《三人称side(セレナ)》
「アハハハ…。貴女が残るなんてね」
「ネリさん…」
「だまれッ!お前はモネを奪ったんだ!だから私が殺してやるんだ!でも、すぐには殺さない。お前を殺す前に、先に行った奴らを奪ってやる。そしてお前も、むごたらしく殺してやる!」
ネリはそう言い、2丁のネビュラスチームガンを持った両腕を左右に伸ばした。
《ギアカイザー!》
《ギアブロス!》
《ファンキーマッチ》
「爆動…!…ウアアアアッ!!」
左右に打ち出された煙が、ネリの体を覆っていく。
《フィーバー!》
《ミスマッチ》
「……ヘルカイザー…爆誕」
ヘルカイザーへと変身したネリは、拳を握り私に向かって攻撃する。
セレナもバーチャライズブレードを振るい応戦する。
「アハハハッ!」
「くッ…あぅ……アアッ!」
しかしネリの攻めは苛烈で、セレナは防戦一方に追い込まれる。
ネリは相変わらず、狂ったように笑いながら殴りかかる。
「アハハハッ!どうしたのよ。ほら!かかってこないと死んじゃうわよ!」
「……ごめんなさい」
「ああ?」
「私があなたの姉を倒して……壊してしまった。姉妹の繋がりの大切さを知ってるはずなのに」
「今更……謝って済むと思うなぁあああッ!」
逆上したネリの拳を、それでもセレナはバーチャライズブレードで防いだ。
「分かっています。それでも、私は守りたいものがあるから!」
「グァ!」
「決めたんです。何があっても家族を守るって!」
「このぉおお!」
ネリがスチームブレードを振るい、セレナはそれを防いでいく。
金属のかち合う音が、人気のない森に断続的に響く。
「ハアアアッ!」
「ッ!ガァ!」
「キャッ!?」
セレナはスチームブレードを弾きネリに斬撃を当てたが、しかしネリも負けじとスチームブレードをセレナに命中させ、2人とも倒れてしまう。
「くッ!」
《クリア!》
「ハアアアッ!」
《ピアッシングユニコーン!》
《A spear of light that penetrates everything!》
すぐに起き上がったセレナは、ピアッシングユニコーンへとフォームチェンジする。
バーチャライズブレードにアタッシュカリバーを連結させ、ナギナタモードにしたセレナは、ネリへと斬りかかる。
「でやあああッ!」
ネリはスチームブレードや両手の装甲も使い、セレナの振るうスチームブレードを受け流していく。
そして、バーチャライズブレードを大きく弾き、拳打や斬撃による連続攻撃を次々とセレナに叩き込んでいく。
「ハッ!」
「キャアッ!」
ネリの掌底を食らい、セレナは吹き飛ばされる。
そのままネリは手を緩めることなく、自身の身体から『ギアソーサー』を分離させる。
ギアソーサーはセレナに向かっていくが、セレナもバーチャライズブレードを振るい全方位から襲いかかるギアソーサーを弾く。
《リバース!》
「ハァ!」
《ブレッシングサーペント!》
《Release the sea dragon to all》
セレナはブレッシングサーペントムゲンライズキーを起動し、ギアソーサーを足場にして跳躍。
ギアソーサーによる包囲を抜け出すとともに、バーチャライズブレードをバスターモードに変形させ、ネリに向かって引き金を引く。
「甘いのよッ!」
「アアッ!」
放たれた光弾を躱し、着地したセレナにお返しと言わんばかりに斬撃を食らわせる。
セレナは地面を転がり、セインティングペガサスの状態へと戻ってしまう。
「行くよ、モネ……」
《ギアリモコン!》
《デビルスチーム》
ネリは、ライフルモードにしたスチームブレードにギアリモコンをセットし、更にバルブを3回回し、セレナに向けて構える。
《ファンキーショット!》
「はッ!キャアアアアッ!……ア、アア……」
青い歯車型のエネルギー弾は、セレナに着弾し爆発。
セレナはその場で両膝をついてしまう。
「アハ…アハハハハハハッ!!勝った!勝ったんだ!これでモネが戻ってくる!」
「………………」
ネリは歓喜の笑い声をあげ、微動だにしないセレナの元へ歩く。
近づかれても何もしないセレナの首に、スチームブレードを突きつける。
「これで……私の勝ちぃいい!」
振り上げたスチームブレードを振りおろし、そして――――
セレナが逆手で掲げた
「何ッ!?」
「ハッ!」
驚愕にネリは固まり、その隙を突いたセレナがパンチを放ちネリを後退させ、その後を追い走り出す。
途中、落ちていたバーチャライズブレードからスラッシュライザーを外し、スラッシュライザーとスチームブレードの二刀流でネリを絶え間なく斬りつけていく。
「やあああッ!」
「グアアアッ!……それは、
「拾っておいたんです。モネさんを倒した発電所に落ちていたのを。貴女が、モネさんのネビュラスチームガンを持って行ったように」
「お前が……お前がそれを持つなぁあああ!」
怒りの声を上げながら突っ込んでくるネリに対し、セレナはバーチャライズブレードを拾い、スラッシュライザーをセットして起動する。
ネリのスチームブレードを弾き飛ばし、返す刀でネリを切り飛ばした。
「私が、守るんです。大切な人たちを、この人たちを!」
「そのために……私の大切なモネを奪ったのかぁ!」
「貴女たちに襲われた人たちにも、大切な人はいたんです!」
セレナはバーチャライズブレードの刀身にあるスキャンエリアに、ピアッシングユニコーンとブレッシングサーペントのムゲンライズキーをスキャンする。
さらに『トレーストリガー』を押す。
《バーチャライズ!》
《トレーシングカーニバル!》
セレナの隣に、スキャンしたムゲンライズキーを使用した仮面ライダー迅が2人
分身体はそれぞれ、ナギナタモード、バスターモードのバーチャライズブレードのトレーストリガーを3回押す。
セレナもまた、自身のバーチャライズブレードのトレーストリガーを3回押す。
《アルティメットセインティングカリバー!》
《アルティメットピアッシングランサー!》
《アルティメットブレッシングランチャー!》
「ハアア……」
「ふざけるな…ふざけるなふざけるなふざけるなぁ!」
ネリは大量のギアソーサーを1つの歯車に合体させ、セレナに向かって飛ばす。
「ハアアアアアッ!」
3人のセレナが放った必殺技とネリが放った歯車がぶつかるが、大きな爆発が起こり、辺りが煙に覆われる。
「くそッ!どこに行った!」
「ここですッ!」
「ッ!?上ッ!?」
煙が強風によって一気に払われる。
ネリが空を見上げるとそこには、純白の翼を広げているセレナがキックの体勢を取っていた。
「こ、このッ!」
ネリが迎撃の為に残っていたギアソーサーを飛ばすも、全てソードクリスタによって粉砕されてしまう。
「そ、そんな…!…ッ!」
万事休すかと思われたネリは、傍らに落ちているネビュラスチームガンを拾い、装填されっぱなしだったギアリモコンを押し込む。
《ファンキードライブ!》
「アアアアッ!」
《セインティングクロニクルフィニッシュ!》
「ハアアアアッ!」
セレナのキックとネリの回し蹴りがぶつかる。
「う……く、くううう………!い、いやだ!死にたくない。まだ、モネを蘇らせてない!」
「……ハァアアアアアアッ!!」
競り合いに勝ったのはセレナだった。
「…ぐ、グアアアアアアアアッ!」
セレナのキックに貫かれたネリは、地面に倒れ伏す。
その身体はボロボロで、所々皮膚が剥げ、機械の部品が見え隠れしていた。
「……も…ね……」
ネリは所々欠けた手を伸ばし、目の前に落ちているモネが使っていたギアエンジンを掴む。
「ぁ………」
その時、モネは見た。
倒れる自分の前にしゃがんでいるモネが、ネリの頭を撫でるのを。
「モネ……もっと、生き…たかった……………ごめ…んね……」
自分の頭を撫で微笑むモネにそう伝えたネリは、爆発しその”生”を終えた。
セレナは爆発の勢いのためか、自分の足元に転がってきたネビュラスチームガンと『ギアカイザー』、『ギアブロス』を手に取る。
ひびが入ったそれらから、ネリが爆発した地点に視線を移したセレナは、ソッと目を伏せた。
「……………」
セレナは身をひるがえし、七海たちの後を追って塔へと向かう。
その頬に一筋の、水が流れた様な跡を残して……。
因果応報。
誰かの大事な人を奪ってきたネリは、自身の大切な人を奪われそして自らの”生”も失った。
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