BAR【ババヤガ】・・此処はとある事件で曰くが付いて以降完全に放置され、無いものとして扱われ、取り壊しや建て替え業者が入る度に皆、青い顔して逃げ出すため電気、ガス、水道のライフラインが生きたまま放置されている。
そんなババヤガの中は現在無数の紙の束や写真が床一門に散乱し、その理由は言わずもがな緑谷出久である。
『ん~、残ったメンバー全員参加を前提とすれば初仕事に合った《ターゲット》は山のようにあるけど、チームワークや実力云々その他諸々の不確定要素考えると絞るの難しいなぁ~』
【個性詐欺主犯宅】
【個性研究所襲撃】
【ヴィラン成果強奪】
【無個性就職相談所】
『ってか、コネも何もない僕が計画練れるくらいって、情報モレモレもいいとこ過ぎるだろ・・どんだげ個性に自信があるんだよ・・はぁ~、いつの時代だって計画・行動・成果を怠る悪党が生き残った試しは無いってのに・・』
彼が数多の中から選んだ4つはの計画は入念過ぎるほど入念なデキだった。
ヒーローオタクならではの知識を総動員して、それぞれの現場へのヒーローの到着時間と人数と個性の最良と最悪のパターン
現在残ったメンバーの個性を最大限生かせる場合と封じられた場合
なによりも4つの計画は失敗してもメンバーの安全だけはどの計画も100%保証出来る事を大前提していた。
『本当は適当に突っ込んで、その場の乗りに任せて計画遂行って言うのが一番なんだけど、流石にソレを求めるには関係性と経験にバラつきありすぎるし、何より誰かを犠牲を前提にするのは僕も嫌だしなぁ~』
1人頭を悩ませていると【ババヤガ】の蝶番錆び付いた洋風の扉がギギィーと音を経てると同時に、かつては店主に客の出入りを知らせていたベルがガランガランと鳴った。
『あれれ、ネロさんにリージャさんじゃないですか!』
「アタシの答えは端から決まってんのよ・・このアタシの一斉一代の超大馬鹿な決断がアンタ1人の計画で出だしから挫かれるのは我慢ならなかっただけよ・・」
「緑谷様の事でしょうから我々抜きで【我々】の事を色々考えて煮詰まる頃だろうと思いまして、たいした物ではありませんが差し入れをお持ちしました。」
『あ、アハハ・・お二方のおっしゃる通りすぎて言い訳すら浮かばない・・流石に想像だけだと計画の段階全部にコレだ!!って決め手が無くて困ってたんです・・』
「はぁ~、やっぱりね・・来て正解だったわ・・」
「失礼します・・・フム・・ほほぉ・・いやぁ、緑谷様の計画は実に素晴らしい!!」
「まぁ、素人にしちゃぁ上出来じゃないかしら?」
「コレを事前の情報無しで読んでいたなら所詮はヒーローごっこのヴィラン役のお遊び計画と一蹴するのでしょうが、中々どうして計画の空欄に我々を当て嵌めたなら見事な計画に早変わり・・失礼ですがコレ程の情報をどこから?」
「それはアタシも気になるわね・・」
『簡単ですよ! ヒーローの情報はファンサービスの一環で見回りルート程度なら公開されてますし、ちょっとした追っかけなら公開情報よりは詳しく、僕みたいな元ヒーロー志望のコアなファンなら活動地域や見回りの時間位であればおちゃのこさいさいって奴です♪』
「「ストーカー?」と呼びませんか、それ?」
『し、失礼な! この【FAMILIA】創設決めてからは更に詳しく調べたから一概には否定出来ないのが悔しくはあるけど・・』
「やっぱりストーカーじゃない・・・まぁ、それは良いとして、この計画対象についてはどうやったのよ?」
『そっちはヴィラン達の【悪党意識の低下】と【ヒーロー側の犯罪への危機意識の低下】のお陰ですね!』
「どちらも【低下】ですか?」
『ひとむかし前と今ではヴィラン達の間では【計画】と【情報】の価値観と重要性に大きな差があります。 個性が強ければ失敗はないと思ってるのか、ヒーローの物取りや裏サイト見れば情報はわんさか!・・後はニュースやらヒーローサイトの情報と照らし合わせて信憑性高そうなヤツだけを選べばOK♪』
「ヴィラン側は研究者時代に経験あるけど、ヒーロー側の低下って何よ?」
『簡単に言うなら警察サイドの癖に捜査情報流しすぎってヤツですね・・・張り込みの警官が自分から《張り込んでまーす》って叫ぶに匹敵するような事をヒーロー活動報告としてサイトにのせてるんだよねぇ~』
「それでもニュースでヴィラン逮捕の報道がほとんどなのは、ほとんどが情報の価値に気づいておらず、個性頼りの力任せな計画しか建ててないから・・・というわけですね?」
『全部が全部とは言いませんがそういうことです。
僕が知る限り誰もが知る者、一度でも道を暗がりに興味もった人なら誰もが知る程のヴィラン、例外は居ますがほとんどは【計画】と【情報】は蔑ろにはしてませんでした。
有名どころなら・・
張間歐児
デュポンⅩ世
龍鬼寺昏修
彼等の計画は綿密で鮮やか! ハプニングすら楽しめる程の計画を建ててたと思いますよ。
とくに龍鬼寺昏修、またの名を【黄昏】・・彼女に至っては放蕩娘が居なければ今頃世界を牛耳ってただろうし!』
「ヒーロー、ヴィランに興味無いアタシでも知ってる奴ばっか・・1つ気になったんだが【例外】ってのは?」
『【例外】・・彼等は無茶を押し通す力を持った人ですね。
正直、人外や化け物の領域に居ます・・【FAMILIA】のメンバーの安全や未来を考えるなら、矜持なんか捨ててでもスポンサーとまで行かなくてもコネを作りたい位の人達で、日本には三人居ます。
裏世界のみならず政界や財界にも未だに影響力強い【無個性】の鴟家頭麻
世界のオタクのトップで【コミケの戦争狂】の異名を持ち、本名不明、年齢不詳で分かってるのは【無個性】で【太ってる】ってこと・・オタクからは【少佐】って呼ばれてる
【シロヅラ】と呼ばれる怪物と九人の幹部で構成された謎の組織・・随分前にオールマイトと【少年】に倒されて全員が【黄泉】送りになってますが、度々脱獄しては暴れてるなんて噂が囁かれて今では世界七不思議の1つになるほどです。』
居るのか居ないのかさえ分からない大物の紹介を終え、出久が一息着こうとした時、再びドアが開き錆びて軋んだベルがなった
「んで、アタシ達ももソイツ等の仲間入りを果たす・・ってわけなんだろ【ボス】!」
「・・・夢は大きく・・悪くはない・・・」
「乗り気なのは良いけどまずは記念すべき初仕事に集中すべきでしょ・・・」
「み、皆さんヤル気です・・わ、私も!が、頑張りましゅ・・ひゃう!!ひた噛みまひた・・・」
まだ考える期間はあるのに集まるメンバーに一番驚いたのは募集を掛けた緑谷出久本人だった。
『まさかの全員参加とは・・・1人、2人は抜けちゃうと思ったんだけどなぁ~』
「まぁ、これで最初の仕事の成功率はぐんっと跳ね上がったんだから良いじゃない」
「数人減る事を前提にした計画で成功率は高め・・誰1人抜けないのであれば【失敗】は無くなりましたね、緑谷様。」
『いやぁ~、本当ですよ! ところでマリアさん、「ボス」ってなに?』
「け、ケジメだケジメ!! こまけぇー事気にすんな!!」
最近数ヶ月単位で夜勤に任されて中々返せずすいません!
ボチボチ再開します!