人間と人形の幻想演舞   作:天衣

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人形開放戦線との闘い

ーー追記ーー
形式を意識して文章を一部変えたりしてみました。
多分、今出している全話(序章~17章)そうします。ご了承ください。


第十三章

「舞島さん、『人形開放戦線』とかいうふざけた連中、ぶちのめしてもらえませんか?」

 

阿求は、怖い顔をしながら鏡介にお願いをする。素早さがガクッと下がる勢いがあった。

どうやらこの騒動を起こしている五人組に対して物凄い殺意を抱いているみたいだ。

 

「行ってくれますよね?」

 

阿求の圧に、とても断れる雰囲気ではなくなり、

 

「は、はいっ!承知しましたぁ!」

 

承諾してしまった。面倒なことに巻き込まれたなぁ。この人普段は温厚だけど、怒らせるとヤバいタイプだ…。

今後、絶対に失礼がないようにしよう。

 

「そのさっき言ってた五人組を追い払えばいいんですよね?」

 

「えぇ。相手は少女ですが、一切の容赦はいりませんよ。二度とこんな真似が出来ないようにぶちのめして下さい」

 

「は、はぁ。」

 

「大丈夫ですよ。たかが妖精や下級妖怪の集まりですから。正直、雑魚ですよ。フフッ♪」

 

笑顔でおっかないことを言う阿求に、たじたじになる。

これがこの人の素なのだろうか。まじで怖い。

 

「その…善処します。ではそろそろ行ってきますね」

 

「はい、お願いします」

 

阿求は鏡介が騒動の元へ向かい襖を閉めるのを確認した後、

 

 

「…ふぅ」

 

 

ため息をつく。…いくら人形使いとはいえ、ちょっと無理を押し付けてしまった。

 

 

「まぁ念の為、他の人にも連絡は取っておきましょう。…小鈴大丈夫かしら」

 

 

一方、鏡介は誰かが門前にいることに気付き、様子を探っていた。

 

「もう、何で私が様子を見に行かなくちゃいけないんだよぅ…。ここの人おっかないのに、チルノの奴いきなり屋敷に向かって攻撃するんだから」

 

妖怪の少女は先ほど攻撃した阿求亭の中の様子を探っていた。じゃんけんに負けたばっかりに。

 

「万が一見つかったら何されるか…あぁ恐ろしい…これ以上近づきたくない…」 

 

「…」

 

「でも、私逃げ足には自信があるから!蛍だけど。決してGじゃない!」

 

どうやらこちらに気付いていない様子。

特徴は、緑のショートヘアーで頭に触角が生えてる男の子に見えなくもない子だ。

 

多分、いや絶対に、この騒動の関係者だ。会ったことはないが確信していた。怪しすぎる。

 

「(…多分『人形開放戦線』のメンバーで間違いないし、いっそこのまま屋敷に引き渡そう。かわいそうだけど)」

 

ちょうど屋敷の近くなのだ。その方がこちらが戦わなくて済む。ということで…

 

 

「ちょっと君。屋敷まで同行してもらうよ」

 

「え……ギャ―――――――ッ!!」

 

触角の子は何やらお札を張られると、奇声を上げてぐったりしてしまった。

 

「さぁ来い!」

 

「ま、待って!私はここに何もしてない!ホントだよっ!」

 

「言い訳は阿求様が聞く」

 

それを聞いた触角の子は、この世の終わりのような顔をし、触角の子は屋敷内に連行された。ごめんね…。

 

 

人形開放戦線、残り4人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにっ!?リグルがやられただと!?」

 

「あぁリグル…かわいそうな子。じゃんけんで一人だけ、クワガタが好きだからってチョキしか出さないばっかりに…」

 

「だが奴は四天王の中でも最弱…。我ら四天王の面汚しよ」

 

「五人なのに四天王とは~♪これいかに~♪」

 

 

「…」

 

 

意外とあっさり見つけてしまった。恐らく『人形解放戦線』の残り4人。

 

4人の内、3人が鳥や妖精っぽい羽根を背中に生やしている。

門番が言ってた特徴と一致もしているから間違いないだろう。

 

「でも、私達が見つかるのも時間の問題じゃない?」

 

「フフン、どんなやつがきたってそんなのサイキョーのあたいがコテンパンにしてやるわ!」

 

「流石チルノちゃん!かっこいいわ!」

 

「…ところでリグルがやられたっていうにんげんはアイツ?」

 

「「「 !! 」」」

 

見つかってしまった。

もしかしたらと思ったけど、流石に目の前にいるのに全く気付かない程、馬鹿ではないみたいだ。

 

 

「も、もう来たの~!?♪」

 

「仕方ない!ここはチルノに任せて、私たちは逃げるよ!」

 

「チルノちゃんファイト!」

 

そう言うと3人は、チルノという妖精を残してどこかへ逃走した。そして、

 

「そこのあんた!」

 

小さな青い妖精の女の子が話しかける。

 

 

「あたいたちは『にんぎょうかいほうせんせん』!けいかくのじゃまをするやつは、サイキョーのあたいがただじゃおかないよ!」

 

「いざ、せんせんふこくする!!」

 

 

どうやら人形バトルをするみたいだ。

 

 

 

 

人形開放戦線の チルノが 勝負を仕掛けてきた!

 

 

 

「いけ! あたいの人形!」

 

宝石が光ると、チルノの人形が出てきた。

 

スカウターで相手の人形を確認する。

 

 

『名前:チルノ 種族:妖精  説明:⑨』

 

 

…⑨?何だそれ。

 

こちらも人形を繰り出す。

 

「行け! ユキ!」

 

ユキ人形は元気よく飛び出した。

相手の人形…あの子が氷の妖精みたいだし、氷タイプと予想しているけどどうだろう。

 

「ちるの! いんのきりょく!」

 

「ユキ! 陽の気力!」

 

まずは牽制と言わんばかりの攻撃。お互いの弾幕はぶつかり合い、わずかにユキ人形の弾幕が押す。

 

「ーッ!」

 

チルノ人形が被弾する。

どうもユキ人形は弾幕勝負の勝率が高いように見える。得意分野なのだろう。

 

「いいぞ!」

 

「ぐぬぬ、これならどうだ!ちるの! うんぷてんぷ!」

 

チルノ人形は指示を受けると、七色の護符を周りに展開し始める。

 

「な、何だ!?」

 

「フッフッフ、サイキョーのあたいはここでいいのひいちゃうもんね!」

 

七色の護符はグルグルと回り始める。

まるでトランプのマジックのように動くその護符は、やがてひとつの護符へと変わった。その色は、青色だった。

 

 

チルノ人形の 集防が あがった! ▼

 

 

「…えっと、こっちは散弾だから集防が上がっても意味ないね」

 

「ちくしょーーっ!」

 

やっぱりこの子達は少々残念な頭をしているらしい。

 

「…じゃあ今度はこっちの番!ユキ、新技行くよ! 火遊び(ひあそび)だ!」

 

ユキ人形は手から炎を出して、それをチルノ人形に飛ばす。

 

最近覚えた新技「火遊び(ひあそび)」。

「摩擦熱」とは違い、攻撃としての炎技である。

 

「ーッ!」 

 

命中した。仮にこの人形が氷タイプなら、ひとたまりもないはず。しかし、

 

「…ッ」 

 

戦闘不能になっていない。まだ戦える様子だった。

予想が外れてしまったのか?結構、自信があったんだけどな。

 

「くそーこうなったらっ!ちるの! フロストエッジ!」

 

チルノ人形は手から鋭く小さな氷の礫をユキ人形に放つ。

 

「(…!この人形もしかして)ユキ! かわして!」

 

ユキ人形に回避の指示を出すが、

 

「ーーーッ!!」 

 

数発被弾してしまった。ユキ人形はかなり苦しそうにしている。

 

…そうか。この人形は「水」タイプだったんだ。「炎」は「水」に弱い…。

 

「大丈夫かっ!?ユキ!?」

 

「……ッb!」

 

苦しそうにしながらも、ユキ人形は元気に振舞っている。…ごめんっ!

 

「…?なんだかしらないけど、やったぞ!」

 

「(くっ…まずいな。しんみょうまるに交代するか?)」

 

しんみょうまる人形に目を合わせる。しかし、

 

「(>_<)」

 

しんみょうまる人形は首を横に振り、行きたくない様子だった。

…もしかして、この子も「水」タイプが苦手なのかな?

 

どうしよう。結構ヤバいな、この状況。

 

弱点の攻撃をされ、一気にピンチに陥ってしまった。このままでは負けてしまう。

 

「もーいっぱつくらえ!チルノ! フロストエッジ!」

 

「(まずいっ!ユキはもう動ける体力がない!どうしたらっ!?)」

 

チルノ人形の放った氷の礫が、ユキ人形を襲う。

絶体絶命のピンチ。もう駄目だと思ったその瞬間、

 

「まりさ! 原初の光(げんしょのひかり)!」

 

誰かの声がすると、光弾が数発こちらに飛んでくる。

そして、チルノ人形が放った氷の礫を見事に撃ち落とした。

 

「…え!?」

 

「何――っ!?」

 

誰かが助けてくれたようだ。声がする方向を向くと、

 

「よう、舞島!無事か?」

 

そこには魔法使い、霧雨 魔理沙の姿があった。

 

「…!魔理沙さん!一体どうしてここに?」

 

「あぁ、阿求の奴にお前の手伝いをするように頼まれちゃってな。ちょうどお前にも人里にも用があったし」

 

「そうだったんですね、助かりました!…ルール的に2対1になっちゃって卑怯な感じですけど…」

 

「あー気にすんな。こいつら人形使って悪さしてるみたいだし、正々堂々戦う必要なんてねぇよ」

 

そう言うと魔理沙はチルノの方を向いて話しかける。

 

「…さて、チルノ。少々おいたが過ぎたな。今度は私が相手になるぜ?」

 

「フン!だれであろうとあたいはサイキョーだからまけないぞっ!」

 

今度は魔理沙が戦ってくれるようだ。

 

「まりさ! エナジーボルト!」

 

まりさ人形は手から雷撃を放ち、そして、

 

ちるの「ーーーーッ!!!」

 

チルノ人形に命中。一撃で戦闘不能になる。恐らく今の技は「電気」タイプか?

一瞬で決着がついてしまった。

 

「ま、まさかサイキョーのあたいがまけるなんてっ!くそー、おぼえてろー!」

 

そう言ってチルノは人形を戻してどこかへ行ってしまう。

 

「いっちょ上がりっと」

 

何はともあれ助かった。魔理沙が助けに来なかったら間違いなく負けていただろう。

 

「魔理沙さん、本当に助かりました」

 

魔理沙にお辞儀をする。

 

「気にするな。後、そんな堅っ苦しくしないでいいぜ?普通にしゃべっていいぞ。むしろそうしてくれ」

 

ほぼ初対面の人と気軽に接するのは少々苦手ではあるが…仕方ないか。

本人に言われてしまったらそうしなければ失礼というもの。

 

「…分かった。ありがとう魔理沙さん」

 

「うーん、もっと言うなら「さん」もいらないが…まぁいいか」

 

「…そういえば、僕に用事があったみたいだけど?」

 

「あーそうそう。お前にやったスカウターについてちょっとな」

 

初めてのバトル時に貰ったこの「スカウター」というアイテム。

用事というのはこのアイテム関連らしい。

 

「これ?」

 

「あぁ。まだそいつは試作品だって話したよな?今回はそいつのバージョンアップをしに来たんだよ。流石に今のままじゃ不便だろ?」

 

どうやら魔理沙から貰ったスカウターをパワーアップしてくれるとのこと。

確かに人形の事を色々知った今、機能的に物足りなさを感じていたのでちょうどいいタイミングだった。

 

「なるほど、それは是非お願いするよ!」

 

「おう!じゃあちょっと貸してくれ。すぐ終わるから」

 

「うん」 

 

スカウターを取り外して魔理沙に渡す。

 

「ここをこうして…っと。…ほれ完成。はめてみろ」

 

「え?早っ!」 

 

本当にすぐに終わった。スカウターを装着してみる。

すると、自分の人形のタイプ、ステータス、印の項目が追加されていた。

 

「おぉ!ちょうどこの情報が知りたかった!ありがとう!」

 

「まぁ、実際にこれを作ってるのは私の知り合いだがな。機械に関してはピカイチだぜ?」

 

どうやらその知り合いがこの「スカウター」を作ったらしい。よく出来た機械だ。エンジニアなのかな?

 

「人形バトルで重要なのは相手の弱点を突くことだ。その機能があれば、それが多少はわかりやすくなるぞ。

 まだ見ていない人形のタイプまではわからんが、まぁそれは自分で捕まえていけばわかるはずだ」

 

「うん、わかったよ。ありがとう!」

 

「よし!スカウターのバージョンアップも終わったことだし、この騒動をどうにかしようぜ!」

 

「了解!」

 

スカウターをVer1.1にバージョンアップして貰った鏡介は、魔理沙と共に残りのメンバーを探すのであった。

 

 

人形開放戦線、残り3人

 

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