イベントにオリジナルの主人公たちを付け加えて書いていくのって大変難しいんだなということを思い知らされました。
それでは、早速本文をどうぞ。
「やっぱり夜の校舎って雰囲気違うね……」
「なんか……でそう……」
校舎に入って最初の感想がそれかよ。まあ、確かにひまりの気持ちはわからんでもない。これだけシーンとして暗いと出そうだよな。何とは言わないけど。
「早く参考書とって出よう。みんな」
「蘭は暗いところ苦手だからね」
「ふーん、意外と可愛いところあるんじゃん」
「ふんっ!」
ドゴォ!
らんの こぶしが けいすけの みぎかたに さくれつ!
「いっった!!!何すんだ!」
「次変なこと言ったら殴るって言ったよね」
「これも変なことなのかよ」
殴られた右肩を撫でつつ、ひまりたちの教室へと向かう。
「ほら、早く中いって取って来いって」
「うん、そうする!」
「へえ〜、ひまりの教室は1Bなのか。ところでしぐれと千夏の教室はどこなんだ?」
「私は、1Aだよ」
「1Cです☆」
「ほーん、みんなバラバラなんだな」
初めて入る羽丘の教室を見渡しながら、思ったことをそのまま口に出す。
どこの学校も大して教室の内装は変わらないけど、少しずつ学校ごとに違いがあるのは面白いな」
「えーっと、確かこの辺に……」
「おい、ひまり、まだか?」
「あれ〜、おっかしいな……あ、あった!」
こちらを向いたひまりの右手に掲げられたのはきっと探してた参考書だろう。
なんでこの子はそんな大事なものを置いてったんでしょうねえ。お兄さんわからないよ。
「目的のものも見つかったわけだし、帰るか!」
「早くここから出よう」
「蘭ちゃん、本当に暗いところダメなんだね……」
「しぐれは、その……こういうところ、大丈夫なの?」
「昔は結構苦手だったけど、今はもう大丈夫になったかな!」
「もうちょっとで玄関だから、蘭ちゃん、大丈夫!」
「つぐみ……ありがと」
なんか後ろが百合百合し始めた気がするので、俺らはとっとと先に行くとするか。
「ところで巴さんはこういうところ大丈夫なのか?」
「ああ、暗いところは大丈夫さ。ただ、お化けとか、そういうのは……。ってか、そのさん付けやめてくれよ。同級生だろ?アタシも、その、北斗って呼ぶからさ」
「じゃあ、遠慮なくそうさせてもらう」
ふ〜ん、巴、お化けが苦手なのか。じゃあ……。
「わっ!」
「うわあああああああ!」
「ひゃああああ!」
やっぱりこういうのも苦手ですよね〜。知ってた。
「あははははは、びっくりしすぎだろ!おもしれ〜」
「なんだ……圭介か。びっくりした」
「本当にお化けとかそういうの、ダメなんだな」
「ついでにひまりちゃんまで驚いちゃったね」
「ちがっ!わ、私は巴の叫び声に驚いただけだから!」
「ほら、ひまりが叫んでる内に玄関、着いたから」
「だから蘭!私はひまりの声に驚いただけだから〜〜〜!!」
「さーて、とっとと帰るか〜」
玄関で脱いだ靴を1番に履き、校舎の外に出ようとした冬樹は、扉を押してそのまま外に出ようとした。が……。
「痛った!!なんでや!開かないで!!」
「「「「「えぇ〜〜!!!」」」」」
「どうせケチコク、面白がってわざと当たったんでしょ!」
「いや、ほんまやって、しぐれ!開けてみ?」
「またまたぁ……って、あれ。本当に開かない」
「もしかして……」
「ああ、もしかしなくとも閉じ込められたな」
「「「「「どうしよう……」」」」」
「外側から鍵がかかってる……。きっと警備員さんが閉めちゃったんだ」
(内側から普通閉めるだろ。なんで内側に鍵がついてないんだ?このドア)
「誰かここ以外にいつも開いてる出口を知ってる人はいないか?」
「そういえば、運動部が遅くまで部活をやってるときでも外に出れるように、って体育館の非常口はいつも開いてるな」
「巴ナイス!よし、じゃあ、そこを目指して行くか」
「えぇぇ〜!ここから体育館まで移動するの〜〜!?」
「しょうがないよ……このまま私たちここにいたって、干からびちゃうだけだよ?」
「つぐみちゃんの言ってることも一理あるね。ケイちゃん、どうする?」
「どうするも何も、俺はこの学校の生徒じゃねえからこの学校の作りがよくわかんねえから、お前らについていく以外にどうすることもできないっての」
「じゃあ、体育館まで最短経路で向かうか」
「「「「「うん……」」」」」
このとき俺らはまだ知らなかった。この学校がリアル・ホーンテッドスクールだったとは……。
__
「にしても、この校舎本当に暗くなるな。外見的には結構新しく感じたけど、ここまで夜は廃墟感が増すんだな。本当にお化けが出そう」
「非常用の懐中電灯があってよかったね」
「それ、勝手に使って怒られないか?」
「後で事情を説明すれば大丈夫でしょ。それよりも早く出よ」
「ううううう〜」
「ひゃっ!って、モカ!」
「ごめ〜ん、蘭が怖そうにしてたから、驚かしたくなっちゃって」
「……次やったら殴るから。強めに」
「ごめんて〜〜。そーいえば。お化けでモカちゃん思い出したけど……羽丘には代々伝わる七不思議があるんだよ〜」
「「「「「「七不思議?」」」」」」
「あ〜、それアタシも知ってる!先輩から聞いたんだ!校庭に井戸が出没したり、誰もいない体育館からドリブルの音が聞こえてきたり……」
「そうそう、しーちゃんは知ってるんだね〜。あとは〜、人体模型が廊下を歩いたり、知らない人が写る鏡だったり、誰もいないはずの音楽室からピアノの音が聞こえてきたり、階段の段数が一段増えていたり……。あれれ?最後の1つはなんだっけ?」
なんかしぐれとモカが七不思議を言っていくにつれて、Afterglowの面々の顔がどんどん青ざめていってるんですけど。あ、あと冬樹もだ。こいつもそういえば幽霊系ダメだったわ。
「そんなことあるわけないだろうが。なぁ?」
「ケイちゃん、もしかしたら、そんなこと……ある、かも?」
「お〜う、お前も信じてるパターンの人間か?千夏」
「いや?そんなことはないよ?ただ、冬樹が怖がってるところが見たいだけ、かな?」
「さいですか」
俺らのバンドは怖がりが少ない。というか冬樹以外は幽霊の類は大丈夫。しぐれと千夏はお化け屋敷大好きだからな。強いわ。
「と、と、とにかく、早くここ、出ようぜ」
「そうだな。ちなみに、玄関から体育館まではどのくらいかかるんだ?」
「普通だったらすぐ着くよ。大体5分くらいかな。ただ、今は足元が暗くてゆっくりになるから、10分くらいかも。校舎から体育館への連絡通路は2階にあるから、階段を上がらなくちゃいけないんだ」
「ふーん。……ところで、羽丘の階段って何段あるんだ?」
ほら、階段にまつわる七不思議なんていうものを聞かされたらさ、気になっちゃうじゃん?階段の段数。別にそれが変わっていたって俺は怖くないけど。ほんとに。
「普段階段の段数なんて意識して歩いてないからわからない」
「確かに……!ということは、階段の段数が増えてるかどうかはわからない!」
「巴もひまりも、お前ら天才か?」
「およよ〜?もしかしてニッシー怖いの?」
「怖いわけねえじゃんか」
巴とひまりの会話に乗ったら何故かしぐれから煽られてしまった。それだけでビビリ認定されるのだけは解せないから否定しておく。
「あ、でも、私生徒会の掃除で校舎内の階段の段数数えたことあるんだ!確か12段だったはず」
「その情報は今いらなかったよ、つぐ〜」
「あはは……」
「ちょうど階段の前についたことだしさ、上がりがてら階段の段数数えてみないか?」
「ちょっ!それでもし階段の段数が増えてたらどうするんや!」
「ケチコクはビビリだなぁ〜、怖いんだ?」
「しぐれ!別に怖いってわけじゃないねん!」
「はいはい、じゃあ、数えながら登って行こうか」
「いち、に、さん、……」
階段の段数を一段ずつ数えながら10人で登っていく。階段の段数はあと1段、ここまで11段。
「じゅうに、と。特に増えたり減ったりはしてないみたいだな」
「じゅうさん!」
「……え?」
なに、誰今のじゅうさんって声。
「……お前ら冗談でもやめろよ?冗談だよな?」
「圭介、どうしたの?」
「いや、美竹さん……きみ達の中でじゅうさんって言ったやつ、いない?」
「いや、あたしらは誰もそんなこと言ってないと思うけど」
「マジか……」
七不思議ってほんとにあるものなのん?都市伝説の類じゃないのん?
「……ともかく、階段は登り切ったわけだし、とっとと体育館目指していくか」
「ねえ、なんか聞こえない?音楽室の方からさ」
「いや、何にも聞こえ……」
ない、と圭介は言いかけた。が、次第に大きくなってくるピアノの音は、いやでも圭介の耳に飛び込んできてしまった。
「……都市伝説ならぬ七不思議、その2ですか」
「面白くなってきたな」
「なんで北斗はそんな冷静なんや!俺はもう先に行くで!」
「あっ、ちょっとふゆき!」
「こんなところさっさと出る!」
「音が鳴ってるのとは反対方向に行こう!」
「こっちだ!早く!」
「ちょっと!みんな!?」
耐えられなくなったのか、怖くなったのか定かではないが、冬樹、美竹さん、ひまり、巴は音楽室とは逆方向に駆け出して行ってしまった。というか羽丘の構造把握してないのに冬樹は大丈夫か?
「あ〜あ、行っちゃった」
「ホラー映画とかで一番最初に死ぬのは単独行動始めた人達なんですけどね」
「どうする?モカ、つぐみ」
「とりあえず、私たちはまとまって動いた方がいいと思う。体育館の方にいきながら、離れちゃった4人を探そう?」
「随分と2人は冷静なんだね」
「千夏ちゃんたちの方が冷静じゃないかな?」
「さっさと探しにいきますか……」
ただでさえ知らない校舎からの脱出劇に加えて散り散りになった奴らを捜索するなんていうめんどくさい仕事を増やしやがって……。
__
散り散りになった奴らを探し、俺と北斗、そしてしぐれと千夏はつぐみちゃんとモカと一緒に体育館を目指していた。
「意外と七不思議ってあるもんなんだなぁ」
「ほ、ほら、でも、たまたまかもしれないじゃん?」
「たまたまで七不思議のうち2つが連続して起こるってどんな世界線だよ。怖すぎるだろ」
「それもそうだな。……ん?つぐみ、ちょっともう1回そこの鏡覗いてみてくれるか?」
北斗が何かに気がついたようにつぐみちゃんに対して声をかける。鏡をもう1回覗き込んでくれだなんて、何があったのだろうか。
「う〜ん、気のせいか?」
「いや、モカちゃんも見えるよ」
「見えるって?何が?」
「……鏡に明らかにつぐじゃない人が写ってるんだよ」
うん、やっぱり七不思議は実在するんだな。
「えっ……!?」
「あっ、ちょっと!つぐみちゃん!!」
「ちなったん、どうしよ!つぐみがどっかに行っちゃった!」
「そりゃ〜びっくりもするだろ。とにかく、俺らは散り散りに動かないようにしよう。探し物が1つ増えただけだ」
「探すのも結構大変だけどな」
「とりあえず私らは体育館へと向かいますか〜」
「それが1番だね」
__
「も〜、散らばって動いちゃダメでしょ〜?暗くて危ないんだから〜」
「「「「「ごめんなさい……」」」」」
「まあ、ともあれみんな無事でよかったわ。とっとと体育館へ行こう」
「ケチコクってビビリなんだね〜ぷぷぷ」
「しぐれっ……笑うなぁ!!」
全員が再び集まり、モカのありがたい(?)説教を受け、再び全員で体育館を目指すことになった。
「ところで、体育館は後どれくらいで着くんだ?」
「もうすぐ着くぞ!そこを曲がれば、っと。到着!」
「やっとついた〜」
「さてと、とっとと非常口を探すか」
「確かこの辺にって、うおっ!」
「え、なんで電気消えたの!?」
「わ、わからない!こんな時に故障?」
「つぐ、生徒会は体育館の清掃、しないの?」
「体育館は運動部の管轄だからわからいないよ……あれ、風が吹いてきた気がする」
なんか懐中電灯が壊れたとか言って騒ぎ始めたぞ。本当にそれ壊れたのか?
別に壊れてもスマホのライトで照らせばいいんじゃね?見てるの面白いから絶対言わんけど。
「風が吹いてきた方に行けば、出口がわかるかも……!」
「確かに……隙間がなきゃ風は吹かないし……。よし、そっちに行ってみよう!」
「でも、こんな暗闇の中で歩くのは危ない気がする」
「みんなで手を繋いでれば大丈夫だよ!」
「そうだね……!みんな、つぐみの手を離さないようにしよう!」
「……それって俺らもやるのん?まじで?」
「つべこべ言うんやないで、自分はとっとと出たいんや!」
「はいはい、わかったわかった」
風が吹いた方に向かっていくことしばし。にしても手をつなぎながら歩くってなかなか歩きにくいな。大変だわ。
「ここだ!」
「よし、外に出れる……って、開かないぞ!?」
「「「「「えぇ〜!?!?」」」」」
「まじか」
「いや〜、どんどん面白くなっていきますね」
「やめてやれって」
「ちょっと、ワクワクしてきた」
驚いているAfterglowと冬樹に聞こえないように小声で俺らは話し合う。こんなこと聞かれたら間違いなく「面白くなんかないよ〜!」って怒られることが目に見えている。
「誰か、誰かいませんか〜?」
「助けてくださ〜い!!」
だって、ねぇ?今にも泣きそうな顔でドアをガンガン叩いてる奴らにさ、そんなこと言えっこないじゃん?
巴とひまりって言うんだけど。
「あ、電気ついた」
「接触不良だったのかもね」
「ん?ドアも開くようになってる」
「きっと警備員さんがさっきの声に気づいてくれたんだよ」
「あれ〜、おかしいぞ〜」
「どうしたんだ?モカ?」
「外に誰もいないよ〜?」
「あれ……また、風が……」
「……そういえば、七不思議最後の1つを思い出したぞ」
「あたしも今、思い出した……確か、生徒の幽霊が夜な夜なうろついて、夜の学校に入ってきた生徒にいたずらをするんだって」
「えっ、じゃあ……」
『うわぁぁぁぁぁぁあああ!』
そんなこと言ったらこいつら逃げ帰るに決まってるだろうが。
まぁ、夏休み最後の肝試しとしては楽しめたわ、こいつらとは2度と!2度と学校に来たくないけどな!
「あ〜あ、面白かった」
「その辺のお化け屋敷よりドキドキしたね」
「ちなった〜ん、お化け屋敷行きたくなってきた!」
「じゃあ、今度行こっか!」
「ほら、お前らもとっとと帰るぞ」
先に走って帰りやがった奴らよりは遅れたものの、俺らも帰路につく。
(また、遊びに来てね……)
なんか聞こえたような気がするのは気のせいだろう。うん、気のせい。
コレジャナイ感が半端ない気がします……。
気が向いたら修正します。
夏休みも残すところもう少しの圭介は、最終日くらい優雅に過ごしたいって思っているみたいですが、果たして……