錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

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73 奪った妹、守る妹

《三人称side(セレナ)》

 

「アハハハ…。貴女が残るなんてね」

「ネリさん…」

「だまれッ!お前はモネを奪ったんだ!だから私が殺してやるんだ!でも、すぐには殺さない。お前を殺す前に、先に行った奴らを奪ってやる。そしてお前も、むごたらしく殺してやる!」

 

ネリはそう言い、2丁のネビュラスチームガンを持った両腕を左右に伸ばした。

 

《ギアカイザー!》

《ギアブロス!》

《ファンキーマッチ》

「爆動…!…ウアアアアッ!!」

 

左右に打ち出された煙が、ネリの体を覆っていく。

 

《フィーバー!》

《ミスマッチ》

「……ヘルカイザー…爆誕」

 

ヘルカイザーへと変身したネリは、拳を握り私に向かって攻撃する。

セレナもバーチャライズブレードを振るい応戦する。

 

「アハハハッ!」

「くッ…あぅ……アアッ!」

 

しかしネリの攻めは苛烈で、セレナは防戦一方に追い込まれる。

ネリは相変わらず、狂ったように笑いながら殴りかかる。

 

「アハハハッ!どうしたのよ。ほら!かかってこないと死んじゃうわよ!」

「……ごめんなさい」

「ああ?」

「私があなたの姉を倒して……壊してしまった。姉妹の繋がりの大切さを知ってるはずなのに」

「今更……謝って済むと思うなぁあああッ!」

 

逆上したネリの拳を、それでもセレナはバーチャライズブレードで防いだ。

 

「分かっています。それでも、私は守りたいものがあるから!」

「グァ!」

「決めたんです。何があっても家族を守るって!」

「このぉおお!」

 

ネリがスチームブレードを振るい、セレナはそれを防いでいく。

金属のかち合う音が、人気のない森に断続的に響く。

 

「ハアアアッ!」

「ッ!ガァ!」

「キャッ!?」

 

セレナはスチームブレードを弾きネリに斬撃を当てたが、しかしネリも負けじとスチームブレードをセレナに命中させ、2人とも倒れてしまう。

 

「くッ!」

《クリア!》

「ハアアアッ!」

《ピアッシングユニコーン!》

《A spear of light that penetrates everything!》

 

すぐに起き上がったセレナは、ピアッシングユニコーンへとフォームチェンジする。

バーチャライズブレードにアタッシュカリバーを連結させ、ナギナタモードにしたセレナは、ネリへと斬りかかる。

 

「でやあああッ!」

 

ネリはスチームブレードや両手の装甲も使い、セレナの振るうスチームブレードを受け流していく。

そして、バーチャライズブレードを大きく弾き、拳打や斬撃による連続攻撃を次々とセレナに叩き込んでいく。

 

「ハッ!」

「キャアッ!」

 

ネリの掌底を食らい、セレナは吹き飛ばされる。

そのままネリは手を緩めることなく、自身の身体から『ギアソーサー』を分離させる。

ギアソーサーはセレナに向かっていくが、セレナもバーチャライズブレードを振るい全方位から襲いかかるギアソーサーを弾く。

 

《リバース!》

「ハァ!」

《ブレッシングサーペント!》

《Release the sea dragon to all》

 

セレナはブレッシングサーペントムゲンライズキーを起動し、ギアソーサーを足場にして跳躍。

ギアソーサーによる包囲を抜け出すとともに、バーチャライズブレードをバスターモードに変形させ、ネリに向かって引き金を引く。

 

「甘いのよッ!」

「アアッ!」

 

放たれた光弾を躱し、着地したセレナにお返しと言わんばかりに斬撃を食らわせる。

セレナは地面を転がり、セインティングペガサスの状態へと戻ってしまう。

 

「行くよ、モネ……」

《ギアリモコン!》

《デビルスチーム》

 

ネリは、ライフルモードにしたスチームブレードにギアリモコンをセットし、更にバルブを3回回し、セレナに向けて構える。

 

《ファンキーショット!》

「はッ!キャアアアアッ!……ア、アア……」

 

青い歯車型のエネルギー弾は、セレナに着弾し爆発。

セレナはその場で両膝をついてしまう。

 

「アハ…アハハハハハハッ!!勝った!勝ったんだ!これでモネが戻ってくる!」

「………………」

 

ネリは歓喜の笑い声をあげ、微動だにしないセレナの元へ歩く。

近づかれても何もしないセレナの首に、スチームブレードを突きつける。

 

「これで……私の勝ちぃいい!」

 

振り上げたスチームブレードを振りおろし、そして――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セレナが逆手で掲げた()()()()()()()()に防がれた。

 

「何ッ!?」

「ハッ!」

 

驚愕にネリは固まり、その隙を突いたセレナがパンチを放ちネリを後退させ、その後を追い走り出す。

途中、落ちていたバーチャライズブレードからスラッシュライザーを外し、スラッシュライザーとスチームブレードの二刀流でネリを絶え間なく斬りつけていく。

 

「やあああッ!」

「グアアアッ!……それは、()()()()()()()()()()()!なんで、お前が持っているんだ!」

「拾っておいたんです。モネさんを倒した発電所に落ちていたのを。貴女が、モネさんのネビュラスチームガンを持って行ったように」

「お前が……お前がそれを持つなぁあああ!」

 

怒りの声を上げながら突っ込んでくるネリに対し、セレナはバーチャライズブレードを拾い、スラッシュライザーをセットして起動する。

ネリのスチームブレードを弾き飛ばし、返す刀でネリを切り飛ばした。

 

「私が、守るんです。大切な人たちを、この人たちを!」

「そのために……私の大切なモネを奪ったのかぁ!」

「貴女たちに襲われた人たちにも、大切な人はいたんです!」

 

セレナはバーチャライズブレードの刀身にあるスキャンエリアに、ピアッシングユニコーンとブレッシングサーペントのムゲンライズキーをスキャンする。

さらに『トレーストリガー』を押す。

 

《バーチャライズ!》

《トレーシングカーニバル!》

 

セレナの隣に、スキャンしたムゲンライズキーを使用した仮面ライダー迅が2人()()された。

分身体はそれぞれ、ナギナタモード、バスターモードのバーチャライズブレードのトレーストリガーを3回押す。

セレナもまた、自身のバーチャライズブレードのトレーストリガーを3回押す。

 

《アルティメットセインティングカリバー!》

《アルティメットピアッシングランサー!》

《アルティメットブレッシングランチャー!》

「ハアア……」

「ふざけるな…ふざけるなふざけるなふざけるなぁ!」

 

ネリは大量のギアソーサーを1つの歯車に合体させ、セレナに向かって飛ばす。

 

「ハアアアアアッ!」

 

3人のセレナが放った必殺技とネリが放った歯車がぶつかるが、大きな爆発が起こり、辺りが煙に覆われる。

 

「くそッ!どこに行った!」

「ここですッ!」

「ッ!?上ッ!?」

 

煙が強風によって一気に払われる。

ネリが空を見上げるとそこには、純白の翼を広げているセレナがキックの体勢を取っていた。

 

「こ、このッ!」

 

ネリが迎撃の為に残っていたギアソーサーを飛ばすも、全てソードクリスタによって粉砕されてしまう。

 

「そ、そんな…!…ッ!」

 

万事休すかと思われたネリは、傍らに落ちているネビュラスチームガンを拾い、装填されっぱなしだったギアリモコンを押し込む。

 

《ファンキードライブ!》

「アアアアッ!」

《セインティングクロニクルフィニッシュ!》

「ハアアアアッ!」

 

セレナのキックとネリの回し蹴りがぶつかる。

 

「う……く、くううう………!い、いやだ!死にたくない。まだ、モネを蘇らせてない!」

「……ハァアアアアアアッ!!」

競り合いに勝ったのはセレナだった。

「…ぐ、グアアアアアアアアッ!」

 

セレナのキックに貫かれたネリは、地面に倒れ伏す。

その身体はボロボロで、所々皮膚が剥げ、機械の部品が見え隠れしていた。

 

「……も…ね……」

 

ネリは所々欠けた手を伸ばし、目の前に落ちているモネが使っていたギアエンジンを掴む。

 

「ぁ………」

 

その時、モネは見た。

倒れる自分の前にしゃがんでいるモネが、ネリの頭を撫でるのを。

 

「モネ……もっと、生き…たかった……………ごめ…んね……」

 

自分の頭を撫で微笑むモネにそう伝えたネリは、爆発しその”生”を終えた。

セレナは爆発の勢いのためか、自分の足元に転がってきたネビュラスチームガンと『ギアカイザー』、『ギアブロス』を手に取る。

ひびが入ったそれらから、ネリが爆発した地点に視線を移したセレナは、ソッと目を伏せた。

 

「……………」

 

セレナは身をひるがえし、七海たちの後を追って塔へと向かう。

その頬に一筋の、水が流れた様な跡を残して……。

 

 

 




因果応報。
誰かの大事な人を奪ってきたネリは、自身の大切な人を奪われそして自らの”生”も失った。

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