やはり俺の実力至上主義な青春ラブコメはまちがっている。 作:シェイド
前座が長すぎた。反省しております。後悔はありません。
最近pixivで面白い俺ガイル×よう実の作品を読んだのですが、ブラック葉山いいですね。私もブラック戸塚を使いこなしたいです。
Aクラス担任の真嶋先生が告げた特別試験。
無人島でのサバイバル。俺が想定して『いやねーわ』と切り捨てていたもの……この学校本当に予想を超えてくるな。
「試験中の乗船は正当な理由無く認められていない。この島での生活は眠る場所から食事の用意まで、その全てを君たち自身で考える必要がある。スタート時点で、クラス毎にテントを二つ、懐中電灯を二つ、マッチを一箱支給する。それから日焼け止めは制限なく、歯ブラシに関しては各自一つずつ配布することとなる。特例として女子の場合に限り生理用品は無制限で許可している。各自担任の先生に願い出るように。以上だ」
支給されるのそれだけっすか……いや、この島には川が流れていたし、果物らしきものがなっている木もあったから自給自足が可能かもしれない。
でもテント二つは無理すぎるだろ。全員が寝泊まりできるとは思えないし。
他クラスもそんな感じだったのか、次々と教師人に批難を浴びせるも、正論で返され黙り込むしかない。
「しかし先生。今は夏休みのはずです。そして我々は旅行という名目で連れて来られました。企業研修ではこんな騙し討ちのような真似はしないと思いますが」
「なるほど。その点に関しては間違った認識ではない。不平不満が出るのも納得だ」
先程までは生徒からの非難を正論で返し続けて黙らせてきた真嶋先生だったが、今度の生徒の反論が正論であったため一部を認めるような発言をしている。
感情論ではなく、一般的客観的事実から反論している。さすがに無下には出来ないか。
「だが安心していい。これが過酷な生活を強いるものであったのなら批判が出るのも無理のない話だが、特別試験と言ってもそれほど深く考える必要はない。今からの一週間、君たちは海で泳ぐのもバーベキューするのもいいだろう。時にはキャンプファイアーでもして友人同士で語り合うのも悪くない。この特別試験のテーマは『自由』だ」
テーマは『自由』、ねぇ……。
特別試験と言うものの、海で泳ぐのもよし、山で遊ぶのもよし、本当に何をしてもいいという自由。
……いや、それだけなら試験にならない。それに、今も運び出している機材の説明がつかない。
「この無人島における特別試験では大前提として、まず各クラスに試験専用のポイントを300支給することが決まっている。このポイントをうまく使うことで1週間の特別試験を旅行のように楽しむことが可能だ。そのためのマニュアルも用意している」
真嶋先生は星之宮先生に数十のページはある厚みを持った冊子を受け取り、生徒全員に見せるように持つ。
「このマニュアルには、ポイントで入手できるモノのリストが全て載っている。生活で必需品とも言える飲料水や食料は言うには及ばず、バーベキューがしたければ、その機材や食材も用意しよう。海を満喫するための遊び道具も無数に取り揃えている」
真嶋先生の言葉に、生徒たちは少しずつ険しかった表情を穏やかにしていく。試験とは言ってもポイントで遊べることややることが選べるんだと思っているからだろう。
しかし、この学校がそんな甘いわけがない。
「で、でも先生。やっぱり試験って言うんだから難しい何かがあるんでしょ?」
「いいや、難しいものは何も。2学期への悪影響もない。保障しよう」
「じゃあ本当に、1週間遊ぶだけでもいいってことですか」
「そうだ。全ておまえたちの自由だ。もちろん集団生活を送る上での必要最低限のルールは試験に存在するが、守ることが難しいものは一つとしてない」
だが、次の真嶋先生の一言でこの試験の全貌が明らかにされる。
「この特別試験終了時には、各クラスに残っているポイント、その全てをクラスポイントに加算したうえで、夏休み明けに反映する」
生徒たちの間で衝撃が走ったことだろう。多くの生徒が唖然とした表情を浮かべている。
今までにも中間、期末の試験が行われたが、純粋な学力の競い合いだった。
だが、今回は違う。学力ではなくこの島での生活スキルが必要とされている。A~Dまでのクラス間でのハンデが感じられないものだ。
この無人島でいかにポイントを残し、二学期につなげられるか……確かにそれなら特別試験だと言える。クラスに与えられた300のポイント。これを各クラスがどう使うのか、各々『自由』に考えろということだ。
悪影響がないのは、この試験がプラスのみでマイナスがないからだろうか。
「マニュアルは1冊ずつクラスに配布する。紛失などの際には再発行も可能だが、ポイントを消費するので大切に保管するように。また、今回の旅行を欠席した者はAクラスの生徒だ。特別試験のルールでは、体調不良などでリタイアした者がいるクラスにはマイナス30ポイントのペナルティを与える決まりとなっている。そのためAクラスは270ポイントからのスタートとする」
マジか……坂柳は障害者なんだし、好きで休んでるわけじゃないのにな。まあ、アイツがいたらいたでどんなことするか分からないし、Aクラスが不利になるのは嬉しいことだけど。
真嶋先生から解散宣言がなされた後、俺たちは星之宮先生を中心に集まる。各クラスの担任からさらに詳しい説明を受けた後、本格的なスタートとなるんだとか。
4クラスがそれぞれ距離を開けながら集まり、星之宮先生が説明を始める。
「皆にはまずこの腕時計をつけてもらいまーす。一週間後の試験終了時まで外したら駄目だからね?許可なく腕時計を外したらペナルティが課せられるから気を付けてね~。この腕時計には時刻の確認に加えて、体温や脈拍、人の動きを探知するセンサー、GPSも備わってる優れものなの。それに、万が一の時、学校側に非常事態を伝えるための手段も備わってるから、緊急時には迷わずボタンを押すようにねー」
業者の人間が星之宮先生の傍に支給品を積み上げていく。一つの箱に入っていた腕時計を渡され、全員つけるようにと指示される。
「先生、この腕時計は水につけても大丈夫なんですか?」
「うん、完全防水の設計になってるよー。もし、壊れたりしたらすぐに取り換えられることになっているから、壊しても安心してね~」
防水か……やはり水は島の中で確保できるようになっているのだろう。どこまで島で揃えられるか分からないが、ポイントを残せる手段が多くあるということだろうな。
「それと~、マニュアルを渡しておくね」
星之宮先生が一之瀬に、特別試験のルールが記載されているであろうマニュアルを手渡し、話を続ける。
「一之瀬さん、最後のページを見てもらえる?」
「はい……なるほど、マイナスポイントも存在するんですね」
「学校側は皆の行動には一切関与しないけど、守るべきルールは存在してるから気を付けてねー」
みんながマイナスの項目を知りたがっていたからか、一之瀬が全員に聞こえるように読み始めた。
それによると、
『著しく体調を崩したり、大怪我をし続行が難しいと判断された者はマイナス30ポイント。及びその者はリタイアとなる』
『環境を汚染する行為を発見した場合。マイナス20ポイント』
『毎日午前8時、午後8時に行う点呼に不在の場合。一人につきマイナス5ポイント』
『他クラスへの暴力行為、略奪行為、器物破損などを行った場合、生徒の所属するクラスは即失格とし、対象者のプライベートポイントの全没収』
と、全部で四つの事項が記載されていた。
Aクラスは一つ目の事項に当てはめられたのだろう。最後の四つ目は罰が重すぎるが、それくらい徹底しておくべきものだろう。
俺もさっきまでは略奪しようか考えてたし、Cクラスなら暴力で他クラスをねじ伏せられるだろうからな。試験そのものが崩壊してしまうだろうし、学校としてもそれを考えていたんだろう。
他の三つは比較的当たり前のことだ。生徒たちを預かる学校側としては、生徒たちを危険に晒すことはよろしくないし、生徒たちを見ておくのは当然のことってわけか。
「先生、質問したいことがいくつかあります」
「はいはい一之瀬さん、何かな~?」
「もし300ポイント全てを使い切ってしまった場合に、点呼に不在であったり、リタイアした場合にはどうなりますか?」
「何もないよ。リタイアしたらリタイアする人が増えるだけだね」
「つまり、この試験にはマイナスはないんですね?」
「うん、300ポイントをどう使うのかってところかな」
「分かりました。次ですけど、点呼はどこで行うことになっているんですか?」
「担任は自分のクラスと試験終了まで行動を共にする決まりになっているから、皆がベースキャンプを構えるところの近くに拠点を構えるよ。そこで点呼は行う決まりだね。あと、ベースキャンプを決めたら正当な理由なしには変更が出来ないから、よく考えて決めてね~」
「分かりました。他にルールはないんですか?」
「えっとね~、追加ルールがあるよ。マニュアルに載ってるんだけど……」
星之宮先生に言われ、一之瀬はマニュアルをパラパラとめくり、追加ルールとやらが載っているページで止まる。
「この島のあちこちにスポットって箇所が設置されててね。それには占有権があって、占有したクラスのみが使用できる権利が与えられるの。その占有場所をどう利用するかは権利を得たクラスの自由ね。注意点としては効力が8時間しかないから、そのたびに更新する必要があること。それと、スポットを一か所占有するごとに1ポイントのボーナスポイントが加算される仕組みになってるね。けど、このポイントは暫定的なものだから試験中は使用することが出来ないんだ。試験終了後に足されるポイントってことなの」
そんな疑問を浮かべていると、マニュアルに書かれている追加ルールを一之瀬が読み上げ始めた。
1 スポットを占有するには専用のキーカードが必要である。
1 1度の占有につき1ポイントを得る。占有したスポットは自由に使用できる。
1 他クラスが占有しているスポットを許可なく使用した場合50のペナルティを受ける
1 キーカードで占有することが出来るのはリーダーとなった人物に限定される。
1 正当な理由なくリーダーを変更することは出来ない
これに8時間ごとに占有権が切れること、同じスポットを繰り返し占有することも可能であること、占有されていなければ同時に何か所でも占有が可能であることなどがルールとなるらしい。
また、リーダーに関しては試験最終日に、各クラスのリーダー当てることが出来れば1クラスにつき50ポイントを得ることが出来るらしい。……こうなると占有することが簡単ではないことが窺える。
それに、リーダーを当てられた場合はマイナス50ポイントであり、スポット占有によるボーナスポイントも0になってしまう。加え、リーダーを当てる際に間違えればマイナス50と、かなりハイリスクハイリターンな模様。
……これならAクラスに上がることも不可能じゃないな。Aのリーダー情報を手に入れ、AがBのリーダー情報を間違えればそれだけでマイナス100ポイント、ボーナスポイントも消え失せる。
逆にうちは50ポイント追加されるから、それだけで150ポイントの差が付けられる。
さすがに300あるポイントを使わないで過ごすのは無理だとしても、節約すれば最低でも半分は残るはず。それでさらに差を付ければ、200ポイントはクラスの差を縮めることが出来そうだ。
「どのクラスにもリーダーは必ず決めてもらうけど、リーダー当てに関しては強制じゃないから、みんなで話し合って決めてね。リーダーが決まったら私に報告するように。その時にリーダーの名前が刻印されたキーカードを渡すから。制限時間は今日の点呼まで。もしそれまでに決められなかったら、私が適当に選ぶからね」
そう言いながら俺を見てくる星之宮先生。
え、何?アンタ俺にリーダーさせようとしてるの?嫌なんですけど……もしバレたらクラスでどれだけ責められることか……いや、Bクラスなら『自分たちも任せきりにしてしまっていた責任がある』とかになりそうではあるが……他クラスから狙われるとか勘弁してもらいたい。
「あとー、多分皆使ったことないからトイレの説明もするね」
そう言って星之宮先生は積み上げられた箱から一つの段ボールを取り出した。
「男女共用になってて、ワンタッチテントもついてるんだよ。まあ、最低限の支給物ではあるけど、意外とこれが優れものでね~」
慣れた手つきで簡易トイレを組み立てていく星之宮先生。これ、災害時とかに使用するとかで中学の時に見たことあるな……。
青いビニール袋をセットし白いシートのようなものをその中に入れる。
そのシートは給水ポリマーシートと言い、汚物をカバーして固めるものであるらしい。シートを被せることで汚物を見えないようにし、また、匂いを抑制する働きがあるんだとか。
ビニール一枚につき五回ほど使用できるらしいが、正直かなりきついものがあるだろう。俺を含め男子はまだマシだろうが、女子には無理だって人も多いはずだ。
ビニールとシートは無制限に支給するらしいから、利用するべきだろうがこれ一つというのも無理があるだろう。多分、ポイントで普通のトイレも買えるだろうから、一つは買うべきだ。
あとでマニュアルを詳しく読ませてもらうか。
「皆!話を聞いて欲しいんだけど……」
星之宮先生の説明が終わったところで、早速一之瀬が話を始める。既にある程度、どう動くのかを決めているのだろう。これからどうするのかについて説明がされていく。
クラスメイト達は質問をしたり、周りと話し合ったりしている。一之瀬や神崎がそれに対応するといった形が出来ていた。
一先ず、動くことが最優先だろう。ここにいても何も始まらないし、幸いにもスポットの目星はついている。他のクラスにいいところを奪われる前に手に入れるのが最善なはずだ。
……ん?星之宮先生がいない?
周囲を見渡すと、Dクラスの方に向かっている星之宮先生の姿があった。
「やっほ~」
あの教師は何してんだ……いなくなったと思ったら他クラスにちょっかいかけてるし。
「……何してる」
「何って、スキンシップ?どうしてるかなーって思ったから」
Dクラス担任の茶柱先生に後ろから抱き着くような姿勢で絡んでいる。
一応Dクラスとは協力関係にある。だが、ルール説明をしていたであろう茶柱先生からすればいい迷惑であり、Dクラスの面々もどこか困惑した表情を浮かべている。
「神崎、俺はあの担任を連れ戻してくるから、一之瀬に言っておいてくれ」
「……分かった。早めに移動するから急いでくれ」
「分かってる」
勝手に離れても駄目だろうと思い、神崎に一言告げてから、俺は星之宮先生を回収しに向かう。
「サエちゃんの髪っていつ触ってもサラサラよねー」
「お前は学校のルールをちゃんと理解しているのか。他クラスの情報を盗み聞きするのは言語道断だ」
「私だって教師の端くれよ。仮に何か情報を耳にしたって絶対に教えたりしないわよ。だけど、運命みたいなものを感じちゃったって言うか。私たち二人揃ってこの島に来るなんて信じられなくって。そうは思わない?」
運命?星之宮先生は何を言って……意味ありげな言葉を茶柱先生は無視した。
「うるさい。お前はさっさとBクラスに戻れ」
「あっ。綾小路君じゃない。久しぶり~」
そんな茶柱先生からの抗議を無視し、星之宮先生は綾小路に絡みにいく。対する綾小路は軽く会釈して返した。
「夏は恋の季節。好きな子に告白するなら、こういう綺麗な海の前が効果的かもよ~?」
「海は綺麗でも、クラスにそんな余裕ないんで」
「もっと気楽にやらなきゃ」
あ、茶柱先生がそろそろ限界だ。まあ、がっつり邪魔してるようなもんだし怒るのは当然だ。
俺は後ろから星之宮先生の背中を掴み、強引に引き寄せる。
「すみません。うちの担任が迷惑かけてすみません」
「ちょっとー、比企谷君酷くない?Dクラスと交友を深めようとしてたのにー!」
「うるせえ、駄々こねないでください。年齢的にちょっとどうかと……はい、なんでもないです。茶柱先生すみません、この人はしっかり回収していくので」
「お前はBクラスの比企谷か。チエの相手は大変だろうが、付き合っているのならちゃんと面倒を見ておけ。お前の言うことならチエも聞くだろう?」
「付き合ってないんで。つーか聞くわけないでしょ、星之宮先生ですよ?」
「……すまない、私が悪かったな」
「ねえ二人とも?私に失礼なことを言ってるって分かってるのかな?」
「「誰が悪いって?」」
「……はいはい私ですよー」
他クラスの先生にまでそのネタ広がっていたのかよ……案外教師は暇なのか?いや、仕事の一環か。
だが茶柱先生が発言してしまったことにより、唖然としていたDクラスが騒ぎ出した。
「あ!あれがBクラスの10股君?」「眼鏡男子かぁ、あれで案外絶倫とか?」「そうじゃなきゃ10人も相手できないって!」「本当に担任の先生と……羨ましいぞちくしょう!」「あ、そういやBクラスの女子二人は無関係だったらしいから8股だそうだ」「それでも女の敵には変わりないわ!」「堀北さんあれと……?」「やめてくれないかしら。彼とはそんな関係ではないわ」「ならどんな関係なの?」「……?比企谷君、私とあなたの関係ってなんなのかしら?」
今回の試験で、俺は眼鏡をつけていた。だいぶ慣れてきたし、目が痛くならないことも考えて装着状態なのである。
しかし、萎縮しているのも面倒だが騒ぎ始めたら騒ぎ始めたで面倒だな。それに、そろそろBクラスは動き出すだろうから戻らなければ。
「知り合いってところじゃないか?」
「それが妥当ね」
「お前らうるさい。大体デマに食いついてるんじゃねーよ。とにかく、俺はこの人回収しに来ただけなんで。ほら、戻りますよ!」
「え~、もうちょっとだけ~」
「こうしているうちにもDクラスは他のクラスに後れを取り始めているんですから、これ以上いると邪魔しているとかでBクラスにペナルティ付けられちゃいますよ?」
「ぶー、比企谷君は真面目すぎー。もう少し気楽に行こうよ~」
「いや、背後から凄まじいプレッシャー感じているので無理です。ほら、一之瀬達が待ってますから」
頬っぺた膨らませながら抗議してくる星之宮先生を無理矢理引きずってBクラスの集まっている場所まで戻る。
さっきから背中に視線が痛いくらい刺さってたから大体分かっていたけど……一之瀬と白波、彩加にジト目で見られていた。
これ俺悪くなくない?どうしようもないだろ。星之宮先生がちょっかいかけたのがそもそもの原因であって……。
「もう、目を離すとすぐに何かしてるんだから。比企谷君には監視をつけておかないとね」
「いや、これは俺悪くないだろ……文句なら勝手に他クラスのところにちょっかいかけた星之宮先生に言ってくれよ」
「星之宮先生、移動を開始しても大丈夫なんでしょうか?」
「うん、もう大丈夫だよ~」
「じゃあ皆、早速移動しようか」
あれ?無視されてるな……まあ移動は早くするべきだろうし、わざわざ掘り返すほどのことでもないか。
男子が道具を持っているので、重そうにしている奴の荷物を手伝う。どうやら荷物持ちを男子が担当し、女子が先行してスポットを見つけるようだ。
Bクラスが移動しようとすると、Aクラスの方も移動を開始したようだ。CとDはまだここに残るようだが、Dクラスに関しては星之宮先生の邪魔がなければ動けていたのではないだろうか。
いや、なんか揉めてるしどっちにしろ無理だったのかもしれないけど。
森の中は歩きづらく、視界が制限される。女子が荷物を持つ男子に障害物や行く方向なんかを教えてくれているが、それがなければかなり苦労していただろう。
俺の隣では彩加が大きな箱を運んでいた。
「うんしょ、うんしょ」
「大丈夫か彩加?重いなら持つが……」
「これでもテニス部で鍛えてるからね。でもありがと八幡。もしきつくなったらお願いしてもいいかな?」
「おう、むしろ全部俺が持つまである」
「ぼ、僕も持つから!」
ま、彩加はテニス部だし、俺より運動できるから余計なお世話かもしれないが、彩加が荷物を持っていることが俺に罪悪感をもたらすのだ。天使に働かせていいのか人間?的な感じに。
多分白波も一緒だろう。一之瀬の近くで何やら話しているが、握りこぶしを作っている姿からこの試験にしっかりと役に立つとか、そんなことを一之瀬に話しているんだろうし。
「神崎、今どこに向かってるんだ?まさか無計画ってわけじゃないだろ?」
「ああ。一之瀬達はデッキから見えなかったらしいが、俺たちは上で滝を見ている。とりあえずはそこに向かっているな」
滝か。その滝がどのようにスポット化されているかは分からないが、活用できそうならそこにベースキャンプを構え、無理そうならば水を辿って探していくつもりなのだろう。
水源の確保、まずはそれが優先か。
俺と彩加は最後尾にいるのだが、周囲を見ると果物があったりする。やはりここは豊かな自然に恵まれていると考えてよさそうだ。
少しばかり採れそうな果実を採取しながらついていく。
しばらく歩くと、森を抜けて滝のある場所についた。
近くには井戸があり、スポットであることを示す特殊な機械が置かれている。
木々に囲まれているためかテントは今あるものを展開するだけで精いっぱいではありそうだが、寝床を何とかできればいい場所であることに違いはない。
「なかなか良さげな場所だね。ここをベースキャンプにしようと思うんだけど……まずは私の意見を聞いてほしい」
一之瀬がベースキャンプ地にすると言った理由を語り出す。
マニュアルにはポイントで購入できる物資が細かく記載されている。詳しくはあとで見させてもらうつもりだが、現段階で仮設トイレと釣り竿、調理器具にハンモックを購入する予定らしい。ポイントとしては40ポイント使うことになるが、必要経費は必ず存在してしまうことは皆理解していたのか、特に嫌な顔をしている生徒はいなかった。
「以上で説明は終わるけど、何か意見がある人はいるかな?」
一之瀬の言葉に、クラスメイト達は特に難色を示さない。クラスの中心であることもそうだろうが、一之瀬の能力や頭のキレ、それに信頼しているからだろう。
加えて今の説明なら、特に問題を感じない。悪くない作戦だし、Bクラスなら対応可能だろう。
ハンモックというのも考えられている。木々に囲まれたこの場所だと、テントは嵩張るしポイントの消費も大きい。だがハンモックならテントに入れない人数分を考えても安上がりで済むことは一之瀬が言っていたし事実だろう。
「それじゃあ、一先ずここをベースキャンプにするのは決定かな」
「星之宮先生に報告してこよう。一之瀬は話の続きをしていてくれ」
神崎が少し離れたところにいる星之宮先生の元へと向かう。
なら次に決めることは……リーダーか?
「次にリーダーを決めよう。他クラスにバレるとピンチになるけれど、そこは全員でカバーし合うから、リーダーだからと言って特に気を張り続ける必要はないよ。ここのスポットの占有時には数人で囲えば見られる心配もないし……誰かしたい人いるー?」
挙手制で決めるのか。確かに一之瀬や神崎といった他クラスにも警戒されているであろう人物がリーダーを務めれば当てずっぽうでやられてしまう万が一があるしな。
先程はやりたくない気持ちが強かったが……ここはやっておくべきだろう。歩きながら情報を整理していたが、多分、
「俺がリーダーでもいいか?」
「おおっ、比企谷君がまさか自分から立候補するなんて……今回の試験への意気込みは十分だね」
「俺、割と影薄いし、陰キャだし、今は眼鏡かけてるから誰だか分からないかなって」
「「「(いや、影薄いというかむしろ目立っちゃってるよね……)」」」
「誰か他にしたい人いるー?まあ、リーダーだからって特に何かあるわけでもないんだけど……」
リーダーを務めるメリットは特にない。スポットの更新に他クラスにバレないように神経も使うだろう。逆に疲労が増すだろうし。
「じゃ、リーダーは比企谷君に決まりで!」
俺は星之宮先生の元に向かい、キーカードを手渡される。
その際、小さな声で声をかけられた。
「
「何言ってるんですか、先生こそ決まらなかったときは俺にしようと考えてたでしょうが」
「まぁね。いや~これからどうなるのか楽しみだよ。期待してるね~」
「……別に何かするつもりはないですから」
「またまた~」
そう言って星之宮先生がツンツンするように指を向けてくるので、俺は少し下がってそれをかわす。
しかし、どうしてもツンツンしたいのか距離を詰めてくる星之宮先生。
結果、逃げる俺と追いかける星之宮先生という構図が出来上がり、それが一之瀬に怒られるまで続いたのだった。
***
一先ずスポットを更新して道具を購入し、道具の確認をする班と釣りを試してみる班、辺りの捜索を行う班に分かれ、行動を開始する。
俺は先程果実を拾ってきていたこともあり、探索班に配属されていた。
彩加と柴田との三人班だ。
「いやー、無人島サバイバルとかリアルにあるなんて思ってもなかったよな。この島で一週間とか学校も凄いこと考えるもんだよ」
「そうだよね。船で色々贅沢できたのもあるから、だいぶきつい生活になりそうだし……」
「おっ、モミジイチゴがある。全部採っていったほうが……いや、保存できないか?」
向こうには小屋があるな……スポットの一つだろうが、他のクラスに占有されていなければ占有するのはありだ。初日なら他クラスも自分のクラスで精いっぱいのはず。初日と二日目で出来る限り占有して、それからはベースキャンプのみの更新がリスクが少なくていい。
二人がこちらをみていない間にささっと占有し、二人からは見えないであろう位置から何気ない顔でモミジイチゴを摘みとっていく。
「あれ?比企谷どこにいった?」
「ここだよここ。モミジイチゴがどこまであるのか見てきた」
「お前実の名前とか分かるのか?」
「ああ。ある程度だが」
「ホント!八幡頼りになるね!!」
……彩加に天使スマイルで頼られているところ悪いが、正直自分から知識を得たわけではないからなんか罪悪感が浮かんでくる。
小学校の頃、林間学校でのことだ。キャンプをすることになっていたが、俺の班の奴ら、俺なんていないもののように扱っていた。そのせいで食糧にも困った俺は林間学校を行っているサポーターの方に山で採れる食べ物やキャンプのやり方なんかをレクチャーしてもらい、一人で二泊三日を乗り切ったってことがあったのだ。
それ故にある程度の知識はあるが、頼られるほどの物でもないのだ。
既に夕暮れ時であることもあってか、周囲を一周したところでベースキャンプへと帰還することに。
拠点では、すでに支給品であるテントが張られており、今は火をつけようとしているところのようだ。
「うーん、つくけどすぐに消えちゃうねー」
「もっと葉っぱがいるのかな?」
「あ、ついた!」
大きめの木を外側に配置し、火が付きやすいものから順に火がつくようにしているのか。さっきまでは火をつける場所を間違えていたんだろうか。
辺りを見ればハンモックはまだ取り付けていないらしい。まあもう暗いし、一日くらい野宿でもいいだろう。
「あ、三人ともおかえり~。何か発見はあった?」
「比企谷が詳しくてな。食べられる果実が周囲についてたから、人数分採ってきた」
「へぇ~、比企谷君アウトドア詳しいんだ?引きこもるの大好きなのに」
「……小学校の頃に林間学校とかあっただろ、それでな……」
「あーうん、大体察しが付いたから言わなくていいよ」
さすが一之瀬。すでに俺の黒歴史を多く聞いているだけあって、何が語られるのか理解したのだろう。嬉しくない理解だな……。
魚を釣る班も思っていたよりいい成果だったらしく、女子たちが魚を焼いている。
「マニュアルを見せてもらっていいか」
「いいよ~」
一之瀬からマニュアルを受け取り、隈なく読み始める。
購入できるものも見ていくが……シャワーとかあるのか。バーベキューセットに栄養食、水……コーラにお菓子類、バレーボールに水上スキーまであるのかよ。本当に『自由』って感じか。
「神崎、シャワーとかはどうするんだ?さすがに一週間水だけってのもきついと思うんだが」
「それについては先程も出たんだが、やれるところまでやろうということになっている」
「……ウオーターシャワーなんてどうだ?」
「5ポイントのやつだな。風呂関係だとは思うが、どんなものか分からなくて保留中だが……分かるのか?」
「ああ、大きめの機械からシャワーにつながっててな。タンクに水を入れたらお湯に変えられる優れものだ。普通なら使用できないが、これだけ水源があれば一週間使えるだろ」
「……よく知ってるな」
「……中学校の頃、俺だけ風呂の時間なかったからな。職員の方に教えてもらった」
「……どうしてお前の過去は悲しいことしかないんだ」
仕方ないだろ。子どもって無邪気だから悪気なく仲間外れとかいじめとかするんだよ。まあ、こんだけ過去に悲しい出来事があるのは俺だけかもしれんけどな……。
話はすぐに進み、クラス全員の賛成を得てウオーターシャワーを購入、時間を男女で分け、シャワー用のテントに簡易トイレに付属されていたワンタッチテントを使用することに決まった。
夕食の準備をしているとき、クラスメイトが同じクラスではない奴を連れてきた。
どうやらCクラスの生徒で、クラス内での揉め事で殴られ、キャンプを追い出されたんだとか。
最初は迷惑をかけるわけにはいかないとどこかに行こうとしたが、さすがに見過ごせるBクラスではない。一之瀬をはじめ、多くの生徒が保護する方針に賛同したことで、Cクラスの金田君もここで寝泊まりすることになった。
焼いた魚や食べられる果物、足りない食材はポイントで補いながら全員が食事を終える。
午後8時の点呼を受け、今日は早めに休むという話になった。
いくら節約とはいっても、さすがに男女でテントを同じにするわけにはいかない。今日ばかりは男子は野宿をしようということになり、寝るまでの時間を雑談しながら潰していた。
「にしてもな~クラスで集団サバイバルとかちょっと楽しいよな」
「分かる分かる。なんつーか、修学旅行みたいなノリ?」
「あー、そうかもな。お泊りイベントではあるし」
俺は既に身体を木に預け、会話は聞くぐらいで流していた。
しかし、ここで思わぬ話題に突入する。
「お前らって好きな女子とかいるのか?」
そりゃ、こういった時らしい話題だが、全員答えるとか意味わかんないことはやらないで欲しい。言いたい奴だけ言って欲しいなぁ。
「比企谷の好きな人は?」
「彩加」
順番に答えていたのか知らないが、柴田にそう尋ねられたので即答で答える。
「八幡ったら、もう……」
ほら、彩加もまんざらでもない……まんざらでもない!?これは戸塚ルート一択!
「い、いや戸塚は男だろうが。女子で好きな奴いるかって話だ」
戸塚は戸塚だからいいだろ……駄目ですかそうですねわかります。
「いねぇよ」
「本当かよ?てっきり星之宮先生って言うと思ったのに」
「いやいや、一之瀬の可能性だってあるだろ」
「白波も地味に仲いいよな。たまに息が合ったように笑い合ってるし」
君たちよく見てるね……少なくとも俺が三人にそのような感情を抱いているなんてことはない。星之宮先生はあくまで先生であるし、一之瀬もたまたま縁があって話しているだけ、とは言わないが一緒にいるだけであるし、白波は同士であるからまず除かれる。
「そういうお前はどうなんだよ。大層モテるだろ?」
「いやいや、8股のお前には敵わないって」
「だからそのネタやめろ。デマだからな?」
「でも八幡、旅行始まってから坂柳さんと楽しそうに電話してたよね?」
「お前……まさか付き合って」
「違うからな、断じて違うからな。それに、坂柳と付き合うくらいなら星之宮先生の方が何倍もマシだ。お前らも体験してみるか?あの地獄みたいな会話を……」
「さ、さあて、そろそろ寝るか!」
「そ、そうだな!」
俺が暗い顔をしながら話したためか、誰一人として目を合わせてくれない。ふぅ、人の噂も七十五日とは言うが、まだまだ鎮火しないようだな。
……そういや椎名とかどうしてるんだろうか。いつも本を読んでいる姿しか知らないが、イメージ的にこういうアウトドア系は苦手っぽい気がする。
………Cクラス、ねぇ。
俺は保護されているCクラスの金田という男を見ながら、Cの王様の姿を頭に浮かべるのであった。
***
「ねえねえ!恋バナしようよ!」
テントで寝る準備をしていると、麻子ちゃんがそんなことを言い出した。
こういう寝泊まりするときの定番ではあるけど、私は苦手だなぁ……。
「う~ん、好きな人っている?」
「一之瀬さん!」
「千尋ちゃんが一之瀬さん好きなのはみんな知ってるし、私だって一之瀬さんのこと好きだよ。でもそうじゃなくってさ~」
「男子で好きな人がいるかってこと!」
男子で好きな人かぁ……ひ…って私は何を考えてるの!
「あれ?一之瀬さんなんだか顔が赤いよ?」
「にゃ!?い、いや~、ちょっと暑くて……」
「……もしかして誰か思い浮かべてた、とか?」
誤魔化す私に、夢ちゃんが迫ってくる。
「そ、そんなことないよ!私、好きとか分からないし……」
「うーむ、一之瀬さんが好きになるとしたら……戸塚君とか神崎君もありえそうだけど……やっぱり比企谷君?」
「ど、どうしてそうなるのかにゃ!?」
「だってさ、一之瀬さんはよく千尋ちゃんと戸塚君と比企谷君の四人で過ごしてるし。比企谷君の部屋が集合場所だって話も聞いたし……比企谷君からの誕生日プレゼント、大事そうに撫でてたの見たよ?」
「あれは贈り物だからだよ!ほかの皆からのプレゼントだって部屋に大切に飾ったりしてるし……」
「(だからって毎日つけるかなぁ?)」
「そういえば、千尋ちゃんも比企谷君と結構仲いいよね?」
「わ、私?」
「うん。二人だけで話してるところもよく見るし、たまに千尋ちゃんは顔を赤くしてる時もあるでしょ?もしかして……」
「ないから!違うもん!」
「えー、つまんないなぁ」
「(比企谷君は同士だから!!……あの写真はちょっと、出来心だったりするけど……)」
なんとかこの話題を終わらせ、横になり眠りにつく。
……別に好きとか、そういう気持ちじゃないと思うんだけどなぁ。
***
無人島サバイバル二日目。
やはり慣れない環境だからか、多くのクラスメイトが早起きをしていた。
点呼までの時間を、昨日取り付けられなかったハンモックを取り付けたり、魚を釣りに行ったり、果実を取りに行ったりして各々過ごす。
彩加と共にハンモックを取り付けていると、神崎が森の方から姿を現した。
「どこ行ってたんだ?」
「少しDクラスの拠点にな。どんな生活をしているのか気になっていたから様子を見てきた」
「……ついでにリーダーの情報を得ようとしたが、見つかってしまって帰ってきた、だろ?」
「……相変わらずの推察力だな。一応協力関係にはあるが、リーダーを当てた時の50ポイントは大きい。このことは一之瀬には無断で行ったから黙っていてくれると助かる」
神崎は一之瀬の補佐をしている場合が多いが、一之瀬と違って純粋というわけではない。相手を出し抜けるときには出し抜くだろうし、ずる賢さも持っている。
……ここで言っておくべきか。
「黙っている代わりになんだが……今回の試験、
「…何をするつもりだ」
「まだ候補は5つほどあるが……少なくともBクラスに不利益なことはしない」
俺とは反対側でハンモックを取り付けていた彩加がおろおろと俺たち二人を見てくるが、俺と神崎は目を合わせ向かい合ったまま。
少しばかり時間がたった後、神崎は息を吐きながら話し出す。
「………わかった。比企谷を信じよう」
「ありがとな。って言っても今から何かするわけじゃないが……」
「皆ー!点呼の時間だから集合してー!」
もう8時だったか。少しだけ神崎には告げておこうと思ったが、まあ言わなくてもいいか。
「行こうぜ」
「ああ」
「八幡……危ないことはしないでね?」
「もちろんだ」
***
点呼を終え、それぞれ役割分担をし、行動に移す。
今日は彩加と二人で探索だ。ペアが彩加とか最高だな。
「八幡!スポットの占有は禁止だからね!昨日はこっそりとしてたみたいだけど……」
そう、探索に行く前に一之瀬に釘をさされたのだ。
昨日、こっそりと占有したはずだったが、俺たち以外の探索班に見つかり、今日の朝から怒られた。理由を話すとある程度は納得してくれたが、初日だから許すけど二日目からはベースキャンプ地以外は禁止にされてしまった。
ルール上、リーダーである俺だけがスポットを占有、更新できる。それは俺が単独行動を起こせばスポットを占有できるということ。
しかし、スポットの占有にはリーダーが他クラスにバレてしまう危険が伴われている。
一之瀬としてはプラスも欲しいが、まずマイナスを避けたいと思っているのだろう。スポット占有のボーナスポイントもリーダーを当てられたらなくなることを考えると、リーダーをまず隠すのが一番最善ではある。
「悪かったって。とりあえず、持って帰れるだけ食糧を手に入れようぜ」
「うん!」
天使の笑顔に癒されつつ、少しばかり遠くも探索していく。
やはり自然が豊富であり、かつまだ二日目ということもあってか多くの食材を手に入れられた。
ヤマグワにヤマノイモ……はまだ理解できるが、トウモロコシは完全に学校側が用意していたものだな。こんなところで自生されているわけがない。
学校側の意図を考えつつ歩いていると、少し開けたところに出た。
そこで見たのは―――――
俺たちに気づいた葛城はすぐさまキーカードを隠すが、すでに手遅れである。
「なっ!お前!Bクラスの生徒だな!」
葛城の隣にいた男、弥彦がすぐさま突っかかってきた。
当然だ。クラスのリーダーを見られたら損害は大きい。まして坂柳がいない今回は、葛城がAクラスを統率しているはず。
これは大きな失態として、クラスでの影響力を失うかもしれない。
「……比企谷に戸塚彩加だな。さすがに今のをなかったことにしてくれとは言えない。こちらの不注意が招いた結果だ」
「葛城さん!いいんですか!」
葛城に弥彦が突っかかるが、葛城は取り合わない。今のをミスだと自覚しているからだろう。
しかしこれはまずい。彩加と一緒にいるときにキーカードを見てしまったことに加え、
だから俺は―――――――
「心配するな弥彦。Bクラスのリーダーは俺だ」
そう言って
二日目で一回切りました。章の五話目を長くすればなんとかなるかなーと思いましたので。
アニメでは千尋ちゃんがBクラスのリーダーを務めておりましたが、作品のストーリー上、八幡に変えました。そっちの方がいろいろ動かせますしね。
伏線を張ったり、心で何を考えているのか分からないようにするのが難しいです。渡先生は心情の表現が凄すぎますし、衣笠先生の綾小路の力を測らせないようにする表現も凄いと改めて感じます……。
あと一之瀬をどうしようか本気で迷ってます。今のところは千尋ちゃんで妥協、もしくは星之宮先生で行こうと思うのですが、八帆と彩千でもありかなと。
ありきたりすぎる感じがしてどうかとは思いますが……。
……番外編でも書いてやろうかな。