文章等拙いとは思いますがどうぞよろしくお願いします。
気ままに更新していきます
#1 帰国と再会
4月。日本では桜の花が咲く季節。寒いところではまだ咲いてないしもっとあったかいところではもうすでに散ってはいるけれど、4月は桜の花が咲く季節ってばあちゃんが言ってたから間違いない。
「日本、久しぶりだなあ〜」
空港から都心へと向かう俺、西秋圭介は、ふとそんなことを呟いていた。
飛行機に長時間揺られて(その間は爆睡し)、気がついたら空港に着陸していたわけだ。
中学の3年間は親の仕事の都合で海外のスクールに通っていたから、日本の学校は正直恋しかったし、あいつらに久々に会えるとなると楽しみになってくる。
つい先ほど、俺は小学校時代の同級生たちのLAINグループに日本に帰ってきたこと、そしてこれから通う予定の高校のことを投稿した。
「日本に帰国しました。高校は花咲川。また会えそうだったら会いたいです」
「お、俺も花咲川だ。圭介、久しぶりだな。おかえり」
「同じく花咲川。また一緒の学校だな。すぐに会えそうで楽しみや」
「え〜。あたしら羽丘だよ〜」
「男子と女子でうまいこと別れたね……、ともあれ、ケイちゃん、おかえり」
俺の放った一言から話はどんどん広がり、そして早速明日の昼、俺の新居の近くにある「羽沢珈琲店」で一緒に会おうということになった。
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翌日。荷解きを済ませ、自分の部屋を構築しているうちにあれよあれよと時間は過ぎて、約束の時間になっていた。
「ついた〜」
約束の時間の前に、俺が住んでいた街を若干放浪した。懐かしさを噛み締めたり、新しいライブハウスを見つけてテンションが上がったりとまあいろいろなことがあった。ライブハウスは普段の活動に使えそうだけど、バンド名は隠しておかなきゃな……。
「おっす、圭介、久しぶりだな」
考え事をしていると、体格が同じくらいの、薄手のコートを羽織った男に話しかけられた。
「久しぶりだな、北斗」
「相変わらず集合時間よりも早く着くんだな」
「そういう北斗だって、集合時間ぴったりに着くところは全く変わってないじゃんか」
2人で3年ぶりの会話を楽しみながら、他のメンバーの到着をしばし待つ。
紹介し遅れたが、彼の名は春日野 北斗。俺のバンドのメンバーの1人。濃いめの茶髪でリードギター担当。もともとの髪の毛の色はもっと金髪に近い茶髪なのだが、北斗自身がこの色が好きで、わざわざ染めているらしい。
他の幼馴染み達が3年前から全く変わってないとすると、おそらく全員が集合するのは30分後ぐらいになる。練習の時以外は時間にルーズだからな。というか基本的に金がかかっている時以外は俺らのバンドメンバーは時間にルーズ。
それぞれの近況報告をしあっていると、もう2人が歩いてくるのが見えた。
「10分の遅刻か、相変わらずだな、お前ら」
「別にいいじゃん?あんまり急いでもなかったんだし」
「しかも最強のケチコク人が来てないから大丈夫っと」
「それもそうだな。……それよりもしぐれ、千夏。久しぶり。また会えてよかった」
「ニッシー、突然しんみりした雰囲気だすなって!男だろ!」
「私も会えて嬉しいよ、ケイちゃん」
ドラム担当の南出しぐれと、キーボード担当の中川千夏。この2人も北斗と同じく同級生。
俺のことをニッシーって呼んできたのがしぐれで、ケイちゃんと呼んできた方が千夏だ。
「さ〜て、残すは遅刻魔&けちんぼのあいつだけだね」
「まーだ冬樹は遅刻魔なのかよ、いい加減小学校時代から直ったと思ったのに」
結局もう1人のバンドメンバー、高東 冬樹が来たのは、それから10分経ってからだった。
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全員が揃い、羽沢珈琲店のドアを開けると、コーヒーのいい香りがほのかに漂った静かな空間が訪れた。
「いらっしゃいませ、何名様でしょうか」
「5人です」
「それではこちらのテーブル席へどうぞ」
同級生くらいの女の子の接客で案内された席に着くと、各々がメニューをとり、さっと注文を済ませる。こういう時は俺らは早い。
しばらくして、全員が頼んだ飲み物が来た。俺と北斗と冬樹はブラックのオリジナルコーヒーを、しぐれはカプチーノを、そして千夏はアイスティーを頼んだらしい。
「さて、3年ぶりの全員揃ったことだし乾杯でもしますか」
「いや、喫茶店で乾杯ってどういうことだよ」
「まあ、あたしららしくていいじゃん、カンパ〜イ!」
「お前ほんとにそういうとこやぞ、しぐれ」
しぐれの乾杯の音頭に冬樹がツッコミを入れながらも、みんなが静かにカップやグラスを寄せ合って乾杯したのを見て、俺は改めてこの場に戻ってきた、帰ってきたことを実感した。
しばらくすると料理も来て、だんだんと会話に花が咲き始めた。
「ところで、この近くに新しくライブハウスでも出来たのか?」
「ああ、Circleのこと?3年くらい前にできたから、ニッシーと入れ違いかな。1回行ったことあったけど、まあよかったぞ。あたしらの普段の練習場所として使えそうって感じだ」
「ただ、予約するときの名前、どうする?」
『それなんだよ』
俺以外の全員から同時に返答が返ってきた。
俺らはバンドを組んでいるわけなのだが、周りにはそのことを一切言っていない。
つまり、メンバーが身バレしてない。知っているのはそれぞれのメンバーの親くらい、か。
しばしの沈黙の後、俺はふと思いついてみんなに提案する。
「俺から提案、Werewolfってのはどうだ?」
「それ、どういう意味?」
「『人狼』って意味さ。普段は人間の姿形をしているけれども、満月の晩にだけ狼に変身する空想の動物のことだ。まあ、これを聞けばお前らならわかるだろ?」
少し間が空いた後、他のみんなが静かに頷いた。
「じゃ、それで決定ってことで。詳細はまた後日詰めよう。とりあえず飯だ飯」
「最後の最後で圭介らしいな」
北斗に笑われながらも、俺は自分の頼んだナポリタンを胃のなかに流し込み始めた。
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近況報告をしていると、あっという間に夜になってしまった。
「そろそろ解散かな、俺も久々に練習したいし」
「そうだな、賛成。きっとお前のことだからすぐに合わせようとか言い始めるんだし」
「最初の練習場所、どこにする?」
「そりゃお前んちだよ、しぐれ。当たり前だろ」
「デスヨネ〜、とりま明日から使えるようにはしとくわ、了解」
「んじゃ、北斗、冬樹。お前らはまた明日な」
「私らもまた明日じゃないんですか〜?」
「そう拗ねんなって千夏。また明日。しぐれもな」
「時間、あとで連絡してね」
羽沢珈琲店を出ると、俺とそれ以外の奴らで別々に別れて帰路についた。
さて、明日は入学式だ。
今日は早く寝るぞ〜……。と、心には決めていたが、結局のところ時差ボケが酷く、結局一睡もできなかった。
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入学式。こちらの入学式は向こうと違って桜の季節で華やかでいいねえ、とひとりしみじみ感じながら花咲川の校門へと向かう。校門で他の2人と落ち合おうっていう算段だ。
「おはよう、ずいぶん早かったな」
「俺はお前と違って少し家が遠いからな、早めに家を出とかないとなってことでかなり早めに家を出たら早く家を出過ぎた」
実際北斗の家は結構遠い場所にある。小学校の時も学区ギリギリだったはずだ。
「で、圭介は寝れたの?」
「んにゃ、全く。時差ボケってのを忘れてたぜ」
「そりゃお疲れ様だ。式中に寝るなよ」
ブランクが3年間もあったとは思えない会話に、心の中ではウッキウキになっている。が、絶対顔には出さない。出したら絶対北斗にからかわれる。
ところでここ、花咲川学園もとうとう少子化の流れに負け、今年から共学化された、つまり、俺らは男子の一期生。女子の比率の方がもちろん高く、少々怖い。じゃあなんで受けたんだ俺。
「にしても冬樹おせえな。迷子か?」
「どうせあいつはいつも通り遅刻だろ、圭介もわかってんだろ?」
「まあねえ。後どのくらいで来ると思う?」
「10分後。そうしないと間に合わないからな」
北斗がそんなことを言ってからほぼ10分後、「やまぶきベーカリー」と書かれた袋を持った冬樹がゆっくり歩いて校門に到着した。
全員揃ったことを確認し、俺らは花咲川学園の門をくぐった。