イナズマイレブンinオーガ 今日の格言「天才とバカは紙一重」   作:みくも

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二話目です。
ブボーとミストレがメイン…のつもりで書きました。
お気に入り評価ありがとうございます。


今日の格言「ブボ!ブボボボ!ブボブボボブボ!ブボー!(ブボー)」

「学園内で暴力事件?」

 

「ああ。重大な規律違反だ。クソリア…ミストレからの事情聴取のあとに発覚した」

 

「ねえ、信玄、このクソ風紀委員、俺のことクソリア充って言おうとしたよね?規律違反じゃないかな?」

 

「ああ。言い方が悪かったな。すまん。元クソリア充だったな」

 

「…あ゙?処すぞ…テメエ」

 

「活動開始でわずか五秒で喧嘩すんな」

 

 ここは『学園内状況維持委員会室』、まあ王牙学園の風紀委員の部室…みたいなところだ。本来なら入室のためのパスコードは俺…佐倉信玄と『リア充絶許』君…サンダユウ・ミシマのみに限定されるが今回、一時的とはいえミストレもパスコードを持っている。

 

 前回の浮気事件の調査でミストレは『女の敵』の烙印をおされた。リノちゃん、レイナちゃんのみならず一通り別れたらしい。彼女達からはうまくごまかしごまかしで上手くいってたらしく、彼女達曰く

 

『こんなに浮気相手がいるなんて知らなかった』

 

 とのこと。まあ、日常茶飯事で浮気されてて嫌気がさしてた奴等もいたみたいだ。

 

 その浮気事件の懲戒として、無期限の風紀委員への奉仕活動がミストレに義務付けられた。

 

 サンダユウは退学を請求していた。風紀委員会の顧問で学園教諭の父に対して

 

『アイツは●●●野郎です!ゆくゆくは風紀委員…いや、王牙学園全体の信頼がなくなります!◎×△□←…!』

 

 めっちゃ言ってた。父親、あのサンダユウをどう説得したんだろう?って思うくらいキレてた。

 

 …状況を整理しよう。現在青筋を浮かべまくった縦長メロン(サンダユウ)と真っ赤に熟した(主に怒りで)シャープなトマト(ミストレ)が互いににらみあっている。

 

「話を戻そうぜ。そもそもどういう経緯で分かったんだ?監視カメラか?」

 

「いや、あの後、他の生徒から暴力を振るっているのを見たという証言を聞いてな。さすがに信じられないと思ったが」

 

「…それ、ガセなんじゃないの?よく君達を困らせようと嘘の情報流す奴とかいそうじゃん?それにここは王牙学園だよ?我が国最高水準の教育機関で暴力みたいな大問題起こす生徒がいるかな?」

 

「ああ。つい昨日までいないと思ってたよ(お前を見るまでな)。たしかにお前の言う通り、実際にガセ情報を流してくる奴はいる。発足してから何かと細かいことばかりしか注意せず、リア充に会うたびに『貴様ら!これは不純異性交遊だ!』と言い続けるサンダユウ(キチガイ野郎)がただでさえ嫌われる風紀委員やってるんだ」

 

「誰がキチガイだ」

 

「(無視)だがな、ミストレ。それでも俺達はガセだとか決めつけたりしない。この仕事を誇りに思ってるから守るべき生徒達を守れる可能性が一ミリでもあるなら俺達はガセ情報だろうと飛びつくさ。一年それをやって来た」

 

「…」

 

「そうして信頼を勝ち取っていったんだ。元々この部屋だって発足当時はなかったんだぜ?」

 

「…何?自慢?」

 

「いや、だからさ、今、ミストレの評価はクソだ。浮気のバレた●ッキーくらいと言っていい」

 

「…」

 

「けど…今から諦めずに少しずつ信頼を取り戻そうぜ。俺達と一緒に」

 

 俺は部室に備え付けてあるティーセットと魔法瓶で紅茶を作ってミストレに渡す。

 

「まあ紅茶でカフェイン補充しとけ。最近ストレスで寝れてないだろ。クマだらけだぞ」

 

「…佐倉。ありがとう」

 

 ミストレは一口紅茶を飲んだ。

 

「おい。話をそらすな。会議途中だ。茶はしまえ」

 

「少しは空気を読んでくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「証人?」

 

「ああ。暴力事件の存在の裏づけをとるために現場付近の生徒に話を聞いてな。明確な裏づけをとってきた。今日この部屋に呼んだから調書をとってもらえるか?」

 

「分かった」

 

 ミストレは紅茶を飲み終える頃までには大体の話は聞き終わっていた。

 

 東棟で暴力事件が発覚したこと。

 

 被害者がアザ程度ですむ怪我を負ったが転んで怪我したとごまかしていること。

 

 これが計画的な犯行、つまりいじめの可能性があること。

 

 被害者がごまかしたことで別の第三者の生徒の目撃証言も合わせて教員への報告書類を提出することになった。

 

「一応確認するがちゃんとした信頼性のある生徒だよな?」

 

「安心しろ。成績上位者の生徒で教員からの信頼も厚い。俺とも一応接点がある。目撃証言としては信憑性は高い」

 

「そうか。分かった」

 

「ぷはーっ!ありがとう佐倉。美味しかったよ。また作ってもらえるかい?」

 

「全然いいぜ」

 

「佐倉、茶菓子もミストレに渡してやれ。少量なら糖分もカフェインと同じ効果を持つ」

 

「はいよー。ほれ、茶菓子だ」

 

 俺がヨウカン一切れを皿にのせてミストレに渡し、サンダユウとミストレが少し打ち解けた(?)ところで扉からコンコンというノックの音が聞こえた。

 

「誰だ?」

 

「ああ。そういえば目撃者にこの部屋のパスコードを教えてなかった。佐倉、こきつかうようで悪いが開けてくれ」

 

「別に気にすんなよ。入り口に一番近いのは俺なんだ」

 

 久しぶりだ。こういう打ち解けた会話は。サンダユウも少しはミストレのいる環境に慣れたのかな。

 

 なんか、さっきキチガイとか言ったことが悪い気がする。

 

 …でも証人って誰なんだろうな。楽しみだ。

 

 コンコン!

 

「はいはい。開けますよ」

 

 プシューン(扉の開く音)

 

「ブボー!」

 

 目の前に額に『ー』記号がついているチビが現れた。

 

 プシューン(扉の閉まる音)

 

「おい、佐倉、証人が入ってきてないぞ。きちんと開けてやれ」

 

「ちょっと待て」

 

「…何だ?どうした?特に異常事態にはなってないぞ?」

 

「お前、今ノックした奴見たか?」

 

「ああ。誰かはすぐ分かった。彼が証人だ」

 

「んで?その調書を俺にとれと?」

 

「ああ。できる限り一語一句違わず書いてくれ」

 

「ぶっとばすぞ?」

 

 ああ。成績上位者だな。ブボ・トランガス…だっけか?科学部門の天才でメチャクチャ頭がよかったはず。

 

 たが、アイツは一周回って天才過ぎたせいかブボブボとしか喋れない。

 

 つまり、一番証人として呼んじゃいけない野郎だ。

 

 とそれを俺がサンダユウ(キチガイ野郎)に言おうとした時だった。ミストレが扉を開けた。

 

「(プシューン)あっ!ブボーじゃないか!」

 

「ブボボボブボブボボ!ブボボボボブブボ!」

 

「佐倉、ブボーの奴怒ってるよ。『俺を見た瞬間扉を閉めやがって!』って」

 

「ブボボブブブブ!ブブボブボボブボボボ!」

 

「ミストレの食べているヨウカンをご所望だ。佐倉、用意しろ」

 

「ブブブブボボ!ブボブブボボボボ!」

 

「ついでにお茶もだそうだ」

 

 …ん?

 

「…は?…いやいやお前らこいつの話してることが分かるのか?」

 

「…何?佐倉さあ、じゃあどうやってブボーとコミュニケーションとってるわけ?」

 

「いや…フィーリング?」

 

「ブボボボボブブボ!ブーブブボボー!」

 

「『俺を犬か猫かと思ってんのか!』って言ってるよ」

 

 ブボーはウンウンとミストレの翻訳について頷いている…いや、お前ら何言ってるんだ?

 

「佐倉…貴様この学園に来て一年…『ブボ語』をお前は習わなかったのか?」

 

「何だよそれは」

 

「ブボーが独自に作り出した言語だよ。幼少期から話してるせいで母国語の方が喋れなくなってね…ってまさか佐倉知らないの?王牙学園のほぼ皆が知ってる言語だよ?」

 

「嘆かわしい…いまや『ブボ語』は英語の次に必要な言語だというのに…」

 

「本気で言ってんのか?」

 

「この国の政府がこれからの軍部暗号として注目してるんだよ。ブボーとの会話にも必要だし王牙学園の生徒は皆知ってる」

 

「佐倉…貴様ブボ検何級だ?」

 

「英検みたいに言わないでくれるか」

 

「バカな…五級すらとってないのか?」

 

「何とゆゆしき事態なんだ」

 

「佐倉…見損なったよ。ブボーのことを何だと思ってるんだ」

 

「ブボボーブブー!」

 

 …なぜだろう。どこまで突っ込めばいいのかわからん。

 

「というかブボーはこっちの言葉を理解してるのは何でなんだ?」

 

「ブボーの兄弟…ゲボーが作った翻訳機を耳に入れてるからこっちが普通に話してる内容も聞き取れるみたいだね」

 

「そうか。ゲボーは物理学と機械学の成績上位者だったな。…待てよ。ってことは『ブボ語』もあるなら『ゲボ語』もあるのか?」

 

「…(殺意のこもった目)」

 

「…(何言ってんだこいつ)」

 

「ブボボ…」

 

 …何だこの沈黙。

 

「にわかが…」

 

「あるわけないだろ」

 

「ブボボーボブボーボ!」

 

「『アイツは吐瀉物が好きだからゲボゲボ言ってるだけの変態だ』と言ってるよ」

 

「兄弟をディスりすぎだろ」

 

 確かに最近ゲボーが作った論文は最も衛生上安全な吐瀉物の吐き方だったような…変態じゃねえか。

 …ん?というか待てよ?

 

「…なあ」

 

「何だ?ブボーのアンチ」

 

「…この王牙学園の皆が『ブボ語』覚えたのって将来もあるだろうが大体はブボーのためなんだよな?」

 

「そうだね。『ブボ語』が使われるのはあくまで通信だけで基本コミュニケーションは母国語だろうし。僕やサンダユウはそうそう『ブボ語』は将来使わないと思うよ」

 

「ブボーが元々母国語話さず自分で勝手に言葉を作ったからこうなったわけだよな」

 

「ブボブボ(コクコク)」

 

「お前が母国語話せば万事解決じゃね?」

 

「…(目を見開く)」 

 

「…(口半開き)」

 

「…ブボ!(それがあったかという顔)」

 

「何で気づかねえんだよ」

 

 再びの沈黙。多分だが学園の生徒はほぼ全員頭がいいし言語一つ覚えるくらい余裕だろうから気づかなかったんだろうな。だがそれならブボーがこの国の言語話せるようになれば解決のはずだが…何で他の生徒は気づかなかったんだ…(困惑)

 

「…ねえ。佐倉」

 

「何だよ?」

 

「天才だね(王牙学園学年成績二位)」

 

「ありがとう。いい嫌みだな」

 

「認めん…!認めんぞ!こんな初歩的なことに…このサンダユウ・ミシマが気づけぬとは…」

 

「…ブボボ」

 

「…いや、本当に何で気づけなかったんだ…(困惑)ま、まあ、調書とろうぜ。調書。ああ、そうだ。ミストレ」

 

 俺はミストレの方を向く。

 

「あとででいいから『ブボ語』について教えてくれ」

 

 ミストレがちょっと驚いた顔をする。

 

「いいのかい?ブボーが言語を覚えれば解決なのに」

 

「いいぜ、そんなことしたらブボーのために皆がしてきた努力が無駄になるだろ?風紀委員としてそんなことは出来ない」

 

「…ブボボ!」

 

「ブボーもすまなかったな。ちゃんとブボーの言葉が分かるように頑張るぜ」

 

「ブボボボ!」

 

「佐倉…ありがとう。調書とりおわったら食堂で話そう」

 

「ああ。ミストレ、ブボー、これからもよろしく頼むぜ」

 

「ばかな。ツッコミしか取り柄のない佐倉が…なぜこんなカッコいいのだ…。サンダユウよ!落ち着け!きっとこんなかっこいい台詞を女子の前でいずれ言うための」

 

「たまには空気を読んでくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふ…ここが百二十年前の世界…。さて…インタラプトの修正を始めようか…ターゲットは…」

 

「『バダップ・スリード』『ミストレーネ・カルス』そして…」

 

「『シンゲン・サクラ』」




サンダユウ・ミシマ
頭の99%が風紀と規律で占められる男。
王牙学園で教鞭をとる父と軍部で働く母の元で育った。
彼女がいたことがない。
密かに行われた女子の『彼氏にしたくない王牙学園男子ランキング』で3位という高記録を成し遂げた。
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