錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

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69 報告と模擬戦

《七海side》

 

「ねえ、キャロル~。許してよ~」

「ふんだッ!」

 

松代での戦いの翌日、私とキャロルはS.O.N.G.の潜水艦の廊下を歩いていた。

これは昨日帰宅の許可をもらった際に言われていたことだ。

一晩明ければ、おそらく情報もそろうであろうという事らしい。

…で、なんでキャロルが怒っているのかというと……。

 

「ねえってばー。そんなにセレナとエルに裸を見られ―――」

「そんなんじゃないッ!!()()()()のバカッ!」

「……どう考えてもそうじゃん」

 

どうやら、シャワーを浴びるために部屋を出た際、帰ってきていたセレナとエルに裸を見られたらしい。

それぐらいでここまで怒るのかとも思わなくもないけど、どうにもそれだけじゃないっぽいんだよなー。聞いても教えてくれないけど。

でも、私があげた紫色のチョーカーを外さずにつけてくれているのを見る限り、そこまで本気で怒っている訳じゃなさそう。

それと、朝からお仕事モードの時でも「ナナ姉え」と呼んでくれるようになった。これに関しては普通に嬉しい。

なにはともかく、目当ての司令室に着いた私たちは中に入る。

司令室には、すでに装者をはじめとしたメンバーがすでにそろっていた。

 

「邪魔するぞ」

「失礼します」

「おお、君たちも到着したか。それでは、報告を聞くとしよう。エルフナインくん」

「はい。それでは、報告を始めさせてもらいます」

 

弦十郎さんから促され、エルが報告を始める。

深淵の竜宮(アビス)の方では、ネリと多数のマギア、アウラネル、ネフィリムが襲撃してきたらしい。

また、その中でネリは新型と思われるギアを使用。「ヘルカイザー」に変身したらしい。戦闘力は凄まじく、ムゲンライズキーを使用したセレナとほぼ互角。

マギアの方はマリアが撃破したらしい。ただ、その時撃破した個体が松代でも出てきたことから、おそらく量産は可能だと思われる。

アウラネルは、ネリの襲撃の隙を突く形でネフィリムに餌(聖遺物)を食べさせていたらしい。

そして切歌と調のコンビネーションを防ぎ切り、まんまと逃げおおせたと。

 

「面目ないデス……」

「…ごめんなさい」

「別にあなた達のせいではないわ」

「そうですよ。ですから謝る必要はありません。私たちもネリを逃がしてしまいましたし……」

 

次に松代の戦いの方。

といっても、特に語ることはない。

こちらの動きに感づいたサウザーが襲撃してきて、それをどうにか撃退した。

言うとすれば、向こうはさらなる力を手に入れ、私も力を手に入れた。

 

「それにしても、グリスの強化形態、すごかったわね」

「そうデスよ!私たちのアームドギアまで、完全再現デス!」

「…でも、あれだけ強くても、平行世界のキャロルを完全に倒せていなかった。それだけ相手も強い」

「……………」

 

確かに私は、必殺技を命中させたにも関わらずサウザーを変身解除させていない。

それは、私のある考えに基づいての行動なのだが今は言うまい。

それと、どうやら私とサウザーの話はほとんど聞こえていなかったようだ。

……良かった。前世の話はまだキャロルたちにも話していないことだ。今は問い詰められるのは話をややこしくするだけだ。もちろん、いつかは話すつもりでいる。

 

「それで、だ。こちらは『Project:DUAL』、そして仮面ライダーグリスの強化にも成功した。今までは戦力不足から避けていたが、これからはこちらから攻め入ることも視野に入れる」

「ついに…か」

「でもよぉ、どうやって攻めるんだよ?アイツらの居場所が分かんねえと、どうしようもねえだろ?」

「それが問題だ。どうやって彼女らの潜伏場所を見つけるかだが……」

「何かない?キャロル」

「………心当たりがないわけでもない」

「本当か!?」

 

キャロルの呟きに、弦十郎さんが反応した。

この中で気を揉んでいるのは、間違いなく弦十郎さんだろう。司令という立場のせいで、満足に動けないだろうし。

しかし半ばダメ元だったのに、本当に心当たりがあるとは……私も驚きである。

 

「平行世界のオレに操られていた時、かすかに波の音がしていた……気がする」

「それは確かか!?」

「き、期待はするなよ……なんせオレも、その時は同調に抵抗するのに必死だったから……」

「それでも十分だ!」

 

自信なさげな感じだったけど、弦十郎さんにとってはそれで良かったようで、今日はこれでお開きになった。

私たちはしばらくは、成果を待ちつつもしもの為に数人で交代して待機する。

 

 

 

 

「……で、どうしてトレーニングルーム?」

『決まっているでしょう?急造で作ったボトルが、七海ちゃんの体に害を及ぼしていないかの確認よ』

「そーゆーことだよ、なーちゃん。というわけで、私たち相手に模擬戦ってわけ」

 

場所は変わり、トレーニングルーム。

私の前にはビルドドライバーを装着した姉さん。そしてセレナと奏。もちろん二人ともそれぞれのライザーを装着してる。

だがまあ、モニタリングしてる了子さんと姉さんの言う事ももっともなので、黙って従うことにする。

 

《ゲット!セット!》

 

ビルドドライバーを装着し、セフィールトリガーを起動、ベルトにセットする。

さらにシンフォニーフルボトルを取り出し、起動スイッチ「ミックススターター」を押してボトルを起動する。

 

《ハーモニー!オールセット!》

《シンフォニー!》

 

ひっくり返したシンフォニーフルボトルを、ビルドドライバーにセットしレバーを回していく。

ケミカライドファクトリーステージが展開され、フルボトルやプログライズキー、アームドギアが私の周囲を飛び回る。

 

《オラァ!〈ラァ!〉オラァ!〈ラァ!〉オラァ!〈ラァ!〉》

《Are you ready?》

「変身ッ!」

 

正面に伸ばした右腕を振り下ろすと、私の身体は白のスーツと装甲に包まれ、色とりどりの装飾が装着されていく。

 

《完全調和のゼリーヤロー!》

《グリスシンフォニー!》

《オラオラオラオラオラァッ!》

 

私は仮面ライダーグリスシンフォニーへの変身を完了した。

 

「それじゃ、私たちも……」

「ああ……っておい」

「何?」

「お前ボトルねえじゃん。どうやって変身するんだよ」

 

………あ。

そうだ、私がグリスシンフォニーに変身するには、全てのフルボトルとプログライズキーが必要になる。

姉さん変身できないじゃん。

しかし、姉さんは予測済みの様で懐から、フルボトルよりも長い筒状のアイテムを取り出した。

 

「大丈夫、大丈夫。実はこれを作っておいたんだよね~。その名もフルフルラビットタンクフルボトル~」

 

そう言って姉さんは、フルフルラビットタンクフルボトルを振る。うさぎが跳ねてそうな「ピョンピョンピョン」と言う音が流れた。

 

「なんか、気が抜けるな……」

「まあまあ、そう言わずに」

《マックスハザードオン!》

「ハザードトリガーをつけて……折る!」

《ラビット&ラビット!》

 

姉さんはハザードトリガーをベルトにセットすると、フルフルラビットタンクフルボトルの片方のキャップを捻り2つに折る。

そのままビルドドライバーに装填すると、ベルトのレバーを回す。

姉さんの前後に『ハザードライドビルダー』が形成されていく。

 

《ガタガタゴットン! ズッダンズダン!》

《Are you ready?》

「変身ッ!」

《オーバーフロー!》

 

姉さんは声に反応したハザードライドビルダーでプレスされ、ハザードフォームへと変身する。

その直後、どこからともなく赤いウサギがアーマーへと分解、姉さんに装着されていく。

 

《紅のスピーディージャンパー!ラビットラビット!》

《ヤベーイ!ハエーイ!》

「仮面ライダービルド ラビットラビットフォーム。以後よろしく」

「マジか……」

「さ、貴方たちも変身して?」

「あ、ああ……」

「分かりました!」

 

《ランペイジガトリング!》

《ブレイブ!》

《オールライズ!》

《ムゲンライズ!》

《 《Kamen Rider......Kamen Rider......》 》

「「変身ッ!」」

《フルショットライズ!》

《スラッシュライズ!》

《Gathering Round! ランペイジガトリング!》

《Hope of legend! セインティングペガサス!》

 

奏とセレナもバルカン、迅へと変身を終える。

 

『それじゃあ、適当に戦ってちょうだい』

「了解です。手加減はしないからね」

「当然だ!」

「行きます!」

 

セレナがスラッシュライザー、奏がオーソライズバスターで斬りかかってくる。

私はそれをドリルクラッシャーとアタッシュカリバーを召喚して迎え撃つ。

 

「フッ!」

「グッ……2人で攻めているのに……」

「……攻めきれねぇ……!」

「これでも、戦闘経験はあるからね!ハッ!」

「「アアアアッ!」」

 

2人を吹き飛ばし、さっきから攻撃してこない姉さんに目を向けて……しかしそこには居なかった。

 

「どこに……?」

「後ろ」

「知ってる」

 

後ろから高機動で接近してきていた姉さんの拳を、ノールックで防ぐ。

防がれたと理解したらしい姉さんはすぐに移動し、再び攻撃してくる。

私はそれを全て、ほとんど動かずに防ぎきる。

 

「クッ……!」

「その速さはすごいけど、私なら見える」

 

そう言って、一瞬で姉さんの後ろに回り込みパンチを放つ。

 

「うわッ!」

「さて……どうする?」

「……あんまり甘く見ないでよ」

 

気づけば、背後には奏とセレナが陣取り、姉さんと合わせ私を包囲していた。

それからしばらく、私たちの模擬戦は続いた。

ちなみに、私の身体に副作用等は見受けられなかった。

 

 




平行世界のキャロルにタイマン張れるのは七海しかいません。
他は協力すればワンチャン……ぐらいですかね。

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