異世界転生したらTSさせられて結婚してました!?は?まじ???   作:すやき

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お待たせしました(誰も待ってない)

課題が一段落したから初投稿だと思います


晴れ時々襲撃

「はぁーーー。疲れた」

 

体がズブズブ沈むダメになりそうなソファに腰掛ける。座ると途端に疲労がのしかかって、今はもう立つのも億劫だ。

なんだろう。知らない人と話すのがこんなにも疲れることだったとは忘れていた。

今日一日のこと、隣の部屋にいるアーベントの事を思い出す。

プリンも知らなくて、思ったよりも人見知りで、それでいて初対面の人間とも平気で拳を交える子供みたいにアンバランスな奴だ。

でもちょっとだけ楽しかった、かな。

ソファの背もたれに沈みながら薄れる意識で天井を見る。

部屋の明かりがつけっぱなしだけど、いいかな。

ぼんやりと光が膜に覆われたみたいに見えて、ゆっくり目を閉じる。

一人部屋の中はスー…スー…と1人分の静かな寝息しか聞こえない。

 

 

 

 

 

「ふぁぁ〜……ん〜よく寝たぁ」

 

パッと意識が覚醒してまだダルい体を起こす。俺は寝起きが良い派の人間だが、さすがにソファで寝ると身体中バキバキで動くとゴキッと美少女にあるまじきやばい音がする。

それでもマシになったから、立ち上がって部屋の隅に置かれたスーツケースに手を伸ばす。

確かこれってリビングに置きっぱなしだったはずだが、アーベントが届けてくれたのか?

だとしたら意外と親切な奴だ。会ったらお礼の一つも言った方がいいかな。

うん、自分がしたいならすればいい。べつにお礼ぐらいで出し惜しみしてたらこれからどうすればいいってんだ。

俺はYDK(やればできる子)なんだよ。

そうと決まれば、こんなしわくちゃの服なんがじゃ会えないよな。サラリーマンだってシワだらけのスーツじゃみっともないのと一緒だよ。

スーツケースを全開にしてぎゅうぎゅうに詰め込まれた中から服を探す。

うーん、男物の服は今の俺には似合わない。

なら仕方ない、もう一個の真新しい方のスーツケースも開ける。中には見覚えのない服やら何やらがぎっしり詰まっていた。

母さん…頑張りすぎじゃない……?

俺が女の子になってから、必要になるよって言って渡してくれたこのケースの中身、確かに役に立ってたけど量がおかしい。

よく分からないヒラヒラのスカート?だったり履く意味あるの?って感じのパンツだったり母さんは俺をどうしたいのか分からない。

いや普通に考えて、息子(むすめ)の勝負下着を選ぶ母親って嫌すぎるだろ。

でも正直言って助かる。ごそごそ探った中から、まだ着やすそうなワンピースタイプのものを取り出して体に当ててみる。うわぁ、気持ち悪いくらい似合う……

俺の全てがミニマムな体が映える白地のワンピースは、細やかな刺繍がされていて一見簡素なものだがその実とても可憐だ。

俺の趣味にもあっていてどこのブランドなのかとタグを見れば小さくメイド・イン・Mと書かれていた。

M……マザーかよ。そういえば母さんの趣味は手芸だったなぁ……とか思い出しながら、おそらく母親手製のワンピースを身に纏う。

泣いてない、泣いてないんだからなっ……

うん、涙を拭って笑顔だ笑顔。にっこり笑っときゃ男なんてどうにでもなる。俺がそうだった。ありがとう母さん、息子(むすめ)は元気にやれてます。

よしっ!いくぞー!

 

「キサラか……」

扉を開けたら、目の前にアーベントがいた。

 

 

────………あっ、ぶな。心臓止まってたわ。

びっくり要素とか要らないから。俺を殺す気なのか?何気に俺の名前初めて聞いた気がするけども?

あ、そうそう俺は木更津明(きさらあかり)ってゆーの。自己紹介でちょっとしくじってファミリーネームを先に言ってそのままになってたんだよな。

ま、キサラってこの顔に似合う名前だから全然いいけどね。ただの苗字が名前になるのも呼び捨てとかで慣れてるから全然OK。

むしろ名前呼びとかより気楽でいいや。

 

「ええっと、何かありましたか?」

 

「ああ……いや、何も無いならいいんだ」

 

「はい、?……あ、もうこんな時間なんですね。もしかして、起こしに来てくださったのですか?そうでしたら…ありがとうございます」

 

「いや、感謝されるほどのことはしていない」

 

アーベントのやつ、妙に歯切れの悪い返事だな?こんなにまごまごと喋るようなやつだったか?もっと、こう…口数は少ないけど簡潔に喋るようなやつだった気がするんだが?

それに、何も無いなら?どこが引っかかる言い回しだ。訝しんだ俺がアーベントに尋ねようとした時、アーベントの端末が鳴った。

 

ピリリリリッ!!ピッ!

 

「なんだ」

アーベントが電話に出ると聞き慣れない声で喋りだした。なんだか前より低くて怖い。

声だけでビビらせてくるのはやめてくれぇ。そろそろと横を通って共有スペースへ向かう。1度水でも飲もう。

不思議なことに共有スペースの明かりか着いていない。パチリとスイッチに電源をつけて、パッ明るくなる……ことは無かった。

「??どうして…?」

ぱち、ぱちと何度も繰り返すが明かりはつかない。

 

「電気は通っていない」

「閉じ込められたんだ」

 

スイッチを押す手が何倍も大きな手に覆われた。力なんぞ篭ってもない、手をただ重ねるだけ。その手が妙に冷たく感じた。

後ろからの声に反応して、振り返りながら仰ぎ見る。暗い中で、僅かな光を反射した瞳が煌めいていた。

 

 




伏線もなんもない突然の襲撃回です

一応、1話で攻めてくる奴らとか人間を捕食する生物がいることにはなってます
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