急いで描いたので文章がボロボロだとは思います。きっとそのうち修正します。
#Saya ひまわりの彼女が、一番綺麗に輝く日
「自分らにお願いがあるんやけど」
「どうした急に改まって」
至って普通の日の、至って普通の昼休み。
今日は男3人で屋上に上がって昼飯を食べるって決めてたから、ポピパの面々はいない。
そんな普通の何もない昼休みに、いつもはふざけた調子の冬樹が、普通でない様子で俺らにお願いをしてきた。
「まあいいだろう。聞いてやろう」
「え〜っと、今日は何日ですか?」
「今日?あ〜、5月17日だけど、それがどうした?」
「5月19日は誰かの誕生日なんやけど、それをお祝いしたくて……、それで自分らに手伝ってほしいねん」
なんだ、急に改まったと思ったらそんなことか。
でも誰かの誕生日か。誰なんだろう。
「ところで冬樹、それって誰の誕生日なんだ?」
「……沙綾。あいつや」
なるほどなあ……。
___
「んで、作戦会議をしようと」
「そんなところ」
ところ変わってCircleの外のカフェ。今日は練習の日ではなかったものの、LAINで集合をかけたらみんな集まった。やっぱりカフェあると気楽に集まれていいよな。時間つぶしにもなるし。
「女の子の誕生日を祝おうだなんて、ケチコク珍しいね?あたしらの誕生日なんてこれっぽっちも祝ってくれないくせに」
「いや嘘つけ毎年祝ってるぞ?」
「沙綾の誕生日か〜……。確かに毎年こんなくらいの時期だった気がするな〜。なんかお店毎年忙しそうだったけど」
「お前らよく沙綾の誕生日知ってるな?俺なんて知らなかったぞ?」
「そりゃそうでしょニッシー。だって海外いたじゃん?」
「俺らは商店街にも割とよく通ってたからな。あそこに買い物行くと安いし新鮮だし量り売りとかあるし便利じゃん?」
「そうそう、やまぶきベーカリーのパンもうまいし!」
「私も、中学生の時は家のお使いとかでよく行ってたかも。商店街の子たちとも顔見知り程度だけど話したことはあるし」
「そうか、つまり俺が海外に行っている間にお前らは圧倒的友情を育んでいたわけだな」
俺はヨヨヨと泣くふりの仕草をしたが、みんなに無視されて話題を戻された。悲しい。
「ところで、何やるの?言い出しっぺだからにはケチコク、何かいい案あるんでしょ?」
「いや?全く?何かお祝いできたらええな〜くらいの考えや」
「頼りにならねえなお前。どうする?圭介」
「……ん〜、安直になっちまうけどパーティーとか?」
「それいいじゃん!パーっとやろうよ!ニッシーの家とかでさ!」
「確かに、ケイの家なら近いしええな」
「それで決まりだな」
「……ケイちゃん、みんな。それだとポピパと被っちゃうんじゃないの?」
『あ……』
___
「ということで召喚しました」
「重要参考人」
「おたえは相変わらずおたえらしいな」
やっぱり当事者を呼ぶのが一番早いよね、ということで、俺が香澄を呼び寄せた。
――。
香澄「すぐ行く!待ってて!」
圭介「あ、沙綾はなしで頼むわ」
香澄「え〜、なんで〜?まあ、ケイくんがそういうならわかった〜」
圭介「悪いな、頼むわ」
――
と、LAINでメッセージを送ってから10分後。走ってきたのだろうか、香澄とおたえが先について、そのあとで牛込さんと市ヶ谷さんが死に体できた。なんというか、お疲れ様です。
「で、早速本題。明後日5月19日は」
「さーやの誕生日!!」
「香澄、最後まで話を聞け」
「ですが、ポピパは何かやるの?」
「そのまま話続けるのかよ……」
市ヶ谷さんが呆れたようにこちらを見ながらツッコミを入れてきたが無視無視。
「私たちは蔵でお祝いパーティーするんだよね、香澄ちゃん」
「そう!りみりんの言う通り!有咲んちの蔵でね、誕生日パーティーするの!」
「クライブもやるんだ、さーやに誕生日の歌、歌ってあげなきゃ」
「クライブ?なんだそれ」
「ん〜、蔵でライブするから、クライブ」
「なるほど?全くわからんが」
「そろそろ話を戻すぞ、圭介、香澄、おたえ。で、俺らも沙綾のお祝いしたいって思うんだけど、混ぜてもらえねえか?」
北斗が脱線した話をもとに戻しながら本題に入っていく。
「いいよ!一緒にキラキラドキドキしよう!」
「ちょっと香澄!私の許可をとれ〜!!」
「市ヶ谷さん、ええかな?自分らも沙綾の誕生日、祝いたいんやわ」
「まあ、そこまで言うなら、別に、いい、けど……」
「よっしゃ決まりだ!それじゃあ早速準備するで〜!!」
「……時間とか、何やるかとか、あたしらで決めよ?ちなったん」
「そうだね。りみちゃん、有咲ちゃん。打ち合わせしようか」
香澄とおたえ、圭介と北斗、そして冬樹がギターやらベースやらをカフェスペースでかき鳴らしてるのを横目に、残ったりみ、有咲、しぐれ、千夏は詳細事項を打ち合わせ始めた。
何をやるのかを決めるのにあまり時間はいらなかった。
「それじゃ、また明後日に」
「うん!じゃあね〜」
誕生日会は明後日だ。
___
誕生日会当日。
「やべえ緊張してきた。沙綾喜んでくれるかな?」
「大丈夫やろ。はよ行くぞ、ケイ」
俺らは有咲の家の蔵の内装をデコレーションする手伝いの役になっていた。
そりゃ〜、女の子よりも身長は高いしね。適材適所。だいじ。
誕生日会に参加するって決まってから、誕生日プレゼントを渡さねばと言うことですぐに準備をしたが、何せ女子にプレゼントを渡すのって初めてだったから自信がない。
しぐれとか千夏はほら……いつも一緒だったから特に悩まなかったけど、高校で知り合った異性となるとそうは行かない。さすがに友達とはいえどちょっと頑張って選びたくなる。
そうこうしているうちに市ヶ谷さんの家についたのだが……
「市ヶ谷さんの家って流星堂だったのか……でっけ〜……」
「ケイ、行くで〜」
「よく躊躇せずに入っていけるな……」
先に門を潜った冬樹に続いて俺も門を潜る。
塀には一面に星のシールが貼られていた。めちゃくちゃすごい量。貼ったのは……まあ一人しかいないだろうが。
「お邪魔します!こんにちは!蔵ってどこですか?」
「あら?有咲の友達?蔵はあっちよ」
「まあそんなところです。ありがとうございます」
多分市ヶ谷さんのおばあちゃんだろう、優しそうなおばあちゃんに蔵の場所を案内してもらい、蔵の前に行くと市ヶ谷さんが待っていた。
「お〜、ついたな。こっちだ」
「今日はよろしくな」
「おう」
市ヶ谷さんに案内されたのは蔵の地下。降りてみるとそこはスタジオだった。
「ここを飾りつければいいのな。沙綾はどれくらいでくるんだ?」
「あ〜、あと30分くらいじゃないか?」
「了解。冬樹、やるぞ」
デコり始めて思ったけど……この広さ30分って割としんどくないか?
最後の方は時間との戦いになりながらも、なんとか飾り付けを終えて、俺らは沙綾の到着を待った。
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『沙綾、誕生日おめでとう!』
「わ!みんな!Werewolfのみんなまで!ありがと〜!」
主役が登場する10分前くらいに北斗、しぐれ、千夏が蔵に到着。彼らは料理の担当。
実際千夏もしぐれも料理はうまいし適任。北斗は盛り付けだろうな。
「これみんなが用意してくれたの?」
「北斗くん、しぐれちゃん、千夏ちゃんが用意してくれたんだよ」
「ありがとう!めっちゃ嬉しい」
「早速食べよう!」
「待て、香澄。主役は沙綾だぞ?」
「そうだった!」
「ふふふ、ありがと、有咲。それじゃあ、食べようか!」
『うん!』
___
料理にしばし舌鼓を打つと、パーティーはプレゼントを渡す時間へと移っていった。
「はい!さーや!みんなで選んだんだよ〜」
「わ〜、ヘアアクセ!ありがとう!……着けてみていい?」
「うん!着けて着けて!」
ポピパからの誕生日は山吹色のヘアアクセ。確か沙綾の趣味ってヘアアクセコレクションだったから、それに合わせた形だろう。
「まあ、その、似合ってるぞ?」
「有咲のお墨付き、いただきました」
「次は俺かな?」
「お、北斗は何をくれるのかな?」
「つまらないものだが、受け取ってくれると嬉しい」
「お、ありがとう。開けてみていい?」
「もちろん」
「……わ〜、ティディベア!ありがとう!」
「自分からはこれ。ほい、お誕生日おめでとう」
「……これ、野球観戦のチケット?しかも5枚も!?」
「ポピパのみんなで行ってき。楽しめると思うで」
「なんかこんなにもらっちゃって悪いな〜」
「そう言わんといて!ほんの気持ちやから!」
「あたしからはこれ!はい!」
「あ、スティックだ!ありがとう!」
「同じドラム仲間として、これからもよろしくね?」
「うん!こっちこそ!」
「私はこれを。しぐれと一緒に選んだんだ。おうちでの練習に使ってみて?」
「あ、ドラム練習用のパッド!ありがとう、欲しかったんだ〜」
ここまで北斗、冬樹、しぐれ、千夏が順にプレゼントを渡し終え、ついに俺の番。
「で、圭介は何をくれるのかな〜?」
「ん〜、ちょっぴりおたえっぽいけど、歌かな。沙綾のために作ったから、聴いて欲しいんだ」
俺はそう言うとギターケースからエレアコを取り出して、蔵にあったアンプに繋ぎ、そして沙綾に向かった。
「聞いてください。『ひまわり色の君へ』」
形に残るプレゼントは何も思いつかなかったから、せめて記憶に残るプレゼントを。
だったら俺は、沙綾と出会ってから今までのことを織り交ぜた歌をプレゼントしよう。
「ひまわり色のキミの笑顔は
みているだけで眩しかった
これからもその笑顔を
周りに振りまいておくれよ
ひまわりの君が輝く姿を
これからもずっと見せてよ」
ひまわり色の彼女には、弾ける笑顔がよく似合う。
お誕生日、おめでとう。沙綾にとって幸せな1年になりますように。
Happy Birthday to Saya!