幻想郷エイリアン   作:螢雪

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今回も人里です。
ちなみに、これを書いていた頃はまだ受験生だったので、序盤に受験ネタが入ってます。結果は聞くな。


その1.4「ジャンプヒーローって知ってるか」

侍の国。僕たちの国がそう呼ばれていたのは、

 

「「黙れええええええええ!!」」

「うがああああああ!」

 

25字も言い切らない内に、台本を持った新八は銀時と神楽のダブルキックに悲鳴を上げた。

 

「くどいんだよお前!性懲りもなく前回と同じ下りをやるな!」

「仕方ないでしょうよ!ここの作者は無能なんだから、ネタ切れなんですよ!」

「たった4話目でネタ切れか、だったらもう小説投稿辞めちまえ!」

「辛辣すぎるだろ!作者きっと今泣いてますよ!?」

 

銀時の暴言を新八が責める。と、神楽が声をかけた。

 

「じゃあこれはどうアルかクソ眼鏡」

「クソ眼鏡って誰だよ!」

「その『侍の国〜』って下りを、全く別の雰囲気で話せばイイネ」

「べ、別の雰囲気?」

「あー、なるほどな」

 

神楽の提案に戸惑う新八と、納得する銀時。早速銀時が、新八の持っていた台本にガリガリと鉛筆をたて、訂正版として新八に渡した。

 

「じゃあ、これで読んでみろー」

「は、はい…」

 

 

 

 

 

(BGM・愛を取りもどせっぽい曲)

 

 

 

さぁぁぁぁぁむらいのくにぃぃぃぃぃ!!俺達の国がそう呼ばれていたのは、今は昔の話ぃぃぃぃぃ!!!

 

 

「って伝わらねえよ!!これ確かアニメ版人気投票篇の北斗の拳のパロディだけど、字体だけじゃ全くわからねぇよ!」

「うーむ、やはりか。この時の阪口大助の本気度が物凄く好きなんだが」

「『さん』をつけろ!」

「うるせぇぞ8位」

「昔の話をほじくり返すな!」

「アイアムショック!」

「アイアムショックじゃねぇよ!つーかネタがコアすぎて多分読者のほとんどが理解できてねーよ!」

「残念だったな、お前らの読んだ約600字の文章は全くの無駄ネ」

「600字も無駄にすんな!小説書きとしてそれは割といろんな意味で被害を被りすぎだよ!てかテープ止めろ!」

 

新八の怒鳴り声に、渋々神楽がカセットテープの「I am shock」を止める。

 

「大体よー、原作もアニメも完走できてねぇやつが2次創作なんか作ろうとするなよ。『このキャラにこんな設定付けよー』とか言って、実は銀ノ魂篇で公式設定がちゃんとあって、矛盾しちゃったらどうすんのよ」

「ちょっとそれ不特定多数を敵に回してるかもしれないからやめてください!てか創作は自由でしょ!あとここの作者、ジャンプリミックスでちょうど銀魂特集やってるから、今ちゃんと予習中ですから」

「ちゃんと受験勉強しろや」

「休憩時間にちゃんと読んどるわ!アンタは取り敢えず作者を貶したいんか!」

「まぁ万が一のこともあるから、ここで謝っとこうか、集合〜」

 

銀時の呼びかけに、新八は渋々近くによる。神楽はカセットテープを入れ替えてお詫びっぽい音楽を流す。

 

「今作品で、何か失礼なことをしましたら、マジしゅいあしぇんでしたぁ」

「真面目にやれよ!」

 

 

 

 

 

人里のど真ん中、銀時たちが追われている中、偶然にも沖田と合流する。が、沖田と共にいたのは、

 

 

鎖で首を繋がれている、青の長髪の帽子を被った少女だった。

 

 

「何やってんのおおおおおお!?」

「実は早速土方さんの素性がバレてですね、真選組は今バラバラなんでさぁ」

「そうじゃなくて!その子誰ですか!」

「あん?見てわかんねぇのか、メス豚だ」

「『あん?』じゃねぇよ調教してんじゃねぇ!」

 

既にドSさを発揮し始めた沖田は、1日目の午前で既に自分の獲物を捕獲していた。その光景に周りの人里の人間が異物を見る目で沖田を見ている。

 

「文句を言わないでくだせぇ、既に合意は得てるんでさぁ」

「何か別の意味に聞こえるからやめろ!」

「見ててくだせぇ、こうやって…」

 

突如刀を構える沖田。それはまさかの真剣で、鞘がついていなく、それは顔に傷をつけた男のように逆刃刀のはずがなく、

 

「ちょ、沖田さん!?それ刀が剥き身で…」

 

新八の制止も聞かずに、沖田は刀を振り下ろした。刀は少女の肩辺りを斬りつける。

 

「ぎゃああああああ!!」

 

悲鳴をあげたのは新八だ。周りの人里の人間も、蒼白した表情でその光景を見ている。

 

「ちょっと何してるんですか!無実の少女を斬りつけるなんて!それもうドSの域超えてますよ!殺人のSですよ!」

「酷いネ!幼気な少女にこんな仕打ちなんて…人の血通ってんのか!」

「天人に言われたかねぇな」

「そんな事言ってる場合か!」

 

沖田の行動に新八と神楽が完全に慌てる。しかし沖田は少しも焦った素振りを見せず、

 

「まぁ見てくだせぇって言ったんですよ、ほら」

「ほらって…」

 

沖田が斬りつけたところを指差す。新八がそれを覗き込むと、あることに気づいた。

 

「あ、あれ…?服は切れてるのに身体に一切傷がついてない…」

「何だと?」

 

銀時が新八を押しのけて覗く。確かに切れてるのは服だけで、皮膚には血どころか腫れた跡すら残っていない。

 

「そういうことでさぁ、ま、図鑑を見ればわかりやすがね、コイツぁ天人で身体が異常に丈夫らしいですぜ」

「天人!?じゃあこの子も神楽ちゃんみたいに?」

「うーん、こっちは『あまんと』じゃなくて『てんにん』って読むような気がするって螢が言ってたが。あれ、『てんじん』だっけか?」

「どちらにせよ、コイツぁ『天界』のほうの天人なんで、俺らの世界の『天人』とは違いやすがね。ま、頑丈ってことは…」

 

沖田は清々しい笑顔で鎖を引っ張って言った。

 

「コイツぁどんだけ虐めても身体に傷がつかない、便利な人材ってことだ」

「この上なく酷い発言してるよ!?ドSが完全に花開いちゃってるよ!警察がそんなことして許されると思ってんですか!」

「だから言ってんだろ、合意は得てるって」

「は?」

 

新八が首を傾げたところに、鎖で繋がれた少女・比那名居天子がくるりと振り返り、睨みつけて言い放った。

 

「ちょっと!全く何も感じないんだけど!もっと強く斬りなさいよ!」

「こっちはドMだったぁ!?」

「はいはい、わかりやした」

 

万事屋の前で、沖田は刀をめいいっぱい振り下ろし、天子はまだ足りないと叫ぶ。明らかに異常としか言いようのない光景に、万事屋だけでなく周りの人里の人間もドン引きだった。

 

「やばいよ、沖田さんが最高で最悪の相手を見つけちゃったよ…」

「というか、こいつらといたら私達まで白い目で見られるネ」

「はっ!そうじゃねぇか!早くここから逃げなければあいつの巻き添えに…」

 

今の沖田は誰が何を言おうと不審者である。そんな奴と話していたら同類と思われ、そしてそのまま指名手配とバレてしまうかもしれない。

 

ともかくこの場から離れなければならない。来た道を戻ろうと銀時は後ろを振り返ると、

 

 

 

長い青髪の女性と目が合った。

 

 

 

「…ども」

 

完全にやってしまった、という顔で銀時は挨拶をする。ドM少女と比べると、青髪というよりも水色に近い髪だ。その女性は銀時の挨拶を無視し、質問を投げかけた。

 

「お前も、口から煙を出す奴と同類か?」

「はは、知りませんねそんなトーマス」

「いやトーマスは口からは煙を吐かないわよ」

「じゃあ、さっきいたあんぱんと同類か?」

「はは、知りませんねそんなジャムおじさん」

「ジャムおじさんはあんぱん専用職人ではないわよ」

 

女性の質問と、銀時の答えと、追いついてきた阿求の突っ込みを2ターン繰り返した後、沖田が声をかけた。

 

「あ、旦那ァ気をつけてくださいよ。そいつは土方さんの正体見破った奴ですから」

「いや、お前がバラしたんじゃないのか」

 

慧音がそう訂正し、改めて銀時を睨みつける。

 

「さて…、どんなやつか気になるな」

「俺としてはそこにいる女がトーマスとジャムおじさんを知ってることが気になるんだが」

「山寺さんっていう犬については知らないわよ」

「嘘だよね?チーズの声優完全に知ってるよね?」

「話を逸らすな」

 

慧音は銀時、神楽、新八をひとしきり眺めた後、再び銀時に視線を戻す。

 

「…その銀髪、幻想郷にはそんな整ってない髪型の奴はいない気がするが」

「いやいやいや、俺、幻想郷生まれだよ?もうバリバリ幻想郷大好きだよ?ゆるキャラののゲンソーくん知ってるもん」

「そんなものは無いが。…じゃあ確定だな」

 

慧音はそう言うと、銀時の両肩を掴んだ。

 

「…あの痛いんですけ」

「ふんっ!!」

 

次の瞬間、慧音の頭が振り下ろされ、銀時の脳天に直撃した。そして銀時はその衝撃で首から下が地面に埋まり、泡を吹き白目を向いていた。

 

「銀さん!?」

「次はお前らだな」

 

慧音は腕まくりをして新八達に近づく。その覇気に怯えながら新八が必死に抵抗した。

 

「ちょ、あなた一体何者なんですか!」

「私は上白沢慧音、ここの近くの寺子屋で教師をやっている」

「言ってることとやってることが完全に違ってるんですけど!?」

 

じりじりと近づいてくる慧音に怯え、新八は思わず振り返った。

 

「沖田さん!ちょっと助けてくれませんか!」

「あん?何で俺が助けなきゃならねぇんだ」

 

沖田は天子に刀を振り下ろす手を止め、新八を真顔で見つめる。

 

「身代わりはこういう時に役立つもんだぜ」

「おいテメェ!身代わりってどういうことネ!何ならお前を突き出してやろうか!」

「ふん、出来るもんならな」

 

そう言って沖田は刀を向けようとしたが、

 

「…?おい、何で刀を」

 

沖田の刀を、天子が素手で掴んでいた。そしてゆっくりと立ち上がり、

 

「…あんた、もういいや。侍だか何だか知らないけど、何も感じないから意味ないわ。てか弱いね」

 

冷ややかに見つめる目線で、沖田を睨みつけた。

 

「衣玖の電撃の方が、数百倍よく効くわ」

「っ!」

 

天子が唐突に放った蹴りを、沖田がギリギリで横に飛び退いて避ける。

 

「…おいおい、勝手な真似するんじゃ」

「調教してたつもり?悪いけど、そんなんじゃ私は落とせないわよ。代わりにこれでも落としておくわ」

 

そう言い切るなり、沖田の頭上からバカでかい要石が猛スピードで墜落し、沖田がいた場所に突き刺さった。

 

「報酬もらえるらしいし、もうあんた要らないわ」

「沖田さあああん!!」

「うっさい」

 

要石が真っ二つに斬れ、少し身体が汚れた沖田が姿を見せる。

 

「俺に調教できない女がいたとはなぁ」

「あれ、生きてたんだ」

「テメェの身体に比べりゃ豆腐みたいなもんだ」

 

そうやって天子が感心して沖田を見つめる中、沖田は必死に打開策を考えていた。しかし刀が通らない女と、銀時を一撃で埋葬した女がいる時点で、真正面からやり合うにはリスクが高すぎる。

 

(少し疲れるが、ここから逃げるのが得策か)

 

沖田がそう結論を下し、切り倒した要石を台にして背後の家の屋根に飛びのる。

 

「あっお前!何逃げようとしてるネ!早く銀ちゃんを助けろヨ!」

 

沖田が撤退するのに気づいた神楽がそう言うも、沖田は冷ややかに見下ろして言い放つ。

 

「アホかお前。さっき言ったはずだぜ、俺は土方さんを身代わりにしたって。ならお前らも身代わりにする他ないだろ」

「んだとこの野郎!ろくでなしが!」

「じゃあ聞くが、お前は俺を身代わりにしないと誓えるか?」

「…」

「ちょっと神楽ちゃん!?何黙ってんの、もしかして真っ先に身代わりにするつもりだったの!?」

 

黙り込んだ神楽に新八が思わず突っ込む。しかしすぐに慧音が迫り、それどころではいられなくなった。

 

「ほらな。じゃあ俺は先に、」

 

沖田が慌てふためく2人を尻目に、この場から逃げ出そうとするが、

 

「っ、なんだ、お前は」

 

振り返るとそこには、帽子を被り、羽衣を纏った青髪の女性が立っており、手を沖田に向けていた。そして一言、

 

「ザケル」

「っ!?」

 

女性の手から出された電撃に、沖田は反射的に避け、屋根から飛び降りた。

 

「何だこれぁ、電気…」

「あら?知らないのですか?」

 

屋根の上から女性が飛び降り、羽衣をドリル状にして沖田に襲いかかる。すかさずスライドして避けた沖田に、その女性は不敵な笑みを浮かべた。

 

「第一の術、『ザケル』ですよ」

「衣玖ぅぅぅう!何邪魔してんのよ!こいつは私の獲物よ!」

 

天子の怒鳴り声に、その女性、永江衣玖は手から電気をほと走らせながら答えた。

 

「他にも『ザケルガ』『テオザケル』『ジャウロ・ザケルガ』とか使えます。『ジケルド』『ラウザルク』『ザグルゼム』は残念ながら出来ませんが、『ラシルド』『ガンレイズ・ザケル』『バオウ・ザケルガ』はそれらしいものが出せますよ」

「誰が◯ッシュの呪文の内で使えるやつを言えって言ったよ!私が聞いてるのは何でここにいるかってこと!」

「あらゆる人から『てめーの能力「空気が読める」じゃなくて「電撃を放てる」だろ』と思われ、挙げ句の果てには『空気の読めないキャラ』として扱われてる二次創作を見つけた、私の身にもなって頂けませんか」

「知らねぇよ!」

 

天子と衣玖の漫才に、思わず見とれる新八と神楽と慧音。その間に沖田が体勢を立て直し、刀を構え警戒体勢をとりながら、口を開く。

 

「お前は一つ間違いを犯した、永江衣玖とやら」

「…?何でしょう」

 

何かあったのか、と新八が固唾を飲んで見守る。が、

 

「ジャウロ・ザケルガは、◯ッシュの兄・ゼオンの技だ!」

「いやそっち!?」

「なるほど、私とした事が間違えてしまいましたね」

 

衣玖は観念したかのように首を振る、が、すぐに沖田に手を構え、

 

「ではデイン系の呪文にしましょう」

「それド◯クエええ!」

 

衣玖はそのまま攻撃するかと思わせ、一瞬のうちに沖田との間合いを詰める。そして手を突き出し、

 

「デイン」

「ちっ、」

 

咄嗟に横に避ける沖田。衣玖が出した電撃が地面に触れると、雷が縦に突き刺さる。

 

(電撃だと、刀で受けるには分が悪すぎる)

 

「ライデイン」

「っ!」

 

避けたと思っていた沖田だが、既に衣玖の反対の手が向けられていた。先程よりも強い電撃が沖田の足元に向けられる。

 

間一髪避けた沖田だが、電撃の衝撃でかなり後ろまで押しやられた。

 

「そして最後」

 

上からかかった声に、ハッと沖田が見上げると、そこにいた衣玖が天に手をかざしていた。

 

沖田はすぐさま踏み込んで、上から落ちてくる衣玖から距離を取る。

 

衣玖は一度、上に電撃を立てたのち、こう叫びながら電撃の円を広げた。

 

「ギガデイン!」

「ちょっと待てぇ、さっきからド◯クエやってると思ったら、それス◯ブラの勇者のムーブじゃねぇか!」

 

新八のツッコミに、衣玖は振り向かずに答える。

 

「私はス◯ブラなん知りませんよ。次のDLCがARMSから出ることも知りません」

「バリバリ最新情報を知ってるじゃないですか!(2020年4月25日現在)」

「イオナズン修正はよ」

「開き直って何言ってんだ!」

 

変なことをしながらも、じわりじわりと沖田を追い詰める衣玖。ついに沖田を地上に下ろした。

 

「ふっふっふ、挟み撃ちすればそう簡単には逃げられまい」

「ちっ…」

 

一本道で、衣玖と天子に挟まれてしまった沖田。

 

「沖田さん!」

「…じゃあそろそろこちらも決着といこうか」

 

やっと我に帰った慧音だったが、

 

「うおらあああ!」

「!?」

 

神楽の飛び蹴りを咄嗟に防いだ慧音。しかし反動で後ろに滑るように押される。

 

「うおおお!」

 

そして神楽に引っ張られるように、新八は取り巻きの人里の人間を相手にしていた。

 

前線を押される慧音達。慧音は神楽が抑え、新八が他の人間を蹴散らし、2人は自分のスペースを広げていった。

 

「くっ、小癪な」

「くそ、あの眼鏡モブみたいな顔でやりやがるぞ」

「やかましい!僕が弱いとか皆よく言うけど、銀さんと神楽ちゃんが強いから、相対的に弱く見えるだけだからな!」

「何にキレてんだヨ新八」

 

そう言いながら回し蹴りを放つ神楽。ついに慧音に尻餅をつかせる。

 

「くっ」

「よし、今のうちに銀ちゃんを!」

 

すぐさま銀時を引っ張り上げようとする2人。しかし、

 

「なっ!?」

 

ガキン、という音と共に、神楽の持っていた傘が弾けるように飛んだ。

 

「神楽ちゃん!…っうわ!」

 

続けて新八の木刀も弾かれる。

 

「撃たれた…、どこから!?」

「あっちネ!」

 

神楽が指差す方向を見ると、屋根の上からこちらに指を向ける少女がいた。

 

「な、何だ、頭に付いているのは…」

 

見慣れないものが、その少女の頭に付いている。それに気づいて新八がそう呟いた。

 

「…ありがとう、助かったぞ鈴仙」

「いえ、殺ってきた次いでに来ただけです」

「次いで…、じゃあまさか!」

 

新八がそういうと、鈴仙・優曇華院・イナバは、冷ややかに2人を見下ろして言った。

 

「そう。先に私が2人をやっておいたの。色眼鏡の2人だったかしら」

「色眼鏡…?って、まさかサングラスのこと!?」

「じゃ、じゃあマダオと、」

「坂本さんが、やられた!?」

 

新八と神楽が、顔を見合わせて驚愕する。その上から余裕そうな声がかかる。

 

「今頃2人は気が狂いに狂って、人里の誰かに殺されてるでしょう。まぁ騒ぎが聞こえてきたので、狂わせてだけおいたのですけど…」

 

スタッ、と優曇華院が飛び降り、新八の前に躍り出る。

 

「この2人は、私が始末します」

「…くっ」

 

武器がなく、身構える新八と神楽。優曇華院は新八に目を向けて、囁くように言った。

 

「…そう、その通り。敵と対峙する時は、相手の動向を少しでも探るため、相手の目を見る」

 

そして、次の瞬間、

 

「そこに、私はつけ込むのよ」

 

目を開き、妖しい光を新八に向けた。

 

 

 

 

 

「…ちっ、無理だこれは」

 

天子の猛烈な攻撃と、衣玖の電撃のサポートで、沖田は苦戦を強いられていた。

 

(避けるのが精一杯で、反撃はもちろんのこと、撤退も難しい)

 

このままでは、体力を失って動けなくなるのがオチである。

 

「…くそ」

 

もう突っ込むしかない。

 

脳内でそう判断した沖田は、1番の厄介者である衣玖に向かって猛ダッシュした。

 

「あら、よく抜けましたわね」

 

そういうも、余裕そうに手を突き出す衣玖。この距離の電撃をかわせるか、沖田は確信は持てなかった。

 

その時、

 

「んっ!?」

 

衣玖の視界を、何かが遮った。しかもそれはどろりと頭にへばりついている。

 

「…これは、」

 

若干ではあるが、口にそれが入った。

 

 

「…あんこ?」

 

 

ガキン、と刀と剣がぶつかり合う。

 

 

「こら衣玖!何ボケっとしてんの!」

 

沖田の攻撃を、天子が割って入って受け止めていた。

 

「…っ、総領娘様、すみません。少し戸惑いまして」

「んで、その顔についてるのは一体…、あっ!?」

 

今度は天子の頭にもそれが直撃する。

 

「いった…、くはない。でもきもちわるっ!何よこれ!」

「さあさあ皆さんお待ちかね!この季節がやってきましたああ!」

 

上から降ってくる大声に、衣玖と天子と沖田が見上げる。

 

 

 

「ヤマザキ春のパン祭り!敵2人に目掛けて〜、スパーキーーング!!」

 

 

「…ザキ!」

 

山崎が、猛烈な勢いで衣玖と天子にあんパンを投げつける。

 

「こいつ…、うっざ!」

 

沖田との戦いで手が離せない天子は、イラついた様子を見せる。それに応じたのか、衣玖が少し怒りを込めた表情で、山崎に手を向ける。

 

「食べ物を粗末にするような行為はやめなさい、総領娘様が真似したらどうするんですか!」

「いくらなんでもしねぇわ!馬鹿か私は!」

 

天子のツッコミをスルーし、衣玖は電撃を放つ…、直前に、

 

「っ!?」

 

背中に衝撃が走った。思わずその場にひざまづく。

 

「衣玖!?」

「くっ…」

 

天子が心配と驚きの両方を込めた叫びを上げる。その後に続く、新しく聞く声。

 

「俺の中のやつが言ったことがあるセリフなんだがなぁ」

「…あなたは、」

 

衣玖が後ろを振り向く。そこに立っていた男は、峰打ちで刀を構えていた。

 

 

 

「背中の傷は、剣士の恥らしいぜ」

 

 

 

土方が、そこに毅然として立っていた。

 

 

 

 

 

「見るなああああ!!!」

「なっ!?」

 

優曇華院が目を光らせるまさに直前に、新八の視線を遮るものがいた。

 

その男は、

 

「長谷川さん!?」

「こいつの目を見るな!こいつの目は、人を狂わす力があるらしい!」

 

そう言いつつ、両手を広げて2人の目を庇う長谷川。

 

「…貴様、何で生きている。いや、何故平然としている!」

 

優曇華院が驚くのも束の間、

 

「っ!?」

 

銃声が鳴り、優曇華院が足を押さえてうずくまる。

 

「…腱を切られた、誰が、」

「平然なわけがないぜよ」

「!?」

 

物陰から現れたのは、ピンピンとしている坂本だった。

 

「ワシはもー、スキマで移動しただけで乗り物酔いして気持ち悪いっちゅーのに、おまけで気が狂う光を見てしまったから、吐いて吐いて吐きまくったぜよ。もう胃の中には何も残っちょらん」

「な…、吐くまでで治ったというのか!?」

「ああ、その通りじゃき。何故だかは知らんが、多分、これのおかげじゃろう」

 

そう言って自分の色のついた眼鏡を触る坂本。長谷川も自信満々に同じ仕草をした。

 

「そんな…、まさか色眼鏡如きで、私の能力が軽減されるなんて」

「どうやら、色眼鏡をかけていたのはお主の方らしいの、兎の子よ。のう、金時」

「金…、時?」

「いや、こいつだけじゃねぇ」

 

戸惑う優曇華院の目の前で、人が1人、増えた。

 

「なっ、あいつ、まだ!」

 

慧音が驚愕の表情を見せる。彼女の目には、ゆらりと立ち上がる、銀髪で死んだ魚の目をした男が、

 

「ここにいる連中は皆、一発落とせば勝ちだという色眼鏡をかけているみてぇだ」

 

銀時は、ゆっくりと自分の木刀を抜く。

 

「てめーらに教えてやるぜ、俺らの世界の法則を」

 

銀時の後ろで、自分の武器を拾った新八と神楽が構える。

 

「そう、わしら週刊少年ジャンプのヒーロー達は」

 

坂本が、自分の銃をカチャリとリロードする。

 

 

 

 

 

 

「「いくらぶっ倒れても、何度だって立ち上がれることをなあああ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(棒読みで)教えて!銀八先生〜!

 

銀八「はーい、また時間稼ぎの為に、ここで皆さんの質問に答えまーす。

 

ペンネーム「守矢のスーパーアイドルJK」さんからの質問です。

 

私は、とある神社の巫女をしているのですが、実はただの人間ではありません。風祝であり、現人神という、神の一種でもあるのです。でも、参拝客はちっとも私を崇めません。もっと地に額を擦り付けるくらいの態度をとるのが普通だと思いませんか?

 

はい。じゃあずばりお答えします。

 

思いません。

 

まず、女子高生がいきなり「私、神なんだ」って言ったら、普通の人は精神科を勧めようとするはずです。

 

そもそも、Googleで「風神録に出てくるアホみたいなやつ」で検索して、トップに名前が出てくる人は、崇められなくても仕方がないでしょう(Twitterより)。

 

守矢のスーパーアイドルJKさん。まずは自らの態度を改めましょう。それと髪の色が緑だと異様に目立つので、黒に戻すことをお勧めします。実際、いろんな人に髪の毛がピーマンだのワカメだの言われてますし。

 

そして螢。もっと投稿ペースを上げなさーい」




ここまで読んでくれている人は何人だろうか…はてさて。
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