人間と人形の幻想演舞   作:天衣

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ーー追記ーー
形式を意識して文章を一部変えたりしてみました。
多分、今出している全話(序章~17章)そうします。ご了承ください。


第十五章

 

残りの人形解放戦線のメンバーを探すこと数分。

 

「おーーい!舞島ーー!」

 

空から魔理沙の声が聞こえた。そして、地上に降りてくる。

 

「そっちはいた?」

 

「あぁ、さっきミスティアを追っ払った。後はルーミアだな」

 

どうやらもう一人倒してくれたらしい。

手分けして探した甲斐があったというものだ。すごく助かる。

 

「そのルーミアって子の特徴は?」

 

「金髪のショートヘアに赤いリボン、そして黒い服だ」

 

聞いている限り、ユキと少し特徴が似ているようだ。

…そう言えばオタクの人の図鑑を見た時、同じような特徴のキャラは結構いた気がする。容姿だけで覚えるのは結構大変そうだな…。

 

「分かった。じゃあ今度は一緒に探そう」

 

「あぁ、あっちはもう全部見回ったからな。残るはこの周辺だけだぜ」

 

 

二人で探していると、何やら村のはずれに道が続いていた。

 

「…ねぇ。あそこ怪しいと思わない?」

 

「あぁ、私もそう思ってたところだ。行ってみるか」

 

その道を進むと、

 

「見つかったのか―」

 

見つけた。最後の一人、ルーミアだ。

 

「もう逃げられないぜ?ここは行き止まりだからな」

 

「もー、あんたもしつこいなー。でも、ここで作戦の邪魔をされる訳にはいかないんだから!」

 

割とマジでこの人里で騒ぎを起こすと洒落にならない。主にここの当主、稗田 阿求がヤバいから。

 

「悪いことは言わない。もう騒ぎを起こすのはやめて欲しいな。…どうしてこんなことを?」

 

「私たちの目的は、使役された人形達の開放だ!そして、私は今回の作戦のリーダー!」

 

「え?リーダーだったの?」

 

「とてもそうには見えなかったぜ…」

 

この子達のことだから、適当にじゃんけんとかで決めたのだろう。あんまり頭よさそうにも見えないし。

 

「ぐぬぬ…馬鹿にして!こうなったら二人まとめて相手にしてやるのかー!」

 

2対1の人形バトルが幕を開ける。

 

 

 

人形開放戦線の ルーミアが 勝負を仕掛けてきた!

 

 

 

「ルール無視で悪いが、こっちはそんなの気にしてられないんでね。行け! まりさ!」

 

「行くよ!出番だ しんみょうまる!」

 

お互いに人形を繰り出す。まるでポケ〇ンのダブルバトルのようだ。

 

流石にこの状況では、相手もどうしようもないだろう。

 

「…フッフッフ。リーダー舐めるなー!行け! みんな!」

 

ルーミアはそう言うと5つの宝石を一気に投げ、人形を出した。

 

「な、何!?」

 

「…そうきやがったか。おもしれぇ!」

 

それぞれチルノ、だいようせい、リグル、ミスティア、そしてルーミアの5対の人形がいる。

 

初めて見る人形をスカウターで見てみる。

 

 

『名前:リグル   種族:妖怪  説明:虫と仲良し』

 

『名前:ミスティア 種族:妖怪  説明:歌うのが好き』

 

『名前:ルーミア  種族:妖怪  説明:そーなのかー』

 

 

とりあえず登録完了。みんな見事に妖怪か。

 

 

「それならこっちだって!ユキ!」

 

こちらも出せるのを出して対抗。うまく行くだろうか。…もう何バトルだこれ。

 

「…こっちも他に人形がいるけど、手の内は見せたくないからな。今回はやめておこう。こいつだけで十分だろうしな」

 

「そっか。頼りにしてるよ、まりさ!」

 

「b」

 

まりさ人形は任せろと言わんばかりにグッドサインする。

 

「早速行くぜ! まりさ! チルノに向かって エナジーボルト!」

 

魔理沙が仕掛ける。こっちの弱点である人形から優先して狙ってくれたようだ。

 

「わわっ!だいちゃん! 受け止めて!」

 

慌ててルーミアはだいようせい人形に指示を出す。

だいようせい人形は、目を瞑りながらも両手を上げチルノ人形を庇う。

 

「ーッ!」 

 

攻撃を受け止めた。様子を見るにあまり効いていないようだ。

 

「ちっ、流石にそう簡単にはいかないか」

 

相手も馬鹿ではないようだ。ちゃんとタイプ相性がいい人形を使って受けさせた。

 

「…魔理沙さん、今度は一緒にやりましょう。ユキの攻撃ならだいようせい人形を倒せますよ!」

 

アニ〇ケでもよくある展開、合体技。主に悪役が食らうやつ。

あれをこちらでも出来ないだろうか。

 

「おー、いい考えだ舞島!それでいこうぜ!」

 

魔理沙も結構乗り気だ。

 

「まりさ! もう一度あいつに エナジーボルト!」

 

「ユキ! まりさに合わせて 火遊びだ!」

 

まりさ人形の雷撃にユキ人形の炎が合わさり、混じり合う。

案外やれば出来るものだった。

 

電気を帯びた火炎が、ルーミア達の方へ飛んでいく。

 

 

「そ、そんなのありなのかー!?こんなの誰も受け止められないよー!」

 

 

攻撃はだいようせいに向かって飛んでいき、

 

「ーーーーーーッ!!!」 

 

攻撃がヒットする。当然耐えられるはずもなく、戦闘不能。

 

「おぉーすげぇ!やってみれば案外できるもんだな!」

 

「ホントにね。まさか、こんなにうまくいくなんて!」

 

耐久があるだいようせい人形を一撃で沈めたのを見て魔理沙は確信したのか、鏡介に耳打ちする。

 

「…なぁ。これ撃ちまくれば勝てるんじゃないか?」

 

「確かにこれ撃ってれば勝てるかもね」

 

ゴリ押しはあまり好きではないが、圧倒的パワーというのは正直見ていて気持ちがいい。

 

だいようせい人形を一撃で沈められたルーミアは、開いた口が塞がらず唖然としている。

どうすればいいか分からないのだろう。

 

「よし!私のまりさと舞島のユキの合体技!その名も「マユキ砲」だ!」

 

「…えっと、何かテンション高いね魔理沙さん?」

 

「へへっ、こういうのロマンあっていいだろ?弾幕はパワーだぜ!」

 

「う、うん。そうだね?」 

 

魔理沙はとても気分が良かった。

どうやら強い火力、もといパワーを求めるロマンはこの世界でも存在するようだ。

 

「行くぞ舞島!もう一発だ!」

 

「オッケー!」

 

お互い人形に指示を出し、「マユキ砲」を放つ。今度はチルノ人形を狙う。そして、

 

「ーーーーーーッ!!!」

 

ヒット。戦闘不能。

 

続けざまにリグル人形とミスティア人形にも放つ。

 

 

当然、一撃だった。

 

 

いつでも準備が出来ていたしんみょうまる人形は出番がなく、今の状況を見てきょとんとしている。

 

「…なんかごめん。しんみょうまる。この合体技が強すぎたみたい…」

 

「本来こいつに活躍してもらう予定だったんだがな…。いやぁすまんな!強すぎて!」

 

ハハハッと笑う魔理沙。確かにこの技だけでいいんじゃないかというくらい強い。

 

「さてと。後はルーミア人形のみ…ん?」

 

「…あれ?ルーミア人形はどこに?」

 

辺りを見回すが、見当たらない。

 

そして、いつの間に黒い霧が立ち込んでいた。

バトルしているこの辺りも真っ黒になっている。いつぞやの夢の中みたいだ。

 

「…そっちがそう来るなら、こっちはこうだ!夜陰(やいん)を限界まで積ませてもらったのかー!当てれるものなら当ててみろ!」

 

次々とやられていく間にルーミアは人形に回避が上がる技、夜陰(やいん)をこっそり積ませていたのだ。

ルーミア人形は霧の中に隠れ、どこにいるか分からない。

 

「…厄介なことになったな。これじゃあ攻撃が当たらないぞ」

 

「まずいですね…」

 

「反撃開始なのかー! ルーミア! ダークボール!」

 

霧の中から黒い弾幕が襲ってくる。技名から察するに、この人形は「闇」タイプと見て間違いないだろう。

 

「「 ーーーッ!! 」」

 

攻撃が当たってしまった。

 

「ユキっ!…くっ!」

 

ユキ人形はチルノ人形から受けたダメージが残っていたせいか、かなりヘロヘロだ。

 

まりさ人形は一発食らっただけで苦しそうにしている。もしかして、「闇」タイプが弱点?

 

 

一気に形成は逆転し、残された希望はしんみょうまる人形のみとなった。

 

「くそっ!こんな状況じゃ、他の人形出しても勝てるかどうか…」

 

何かないか?この状況を突破できる糸口は?闇……闇か。それを照らすものといえば…。

 

「…魔理沙さん、その人形のタイプは何?」

 

「ん?こいつは「光」と「雷」だが…」

 

「「光」タイプ…。」

 

なるほど。「闇」に弱い訳だ。そして、作戦がひとつ思い付いた。

 

「その「光」タイプの技で、この辺りを照らすことって出来る?」

 

「あぁ、出来ると思うぜ。しかし、こんな真っ暗じゃ攻撃は当てられないぞ」

 

「いや、いいんだ。その攻撃が当たらなくても。ちょっと思い付いたんだけど、魔理沙の人形で辺りを照らしたらルーミア人形がいるところを探れないかな?」

 

「…成程。試す価値はありそうだ」

 

「でしょ?そして姿をとらえたところで、しんみょうまるの攻撃を当てられれば…」

 

「何とか勝てるかもな。よし、ものは試しだ。やってみるぞ!」

 

「うん!しんみょうまる、頼んだよ!」

 

しんみょうまる人形は頷く。真剣な目だ。

 

作戦を実行する。

 

「まりさ! 原初の光を周りに撃て!」

 

まりさ人形は光の弾幕を辺りにばらまく。

 

「そんなことしても無駄無駄!当たらないよ!」

 

光り輝く弾幕は、明かりとなって飛んでいく。すると、

 

 

「……!いた!」

 

 

わずかにルーミア人形の姿が見えた。

 

「魔理沙さん!あそこ!」

 

「おう!これでも食らいな!まりさ! 閃光弾(せんこうだん)!」

 

まりさ人形はルーミア人形がいる方向に向かい光の玉を投げ、

 

 

「目を瞑れ、舞島、人形達っ!」

 

「ッ!」

 

 

玉が破裂し、眩しい光を放つ。

 

「ああああああ!!目がああああ!!」

 

まともに食らったルーミアとルーミア人形は視覚を一時的に遮断される。

 

「今だ!」

 

「うん!いっけ―――!!しんみょうまる!!」

 

「!」

 

 

しんみょうまる人形は全力疾走でルーミア人形に向かっていく。

そしてルーミア人形の懐に潜ったのを確認して、

 

 

「 ザ・リッパ-!! 」

 

 

しんみょうまる人形は輝針剣でルーミアに一太刀浴びせた。

 

新技「サ・リッパ-」。

しんみょうまる人形が経験を重ねて覚えた「鋼鉄」タイプの技である。

 

それを食らったルーミア人形は、

 

 

「………ッ!!」

 

 

倒れる。戦闘不能。

 

こちらの勝利だ。徐々に黒い霧が晴れていく。

 

 

「うぅ…そ、そんな馬鹿な…」

 

 

ルーミアは膝を落とし、落胆する。

 

「よっしゃ!ナイスだ舞島!」

 

「やったぁ!よくやったな二人ともっ!それにまりさも!」

 

頑張った人形達に頭を撫でる。

 

「「「 ♪~ 」」」

 

こうしてルーミアを見事撃退した鏡介と魔理沙であった。

 

 

人形開放戦線 全滅。

 

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