JOKER   作:巳傘ナコ

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2マス 1マス

 

『流石は国主導だけあって警備は厳重だけど、今のところ目だった障害は無しってところかなぁ~』

 

 

緑谷一行は施設内で見つけた電話、没収したスマホ、計画から実行までの期間にマリアさん達に集めてチンピラ達のスマホ、合計150台でこの辺り管轄の警察とヒーロー事務所に電話を掛けて回線を圧迫し、繋がったなら嘘か本当かも分からないヴィラン達の計画と近隣の暴走族やらヴィラン組織の情報を程よく織り混ぜて話しながら角に身を隠してゴム弾から身を守っていた。

 

 

「これ程単純かつ効果的に警察とヒーローを足止めする方法力に任せて事を運ぶヴィランには思いもよらないでしょうね。」

 

 

「【個性問題】解決しようとして【ヒーロー】を職業にした結果がこれってか、ザマァ~ってのはまさにこの事じゃねぇーか!」

 

 

『一週間も地域密着して本当に起こるトラブル調べて、更に駄目押しで現在起きてるトラブルをリアルタイムで通報してるからしょうがないっちゃ、しょうがないけどね♪』

 

 

「み、緑谷さん言うとおりになりましたね!」

 

 

「しかも、【本物】の無個性証明カードをこれみよがしにぶら下げた人間が三人もいるんだから、警備員も私達にまともな対処出来ない所まで読み通りって……マジ!?ってヤツじゃない…」

 

 

『そんな誉めないでよ♪ ところで、ロマノフさん【弾】はどうですか?』

 

 

「…順調だ…俺とマリアの個性も負担掛からない位には間を確保できた…」

 

 

『じゃあ、攻守逆転と行きましょうか、皆さん♪』

 

 

出久の指示に合わせ、ロマノフがカレルの肩に手を置いて個性を発動させて身体能力を上げ、それによりカレルの発動可能な個性限界をほんの少し引き上げ、数本束ねた髪を通路に張り巡らせゴム弾を防ぐ。

 

 

「お嬢ちゃんの限界まで15秒!!……10秒!……6……3……」

 

 

「『セット完了!』しました!」

 

 

 

「お嬢ちゃん!」

 

 

「は、はいぃ!! ま、マリアさん!!」

 

 

「まかせなっ! 散弾砲発射っ!!!!」

 

 

ネロがストップウォッチで時間を計り、出久とリージャーが再び固定砲台をセット。

準備完了の合図と共にカレルが能力を解除し、マリアが個性を発動して弾をぶん殴る。

 

 

「ふぅ~、流石にロマノフのサポート無しでヤるのは拳には優しくねぇーな……おぉー、痛て……」

 

 

マリア単独の力では正門でのコンボ砲台程の威力はない。

しかし、突然飛んで来る無数の玉とヘルメット越しに当たることで中に響く聞き慣れない衝突音と戦闘場面ではそうそうあり得ない弾の質感が警備員を混乱させる。

 

 

何が当たった?

 

この無数の弾はなんだ?

 

ほんの一瞬考えてしまえば想像が創造を呼ぶ。

 

新型兵器か?

 

敵の個性か?

 

毒の入った容器か?

 

 

無数の玉の接近に本能的に目を閉じ、ヘルメット装着ゆえに視界は狭く、確認しようにも敵から目を反らすわけには行かない。

そんな状況に陥れば誰だって一瞬隙が出来る。

後はその隙を狙って集めたゴム弾を全員が全力投球しながら進む。

リージャー、ネロ、出久の無個性メンバーが前列

マリア、ロマノフ、カレルの個性持ちメンバーが後列

 

 

ヒーローという存在が当たり前になり、しかも職業化した社会、此方の個性系統的にどうしても向こうの対応が限られてしまう。

 

 

【ヒーロー】が職業となり、それが世界・国家共通の犯罪抑止力となった現代、ヒーローではない警備関連業種での銃や個性による対応は個性発現前と比べ、いかに現場に正統性があろうと【過剰防衛】扱いになりやすい。

 

 

ゆえに【ヒーロー】ではない彼等は、かなりの制約を背負わされただけでなく、社会的な評価やイメージによって例え相手がヴィランであっても全力制圧を出来ず、それはルールに縛られず【個性使用】に躊躇いがない存在と対した時、既に後手に回っている状態となる。

 

 

大抵のヴィランはそんなこと知らずに悪事を働き、捕まるか逃げきるかは運次第の綱渡りなヴィランライフを送るから【ヒーロー】じゃなくても対処ないしは制圧が可能なのだが、今回の警備員達は相手が悪かったとしか言いようがない。

 

 

 

『皆さんは現状に置いて【最善】を尽くしました! それでも「敵には無個性が居て、無個性の人間が盾になっていた」と言えば職を失うことはないでしょう♪ まぁ、100%は保証できないので行き場に困った時は是非とも我々【FAMILIA】にご連絡を!!』

 

 

緑谷出久は適当なアプリで作ったメアドが書かれた名刺サイズの紙を毛糸で縛られた警備員達の胸ポケットに押し込んでから、ニコリと笑顔浮かべ、再び一向は歩き始める。

 

 

『やっと着いた!』

 

「おぉ~」

 

「チェックメイトと言うやつですね。」

 

「は、初任務成功!!・・ですよね?」

 

「バカな老害どもが!! アタシの全てを返して貰うからな!! 悔しいか? 悔しいだろバァーーーーカ!!」

 

 

各々感想を述べながら侵入の目的地である【研究資料室】の扉を開けた。

 

 

 

 

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