人間と人形の幻想演舞 作:天衣
この外伝は、私が書いている小説「人間と人形の幻想演舞」の人形視点のストーリーです。
その為、人形が普通にしゃべります。そのことを注意した上でご覧ください。
今回は主人公・鏡介との出会いから初めての人形バトルをするところまでです。
ーー追記ーー
形式を意識して文章を一部変えたりしてみました。
多分、今出している全話(序章~17章)そうします。ご了承ください。
…ここはどこ? 私は一体…
…そうだ。私はユキ。いつも誰かと一緒だった。
それ以外は何も思い出せない。
周りを見る感じでは森にいるみたいだけど、私は何でこんなところに来ているの?
…わからない。
あてもなくフラフラと彷徨う。すると誰かが私に声を掛けた。
「こんにちわ。初めましてかしら?」
「…?うん、初めまして」
女性だった。身長は私とほぼ同じで、大人っぽくて綺麗だ。
「私はゆかり。幻想郷を作った人物を元に作られたの」
「そ、そうなんだ」
女性の人は近くにある湖の方を見つめた後、私にこう言った。
「…手短に言いますわ。あなたは選ばれました。一人の人間にね」
「え、選ばれた?私が?」
「はい。あなたはその人間にこれから出会うことになります。名前は舞島 鏡介(まいじま きょうすけ)という男の子です」
「あなた、何言ってるの…?」
「すぐにわかりますわ。…では私はこれで」
そう言うとゆかりという女性の人は、空間から現れた不気味な裂け目の中に消えた。
「え、ちょっと!?」
何やら私は選ばれたらしい。舞島という人に。
「…うーん」
どういうことかは全くわからないが、その舞島という男の子がこれから来るとのことだ。話が急すぎる。
「…ま、いっか!とにかくその人に会えば何かわかるはずよ!」
しかし何事もポジティブに捉える私は、その人物の元へとりあえず向かうことにした。
草むらをかき分け、どんどん先に進むと声がする。
「ッ!?何だ!?」
男の子の声だった。この人だろうか。
「…!いたわ!それ!」
声がする方へ飛び出す。
「…え?」
「え?」
ユキと男の子は互いの外見に驚く。
「(小さい…)」
「(大きい…)」
しばらく二人は見つめ合う。
「(この人が舞島っていう人?…何だろう、初めて会うのに知ってる人みたい…)」
すると横からまた大きい人がやってくる。
女の子のようだ。特徴が少し私に似ている。…それに何故か不思議と見覚えがあった。
なにやら舞島と会話している。そしてこちらを指差し、何かを伝えてるようだ。
「…もっと近くで見たいな」
吸い込まれるように舞島の元へ走っていくユキ。
何か、運命のようなものを感じた。この人に付いていきたいと心が命じていた。
女の子の方が慌てている様子だが、今そんなことはどうでもいい。
近くまで来た後、立ち止まる。
「(…一緒にいきたいな…連れて行ってくれないかな…)」
そう思っていたら、
「……おいで?」
「…!」
舞島がじゃがみ込んで手を差し伸べてくれた。やはりこれは運命だった。ユキは確信する。
「わーーーい!舞君好きっ!!」
思わず舞君の大きな手を、両手で抱きしめる。胸が暖かくなり、嬉しい気持ちでいっぱいになった。
あ、舞君(まいくん)は私が付けたニックネームだよ!可愛いでしょ?
私に似た女の子が舞君と何か話している。どうやら移動するみたいだ。
「一緒に来るか?」
「うん!」
舞君は私を抱き上げる。
「こ、こういうの何かドキドキするな。えへへ///」
舞君の体温を直に感じる。暖かい…。この時間がずっと続けばいいのにと思う私であった。
ーーー博麗神社本殿前
どうやら目的地に到着したようだ。
すると舞君は何やら当たりを見回って不思議そうにしていた。どうしたんだろう?
私に似た女の子に呼ばれて、神社にある家に上がる。
そしてその中で、緑髪の女の子と一緒に三人で会話を始めた。
話を聞く限り、舞君はどうやら神隠しにあってしまったらしい。元の世界にも帰れないとのこと。
舞君はそれを聞いて落ち込んでいるようだった。舞君の裾を引っ張る。せめて慰めよう。
「舞君…可愛そうに…。私が守ってあげるからね」
すると舞君は私の頭をナデナデした。気持ちが伝わったようだ。
「えへへ~♪」
撫でられるのが気持ちよくて顔がにやけてしまう。なんとも幸せな時間だ。
暗い感じから一変、和やかな空気になると誰かが入って来た。
全体的に紅白の服装をした巫女さんだった。…この人も何だか見覚えがある。
紅白の巫女さんは二人から話を聞くと、こちらを見てきた。
何かを見定めているようなそんな見方だった。しばらくして、
「…関係はなさそうね。どうせ監視もついてることだろうし」
そう言うとしばらく会話をした後、紅白の巫女さんは皆を部屋から追い出す。
そしてまた神社の本殿前に戻されてしまった。三人はまた会話を始める。すると私に似た女の子が、
「それなら私がお前を試してやるぜ。さっき付いてきた人形がいるだろ?そいつを私の人形と人形バトルで戦わせるんだ。」
それを聞いた舞君は私を戦わせることを躊躇っていた。
私が女の子だからかな?舞君って優しい!
…でも大丈夫だよ!私、強いから!
今、舞君は戦い方がわからないので二人にお手本を見せてもらっている。
基本的に弾幕を打ち合うだけなのでそんなに時間は掛からなかった。
舞君もばっちり理解したみたい。流石!
そして舞君と私に似た女の子の人形バトルが幕を開ける。
バトルの前に舞君は何やら装置を受け取った。そしてそれを私に向ける。
舞君はその装置で私を見たら名前で呼んでくれるようになった。
そっか、まだ知らなかったね!よろしく!舞君!
改めてバトルが始まる。
相手は私によく似た女の子、「魔理沙」の人形だった。
「うふふ、よろしくね♥」
「う、うん」
本人とはずいぶんキャラが違うようだ。
舞君の指示が来る。
「ユキ! はたく こうげき! ▼」
……ん?あれれ?何か予想外の指示を受けちゃったな。
はたく?平手で?私女の子だけどそんなバイオレンスな事しないよ?
舞君の方を向き、分からないと訴える。すると今度はあちらが仕掛けてきた。
「うふふ、くらいなさい♪」
まりさが箒でこちらに弾幕を放つ。
「…くっ!」
被弾してしまった。舞君が指示してくれたおかげで軽傷で済んだけど。舞君ナイス!
二人は改めて舞君に説明を始める。どうやら説明不足だったらしい。もう!しっかり説明してよ!
そして舞君は何やら受け取った装置で私を見ている。
どうやら技の把握をしてたみたいだった。うん、えらいえらい!
また改めてバトル再開
「ほら、かかってきなさい♪」
まりさは人差し指を曲げ挑発する。
「ムッ!さっき油断したけど次そうはいかないよ!」
舞君の指示が来た。
「食らいなさい!」
まりさに向かって弾幕を放つ。負けじと相手も弾幕を放ってくる。
弾幕はぶつかり合った後、ユキの弾幕がわずかに残り、
「いったぁ~い!」
まりさに数発命中した。
「…中々やるわね♪」
ふふん、どんなもんだい!」
舞君に向かってグッドサインをする。強いでしょ私?
「…ならこれはどう?そぉれ♪」
まりさは箒で弾幕を放つ。さっきよりも早い弾速だった。
「今度は当たらないよ!」
舞君の指示で弾幕をジャンプでかわす。
「…かかったわね♪」
「え…?」
そう言うとまりさは、こちらにすごいスピードで近づき、
「そぉれ♪」
再び早い弾速の弾幕を放った。
「…!しまっ」
駄目だ。身動きが取れない…!
「きゃあぁーーっ!!?」
もろに弾幕を食らってしまい、数m吹き飛ばされる。
まさかあの弾幕がフェイクだったとは…完全にやられた。
「……くっ!うぅ…ッ…!」
何とか気絶しなかったが…今のは大分効いた。次食らったらやられる。
舞君も追い込まれてる。私が何とかしないと…
すると緑髪の女の子が戦いのヒントを出してくれた。
それを聞いた舞君は何か閃いたようだ。…舞君、君を信じてるよ!
「さぁ、これでとどめよ♪」
まりさが箒を振りかぶる瞬間に、
「…それ!」
火の粉をまりさに飛ばす。
「!?」
予想外の行動に対応できなかったまりさは、火の粉を食らってしまう。
「あ、あっちぃぃぃ!私のキュートな尻がーっ!」
やった!成功!流石は舞君!いい連携だよ!
「食らえーーー!」
弾幕をまりさに放つ。そして、
「いやぁーーーーんっ!」
まりさを撃退。見事に勝利した。舞君も嬉しいのか、私に抱き付いて頭をナデナデしてくれる。
「えへへ~♪私も嬉しいよ~♪」
私達、いいコンビだね!
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「…あの子、かわいいなぁ。う~ん、でも勿体ないわ。主に服がイマイチね…」
謎の人物はユキ人形を見ながらそう呟くと、姿を消した。
どうも、てんいです。
人形パートいかがだったでしょうか?
こんな感じで、ちくちょくストーリーに挟んでいくつもりです。
とりあえず、書いているのは大体ここまでなので次回から更新が遅れます。