僕の人生は喜劇だ
誰よりもヒーローに憧れた
色々なヒーローを見て【個性】が出来た時の事に想い巡らせた
友達の凄さに憧れて僕も負けてられないと自分を鼓舞した
そんな僕に【個性】は宿らなかった
総人口の8割に【個性】が出現し、残りの2割が【無個性】
朝から晩までヒーローの事だけ考えてた僕
現実が受け入れられず泣き喚いた
涙が枯果てた時に何を思ったか僕は外に出た
外では同世代の子供が自分の個性に一喜一憂している
こんな個性いらない!
そんな言葉を聞くたびに頬が引きつる
町内を一周し終わったとき僕は笑っていた
あれほどヒーローに憧れていた
いらないと言われた個性の使い方も考えてた
なのに僕は無個性
このイカれた冗談が『喜劇』じゃなきゃ何が『喜劇』なんだ
それ以来、僕の日課はヒーローにある『質問』をすることになった
答えはいつだって
『あきらめなさい』
その返事を聞くたびに僕の口角は上がる
そんな事を繰り返して10年
死ぬほど憧れたヒーローに会った
いつもと変わらない質問を問いかけた
彼は壊れ物を扱うかのように慎重に
彼は下手な希望を抱かせぬように冷酷に
彼は僕が道を誤らぬよう諭すように
『諦めなさい』『別の道がある』
そういって彼は空に跳び消えた
は、はは・・ヒ、ヒィ、ハァッハハハ!
泣き叫ぶかのように笑い
気が狂ったかのように笑い
長い時間笑い転げて
長い時間笑い泣き続けて
空がうっすら赤くなった頃までただただ笑い続けて
やっと笑いが収まったのは何処かで一騒動あった後
騒動の中身は知らなくても騒動があったのは分かる
だって僕の笑いを打ち消すように降っていた雨が
僕のなんとも言えない気持ちを表したかのような曇天が
たった一瞬でモノの見事に一気に消し飛んだから
そこには僕の人生が輝かしいモノであると示すかのような雲一つない晴天が広がっていた
此処から始まるんだ僕の物語は
僕による
僕だけの
僕の為の
『喜劇』が
思い立ったが吉日
そう思ったらやる気が出てきた
まずは僕と同じ『無個性』達に相談しよう
どうせ人生一度きり
ならば死なばもろともで
ヒーローも
ヴィランも
巻き込んで僕がhappyになれる
最高の祭りを催そう
僕がなるのは『個性』に頼らなきゃ何も出来ないヴィランじゃない
僕がなりたいのは『個性』がなきゃ人助けひとつ出来ないヒーローじゃない
善悪問わず
貧富に縛られず
助けたい奴を助け
潰したい奴は潰し
やりたいことをやって
やりたくないことはしない
僕がなるのは『緑谷出久』だ
僕がすることが『緑谷出久』だ
僕こそが唯一無二の『緑谷出久』だ