錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

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誤字脱字報告ありがとうございました。

マリアとセレナのフルネームって間違えやすいですよね。


7 ちょっと悪いこと、しちゃおっか?

《セレナside》

 

「――――戻ってどうするの?」

「・・・・・・え?」

 

七海さんの口から告げられた問いの意味が分からず、私は固まってしまった。戻ってどうするのか?私はその問いに対する答えが見つからず、口を閉ざすしかなかった。

 

「貴方が戻ろうとする理由は、貴方のお姉さんたちに申し訳がつかないから。・・・どうやらそうみたいだね。でも、貴方が戻ったところで何も変わらない。貴方は再びF.I.S.のモルモット。貴方の大切な人たちの待遇が改善するわけもなし。・・・つまり貴方は、何もできない場所へ戻るだけ。ここに居れば、そんな必要もなくなるけど?」

 

その言葉と提案は、きっと魅力的なんだと思う。ここに居れば、美味しいご飯と温かい布団。でもそれを得られるのは私だけ。マリア姉さんたちは無理だと言われた。

もともと私とマリア姉さんは故郷で戦争に巻き込まれ、難民として過ごしていた時にF.I.S.に保護された。そこで少しはマシになったけど、それでも良い環境とは呼べなかった。だけど、私のシンフォギアへの適合係数が高いことで、少しは待遇が良くなった。だから私が戻れば、姉さんたちにはもう少しマシな暮らしを・・・!

 

「・・・・・私が戻れば、姉さんたちの待遇が少しは良くなるかもしれません。私が働きかければ何とか・・・!」

「大人の狡賢さを甘く見ない方が良いよ。特に人間を対象に、変な実験をしてるような奴らを」

 

何を言っても否定してくる七海さんに、私は我慢の限界だった。

 

「っ!・・・じゃあ、どうすればいいんですか!戻ったところで何も変わらなくても、悪くなることはないかもしれないじゃないですか!そもそもさっきから何なんですか!私に選ばせておいて何がしたいのかなんて聞いて!言ってることがめちゃくちゃですよ!戻るなって言いたいんですか!?私に出来ることはないからここに居ろと!?マリア姉さんたちは諦めろと!?そんなの嫌に決まってるじゃないですか!七海さんのばかぁ!あほ!へたれ!根性なし!・・・わだ、私は姉さんたちと、暁さんだぢと、一緒に、いっしょに・・・・」

「・・・ごめん。でも貴方が戻っても、意味はないんだよ」

 

目から涙が止まらない。ほんとは気付いてた。きっとあそこに居れば、また今回みたいなことが起きるかもしれない。でも私は、ネフィリムの件で”死の恐怖”を知ってしまった。絶唱を使うのはきっとためらう。だから、ここにいた方が良い。でも、マリア姉さんや暁さんたちを思うと・・・。

そこからは憶えてないです。ありったけの暴言を吐いた気はします。そして・・・・気付いたら七海さんに抱きしめられていました。

 

「あ・・・・」

「ごめんね。貴方を悲しませちゃって」

 

そう言って七海さんは、私を抱きしめながら頭を撫でてくれました。その手がとても優しくて、なんだかマリア姉さんみたいです。それが嬉しくて、グリグリと七海さんに頬ずりしちゃったけど、七海さんは気にしてないみたい。

でもよくよく考えたらとても失礼だ。私を助けてくれた上に美味しいご飯もご馳走してくれたのに、暴言ぶつけるなんて・・・。

 

「その、ごめんなさい・・・。失礼なこと言っちゃいましたよね・・・?」

「ううん。大丈夫だよ。セレナはまだ子供なんだから、気にしなくていいんだよ」

 

ああ、やっぱりなんだか、お姉ちゃんみたい・・・・。

 

 

《七海side》

 

「・・・セレナ。ついてきて」

 

セレナの考えを聞いた私は、”あれ”を渡すことを決めた。この子は優しい子だから、きっとお姉さんや友人のことを放っておけないだろう。

だから、理由(・・)を与える。私の元にいることが自身の為になるという理由。・・・悪い考えだよなぁ。

そんなこんなで、セレナを連れて訪れたのはエルの工房。中に入りエルを呼ぶ。

 

「ナナ姉えとセレナさん?どうしたんですか?」

「突然押しかけてごめんね?例のモノを持ってきてくれないかな?」

「分かりました。ちょっと待っててくださいね」

 

奥に引っ込んだエルが持ってきてくれたモノを受け取り、セレナに差し出す。セレナは・・・おお、おお。戸惑ってる戸惑ってる。

 

「あ、あのこれってなんですか?」

「”力”だよ。貴方が大切な人と一緒に居たいなら、シンフォギア以上の力を得る必要がある。でもこの”力”を得るという事は、ここに残ることを意味する。それでもこれを受け取る覚悟は、ある?」

「力・・・」

 

悩んでるね。この様子だとF.I.S.に戻る選択肢は頭から消えてるね。

まあ最初から私はこうするつもりだったんだけどね。最初に頭を混乱させ、混乱した頭は思考を短慮にし、疲弊させる。後はそこに付け込んで優しくすれば、あら不思議。思考の誘導ができるんだよね。

 

「これがあれば、マリア姉さんたちと一緒に居られるんですよね?」

「それはあなた次第だね。もちろん私だって協力はする。そのかわり私の方にも協力してもらうけど。だから、後は貴方の覚悟1つ」

「なら、やります。姉さんたちのために、私が・・・・・」

 

覚悟を決めてくれたようで、私が差し出していたものを受け取った。ん?私が何を渡したのかって?私が渡したのはね――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スラッシュライザーとバーニングファルコンプログライズキーだよ。

 

 

 




今更なんですけど、イザークが無くなったあとの七海たちの動向とかは番外編で出します(予定)。

奏者たちの技を、ゼロワンライダー風にしてほしい?特殊タグ付けるのメンド・・大変だけど(参考程度です。)

  • やってほしい!
  • 別にやらなくてもいいよ?
  • 作者の苦労など知らん。
  • 文字に色つけないの?
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