の使用は出来ないが、全てのフルボトルとプログライズキー(ムゲンライズキーとランペイジガトリングプログライズキーは除く)の力を思うが儘に扱えうことができる。
また、登場した全ての仮面ライダーの武器やシンフォギアのアームドギアを召喚でき、ライダモデルも召喚することが可能。
通常、一度に召喚できるのが3種類までだが、シンフォニーフルボトル頂部のツマミ『ライダーリューザー』、『シンフォギアリューザー』を捻ることで、その種類の武器しか使えなくなる。しかし、その分攻撃の威力を増幅させ必殺技も発動できる。
一応両方とも捻ることは可能だが、そうした場合使用者に容赦ない負担と反動が襲い掛かる。

・容姿
白を基調としたグリスに、各シンフォギアの色の装飾が施されている。
装甲も全体的に増設されており、両肩にはマシンパックショルダーが強化された『リビルドパックショルダー』が装備されている。

・使用アイテム
シンフォニーフルボトル
他のフルボトルよりも大きく、ビルドドライバーのスロットを2つ分使う。見た目はジーニアスフルボトルに似た形。
錬金術、ライダーシステム、シンフォギアシステムの3つの技術体系が組み合わさったことで完成した。そのため、使用者にはシンフォギアのように適合することが求められ、適合中は使用者に苦しみが襲い掛かる。
また、組み合わせたとは言っても、急造されたために何かとエネルギーがオーバーフローしやすく、暴走や自壊といったことを防ぐために『セフィールトリガー』の併用が必須となる。
起動スイッチ『ミックススターター』とビルドドライバーに装填するための突起が三角形に付いており、反対側の面には『ライダーリューザー』と『シンフォギアリューザー』がついている。
なお、後者の2つは普段は倒されて格納されており、ミックススターターを押した瞬間に立ち上がる。

セフィールトリガー
ハザードトリガーを元にして設計されたアイテム。
しかしハザードトリガーとは違い、3つの技術体系を組み合わせたとはいえ、無理矢理であることに変わりないシンフォニーフルボトルのエネルギーを制御する為のリミッターとなっている。
色は深みの青で、ハザードの青とは対照的。
名前の「セフィール」の由来は「セーブ(安全)」+ドイツ語で指揮を表す「ビィフィール」。

ビルドドライバー
デュランダル事件によって、一度死んだ黒夜が落とした物。

・必殺技
シンフォニックアタック
《ライダーパート!》
ビルドドライバーのレバーを一回回すことで発動。
任意の仮面ライダーの必殺技を発動できる(武器を使った必殺技は別)。

シンフォニックブレイク
《ライダーパート!シンフォギアパート!》
レバーを2回以上回すことで発動。
ガングニール(響)の力を発動し、質量をもった巨大な拳の幻影で攻撃する。

シンフォニックフィニッシュ
《フィーバー!》《ライダーパート!シンフォギアパート!オールパート!》
セフィールトリガーの起動スイッチを押し、レバーを3回以上回すことで発動。
虹色の光を放ちながら、エネルギーを纏ったキックを繰り出す。

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