人間と人形の幻想演舞   作:天衣

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ーー追記ーー
形式を意識して文章を一部変えたりしてみました。
多分、今出している全話(序章~17章)そうします。ご了承ください。


第十二章

「お待たせしました!人形もすっかり元気になりましたよ!」

 

「はい。ありがとうございました!」

 

人形達を引き取った鏡介は休憩所を後にし、聞き込みの際に聞いた「稗田家」の当主に会いに行くことにした。

 

 

稗田亭は休憩所の近くにあったので、すぐに到着。名家の当主様なだけあって、大きくて立派な家だった。

 

「はぇ~。おっきい家…。こんなとこ初めて来たなぁ」

 

目の前には門番がいた。偉い人なのだろうから当然だが、気安く会える人ではないみたいだ。

 

「あの、すみません」

 

「ん?何だね?」

 

えっと、どう言えばいいのかな?…まぁシンプルに聞いてみよう。

 

「ここの当主様に会いたいのですが、よろしいですか?」

 

「…君、ちゃんと招待されたのかい?」

 

招待?面識は一切ないから当然だが、ない。

 

「えっと、ないですね…」

 

「…ならここは通せない。当主様の招待がないとね」

 

うん。まぁ、分かってはいたけどね。

やっぱりそう簡単にはいかないようだ。出直そう。

 

「分かりました。では…」

 

「…ん?待て君。もしかして君は舞島 鏡介君かな?」

 

門番の人は何か思い出したように問いかける。

 

「え?はいそうですが…」

 

「…やっぱりそうでしたか!これは失礼。あなたが最近噂になっている人形使いだったとは!」

 

鏡介の名前を知るや否や、態度を改める門番。

 

「…え?噂になっている?僕がですか?」

 

「えぇ。何でも人形を封印の糸を使わずに仲間にする逸材だとか。…その二体の人形も?」

 

ユキ人形は最初に裏山で出会って、しんみょうまる人形は一の道の道中。

思えば二体とも糸もなしに僕に付いて来てくれている。実に不思議だ。

 

「え?あーまぁ、そうですね。この子達は僕の仲間ですよ」

 

「「(^_^)/」」

 

二体の人形は元気よく挨拶する。

 

「ならば話は別です。当主様があなたに興味をお持ちで是非お会いしたいとのことですから、どうぞ」

 

そう言うと門番の人は、鏡介を屋敷に案内する。

 

「(僕ってそんな有名人だったの?一体誰がそんなに広めたんだ?…浩一さんかな?)」 

 

いつの間にか噂になっていたことに驚きつつも、稗田亭に足を進める。

 

 

屋敷の中は和風で広くて部屋がいくつもあって、まるで旅館にでも来たかのようだ。

去年行った修学旅行を思い出す。

 

しばらく付いて行くと、一室の前に到着する。

 

「阿求様!例の人形使い、舞島 鏡介殿をお連れしました」

 

襖越しに門番の人がそう言うと、

 

「御苦労様です。その者をこちらに通してください」

 

落ち着いた女性の声が返ってくる。

 

「承知しました。…どうぞお入り下さい」

 

門番の人に手招きされる。何か緊張するな…。

 

「し、失礼します」

 

襖を開けると、そこには着物を着た紫色の髪の小柄な女性が座っていた。

この人がここの当主らしい。

 

「どうぞ、お座り下さい。楽にしていいですよ」

 

「あ、はい」

 

敷いてあった座布団に座り込む。

座ったことを確認した女性は、話を始めた。

 

「初めまして、私はここの当主を務める稗田 阿求(ひえだ の あきゅう)と申します。新聞の号外で、あなたが記事になっていましたよ。人形と仲良くなるのが得意だとか…」

 

「新聞?あぁ成程、それで知ったのですね。改めて、僕は舞島 鏡介です。宜しくお願いします」

 

「えぇ、宜しくお願いします」

 

 

少年説明中………

 

 

「…なるほど、早苗さんに人形について調べている人物の元に向かうよう言われ、ここに来られたのですね」

 

「はい、その人物をご存じでしょうか?」

 

「ご存じも何も、それは私の事ですよ。舞島さん」

 

…やっぱりそうか。大体予想は付いていたけどこの人であってたみたい。

 

「そうだったんですね。当たって正解でした。それで何かわかっていることはあるんでしょうか?」

 

「はい…ですが、私もすべてのことはまだ分かっていない状況でして…ごめんなさい」

 

この幻想郷の様々な人物を記したこの人でも、どうやら人形は未知の存在らしい。

初めてのケースなのだろう。

 

「うーん、そうなんですか…」

 

「分かっていることは、人形には人形の力しか通用しないということくらいなんです。人形の封印術が伝わってから里の自衛は出来ているのですが、解決策は未だに見つかっていない状況。

 ですから、舞島さんの封印の糸を使わずに人形を仲間にする知恵をお借り出来ないかと思っていたんです」

 

「成程…」

 

そういうことか。でも生憎そんな知識なんて大層なものはない。申し訳ないが。

 

「それで、何か特別なことをしているのでしょうか?それとも、マジックアイテムとか?」

 

「いえ、特には何も。気付いたら仲良くなってたって感じですね」

 

阿求はしばらく時が止まったかのように固まった。信じられないという心情が伝わる。

 

魔理沙も言ってたけど、やっぱり自分が特別なのだろうか。

 

「…何も使っていない?そんなことが…。人形に友情というものがあるとでも言うのですか?」

 

「えっと、はい。あるんじゃないでしょうか?こうやって仲良くなれたんですし」

 

それを聞いた阿求はしばらく考えた後、

 

「…どうやら、その力は舞島さん特有のものらしいですね。とても参考には出来そうにありません」

 

残念そうに小さなため息をつきながらそう告げた。

 

「はぁ…何かすみませんね、力になれなくて」

 

「いえ、いいんです。お気になさらないで下さい。こちらでも人形について何かわかったことがあればお伝えしますので」

 

「はい。ありがとうございます」

 

お互いあまり良い情報が得られないまま、話は終わった。

 

「…では、僕はそろそろ失礼します」

 

「はい、ありがとうございました。…あ、そういえば…」

 

退席しようとしたところ、阿求は何かを思い出したように話しかける。

 

「この里の周辺で、何か企んでいる者たちがいるという噂を聞きました。念の為、気を付けて下さいね」

 

この人里で何かを企んでいる、か。

見たところ、住民はたくましい人達だし多少のことは何とかなりそうだけれど。

 

「…分かりました。注意しm」

 

そう言いかけた直後、屋敷内で大きな衝突音が響き、

 

 

「ッ!?」

 

 

屋敷内に大きな揺れが起きる。

 

「あ、阿求様!大変ですっ!」

 

慌てて門番の人が報告に来る。どうやら緊急事態のようだ。

 

「一体何事ですか!?」

 

「はいっ!『人形開放戦線(にんぎょうかいほうせんせん)』と名乗る者たちが人里を襲っています!この屋敷も狙われているようです!」

 

「何ですって…!?」

 

「『人形開放戦線』…?」

 

その『人形開放戦線』という奴らが、この人里で暴れているらしい。

…何かポケ〇ンでも似たようなのがあったような。プラ〇マ団だったっけ。

 

「その者達の特徴は?」

 

「はい。5人組で、下級の妖怪や妖精の集団みたいです」

 

「……成程、そうですか。分かりました」

 

それを聞いた阿求は、声色を変えて僕にこう言った。

 

「…舞島さん」

 

「は、はい…」

 

 

「お願いがあります。この人里で暴れている『人形開放戦線』とかいうふざけた連中を…」

 

 

「ぶちのめしてもらえないでしょうか?」

 

 

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