やはり俺の実力至上主義な青春ラブコメはまちがっている。   作:シェイド

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こんばんは、出す出す詐欺師です。
かなり遅くなったと思いますが更新です。

もうよう実原作は2年生編4巻だというのに、未だに1年生編4巻をやっていることに、自分のサボり具合を恨みますが、リアルの生活と普通に本を買っては読んでいる(こっちがほぼ時間を取っている)ので時間を取りきれていない部分はありますが…頑張って少しずつ書いていこうとは思っています。

……この2つのクロス作品は多いので内容はある程度被るだろうとは思っていましたが、この作品を投稿し始めた時よりもあとに他の作者が出されている作品に割とパクられてたりして読まれてることを実感しました。嬉しい限りですね、実際どうかは知りませんが。

さて、今回で三日目の完全休息日まで持って行ってますが、タイトルから「そこ!?」って思う人もいるかもしれません。けどAクラスで簡単に騙せそうなのがコイツやコイツの周りぐらいしかいないんで……基本的にどのキャラも魅力的ですから。山内は除きますけど。必要な犠牲だとは思います。

あと私は私の書き方で書くので、読みたくない方は読まない方がいいですよ。この作品ではないですが、ただ「つまらない」って言われたんで、なら読むな、とは思いますね。面白くないのは分からんでもないですが。

あくまで自分が読む前提ですし。
この作品のサブタイトルは確かに見にくいですが、サブタイだけ読んでも面白そうな雰囲気を自分が味わえるようにしているので……というか大体内容も自分好みに書いてますしね。

……あー、早く上級生と絡ませたいなぁ……。


八幡「悪くない話だろ」 弥彦「乗った!」

 初めは他の有象無象と変わらない雑魚だった。

 偶々目についた濁った瞳にだらしない猫背、加えてあのBクラスで孤立気味。ちょっかいをかける意味合いでBクラスに対する嫌がらせのためのターゲット。ただそれだけだった男。

 

 そんな男に、ほんの少しだけ興味が湧いたのはあの雨の日だ。坂柳とその取り巻きと対峙した時、コイツはこそこそと端っこを歩いていた。

 俺にとって全くと言っていいほど記憶が残っていなかった男。だが、あの坂柳がちょっかいをかける程度には気に入っている様子ときてる。

 視線をやれば、気味悪い目でこちらを見つめていた。

 あれは観察だ、俺を観察してやがった。品定めをするようなあの目。……気に食わねぇな。

 

 女のケツばかりに張り付いていたのか、女癖が悪い目が怖い男として悪目立ちし、部下たちが噂しているのは何度も聞いた……のはどうでもいいか。

 

 ……無人島でガードの固かったBクラスのリーダーでもあったな。金田の奴も夜遅くまで観察を続けて発見したとは言っていたが……どうだがな。Bクラスのキーカードは相当堅く守られていた。奴らの拠点は監視していたが、特段おかしな行動は起こしてねぇ。ふざけたトリックだ。一之瀬が使う手ではないのは確実な以上、神崎の指示だと考えるのが妥当だろうが……Dクラスを潰した後、坂柳の前菜代わりに黒幕を探すのは楽しそうだ。

 

 ヤツとはさっきまで対峙していたが、一対一で話してもなお、大したことないと思えるその容姿に話し方。だというのに……俺に交渉を持ちかけてくる大胆さを持ってやがる。

 その交渉内容は、とても仲良しこよしのBクラスにいる奴のものとは思えない。加えて、少しばかり俺と思考が似てやがる。

 

 クク……一之瀬に神崎。お前ら、()()()()を今後どう制御するつもりなんだ?

 

 

***

 

 

 龍園と話した後、俺は船内の一階を目指して歩いていた。

 龍園の思う通りに試験が動くようになった今では、Aクラスが一斉に特攻を仕掛けてくるか、無人島の時のようにDクラスが番狂わせを演じて来なければ、この試験終了後に俺たちBクラスはAクラスに上がるだろう。

 椎名と連絡先を交換していてよかった。この混乱している状況に合わせて龍園と接触できたのは大きい。

 っつーか怖いよ!アルベルトだっけ?あんなの傍に置いてたら誰も龍園に逆らう気なくなるわ……あ、伊吹が噛みついてたな。すげえなあいつ、尊敬するわ。

 俺と龍園が言葉を交わしている間も、ひたすら無言でこっち見やがって。俺は座ってんのに向こうは立ってるから、見下ろされてる感が半端なかった。なんなら命を握られていると錯覚するまである。

 

 船内の一階は居酒屋やバーなど生徒向けではない施設が多いためか、生徒がほぼ寄り付かない。

 何故知ってるか?それは初日のうちにどこかボッチにとっての安息の地かを見定めたからだ。友達が少しできたからと言って、人間そんな簡単に変わるものではない。一人の時間が好きなのは今でも同じなのだ。

 いくつかある自販機を巡っていき、マッカンが売られていない事実に絶望していたところ、近くのバーから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「やっほー、サエちゃんに真嶋くん♪」

 

 うっわ、あざと。こんなあざとい声にサエと言う人と真嶋……星之宮先生ですねわかります。

 周りを見れば、見たことあるような先生方が寛いでいた。ここはやはり大人用のスペースなのだろう。

 

「比企谷?」

 

「……綾小路?」

 

 突如俺の視界に入ってきたのは、寮のお隣さんである綾小路だった。

 

「お前こんなところに一人で来るってことは……ボッチの鏡だな」

 

「その言葉、お前にも当てはまるんだが」

 

「それで?お前何してんの?」

 

「飲み物を買いに来たが、珍しい組み合わせの先生方がいたからな。どんな会話をしているのか興味が湧いた。単なる暇つぶしだ」

 

「……よし、限界まで近づくぞ」

 

 元々会話を聞こうとしていたからちょうどいい。綾小路と共にギリギリまで近づき会話を盗み聞く。

 ……綾小路の奴、中々の影の薄さじゃないか?俺と同等とか本当にボッチしてきたんだな、お前……今度うちに呼んで一之瀬達と一緒に飯食わせよう。

 

「なんかさー、久しぶりよね。この三人がこうしてゆっくり腰を下ろすなんてさ」

 

「因果なものだ。巡り巡って、結局俺たちは教師という道を選んだんだからな」

 

「よせ。そんな話をしてもなんの意味もない」

 

「あーそう言えば見たよ?この間デートしてたでしょ?新しい彼女?真嶋くんて意外に移り気なんだよね。朴念仁っぽいくせにさ」

 

「チエ、おまえこそ前の男はどうした」

 

「あはは。二週間で別れたー。私って関係深くなっちゃうと一気に冷めるタイプだから。やることやったらポイーね」

 

「普通、それは男側が言うことなんだがな」

 

 ホントだよ。真嶋先生の意見に大賛成だ。男が遊びまくって女を引っかえとっかえするイメージならあるが、星之宮先生は完全にそれの女バージョンなのだ。

 それに、俺は二週間で別れた男の話も知っている。だって愚痴聞かされたし。身体重ねただけで結婚前提の雰囲気出してきたから即冷めたって何回も聞いたぞ。よく思えばあの教師教え子相手に何愚痴ってんだよ。

 

「あ、だからって真嶋くんにはさせてあげないからね?ベストフレンドだし、関係悪くしたくないでしょ?」

 

「安心しろ。それだけはない」

 

「うわー、なんかそれはそれでショック」

 

「で、今の男はどうなんだ?」

 

「あー、比企谷君?面白いよねー、一緒にご飯食べてて飽きないもん。ずっと私の愚痴聞いてくれるしー」

 

「さすがに生徒相手に手を出すのはやめておけ。教師側からの過度な干渉は学校から処罰される。同業者がそんなくだらない理由でクビになられたら困るからな。生徒側がポイントでも使えば別だろうが……唆したりしないだろうな?」

 

「どうだろー、彼これまで出会った男で最高だからねー。卒業までは待つかも?」

 

「いや、お前はもたない。一年のうちに襲うに決まってる」

 

「やだなー、冗談だよ?」

 

 え、俺って今の男扱いなの?つーかあのビッチ訂正しろ!先生しかいないからって適当に話しすぎだろ。目の前の綾小路がこっち向いて『へぇ、そうなんだ』みたいな顔してきてるんだが。

 それと冗談って何が?俺が今の男って発言?それとも卒業まで待つっていうことが?なんつー危険な会話してやがるんだよこの人達……ってプライベートポイントでそんなこと出来るのか。

 

「それよりどういうつもりだ、チエ」

 

「わ、なに?私が何かした?」

 

「通例では竜グループにクラスの代表を集める方針だろう」

 

「私は別にふざけてなんかいないわよー。確かに成績や生活態度だけ見れば、一之瀬さんはクラスで一番だし、比企谷君が竜に入るわけないね。でも、社会における本質は数値だけじゃ測りきれないもの。私は私の判断のもと超えるべき課題があると判断したってわけ。ほらそれに兎さんって可愛いでしょ?ぴょんぴょんって感じで、比企谷君には似つかわしくないし、一之瀬さんっぽくない?」

 

「……だといいんだがな」

 

「星之宮の発言はもっともだが、何か引っかかることでもあるのか?」

 

「個人的恨みで判断を誤らないでもらいたいだけだ」

 

「やだ、まだ10年前のこと言ってるの?あんなのとっくに水に流したって!」

 

「どうだかな。おまえは常に私の前に居なければ我慢ならない口だ。一つ一つの行動に先回りしていなければ納得しない。だから一之瀬を兎グループにし、比企谷を竜に入れたんだろう?」

 

「どういう意味だ、星之宮」

 

「私は本当に一之瀬さんには学ぶべき点があると思ったから竜グループから外しただけ。比企谷君を竜グループに入れたのもそう。そりゃあ?サエちゃんが綾小路くんと堀北さんを気にかけてる点は気になるけど。ただの偶然なんだから。偶然偶然、島の試験が終わった時、堀北さんから綾小路君にリーダーが変わってたことなんて、全然気になってないしー?」

 

「そういうことか」

 

 真嶋先生は納得した様に頷いているが、星之宮先生子供かよ。茶柱先生のこと気にかけすぎじゃないか?

 今回のグループ分けの意図は、堀北と綾小路のために俺と一之瀬をそれぞれ向かわせたってか。相性的に絶対逆がいいと思うので抗議してもいいですか?駄目?

 

「規則ではないがモラルは守ってくれ。同期の失態を上に報告するのは避けたいんでな」

 

「もー信用ないなぁ。それに私ばっかり責められてるけど、坂上先生だって問題じゃない?Cクラスも順当な評価をすれば他の子が来るべきなのに龍園君ぶつけてきたし」

 

「確かにな……。今年は例年と違い、生徒の質が特殊なようだからな」

 

 おっと、もう一時近いな。そろそろ帰るか。これで帰らなかったら神崎あたりから一之瀬に報告が行き、俺の行動が更に制限されることになるだろうし。……面白い情報も手に入ったからな。

 ちょうど綾小路も撤退するっぽいので、そそくさと船内から外に出る。

 このまま別れるかと思ったが、意外にも綾小路から話しかけてきた。

 

「比企谷、担任の先生と付き合ってたんだな。こういう時はおめでとう、と言うべきなのか?」

 

「付き合ってない。全部あの人の妄言だ」

 

「そうか。……さっきの話、本当だと思うか?」

 

 こちらをジッと見つめて問いてくる綾小路。

 この目、俺はこの目を知らない。人間ってこんな無機質な目が出来るものなのか。

 

「さあな?俺と付き合ってるとか嘘つく先生の話を信じるのは難しいだろ。確かに竜は人が集められているとは思うけどな」

 

「……もう遅いし、眠たくなってきたな」

 

「……部屋帰って寝ようぜ」

 

 この後、互いに無言のまま部屋に向かうために別れた。

 ……正直なところ、かなり危ういかもしれない。あの会話を聞けたこと自体は悪いことではないが、星之宮先生が綾小路を警戒していることが綾小路本人に伝わってしまった。

 そして、この会話を俺も聞いてしまったこと。

 

「……寝よ」

 

 

***

 

 

 猿グループに裏切り者が出た翌日。

 俺たちの班の部屋には一之瀬を始め、各グループに散らばっているBクラスの切れ者たちが集まっていた。

 元々この部屋の班員である、神崎、柴崎、彩加、俺の四人に加え、クラスのリーダーである一之瀬に白波、小橋、綾倉の四人。俺と神崎と同じグループの安藤さん、一之瀬と同じ兎グループの浜口らが集まり、対策会議を開いていた。

 対策会議といっても、堅苦しく『えー、本日の議題は』みたいな感じではなく、お喋りしながら今回の試験の攻略法を考えるというもの。

 一之瀬は緊張している中で必死に攻略する方法を考えるより、リラックスして『こういうのはどうだろ?』みたいな提案式でやる方を好むらしい。

 一之瀬、というよりもBクラス全体で団結力を武器にしている以上、重苦しい雰囲気になるのは避けてるんだろう。こういった一之瀬の手腕は見事な一言に尽きる。

 神崎が一之瀬を補佐する形にしているのも、一之瀬のそういった人望が役に立つからだろうな。……Bクラスとはいえ、全員が全員仲良しこよしを好むわけではないのだから。

 

「Aクラスの作戦、どうやって崩す?」

 

「う~ん……今回の試験内容だと、Aクラスの作戦に対抗するのはかなり難易度が高いと思うんだよね。会話をしてくれないわけじゃないけど、ああも話し合いの場を持ってくれないと優待者を探りこむ以前の問題だからねー」

 

「CやDからまずは絞り込まね?俺たちと同じように話し合いの場を持とうとしてくれてんだし、この際Aは放置でいい気がすんだけど」

 

「いえ、恐らくですがAクラスは自分たちは話し合いに参加せず、他クラスの話し合いを聞くことに専念したいのだと思います。実際に話している我々より、外から全員を見れるのは大きなアドバンテージになります。観察するだけで自身が優待者であることを見抜かれてしまう人は少ないと思いますが、もし優待者であるという事実の裏付けが取れたなら、Aクラスと言えども優待者当てに参加しそうです」

 

「でも僕、葛城君と話したことあるけど、真面目で実直な人だと思うよ。Aクラスのために他クラスの反感を買ってでもAクラスの座を守りたいって考えるんじゃないかな……?優待者をむやみに指名してクラスにダメージが与えられないように、最後まで貫き通すと思うな」

 

 一人一人がしっかり意見を持っていて、お互いに共有する。独裁状態のCや仲が悪いD,いがみ合ってるAじゃBの真似は出来ない。

 まあ、だからといってAの作戦を破ることが出来るわけではないが、話し合いが活発なのは良いことだろう。俺も発言しておくか。

 

「葛城派が嫌いな坂柳派が裏切ることも考えられるが、坂柳がそんな勝手な行動を許すはずがないからな。葛城派の奴が功を焦って指名するのは分からんでもないけど」

 

「……さすが比企谷君。坂柳さんのことなら何でも知ってるね?」

 

 おかしい、俺も自分の考えを伝えただけなのに、隣にいる一之瀬からの言葉に棘を感じる。こちらを見ている目も、心なしかジト目気味だ。

 それに何でも知っていたのなら、既にヤツの脅迫から逃げ出しているに決まっている。確かにここ最近は毎日電話をしているが、内容は試験に全く関係のない無駄話ばかりだ。ただお互いに弄りあって俺だけ謝るという形。相変わらずの俺の下っ端ぷりである。

 

「何でも知らねえよ。ただ、坂柳も葛城も知っている人間からすれば、今回の試験でAクラスが求めているのは現状維持であることは明白だろ?坂柳が不参加のこの特別試験で、前半戦は葛城のミスで大きな損失を出してしまった。Aクラスのクラスポイントは1054、俺たちのクラスポイントは960。かなり迫ったとは言え、まだ余裕がある。定期試験ではほぼ差がないか、Aクラスの方が優秀である以上、この試験で無理をする理由がないからな。特別試験はそう何度もあるわけじゃないだろうし、普段の生活態度と試験ではAに敵うところはない。堅実かつ差を保てる作戦だからな……既に葛城は、この試験が終わった後のことを考えているはずだ」

 

「比企谷の言う通りかもしれない。実際辰グループで葛城に詰め寄った時、事務的な受け答えを続けていたからな。瞑目している様から、この試験後のことを考えている可能性はある」

 

「既に勝った気でいやがんのかよ……だけど事実、俺たちはその牙城を崩せてねえからなぁ」

 

「弱気になっちゃ駄目だよ柴田君!頑張ろ!」

 

「お、おう!」

 

 ……流石彩加。柴田の悔し気な雰囲気を途端にほのぼの空間に変えてしまった。さすさい、いやさすとつか?

 ゴロ悪いな……。

 

「ねえねえ、Aクラスの態度はグループによって差があるだろうから対処は各々のグループで考えるようにしてさ?CやDが優待者を探すために何してくるかを考えない?」

 

「確かに、Aクラスばかり考えていたが、他の二つのクラスが動くことも視野に入れておかなければな。特にCクラス、龍園がどんなやり方を取ってくるのか……」

 

 神崎はやはり龍園への警戒が高いな。だが今回の試験で龍園が表立って何かをするようなことがないのを既に知っている俺としては、無駄な警戒と言わざるを得ない。

 派手に暴れ、特別試験で動くような印象付けを他クラスにした後、今回の試験では不気味なまでに大人しいときてる。警戒しない方がおかしい。ここまで考えて、龍園がニヤけ面をしているのなら、今のAクラスになら勝利できそうである。……あの天才ロリ悪魔の一党体制になってからは厳しい戦いになるだろうけど。

 

「一回、今回の試験についての説明を改めて聞こうぜ。もしかしたら抜け道のような試験に対する攻略法があるかもだしな」

 

「そうだね、じゃあ比企谷君お願い」

 

 午前中の間、俺が録音した茶柱先生による今回の試験の内容と結果一覧、重いペナルティが課される禁止行為などを確認し、もし俺たちが優待者側だったとして、どのように相手を騙すのか?など優待者がいる場合に他クラスがしてくるかもしれない動きを推察することに時間を使った。

 

 何度見ても、今回の試験のルールで結果1にする方法がない。人間とは欲の塊だ。何かが欲しい、何かになりたいなど、何かをいつでも求めている。

 

 この学校で言えば、生徒にとっての一番はプライベートポイントだろう。クラスポイントももちろん欲しいが、実際に自分たちが使用するのはプライベートポイント。このポイントがなければ日常生活も味気ないものになってしまう。

 今回の試験はゲーム理論の囚人のジレンマを思わせる内容になっている。お互い協力する方が協力しないよりもよい結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなる、というもの。

 一番いい結果は結果1だが、もし誰かが抜け駆けした場合、優待者のクラスはクラスポイント50を失い、裏切り者のクラスがクラスポイントを50得ることになる。更に裏切ったものにはボーナスのようにプライベートポイント50万。月に貰える額が10万以下のことを考えれば、是が非でも皆欲しがるだろう。

 

 勝手な推測だが、優待者のいるクラスは結果2、もしくは結果4に他クラスを騙して誘導させるか、最後まで白を切るかのどちらかしか選べないのではないだろうか。結果1を求めるにはリスクが高すぎる。もし結果1が成り立つグループがあるとすれば……辰しかないな。

 各クラスのリーダー格が揃っているあのグループなら、裏切れば全員に目をつけられる。既に誰が優待者かは知っているが、龍園の言う通り最後までどんな方法を取ってくるのか見よう。アイツはただ、無人島でDクラスをあのような結果に導いた奴を探したいだけだろうが。堀北を観察し、本当に堀北がやったのかを確認するのだろう。……黒幕に心当たりのある俺からしたら、Dクラスに長い間固執してくれれば助かるけどね。

 

 ……やっぱ、あの契約は失敗だったか?

 

 

***

 

 

 三回目のディスカッション。話し合いの内容は前回と全く変わらない。

 一之瀬によれば兎グループのAクラスの奴は話しかければ会話をしてくれるらしいが、葛城はほぼ無言だ。取り巻きも弥彦みたいに煩いやつではないからか、葛城の意をしっかりと受けてジッとしている。

 結局、今回も時間が来てしまい、優待者が分かるような話し合いにはならなかった。

 指定の一時間が終わると、まず葛城達Aクラスが出ていった。

 Aクラスが完全に出ていったのを確認した途端、これまでほぼ喋らなかった龍園が口を開く。

 

「提案がある。Aクラスがいると出来なかった話だ」

 

「……何かな?」

 

「鈴音には前も話したが、俺はクラスの優待者を全員把握している。そこでAクラスを除く三クラスで手を組み、情報を共有して学校の試験の全容を看破する」

 

「戯言ね。そう言って情報共有した瞬間裏切るのが目に浮かぶわ」

 

「クク、俺が改心した、と言えば?」

 

「そんなわけないじゃない」

 

「おーおー、怖い怖い」

 

「堀北同様、俺も反対だ。お前たちが無人島でAクラスにやったことを考えれば、お前の案に乗るような馬鹿はいない」

 

「おいマジか?Dは差があるとしても、AとBの差は100もないんだろ。今回の試験はAに上がるチャンスじゃないのか?」

 

「確かにAクラスに上がるチャンスだろう。だが、お前の提案に乗る理由はない。俺たちは俺たちで試験に挑んでいる」

 

「そうは言うが、今この瞬間お前らBクラスの優待者を全滅させてもいいんだぜ?善意で手を取り合わないかと提案してやってんだよ」

 

「俺たちの返事は変わらない。優待者の情報を他クラスと共有するなど以ての外だ。それがお前なら尚更だろう」

 

「第一にあなたが嘘をつく可能性がある以上、私たちが提案を受けることはないわ」

 

「本人を呼んで携帯を見せてもか?」

 

「大方携帯を入れ替えて間違えさせる腹積もりでしょう?そんな手に私たちは引っかからないし、この試験で手を組むにはお互いに信頼関係を築いている必要がある。誰があなたと信頼関係を築けていると思うのかしら」

 

「契約書を作れば問題ないだろ?」

 

 龍園が手を組む利点を上げ、それを神崎と堀北が反対する。葛城達がいない方が話し合いをしているのは事実だが、内容的に埒が明かない。龍園のこれまでの行動を見れば手を組むのは悪手だと考えるし、いつ裏切られるか分からない奴と優待者の情報を共有するようなリーダーはいない。……リーダーはな。

 

「神崎」

 

「……何だ比企谷」

 

「おい、俺が名前呼んだだけでそんな嫌な顔するんじゃねえよ。泣くぞ?……龍園の案、悪くないと思うんだが」

 

「は?」

 

「あなた正気?」

 

 神崎が蔑むような目線を寄こし、堀北は汚物を見るかのような目をしてくる。別にMじゃないから興奮しない上に、残っている人間の視線を全身に感じて緊張感の方が凄い。やったね八幡!人気者だよ!どこがだよ。

 

「龍園に信頼なんて皆無だが、契約書を作らせれば裏切ることはないだろ。ペナルティをふんだんに入れて、裏切った方が損をするような契約を三クラスで結べば、互いにダメージを負いたくないから裏切るに裏切れなくなる。互いを仲間だと思うんじゃなくて、ビジネス相手だと思えば出来なくはないだろ?」

 

「それは考えが甘すぎるんじゃないかしら。第一あなたにそんな決定権があるの?」

 

「あるわけないだろ。ただ提案を聞いただけだと、魅力的だと思っただけだ。この夏休みの特別試験で俺たちBクラスはAクラスを上回ってAクラスに上がり、CとDもクラスポイントを上げて混戦に持ち込める。悪くない話だから、ここですぐに切り捨ててしまうのは勿体ないんじゃないかって思っただけだ」

 

「それは理想が過ぎるわね。こうやって私たちに話を持ちかけているけれど、Aクラスにも話を持ちかけている可能性もある」

 

「ならそれも禁止事項にしちまえばいい」

 

「契約を結ぶ前にやられたら契約も何もないわ。彼とは契約以前の問題で手を組むリスクが大きすぎる。神崎くんだってそう考えているのよね?」

 

「ああ」

 

 そこからずっと平行線の話が続いた。

 B、C、Dの神崎、龍園、堀北が口論をし、たまに俺が介入すると神崎と堀北が手を組んで俺の提案を論破していく。君たち俺に何か恨みでもあるわけ?

 ほぼ三人、たまに俺しか発言していないからか、他の残っている安藤さんや櫛田、平田たちは話を聞くだけの格好になっている。

 Aクラスが出て行ってから約30分。平田や櫛田、安藤さんの携帯に友人たちから連絡が来たらしく、部屋を出ていった。ついでに龍園の配下たちも龍園の命令で部屋を出ていく。

 結果として、部屋に残っていたのは各クラスのリーダー格と俺。三すくみになるような位置に座っているのだが、俺は龍園と向かい合う位置、つまり神崎と堀北に挟まれた場所に座っている。

 

 何が言いたいかと言えば、目線が痛い。神崎に至っては絶対「今回も何かやらかす気だなコイツ」って思ってんだろ……既にやらかしたと言えばどんな顔をするだろうか。少しだけ興味が湧くが、自ら殺されに行くほど自殺志願者でもない。

 

 もう時間過ぎてるし、後はリーダーたちに任せて帰ろうと立ち上がろうとした、その時。

 

 櫛田たちと入れ替わるように一之瀬、そして何故か綾小路が部屋に入ってきた。

 

 ……逃げてぇ。

 

 

***

 

 

「よう。わざわざ偵察に来たのか?遠慮せず座れよ」

 

「随分と面白い組み合わせだね。時間外で何を話し合ってたのか興味あるなぁ」

 

「クク。そりゃそうだろうさ。本来なら比企谷ではなくおまえが神崎とこの場所にいると思ってたからな。ところが蓋を開けてみればおまえは別グループ。それも箸にも棒にも掛からないチンケなチームに振り分けられてるなんてな。それとも、おまえはそこまでの人間だったか?」

 

「やだな龍園くん。戦略も何も、学校側が決めたことだし詳細は分からないよ。ただ、私たちは与えられた状況、情報をもとに戦うんだよ。その言い方だと順序が逆になっちゃうじゃない。学校側は意図してグループ分けしたってこと?」

 

 一之瀬はあくまでも何も知らない体を装っているが、頭の良い一之瀬がこのグループだけ明らかに人間が集められていることに違和感を持たないわけがない。

 実際、このグループだけは教師によってクラスのリーダー格の人間が集められているからな。昨日の会話を盗見聞きしたし、それは確実だろう。

 

 龍園は一之瀬との距離を詰めて、全グループが意図されて組まれていることを告げる。対して、一之瀬は即座に返答するが、少し悪手だろう。間をおいて答えた方が理解するまでの時間として相手は受け取りやすくなるし、それ以外に情報を拾いにくい。

 今のだと何故知っているのに知らない振りをしたのかを推察されることになる。心理を読まれることは考え方を読まれることになり、それがリーダーともなれば戦略を読まれることに繋がる。

 

「それにしても………俺も女のケツを追いかけるのは好きだが、おまえはそれ以上だな。鈴音といい一之瀬といい、いつもケツに張り付きやがって。比企谷と同じじゃねえか」

 

「おい、俺を巻き込むのやめろ」

 

「坂柳やそのパシリ、ひよりに後ろからついて行ってる写真、いるか?」

 

「……比企谷君?」

 

 ケラケラ笑いながら綾小路を一瞥した後、俺にまでついでに攻撃してきやがった。ほら、一之瀬がお説教しますオーラ出しちゃったじゃねえか。

 最近は正座しすぎて、全然苦じゃなくなってきてるが、それでもさせられたい奴なんていないだろう。いたらソイツはただのドMだ。

 

「それにしてもいいところに来たな一之瀬。俺はおまえに面白い提案があるぜ」

 

「提案?一応話だけは聞かせてもらうけど何かな」

 

「くだらない話よ。耳を貸すだけ時間の無駄ね。もっとも……そこのゾンビ君は乗り気だけど」

 

「Aクラスを潰すための提案だ。悪い話とは思わないんだがな。鈴音と神崎は反対らしい。比企谷は賛成してくれたんだがな」

 

「二人が反対で比企谷君が賛成する時点で碌な案じゃないっぽいね」

 

 笑顔でそう告げる一之瀬。俺に対する信頼度が底辺な件について。

 

「俺は既にCクラスの優待者を全て把握している。3クラスで情報を共有する、全優待者の情報をな。そして学校側のルールを看破する」

 

「なかなか大胆なアイデアだけど、それって現実的な話とは思えないな。そもそも、龍園くんがCクラスの優待者を全て把握したって話は本当なの?」

 

「信用できないのは当然だ。だったら今回に限り誓約書でも作ればいい。Aクラスに3人いる優待者を分け合うって話でな。これでAを除く3つのクラスが上に迫れる。おまえらBならAに上がれるだろう」

 

「ついでにB~Dはお互いに指名しない旨と、指名した場合のペナルティを追加すれば龍園でも裏切るに裏切れないだろって思うんだがな」

 

「どんな内容の誓約書を書いたとしても、誰がどう裏切ったのか分からない以上無意味よ。Cクラスが裏切って終わりね」

 

 堀北の言うことはもっともだ。既に龍園が優待者の法則を見抜いているなど思いもしないだろうから、龍園のやり方など突っぱねてやるという強い意志を感じた。

 その後も話し合いが続いたが、一之瀬は提案を受けなかった。個人的に綾小路が発言したのは驚きだったが、どうやら堀北にBクラスとCクラスに手を組まれると大敗北を喫する可能性があることを匂わせたかった感じだ。

 

 一之瀬が断ったことで龍園も用はないとばかりに部屋を出ていく。

 部屋に残ったのは俺、一之瀬、神崎、堀北、綾小路の5人。

 龍園に対しての愚痴のようなものを吐きつつ、一之瀬が話かける。

 

「堀北さんに綾小路くん。私たちの協力関係を知る人が揃っているから聞くけど……今回の試験で、クラスを超えた協力関係は成立すると思う?」

 

「わざわざ敵対する必要はないけれど、協力しようと持ち掛けるのは難しいでしょうね。試験の仕組み上二つのクラスが協力してやるにしても不完全だもの。それに、DクラスとBクラスの全員のゆるぎない協力が必須条件。成立するとは思えない」

 

「うん、さすが堀北さん。よく試験を理解してるね。龍園君のアイデアは机上の空論だよ。やっぱり手を組んだのは正解だったね。うちのクラスには、すぐにこういう事に乗ろうとする手のかかる子がいるからさ」

 

 なんでこっちをジロっと見てくるんですかね……いや確かに龍園の案に賛成したが、利点だってあっただろ。

 学校側は優待者情報を明かさないと言っていたから、龍園が裏切ってもしらばっくられたらどうしようもないと考えてるんだろうが……誓約書を教員を通して合意したならば、誓約書の内容について反故がないかどうかを学校側に調査してもらえるはずだ。

 

 だが口には出さない。出したら絶対に神崎と堀北、それに一之瀬も一緒になって反論してくるからな。無謀なことを俺はしない主義なのだ。

 

 

***

 

 

 本日二回目の話し合いを終えた後、俺はいつも利用している温泉に来ていた。

 龍園の案に乗ろうとしたことがきっかけで、前回の無人島の時みたいに単独で行動を起こしそうだからとあの後から神崎、柴田、彩加、一之瀬、白波、綾倉、小橋の誰かに監視される生活になってしまった。解せぬ。

 龍園が危険人物なのは確かだが、リスクリターンの計算はボッチの領域内だ。自分のキャパを超えたリスクは負わないことくらい弁えてる。

 

 でもやっぱり監視付きなのはやりすぎだと思うんだよ。彩加とは筋トレを一緒にして楽しかったし、白波とは天使に関する議論が盛り上がったが、他の面子はよろしくない。

 一之瀬は距離感近いし、神崎は無言だし、柴田は余計なこと言ってくるし……網倉と小橋に至っては、二人の担当時間に坂柳と電話してしまったので、キャーキャーうるさかったのだ。何?最近のJKは男女の会話なら何でもキャーキャー言っちゃうわけ?

 帰ってからの夏休み期間で焼肉を奢るか、回らない寿司を奢るかの二択を迫られて、苦渋の決断で自分が食べたい焼肉にした俺の気持ちなんぞ知らず、「修羅場!修羅場きちゃう!」「Cクラスの椎名さんとも仲いいって話だし、泥沼現場に遭遇できるかも!」なんて言い合ってる始末である。

 

 何だかんだあった上に、試験の話し合いもあったおかげで疲れ切った俺は、こうして温泉に浸かり、疲れをとっているというわけだ。

 ……隣にいつの間にか高円寺いるけどね。

 

「やあ、比企谷ボーイ。マナーは守っているかね」

 

「ああ。お前に教わったのは全部守ってる」

 

「そうかそうか。こうして新しい紳士を生みだしたのも私が美しいからだと思うと、美しさは罪だと改めて感じられるね」

 

「……そうかい」

 

 そういや試験が終了した猿グループって、高円寺がいたところだったか。ならカマかけてみるか。

 

「お前もう試験終わったんだろ?優待者の法則が分かったから優待者を指名したのか?」

 

「嘘つきを見つける簡単なクイズだったからねぇ。大して面白くもなかったから終わらせたのさ。あの時の同室の幸村ボーイの乱れようといったら醜いものだった。ああはなりたくないものだが……その口上だと比企谷ボーイも気づいたようだね」

 

「まあな。つーかそこまで分かってるならクラスの奴らに教えてやれよ。堀北なんて法則なんてないって一点張りでグループでの優待者探しをしているフリを健気に頑張ってるんだぞ」

 

「そんなの私の知ったこっちゃないね。私は私がやりたいようにやる。それだけさ」

 

 カマかけてみたのが大正解だったことに加え、高円寺六助は本当に個人主義だと痛感した。それでも学力は高く、能力も最上位なのだから余計に質が悪い。二年に鬼龍院という先輩がいるらしいが、高円寺同様クラスのことなど気にもかけておらず、そのせいで二年のAクラスは南雲副会長のBクラスに逆転されているらしいし。

 個人主義は俺も少なからず共感できるが、如何せんこの学校でそれを貫けるのは素直に尊敬に値するだろう。

 

 

***

 

 

 特別試験三日目。一日設けられた完全休息日である。

 俺はこの日、たまたま入ったトイレでとある男と出会った。

 

「ん?」

 

「おまえ……比企谷じゃないか!なんで俺たちを裏切った!」

 

 そう、葛城派にして葛城と共に行動していた、彩加と同じ苗字を持つ羨ましい男。戸塚弥彦君だった。

 

「お前がリタイアなんてしたから、俺たちAクラスは本来のポイントを大幅に下回る20なんて点数になったんだぞ!?」

 

「互いに指名しようって先に言ってきたのはそっちだろうが。それに、葛城が持っていたキーカードを見てお前がリーダーだと気づかせないようにしていたお前らに言われる筋合いはないな」

 

「お前坂柳が嫌いなんだろ!?今回の件で葛城さんが失脚したら坂柳の一党体制になってしまうんだ……まだ優待者当てを無傷で終えられるだろうから最低限の面子は守られるだろうが、二学期からは坂柳派がどんどん勢力を増してくるに決まってる……」

 

 いや、そんなぽろぽろと重要な情報を他クラスの俺に溢すなよ。いきなりすぎてびっくりしたぞ。これが俺を騙すためのフェイクや頭脳戦略なら見直すのだが、単純に本音らしい。

 ……待てよ、コイツを利用して葛城派に最低限の抵抗力を持たせれば坂柳に嫌がらせ出来るんじゃないか?

 

「なあ弥彦。少し話があるんだが……」

 

「誰がおまえの話になんか乗るか!どうせ裏切るんだろ!」

 

「まあ待て。つーか無人島の件は完全におあいこだろ……実はだな……」

 

「な、何!?いや、それが本当かどうか……」

 

「なら明日の二回の話し合いの中で……」

 

「反応すれば、確かに怪しさは増すよな……」

 

 入れ知恵をし、所属しているグループの優待者を教える。馬グループらしいから、確か優待者はDクラスの奴だったはず。Bクラスに直接実害があるわけじゃないから裏切り行動ではないな、よし。

 

「悪くない話だろ」

 

「乗った!」

 

 チョロい。葛城、こんなチョロい奴を側近のような立場に置かせるのは、お前のためにならないと思うぞ……もう遅いけど。

 今回はAクラスにプラスに働くから、問題はないだろう。……弥彦の奴が優待者を見抜いたくらいで、試験の順位は大きく変わらないし、俺たちがAクラスに上がることに変わりはない。

 

 思わぬところで思わぬ奴と出会ったが、これが吉と出るか凶と出るかは……二学期になってから分かるだろう。

 

 弥彦が先にトイレから出ていくのを見送り、顔を洗うなどして時間を少しズラしてから俺もトイレを出る。

 

 ―――まずは、満面の笑みで俺を監視する気満々の一之瀬をどうにかすることから、考え始めるか。

 




次でバカンス編は終了です。
その後は夏休み(4.5巻の内容のように抜粋)か体育大会に一気に飛ぶかで迷ってます。
どちらにせよ、綾小路と共に生徒会室に行く話は書くつもりですが……アニメの方の時系列で合わせたのでまた夏休みの話かよ、早く本編進めようぜ、なんて思わなくもないです。
1話1話長くなっちゃいますし……。
あーでも、夏休みだからこそ上級生と絡ませておくべきか……?

かなりグダグダした割には文章もおかしいところ多々あると思いますが、見逃していただけると助かります。
どうせ後から自分で読み返して「は?」ってなった時に書き直すと思うので……。

前回の話の最後にあった、龍園と比企谷の密会の内容はかなり後で振り返るような形で使う気なのでしばらくは内容を伏せますが、感想欄などで勝手に推理してもらえるとそれはそれで面白いですね。
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