文化祭です。3部構成の予定です。お楽しみください。
では、本文を。
初練習から3週間。あれから毎週全体練習をし、並行してライブの日程なども詰め始めた。
が、文化祭とかその他の学校行事の関係から、ライブの日程自体は今週の練習で決めることになっていた。
花咲川はもうすぐ文化祭。文化祭と言えばクラスごとに出し物だが……
「文化祭実行委員長になりました、戸山 香澄です!出し物は〜……」
文化祭実行委員長が事故紹介野郎になったおかげで俺は早速先行きが不安です☆
なんてしぐれっぽく言ってみたけど、やっぱり俺にはこれは合わんな。うん、却下。
なんだよきらっとして、シュッと、って。知らんわ。とやまかすみ語が全員に伝わると思うな。
「その前に副委員長を決めないと……」
「そうだった……」
ナイスだ学級委員長。まあ、俺には関係ない話なんですけどね。
ほら、副委員長は山吹に決まったみたいだし。困惑してたけどまあなんとかなるっしょ、山吹頑張れ。
「え〜、1年の副委員長は今年から男女2名となりました。ので、男子から1人出してもらおうと思います」
その言葉を聞いた瞬間、俺は即座に委員長に申し出た。
「あの、2分間だけいただいてもいいでしょうか、学級委員長。それで3人の中から決めます。あと、教室の外に出ることを許可していただけると嬉しいです」
ここで学級委員長って言っとかないと戸山が反応するからな。大事。
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学級委員長に俺らの要望が認められ、短い短い2分間が始まった。
「さて、どうする?戸山と山吹と一緒に仕事をする犠牲者をここから決めるわけだが」
「少なくとも冬樹はダメだな。こいつ間違いなく委員会とかに遅刻する」
「それはそうやな。さすがホクト、自分のことよう分かっとる」
「んで、俺か北斗かの二択になるわけか。どうする?」
「正直バンド活動とかとの兼ね合いになるとは思うが、正直なところ、俺は圭介にまかせたい。お前はリーダーとは言えど、英語関連の授業を聞いてなくていいし予習も復習もしなくていいってのはアドバンテージだしな。バンドの方についてはまあ俺も支えるし、みんなでうまくやっていけばいいだろって思ってるが、どうだ?」
北斗が声を落として俺らに囁いた。廊下に出ていて俺ら以外にいないとは言えど、男子の声は思っている以上によく響く。用心しすぎることはないだろう。バンドをやっていると知られること自体がリスクになり得る。
「そうやっていつも面倒ごとは俺に飛んでくるんだな。正直指名制にしても半分くらいの確率で俺になりそうだったしまあいいよ。北斗、あとで練習付き合え。そしてなんか奢れ」
「ああ、わかった。悪いな」
「んじゃ、決まりやな。戻ろうぜ」
俺が学級委員長にもらった2分がちょうど過ぎた時、俺は教卓の横に、北斗と冬樹は自分の席についていた。
「山吹と同じく副委員長になりました、西秋 圭介です。委員長やもう一人の副委員長のサポートを微力ながら精一杯していこうと考えています。どうぞ、よろしくお願いします」
副委員長就任挨拶を済ませると同時に、クラスから拍手が起こる。
そして終わるや否や、戸山がまたとやまかすみ語を吐き出し、山吹がそれを訳してって感じになり、結局1Aの出し物はカフェに決定した。
……ところでこれ、俺何かやる必要あったの?
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後日。第1回の文化祭実行委員会会議。
生徒会と各クラスの実行委員長が集まる会議だ。
今年は1年の代表者の人数が増えたらしく、去年よりも広い教室での会議らしい。が、正直今年から来た俺にはあんまり関係がない。と言うか全く関係がない。
「では、第1回文化祭実行委員会を始めます」
生徒会長の一言で、文化祭実行委員会が始まった。
で、なんか記入する用紙の説明のところになったら戸山が溶けてた。
そんな難しいやつなのか?と思い俺は山吹にその用紙を見せてもらうことにした。
「悪い山吹、その書類、ちょっと見せてもらえるか?」
「ん?いいよ、ちょっと待ってて」
「助かる、ありがと」
山吹から書類を受け取ったあと、俺はさっとそれらの書類に目を通す。
(申請書多いなあ〜……、まあでも、主催ライブをやる時よりかはまだマシってレベルだな。様式も最初から指定されてるし、書くことも決まってる。こりゃ2時間ありゃ全部書き終わるな)
確認が終わると、俺は山吹に書類を返した。
会議後。
「……、う〜、書かなきゃいけない書類いっぱいだ〜」
戸山は案の定項垂れていた。
「ああ、書類ね。俺が全部書いておくから気にすんな。それより戸山はクラスを引っ張ってくれ。お前の頭の中にカフェの構想があるから、お前以外はクラスを引っ張れない。で、山吹はその補佐ってところがいいかなと思うけど、どうだ?」
「それなら頑張る!」
「私は……それでいいけど、西秋くん、無理してない?」
「心配するな、山吹。お前はそれよりも戸山に振り回される心配だけしておけばいい。戸山の相手は俺じゃ絶対無理だ」
「あはは……、了解。何か困ったことあったら言ってね、手伝うから」
「じゃあそん時は遠慮なく言わせていただきますよっと、んじゃ、じゃあな」
「あ、ケイくんじゃ〜ね〜」
「おう、戸山もじゃあな」
今までぐったりしていた戸山が急に元気になったな。なんか後ろの方で香澄でいいのにって言ってる気もするがそんなことはどうでもいいわ無視無視。そんなことより今日の練習の方が大事(失礼)。
足早に帰宅すると、俺はギターと一緒に防音室に篭り、練習と作曲に耽った。
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翌日。週に1回のCircleでの練習。
流石に練習を積み重ねていると、昔の勘が戻ってくるのもあってどんどん音がまとまってくるのがわかる。
次のライブでやるであろう曲を一通り合わせ終わった後の休憩中、俺はメンバーに発表をした。
「次のライブの日程とチャンネルを決めた。2つライブをやろうと思う」
「ケイ〜、チャンネルって何さ〜」
「どっちの名前を使ってやるか、だ。話を戻すと、1回目は次の花咲川の文化祭でやろうと思ってる。チャンネルは人狼。で、2回目は文化祭の2週間後。こっちは都内のまあまあなキャパのライブハウスかな。チャンネルは舞踏会の方にしようと思ってる。一応それぞれのセトリも考えたし新曲も手直しは必要だと思うが作ってみた。んで、舞踏会の方のハコもそれ用の連絡先で押さえてはある。こんな感じでどうだ?」
「ってことは、大体1ヶ月が準備期間ってことか。圭介、舞踏会の方は主催ライブってことでいいか?」
「少なくともそのつもりで考えてるよ、北斗。ゲストアクトどうするかとか全く考えてねえけど、最悪俺らだけのワンマンでもなんとかなるだろ」
「なんとかなると思うで、チナツとしぐれはどうや?何か意見ある?」
「ん〜、あたしは大丈夫。チケの値段とかどうするか練習終わったらさくっと決めようか。チケの柄は活動再開だし、休止ライブの時のやつでいっか〜」
「私も大丈夫。でさ、ケイちゃん。もしゲストアクト決まってないならTuitterで告知がてら募集してみれば?やりたいバンドはDM送ってくださいみたいな感じで」
「確かにそれもありだな。……とりあえず聞いてる感じはみんな賛成ってことでいいか?」
『おっけ〜だ(よ)』
「んじゃ、それに向けて練習頑張りますか〜。ちなみに文化祭の件については生徒会の方に俺から話を聞いてみるわ。よし、休憩終わり。練習の続きに戻るぞ〜」
その後の練習は気がついたら終わっていた。帰る前に次回の予約を済ませ、収益をもとにチケ代を決めた。バンドの通帳を握っているのはしぐれだが、他のメンバーも逐次予算の規模は掴んでいる。小6の時に毎月ライブやってかなり稼いでいたからかなりの額が溜まっているわけだ。ちなみに誰かが極端に遅れるとか、そういうことがない限りはスタジオ代等、バンドメンバー全員が関わる代金はそこから出している。
その日の晩。Masquerade kissのTuitterが3年と2ヶ月ぶりに更新された。
「活動再開を報告申し上げます。つきましては、再開記念の会を主催させていただきます。
日時:6月第1週の土曜日 19:00 start
参加費:4000円
会場:Zippe トーキョー
その他:今回は物販はありません。次回以降にご期待ください。
チケットは1週間後に発売です。続報をお待ちください。
また、大きな告知があります。ツリーをご覧ください。」
「重大告知
・今回の会にあたり、ゲストアクトを招待しようかとメンバー内で話し合っていたのですが、招待するバンドが思い浮かばなかったこともあり、自薦を募ります。もちろん他薦でも構いません。最大2バンドとさせていただきます。メンバー内で選考を行い、結果につきましては締切の3日後にお伝えいたします。期日はこの投稿からちょうど3日後とさせていただきます。皆様、また会であいましょう」
ちなみに広報を担当しているのは冬樹だ。あいつ間違いなくそういうの得意だしな。
(ライブの告知もしたことだし、途中の曲を少し書いたら今日は寝ますか〜)
諸雑務を片付けると俺は部屋の電気を消した。
相変わらず終わり方がわからない……
感想評価、誤字報告のほど、お願いします。