錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

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74 夢に宿る意志

《奏・黒夜side》

 

七海とキャロルを先に行かせた奏と黒夜は、アウラネルとマギアと戦っていた。

 

「アウラネルー!」

「わざわざ蘇らせて差し上げたと言うのに、こうも反旗を翻すとは。恩を仇で返すとはこのことですね」

「その節はどうも。お返しに同じことしてあげようか!?」

 

既に仮面ライダー滅へと変身しているアウラネルのアタッシュアローと、黒夜のフルボトルバスターバスターブレードモードがぶつかり合う。

 

「結構です。私の生きる理由は、マスターの幸せに殉ずることのみ!」

「はっ!くだらないね!」

「なんですって!」

「グゥ!」

 

黒夜の言葉に怒ったアウラネルは、アタッシュアローの斬撃を黒夜に食らわせる。

防御が厚いタンクタンクといえど、直撃には耐えられず倒れてしまう。

 

「……変わりましたね。以前の貴方なら、私たちに協力する物だと思っていましたが」

「そういえば、ハザードトリガーを使って私を蘇らせるように、平行世界のキャロルちゃんに言ったのは、貴方だったね」

「ええ……貴女がここまで心変わりしていたのは計算外でしたが」

 

元々、ハザードトリガーを使用して黒夜を蘇らせるように進言したのはアウラネルである。七海と戦いたがっていた黒夜ならば、こちらにつくだろうと考えてのことである。

しかし、すでに黒夜は七海との決着をつけていたために、黒夜はアウラネルの考えとは反対に裏切ったことは、アウラネルにとって予想外だったのだ。

 

「しかし……くだらないでしたか?私がマスターの幸福を思うことが」

「そうだよ。くだらnッ!」

 

黒夜が話す途中で、アウラネルが振り下ろしたアタッシュアローをフルボトルバスターで辛うじて防ぐ。

 

「私の存在理由を、バカにするな!」

「貴女が本気で起こった姿、珍しいね……でもね、私は貴方のような人間を知ってる」

「何?」

「そいつは生きる理由を他人に依存して、流されて、自己欺瞞ばっかで、結局何でもできると勘違いしていた、本当は何もできないようなどうしようもない奴だった!」

「……私がそうだと?」

「他人の幸せだなんて、もっともな理由にかこつけて!結局は思考を放棄してるだけだ!そこに人間だとかアンドロイドだとか、関係ない!」

 

そう叫んだ黒夜はアウラネルを押しのけると、フルボトルバスターにフルボトルを装填する。

 

《ロック!ローズ!》

《ジャストマッチデース!》

「ハッ!」

《ジャストマッチブレイク!》

「拘束!?クッ……」

 

バスターキャノンモードのフルボトルバスターから鎖が放たれ、アウラネルを拘束する。

アウラネルは拘束を外そうともがくが、その隙に黒夜はさらにフルボトルを装填する。

 

《海賊!サメ!クジラ!》

《ミラクルマッチデース!》

「ッ!」

 

青色と水色のオーラを纏ったバスターブレードモードのフルボトルバスターを振りかぶり、黒夜はアウラネルに向かって走る。

しかしアウラネルは、黒夜から見えないようにフォースライザーのレバーを動かした。

 

「ハァアアア!」

《ミラクルマッチブレイク!》

《スティングディストピア!》

「なッ!?」

「フン…!」

 

黒夜の攻撃が命中する直前で、アシッドアナライズによりアウラネルを拘束していた鎖が破壊される。

黒夜はそのことに動揺し動きが鈍ったその隙を突き、左足にアシッドアナライズを巻きつかせたアウラネルの蹴りが突き刺さった。

 

「ガ、ハッ……」

 

変身解除はしなかったものの、黒夜は大きく吹き飛ばされてしまい壁に叩きつけられる。

 

「……先ほど、私は貴方を変わったと言いましたが、付け加えましょう。貴女は弱くなった」

「……………」

「前の貴方なら、今の私の動きを見逃すことはなかった。皮肉なことですね。貴方の言う他人に依存して、自己欺瞞な生きる理由を失った貴女は、弱くなった」

 

嘲笑するかのごとく、アウラネルは語る。

この場において、その言葉に反論する者はいない。

 

 

 

「――――ッ……勝手なこと言ってんじゃねえ!」

 

 

 

否、一人だけいた。

アウラネルが振り返ると、そこにはマギアたちを相手している奏がいた。

 

「お前が、そいつを否定すんじゃねえよ!」

「否定……ですがこの方は、自らの理由を捨てたために負けたのですよ」

「だとしてもなぁ!今のそいつの夢には、そいつの意志があるんだよ!グハッ!」

「………意志ですって?」

 

奏はマンモスマギアの突進に吹き飛ばされながらも、なおも立ち上がり高らかに声を張り上げる

 

「そうだ!人の夢ってのはなぁ!良くも悪くも、自分の為なんだよ!」

 

ベローサマギアの鎌を躱し、ガエルマギアのコガエルボマーをオーソライズバスターを盾にして防ぐ。

しかし、背後から迫っていたビカリアマギアの攻撃を背中に食らい、さらにドードーマギアの剣で吹き飛ばされてしまう。

 

「……夢を見つけるために、いろんな奴に助けられたって良い。支えてもらったって良い。縋りついたって良い。でもな……そこに自分の意志が存在しなきゃ、それは夢じゃねえ!ただの操り人形だ!」

 

フラフラになりながらも立ち上がり、バックルからショットライザーを外す。

 

「アウラネル……お前はアンドロイドだ。だけどな、お前だって夢を決められるはずだ!お前が操り人形でいようとする限り、あたし達には絶対に勝てない!」

「言わせておけば……」

 

アウラネルはアタッシュアローを引き、紫色の矢を奏に放つ。

それらは全て奏に命中するが、奏は決して倒れず2本の足でしっかりと立ち続ける。

 

「黒夜!お前の夢はなんだ!?()()()()の夢は、他人に依存して、流されて、自己欺瞞ばっかな夢なのか!?」

「ふん。今更この負け犬に何を期待して―――」

《イチイバル!》

「――ッ!?」

 

背中に銃口を突きつけられた感触を感じたアウラネルは、咄嗟に振り返るも遅かった。

 

《フルボトルブレイク!》

「グアアアアッ!」

 

突きつけられた()()()()()()()()()の銃口から、零距離で嵐のように光弾が大量に放たれ、アウラネルは吹き飛ぶ。

 

「へっ……やっと立ち上がったか」

 

そう言う奏の視線の先には、フルボトルバスターを構える黒夜が立っていた。

フルボトルバスターには、かつて雪音クリスに預けていたイチイバルフルボトルが装填されていた。作戦開始直前に、クリスから返されていたものだ。

 

「貴女の説教、中々響いたよ。私の夢……私はもう、過去に縛られない。私は私だ!誰かのくだらない意志に、私の夢を、生きる理由を縛られたりしない!」

《マックスハザードオン!》

《ラビット&ラビット!》

《ガタガタゴットン! ズッダンズダン!》

《Are you ready?》

「ビルドアップッ!」

《オーバーフロー!》

《紅のスピーディージャンパー!ラビットラビット!》

《ヤベーイ!ハエーイ!》

 

ラビットラビットフォームに変身した黒夜を見た奏は、ランペイジガトリングプログライズキーのマガジンを一回回す。

 

《パワー!ランペイジ》

『人間、崩壊!』

「うるせぇええ!」

《ランペイジパワーブラスト!》

 

突進してきたマンモスマギアを、奏はアッパーで打ち上げ撃破する。

さらにベローサマギアとドードーマギアが飛びかかってくるが、奏はそれよりも早くマガジンを回していた。

 

《エレメント!ランペイジ!》

《ランペイジエレメントブラスト!》

「オオオオッ!」

 

ベローサマギアを炎を纏った右拳で、ドードーマギアを氷を纏った左拳で殴り飛ばし、伸ばしたアシッドアナライズでまとめて貫く。

貫かれた2体は爆発し、それを見ることもなく、奏はさらにマガジンを2回回す。

 

《スピード!ランペイジ!》

《ランペイジスピードブラスト!》

 

マギアの増援が次々と転移してくるが、構わず更にオーソライズバスターにアサルトウルフプログライズキーをスキャンし装填する。

 

《バスターオーソライズ!》

《Progrise key comfirmed. Ready for buster》

《プログライズバスターボンバー!》

「フン!」

 

奏は紫電を纏いながら高速飛行し、次々と増援のマギアを切り伏せていく。

 

「黒夜!一気に決めるぞ!」

「分かってるよ!」

「……私の、私の生きる理由は…マスターのぉ……!」

《ランペイジバレット!》

「アウラネル!こいつが、あたし達のルールだ!」

「フフ……さあ、勝利の法則は決まった!……なんてね」

「「ハッ!」」

「ッ!……」

 

黒夜と奏は同時に跳びあがり、キックの体制を取る。

アウラネルも迎え撃とうとフォースライザーのレバーに手をかけるが、その動きが直前で止まった。

 

《Ready Go!》

《ラビットラビットフィニッシュ!》

《ランペイジガトリングブラストフィーバー!》

「「ウオオオオオオオッ!」」

「ガッ…ア………」

 

黒夜と奏のライダーキックを食らったアウラネルは、爆発とともに吹き飛び壁に叩きつけられる。

変身も解除され満身創痍のアウラネルは何とか立ち上がると、爆発の煙に紛れて姿を消した。

 




どれだけその人を他人が知っていようと、本当の夢を知っているのは当人だけ。
自らの”ユメ”に疑問を持てば、それは自身のユメではない。
他人に押し付けられただけユメほど、不必要なものはない。

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