錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

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前回のあらすじ

仮面ライダーブラッドこと享楽の巫女と再戦する七海とキャロル。

だが、ブラッドとスピリットスマッシュの力は強く、再び窮地に追い込まれてしまう。

しかし、メタトロンの前任者から力を譲り受け、新たな力で戦いに勝利する。

そして2人は、愛しき者と再会する。


事件の真実、そして救援

世界の亀裂が広がり、パリィィンと言う音と共に世界が壊れた。

気づけば、勇君たちと出会ったあの森に戻っていた。

 

「「ナナ姉え!」」

「キャロル!シャナ!」

「勇!」

「キャロル!良かった!」

 

掛けられた声に振り向くと、キャロルとシャナ、勇君がやってくるのが見えた。

私たちも再会できたことが嬉しくて、お互いのパートナーを抱きしめる。

 

「良かった…良かった!」

「ナナ姉え…ナナ姉え……」

「また会えて嬉しい!」

 

3人で再会を喜んでいると、勇君とキャロルちゃんが近づいてきた。

見ればキャロルちゃんは、勇君の腕に抱き着いていた。可愛い。

 

「七海さん。お互い何があったのか、情報交換しませんか?」

「うん。分かった」

 

私たちは勇君とキャロル、シャナとそれぞれ得た情報交換を行った。

 

「………園神凛祢、か」

「はい。七海さんたちも聞いた<凶禍楽園(エデン)>は、凛祢が作り出す結界みたいな物なんです」

「園神凛祢は、オレと同じく感情の集合体だ。ただ、オレはキャロル・マールス・ディーンハイムの感情が元なのに対して、ヤツは様々な平行世界の人間たちの「幸せになりたい」と言う無意識下での願いによって生み出されたんだ。勇たち風に例えるなら、擬似精霊ってところかな」

「シャナさんの言うとおりです。そしてすべての生命体を幸せにすることを、彼女は使命にしています」

「そのための<凶禍楽園(エデン)>か」

「彼女は、この世界のフィーネ―――享楽の巫女の研究に目をつけ、その協力を申し出ました。そして凛祢さんは、ボクの力を奪い……」

「そしてフィーネは、私たちの世界からビルドドライバーとハザードトリガーを奪った。まあどっちかと言えば、狙いは力を回収するためのフルボトルだろうけどね」

「園神凛祢と言う人物と、享楽の巫女の最終的な目論見。それは、全ての平行世界を凶禍楽園(エデン)に呑み込むことなの、ナナ姉え」

 

その後も情報交換を続けたけど、園神凛祢と言う人物、そしてその目的ぐらいしか交換できることはなかった。

ああそうそう。勇君たちの方にも、スピリットスマッシュが現れたらしい。ラジエルとミカエル、ガブリエルが現れたらしい。

 

「……勇君、君はどう思う?彼女らの言う、理想郷は」

「……僕は、間違ってると思います。だって、確かに現実は非情で苦しいこともあったけど……その度に誰かが手を差し伸べてくれた。だから!僕はキャロルと出会う事が出来た」

「勇……」

「都合の良い理想に逃げることを、僕は悪いとは思いません。でも、僕は”今”を守りたい。大切にしたいものがあるんです!」

 

彼の覚悟を、私は目を閉じて聞く。勇君の思いと言うのが、ひしひしと伝わってくる。

……というか、何でキャロルとシャナは温かい目で勇君を見てるの?

 

「七海さんは、どう思ってるんですか?凛祢とフィーネの目的について」

 

勇君が私にも聞いてくる。

私の考えなんて決まってる。彼の隣にいるキャロルちゃんも、それが分かるのか、顔をソッとそむけた。

 

「私は………理想へなんて逃げるつもりもないし、逃げていいなんて思わない」

「ッ!?それは、どうしてですか……?」

「はっきり言えば、私は貴方よりも長生きだ。だからいろんな光景を見てきた。そんな私からすれば、理想への逃げなんて『生きることを諦めてる』んだよ」

「あ…………」

「なんども、理想へ逃げれたらって思ったりもした。でもその度に、現実を突きつけられて、結局は嘘なんだと分からされる。だから彼女たちの目的を認めないし、フィーネの過去にも同情しない。だって、それが彼女の意志だったんだから」

 

私の話に、勇君は口を半開きにして固まっていた。

今話したのは、前世の経験からくるものだ。現実の非情さは、多分彼以上に知っている。まあ、彼の過去を知らないから何とも言えないけど。

 

「それが、七海さんの考え………ッ?キャロル?どうしたの?」

「……ッ!いや、なんでもない」

 

少し暗くなった雰囲気を変えるために、パンッ!と手を叩いて立ち上がる。

 

「ここでおどおどしていても、何も変わらない。私たちがやることは、何も変わらないのだから」

「ああ、そうだな。ナナ姉えの言うとおりだ」

「オレたちの目的は、奴らを倒し元の世界に戻ることだ」

「……そうですね。僕達にも、大切なモノがある!」

「ならば、行くとするか」

「目的地は、<凶禍楽園>のコア、向こうにそびえる塔だ!行こう!」

 

私たちは、高くそびえ立つ塔に向かって森の中を駆けていく。

ある程度走ると、やがて開けた場所に出た。

そしてその瞬間、私たちに向けて火球が飛んできた。

 

「ッ!?避けて!」

「なんだッ!」

「―――や~っと来たわね」

 

何事かと火球が飛んできた方向に目を向けると、塔の方角からスピリットスマッシュが歩いてくるのが見えた。

 

「カマエルにハニエル、ザフキエルのスピリットスマッシュか……」

「僕達が戦ったラジエルにガブリエル、ミカエルも!」

「むん。ここから先は通すなと言われていてな」

「と言うわけで、皆さんには私のお人形になってもらいまーす!」

「はぁ!?何言ってんのよ!あいつらは私が燃やし尽くすのよ!」

「キヒヒッ!やられたことにお怒りとはいえ、落ち着いた方がよろしいのではなくて?」

「メンドクサ……なんか増えてるし」

「まーまー。さっさとやっちゃおうよ」

 

スピリットスマッシュたちはそれぞれの武器を手に、私たちへと襲い掛かってきた。

 

「さっさと死ねェ!」

「うわッ!」

「くそ!こんなところで戦ってる場合じゃないのに!キャロル!」

「分かっている!」

「「変身ッ!」」

《ロボットォイングゥリスゥ!》

《When the five horns cross,the golden soldier THOUSER is born.》

 

スピリットスマッシュの攻撃を躱して、仮面ライダーに変身した私たちは反撃を開始する。

勇君たちも、天使を呼び出して戦っているみたい。

その時、塔を中心に謎の波動が発生した。

 

『無駄な抵抗を続ける者どもよ。理想郷を否定する者どもよ』

「この声、フィーネか!」

『もうじき<凶禍楽園>は完成する。全ての人間、世界は己が理想の中に酔いしれる。その時こそ、真の平和が訪れるであろう』

 

それだけ言うとフィーネの声は途切れ、塔は不思議な光を明滅させる。

時間がないことに焦っていると、カマエルスマッシュが戦斧を振り回しながら迫ってきた。

 

「そこの金ぴかぁ!」

「グッ!」

「ナナ姉えッ!」

《JACKING BREAK!》

「ハアアアッ!」

「ちッ!」

 

カマエルスマッシュが怒り狂ったように攻撃してくるが、キャロルのサポートによって引き剥がすことに成功する。

そしてすぐにツインブレイカーにフルボトルをセットする。

 

「ナイスキャロル!」

《シングルブレィクゥ!》

「オラァ!」

「ガハッ!こいつ……ッ!」

「ッ!?」

 

私の攻撃にさらに逆上したカマエルスマッシュが火球を撃ちだそうとすると、私たちの間に何かが()()()()()

 

「……あー痛ってー!」

「ゴホッ!ゴホッ!……一体何が」

「え?もしかして、奏にセレナ!?」

 

煙の中から出てきたのは、天羽奏とセレナ・カデンツァヴナ・イブだった。

2人も私たちを見かけると、駆け寄ってきた。

 

「お姉ちゃん!先生!ようやく見つけましたッ!」

「お前らどこに行ってたんだよ!行方不明だってみんな心配してたんだぞ!」

「そうだったんだ……そうだ。2人とも!私たちは今時間がない。あいつらの相手を任せたいの!」

「は?アイツらってなんだよ」

「次から次へと……うっとおしいのよッ!」

「面倒事が増えた……」

「キヒヒヒッ!獲物が増えたと思えばよろしいでしょう?」

「なんだ、あいつら……?」

 

私が指差した方向にいるスピリットスマッシュたちに、2人は首を傾げる。

事態がよく呑み込めないのは分かるけど、今はとにかく時間がない。

 

「詳しい事情は後で説明するから!とりあえず、貴女たちはあいつ等を倒して!」

「……分かりました。詳しい事情はよく分かりませんが、私はお姉ちゃんたちを信じます」

「はぁ……ちゃんと後で説明してもらうからな」

「ッ!うん!」

「ここは任せるぞ」

 

私たちはこの場を2人に任せ、塔に向かって走る。

当然スピリットスマッシュたちは妨害してくるが、奏とセレナが防いでくれた。

 

「七海さん!」

「勇君、キャロルちゃん!そっちは大丈夫だった!?」

「はい!心強い救援が来てくれましたし!」

「……?まあいいや、とにかく時間がない!」

「分かっています!急ぎましょう!」

 

勇君たちとも合流した私たちは、急いで塔へと向かうのだった。

 

 

◇◇◇◇

 

 

<奏side>

 

あたし達は、S.O.N.G.の新たな施設で、突然いなくなった七海とキャロルの発見報告を待っていた。

その時、あたしの頭の中に突然女の声がした。

 

『――むん。お前たちがグリスとやらの世界の住人か』

「「ッ!?」」

 

その声に驚いて急に立ち上がったあたしを、周囲のやつらが怪訝な目で見てくる。

というかセレナのやつも立ち上がってるじゃねえか。ってことは、セレナにも聞こえたのか?

 

『詳しい事情を話している時間が惜しい。お前たちをグリスの元に送る。我らでは、どうも手を出すことが難しいようじゃからのう』

 

再び声が響くとともにあたしの意識が光に覆われ、あたし達は気づいたら変な場所にいた。

しかもそこには七海たちがいて、なんか知らねえけどあのスマッシュみたいなのを倒してくれって言われた。

余程時間がないことが感じられたので了解すれば、七海たちは急いで塔みたいな場所に走って行った。

だが、その七海たちに斧を持ったスマッシュが、攻撃しようとしているのを見つけた。

 

「ッ!行かせるわけないで…ッ!」

「そうは問屋がおろさねえな、スマッシュさんよ」

「お姉ちゃんたちの邪魔はさせません」

 

スマッシュみたいなやつの攻撃を、あたしのショットライザーで妨害する。

でっかい斧を持ったやつは、怒り狂ったような唸り声を上げた。

すげえな。あいつら顔がないのに、怒ってるのがすげえ分かる。

 

「グッ!」

「キャァ!」

「いてて……」

 

睨みあっていると、スマッシュたちの元に3体の新しいスマッシュが転がってきた。

 

「ふふふ……せっかく勇君から頼まれたんだもん。ちゃんとやり遂げなきゃ」

「てめえらにゃ、さっさとぶっ倒れてもらうぜ」

 

そしてそのスマッシュたちを吹っ飛ばしたのは、イチイバルを纏ったクリスとたしか響の親友だっつう小日向未来だった。

小日向未来は、私たちも見たことない紫色のシンフォギアを纏っていた。

 

「クリスッ!?お前もこっちに来てたのか!?」

「あ?あんた誰だよ?」

「あれは……たしかツヴァイウィングの天羽奏さん?でも、あの時に亡くなったはずじゃ……」

「はあ?何縁起でもないこと言ってんだよ?」

「これは……よくよく見れば、クリスさんが纏っているイチイバル、私たちが知っているものとは少し形状が違いますね」

 

あー!あたしにはこういうことよく分かんねえ!

だけど、少なくともこいつらが敵じゃねえってことは分かる。

 

「よく分かんねえけど……お前たちもあいつら倒してえんだろ?だったら協力しようぜ」

《ランペイジバレット!》

「そうですね……その方が、安全に戦えます」

《ブレイブ!》

 

あたし達は『ランペイジガトリングプログライズキー』と『セインティングペガサスムゲンライズキー』を起動し、それぞれのライザーにセットする。

 

《オールライズ!》

《ムゲンライズ!》

《 《Kamen Rider...Kamen Rider... 》 》

「「変身ッ!」」

《フルショットライズ!》

《スラッシュライズ!》

「さっきから……私たちを無視してんじゃないわよぉ!……ガッ!」

 

スマッシュの一体が走ってくるが、周囲に現れたライダモデル達に弾き飛ばされる。

あたしに向かってくる5発の銃弾を、拳や蹴りで弾き、分解された銃弾があたしの身体を包む。

そしてライダモデル達も装甲の一部となって、あたしの右半身に装着されていき、あたしは仮面ライダーランペイジバルカンに変身を終える。

 

《Gathering Round! ランペイジガトリング!》

《マンモス!チーター!ホーネット!タイガー!ポーラベアー!スコーピオン!シャーク!コング!ファルコン!ウルフ!!》

《Hope of legend! セインティングペガサス!》

《The sword that pays the darkness is the proof of the king》

「なんだあれ……シンフォギア…じゃねえよな」

 

クリスの戸惑った声が聞こえる。やっぱライダーシステムのことを知らないのか?

まあ、悪い奴らじゃねえだろうな。

 

「シャッ!行くぜ!」

「ハアアッ!」

 

同じく仮面ライダー迅に変身したセレナと、スピリットスマッシュに向かってあたし達は駆け出した。

 

 

 

 

 

 




勇君視点もこちらから!

タク-Fさん投稿「マジで……この世界!?」
https://syosetu.org/novel/234619/

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次回予告

それぞれの世界からの救援者に、スピリットスマッシュを任せた4人は塔の内部へと突入する。

そこで待っていたのは、仮面ライダーブラッドと精霊としての力を解放した園神凛祢だった。

<凶禍楽園>を賭けて、それぞれの願い、思想、覚悟、使命が交錯する。

次回もお楽しみに!

何も言わずに選んでください

  • ゲーマーキャロルちゃん
  • 原作開始前に命題に気づいたキャロルちゃん
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