異世界転生したらTSさせられて結婚してました!?は?まじ???   作:すやき

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そろそろ話が進みます
具体的には次の回で4人がある事件に巻き込まれます

大丈夫、チートバグ野郎が二人もいるので心配はいりません



友達っていいよね

 

衝撃波と共に額から汗が散る。

ギリギリの動作で避けた相手の拳は、あと数瞬遅ければまともに顎に入っていただろう。拮抗する実力だが、体格の分だけこちらが不利だ。

相手の隙を探せ。

久しぶりに実力のある相手に心臓がどくどくと煩い。乾いた唇を舐める。

ギラギラと闘争心に溢れた瞳と目が合う。

こちらを喰らい尽くそうとする気迫に頬が引き攣る。知らぬうちに笑みを浮かべていたようだ。目の前の相手も笑う。お互い似たような表現なのだろうな。

 

「はあぁぁぁ!!」

 

「でりゃぁぁぁぁ!!」

 

 

気合いの入った声と共にパタリと音が止んだ。少しするとアーベントとリフが汗だぐになって帰ってくる。何がどうなったのか全く分からないが、決着はついたらしい。爽やかな笑みを浮かべたリフと相変わらず無表情のアーベントが肩を並べて握手をしているのを俺はぼけーっと見ていた。

 

いや、むり。

怖すぎてチビりそうになった。なってないけど。

軍人てのはどいつもこいつもヤバいやつしかいないのか?姿がぶれて見えるとか音速超えてないか?え?人じゃなかった?

俺の結婚相手人じゃなかったの!?そんな馬鹿な!!

 

助けを求めるようにフィーの方を見て、テーブルに突っ伏した。なんというか、うん。

フィーとリフはお似合いのカップルですね、はい。

露骨に目がハートになってリフを応援してるフィーを見ると、恋する乙女ってまじ可愛いよな……と現実から逃げてしまいそうになる。

純正美少女ってこんなにも一途に恋することが出来るのか……

アーベントには悪いけど俺は無理そうです。だってさぁ、無理だよこんなテンションぶち上げて好きですオーラとか出せないよ。

俺はいつでもクールにクールに生きたいのよ。おうこらそこ!誰がポンコツだ、だれが!

忘れてたけど俺たちは今日初めて会ったからな。一目惚れとか、俺はそんなチョロインムーブなんてしねーから。

せいぜい仕方ないから産むしかないか……(諦め)だから。そこんとこ忘れんなよ?

 

あっ、ちょっ、汗だくのままこっち来んなよ。俺はいいけどフィーが汚れる。ほらこっち来い、汗拭ってやるから。まったく、俺がハンカチ常備してる綺麗好きでよかったな?

え、備え付けのタオルがあった?それを先に言え!

 

まったく…どうしてくれようか。アーベントの汗で湿ったハンカチを仕方なくポケットに入れる。これはもう使えないな。実家にいた頃から使っていたお気に入りの柄だったのだが仕方ない。部屋に帰ったら捨ててしまおう。

 

「2人とも汗が凄いですしシャワーでも浴びてきたらどうですか?」

 

「私たちはここで待ってますから」

 

「フィーも、さっきの分までお話しましょう?」

 

はっきり言うなら汗臭いから近寄るな。

ま、そんな直接は言わんよ?これでも常識はある。けど言ってしまいたい。

男の汗とか気持ち悪いだけだからさっさと行ってしまえ。ついて行きたそうなフィーはステイステイ。

イチャつくのはいいけど公共の場では止めような。そうゆうのは部屋に帰ってからにしなさい。めっ!

フィーの額に軽いデコピンをお見舞すると正気に戻ったフィーが恥ずかしげに頬を赤く染める。うーんこの、美少女だから許せる事だよね。

また元の席に座り直して今度はまともなフィーとお話をする。

会話は至って健全な話題から始まりちょっと踏み込んだ所までいってしまった。

 

「フィーってすごくリフさんと親しいけれど、以前から知り合いだったんですか?」

 

「はい。リフとはここに来る前からお付き合いしていまして、あの手紙が来た時に私を選んでくれたんです…」

 

その時のことを思い出したのか、少し照れながらフィーは教えてくれた。

リフは軍でA級戦果を上げていたため相手を選ぶ権利が与えられていたのだと。より上にいくと細かい指定ができるようだ。

そうするとアーベントの野郎、まじで俺の事をランダムで選びやがったな?

普通元男を選ぶわけないもんな。俺は純粋な女性とお付き合いしたいもん。

でもあいつもある意味では可哀想かもな。そこまでこだわりがないとしてもめちゃくちゃ可愛い子とか期待してたら来たのが俺って……これ以上考えるのは止めよう、虚しくなってきた。

 

「それなら私が当たったのは偶然かぁ」

 

「そうなのですか?とても仲良く見えましたが……」

 

「あぁ、だって私はリバースで、そもそもあいつとはあったこともなかったしな」

 

「まぁ!リバースでしたの。それは苦労することも多いでしょう。よろしかったらいつでも相談に乗りますわ」

 

「うん……ありがとう…」

 

リバース。それはいわゆる性別が逆になった人の事を指す。性別が変わったりすることは今の世の中じゃ稀によくある状態で、そうなる理由は様々。

異星の薬を飲んだらとか俺みたいに上からの指示だったりとか、多くは理不尽な事故だったりする。そーゆーのがリバースって呼ばれてる。

フィーも俺がリバースだってことに特に驚いた様子はない。それほど生活に馴染んだ存在なのだ。

 

「ふふ、それに時折口調が乱れていましたので何となく分かっていました」

 

「えぇ!ほんとに?恥ずかしいなぁ」

 

「ええ。ですので、私にはそのままの口調でお願いします。せっかく仲良くなれたんですから」

 

「お、おう……わかった」

 

可愛い女の子に仲良くなれたんだからとか言われたら断れないよ。なんで俺には息子が付いてないんだろうな???意味わからん。

 

フィーと改めて仲を深めて(やらしくないぞ?)アーベントとリフが戻ってきたのがだいたい30分後って所かな。

そして1度解散して部屋に戻ったのが1時間後。俺たちはこの時まだ予想すらできていなかった。

あと1時間後に、とんでもない事態に巻き込まれることに。

 

 





主人公
誰か名前決めてくれない?
リバース

アーベント
チートバグ野郎その1

フィー
リフにベタ惚れ
純正美少女

リフ
チートバグ野郎その2


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