人間と人形の幻想演舞   作:天衣

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ーー追記ーー
形式を意識して文章を一部変えたりしてみました。
多分、今出している全話(序章~17章)そうします。ご了承ください。


第十一章

「あ、見えてきた!」

 

近くの看板を確認する。

 

『この先、人間の里』…と書かれている。

 

「何とかたどり着いた。ここで情報収集すればいいんだよね」

 

そう言いながら先に進むと、

 

「どいてどいて――っ!!」

 

「…え!?」

 

突然、女の子が全力疾走で走ってくる。かわそうとするが間に合わず、

 

 

「いたっ!!」

 

 

ぶつかってしまった。

 

「だ、大丈夫!?」

 

思っていたよりかは衝撃が来なかったのでこちらは平気だった。

何か人にぶつかった感じではなかったような。…気のせいか。

 

「もう!何するのよ!ちゃんと前見てなさいよね!」

 

「ご、ごめん…」

 

ぶつかってきた少女は金髪で青い瞳をしており、赤と黒の服とロングスカートを着ていた。背は小さい。

金髪の赤黒少女は、こちらが人形を連れているのに気付く。

 

「……あんた、人形を連れてるのね。しかも封印の糸で制御せずに。ふーん……」

 

「…?えっと?」

 

「…まぁいいわ。ほらどいてどいて!私は忙しいのよ!また会わないことを願ってなさい!」

 

そう言うと金髪の赤黒少女は走って行ってしまった。一体何だったのだろうか。

 

「…?まぁいいか。行こう。」

 

謎の少女に出会いよくわからないことを言われたが、気にせず人里に足を運ぶ。

 

そして人間の里。通称・人里に到着した。

 

「ここが人里か。」

 

人里というのは、どうやら大きな村のようだ。

普通は〇〇村とかそういう名前だと思うのだが、何故「人間の里」という名前なのか。

 

「さて、とりあえずは休憩所を見つけよう。そしたら次は情報収集だ。」

 

しばらく人里を真っすぐ進むと近くに休憩所を見つける。そして休憩場に入って人形達を預けた後、辺りを見回す。

 

「…あ!あの人かな?」

 

早苗さんが言っていた行商人を発見。やっと見つけた。

 

「あの、すみません。あなたは行商人さんですか?」

 

「うん?あぁそうだけど。何か買っていくかい?」

 

良かった。これでやっと封印の糸が買える!やっと本格的に冒険が始まった気分だ。

 

「はい。ではえっと、封印の糸が欲しいです」

 

「封印の糸なら一つ、200円だよ。いくつ買うんだい?」

 

「じゃあ十個下さい」

 

「十個なら合計2000円だね。先払いでお願いするよ」

 

「はい、わかりまし」

 

ここで鏡介は重大なことに気付いてしまった。そう、ここでは自分の世界のお金が使えるのかということに。

 

一か八かで、鞄に入れてた財布から英世を二枚差し出す。

 

「お客さん、それはこっちの通貨じゃないよ」

 

「…ですよね…」

 

鏡介は財布にそっとお金を戻す。そして、

 

 

「orz」

 

 

落胆。すっかり忘れていた。

 

「そうだった…ここ日本じゃないんだった…」

 

「えっと…大丈夫かいお客さん?」

 

「…気にしないで下さい。…はぁ、どうしよう…」

 

ここでは一体どうやってお金を稼げばいいのだろうか?

これも早苗さんに聞いておけばよかったな。

 

「…お金がないんだったら、何かお客さんが持ってる珍しいもの買い取るよ?」

 

「…え?本当ですか!?えっと…」

 

行商人さんの一言で希望が湧く。何かないか?

売れるものを鞄から探していると、懐かしいものが出てくる。

 

「…あ、これは…」 

 

子供の頃、よく遊んでいたゲーム機だった。これでポケ〇ンデビューしたんだっけ。

 

「(…売るのは名残惜しいけど、他は必要だから売れないし…)」

 

「おや?それ、中々珍しいね」

 

行商人さんもこれを珍しがっている。売るならコレかな…。鏡介はそう決心し、二つ折りのゲーム機を行商人に渡す。

 

「どうでしょう?」

 

「ふ~む、これなら…そうだな。3000円で買い取ろう」

 

三千か。まぁ、結構ボロだしあっちで売るよりかはましな金額かな?

 

「分かりました。じゃあこれ売ります」

 

「毎度っ!」

 

行商人から3000円を受け取る。さらばⅮ〇ブラック…。

しかし、幻想郷の通貨はこちらの世界の昔あった通貨によく似ているな。

 

「じゃあ改めて、封印の糸を十…いや五個下さい」

 

千円を行商人に渡す。

 

「…はい確かに。毎度ありっ!」

 

行商人から宝石を五個受け取る。

最初は十個の予定だったがこっちのお金が使えない以上、数を減らすしかない。

 

その後、浩一が言っていた休憩所の甘味処で、藤原煎餅を2枚、それと「白玉団子(しらたまだんご)」という和菓子を1つ購入。所持金は残り900円となった。

 

「よし、こんなものかな。次は外で聞き込みしよう」

 

 

人里で聞き込みをすること数十分。

正直、人形に関する有意義な情報はあまり手に入れられなかった。

 

しかし、寺小屋という施設で人形の基本的な事を知ることが出来た。

 

まず、人形にはそれぞれ6つのステータスがあることだ。

耐久、集弾、集防、散弾、散防、俊敏。この6つで成り立っているらしい。

ポケ〇ンで例えると、耐久はHP(ヒットポイント)、集弾は攻撃、集防は防御、散弾は特殊、散防は特防、俊敏は素早さ。

 

次にタイプ相性の存在。

例えば、炎は水に弱い、水は自然(草)に弱い、自然は炎に弱い等々。他にも14タイプ存在するとのこと。

 

最後に印。

これは一体の人形に全部で五種類の印の内の一種類あるらしい。何の印かでどのステータスが高いかわかるそうだ。

 

…もう完全に一緒だよ!これポケ〇ンだ!

 

 

聞き込みをした中で、もうひとつ気になった情報がある。

 

この人里の名家である「稗田家」の当主、稗田 阿求(ひえだ の あきゅう)という人物。

その人は、この幻想郷のあらゆる種族の事について記した書物を書いているという。もしかしたら何か知っているのではないだろうか。

人形の回復が済んだら、まずはそこに向かってみようと思う。

 

「…それにしても」

 

鏡介は周りを見渡す。そこには野生の人形とバトルしたり捕まえたりしている人々の光景があった。中には人形と仕事をしたり遊んでいる人もいる。

 

「普通に人里にも人形が出没してるんだな。そしてその人形達をうまく活用している。…そんなに深刻な異変には見えないんだけどなぁ」

 

人形がこうやって人々の役に立っていたりするのを見ると、共存していけるのではないかと思わずにいられない。

 

「…ま、このままじゃ元の世界に帰れないって話だからなぁ。でも、仮にずっと帰れなくてもこっちは一向に構わないけどね!気楽に行こう」

 

この異変の調査はするが、何より楽しみたいと思う気持ちが勝る鏡介だった。

 

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