人間と人形の幻想演舞   作:天衣

21 / 163
新たな人形使い(RSのミツル的な何か)登場!

ーー追記ーー
形式を意識して文章を一部変えたりしてみました。
多分、今出している全話(序章~17章)そうします。ご了承ください。


第十七章

突然、村娘に「人形使いになりたい」と言われてしまった。

 

「…へ?」

 

あまりにも唐突で気の抜けた声を出してしまう。

 

「…えっと、君は人形使いになりたいの?」

 

「うん」

 

人形使いになりたいなんてまたポケ〇ンの「トレーナーになりたい」みたいなよくある展開だ。

 

「それは分かったけど、何で僕に頼むの?」

 

「だってあなた、最近話題になってるから。それに見るからに優しそうだし、私の頼みも聞いてくれるかな~って思って」

 

「…な、成程」

 

優しそう…そうだろうか。周りにはそう映ってるんだな。

 

どうやらこの子は自分の人形が欲しいみたいだ。

確かに人形使いになるのであれば、自分の人形は最低一体必要であろう。

 

「うーん…とりあえず今は人形達を預けているところだから、その間に色々話を聞かせてもらえる?」

 

「うん、いいよ」

 

 

 

少年少女会話中……

 

 

 

「…君は光(ひかる)ちゃんって言うんだね。光ちゃんは何で人形使いに?」

 

「えっとね、前に博麗の巫女さんが人形使って戦わせているのを見てすごくかっこ良かったから、私もあぁなりたいなって…」

 

「へぇ、霊夢さんに?」

 

「うん。私、困っている人達を助けられるような強い人になりたいの。でも、私には博麗の巫女さんのような力はないし…。

 でもっ!人形使いとしてなら私でも出来るって、そう思って」

 

「立派な夢だね」

 

彼女は博麗 霊夢のような強い人になって、人々を守りたいという夢を持っているようだ。

こちらとしてもその夢を手伝ってあげたいところだが…

 

「…でもね?強くなるといっても、並大抵の気持ちでなれるものではないよ?人形だって、僕達のような人間にとって危ない存在なんだよ?」

 

光はまだ幼い。自分よりも。そんな彼女を危険に満ちた人形達と関わらせるのは如何なものだろうか。

 

実際に一度危険な目にあった鏡介としては、悩ましいものであった。

 

「そんなの分かってるよ。覚悟はできてる。…だからお願いっ!」

 

「……」

 

光の眼は真剣であった。最初から覚悟は決まっているらしい。

そこまで意志が固いと、断るにも断りずらくなる。…しょうがない。

 

「分かった。人形の回復が済んだら、出来ることはしてあげるよ」

 

「ホント!?や、やったぁっ!!ありがとう舞島さんっ!」

 

光は心底嬉しそうにしている。頼まれると断れないのが、自分の悪い癖だ。

 

「舞島さん、人形の回復が終わりましたよ」

 

話もひと段落付いたところで、待娘に声を掛けられる。ちょうど人形の回復も終わったようだ。

 

「はーい。光ちゃん、ちょっと待っててね」

 

「うん!」

 

光は元気よく返事をする。余程嬉しいのだろう。

 

人形を回収し、二体に話しかける。

 

「二人共、ちょっとまた頼み事されちゃってね。付き合って欲しいんだけど、いい?」

 

「「 ? 」」

 

「あの子がね、自分の人形が欲しいんだって。その手伝いをしてくれないかな?」

 

しばらく人形達に軽く説明をして、協力してくれるようお願いする。

 

 

話を聞いた二体は、首を縦に振り、承諾してくれた。ホントにいい子達だ。

 

「光ちゃん、お待たせ。この子たちも協力してくれるみたいだから、一緒に捕まえよう」

 

「ありがとう!…それにしても、この子達はこの辺じゃ見ない人形だね。特に黒い子は私知らないわ」

 

「ユキのこと?そういえば魔理沙もこの子は知らないって言ってたっけ」

 

「鏡介さん、白黒の魔女さんとも知り合いなの?」

 

「ん?まぁそうだね。今回の騒動に協力してくれたり、便利なアイテム貰ったりで色々お世話になってるよ」

 

そう言いながら右目についているスカウターに指を差す。

 

「そうなんだ。気を付けてよ。あの人、手癖が悪いって有名だから。舞島さんの人形もその内盗られちゃうかもよ?」

 

「え…!?そ、そんな縁起でもないこと言わないでよ…」

 

そういえば、早苗さんも物がなくなった時にそう言ってたな。

あの見た目からは想像できないけど。…魔法の材料集めでもしてるのかな?

 

しかし、この子の言う通りちゃんと封印の糸で管理をしないと別の誰かに盗まれる…なんてことも起こり得ない。

アニ〇ケのS氏のピカ〇ュウみたいに(まだ盗まれてはいないけどね)。

 

割と重要なことに気付かされた。

 

「…じゃあ人形を捕まえる練習として、実際に僕の人形を使って実践するっていうのはどうかな?」

 

「あ、それいいね!私、勉強はしてても実践はやったことないからちょうどいいし!」

 

「二人とも、いい?」

 

元気よく首を縦に振る二体。

そういうわけで、まずは封印の糸を使って人形を捕まえる練習をすることにした。

 

 

少年少女準備中……

 

 

「という訳で、外で実際にやってみよう」

 

「はーい」

 

光はユキ人形と共に、しんみょうまる人形と対峙している。

一応、しんみょうまる人形には手加減するように言ってあるし、万一があっても大丈夫だろう。

 

「そうだった。光ちゃん、これ」

 

右耳に装着しているスカウターを外す。

 

「気になってたけど、それはどういうアイテムなの?」

 

「これは「スカウター」っていってね。これで人形を見ればタイプやステータス、覚えている技とかを把握出来るんだよ。貸してあげる」

 

「へぇ、それは便利ね!」

 

光にスカウターを渡す。

受け取った光は、装着してベルトを自分の頭のサイズに合わせて締める。

 

この子は寺小屋で人形の勉強をしていたらしいので、説明にあまり時間は掛からなかった。

 

「オッケー!じゃあ早速やろうよ!」

 

「うん。えーっと、封印の糸の使い方は…」

 

購入した際に付いていた封印の糸の説明書に目を通す。

 

 

『封印の糸を使用すると、野生人形を「封印状態」にすることが出来、「封印状態」の野生人形を倒すと仲間にすることが出来ます。人の持ってる人形に使ったら泥棒!』  以上。 

 

 

…成程、モン〇ターボールとは随分と違いがあるようだ。倒す必要があるんだね。

 

「じゃあ今から人形を捕まえる練習をするけど、この人形は僕のだから今回は僕に封印の糸を使わせてね?」

 

「うん、いいよ!」

 

「よし、じゃあ早速…それ!」

 

しんみょうまる人形に向かって宝石を投げる。

 

「しんみょうまる、ちょっと我慢してね?」

 

すると宝石は赤い糸となってしんみょうまる人形に絡みつく。そしてしんみょうまる人形の足元に赤い魔方陣が展開される。

 

これが「封印状態」というやつらしい。

 

「よし!この状態で倒せばいいんだよね!」

 

「う、うん…」

 

何だか拘束してるみたいでちょっとかわいそう…。罪悪感がある。

 

…でもこれからやり続けるんだから慣れないといけないと思うと、「人形の開放」を望んでいるあのメディスンという子の気持ちもわかってしまう。

 

その後何事もなく終わったが、人形二人の散り際の笑顔が頭から離れない鏡介だった。

 

 

しばらくして話し合いの結果、最初は人里で捕まえるのを提案したがあまり目立ちたくないようなので、一の道で捕まえることになった。

何でも親に内緒でやっているらしい。一応、書置きは置いてるとのことだが…まぁ、色々あるのだろう。細かいことは聞かないでおいた。

 

「一体どんな人形がいるんだろう…。楽しみだなぁ…」

 

光はこれからの出会いに胸を膨らませているみたいだ。

 

封印の糸を一つとユキ人形の入った宝石を貸してあげて、欲しい野生の人形が出たら捕まえるという段取りを予め決めた。

戦闘の方も練習もかねて光ちゃんに任せる。この辺の人形はそんなに強い人形がいないと思うから大丈夫だろう。

 

すると、近くの草むらが揺れる。

 

 

「お、早速来た?」

 

 

草むらから何かが出てくる。

 

野生のナズーリン人形だった。浩一さんがふと頭をよぎる。お元気だろうか。

 

「ネズミさんかぁ。うーん…」

 

「どうするの?」

 

「この子はいいかなぁ…。もっと私がビビッっとくる人形がいいなー」

 

ネズミの子かわいそう。速攻で倒されてしまう。もちろん一撃。

 

「よーし次行こー」

 

「う、うん」

 

その後も次々と人形が出ては倒されるというただの弱いものいじめな感じのレベリングが続いた。

ゲームにおいてレベリングは基本ではあるが…何だか虐待めいたことをしているような罪悪感を感じる。あまりいい気分とは言えない。

 

そして、約一時間が経過した。

 

「…もう多分ここにいる人形は全部見たと思うよ?」

 

「え?そうなの?」

 

中々光のお眼鏡にかなう人形は現れない。

 

「うーん、しょうがない。付き合わせてしまって本当に悪いんだけど、今度は人里で人形を探すわ」

 

「そうしよっか」

 

二人は来た道を戻ろうとしたその瞬間、

 

 

「…ッ!!?」

 

 

何か、殺気のようなものを感じて思わず背筋が凍る。

 

「…光ちゃん、今の感じた?」

 

「…うん、感じた。何、今の?あっちのほうから放ってるみたいだけど…」

 

光が指を差した道の方に何かがいる。…妖怪?それとも恐ろしい悪魔?

いずれにせよ、危険であることには変わりない。

 

「ここから離れよう、光ちゃん」

 

「…私、見てくる!」

 

そう言うと光は何かがいる道の方へ走って行ってしまった。

 

「ちょ、ちょっと!?危ないよ!?」

 

慌てて止めに入ろうと追いかける。

 

もしも危険な奴がそこにいたらただじゃ済まない。この世界にだってそういう存在はいる筈だ。

光がもし死んでしまったら、この子の親になんて謝罪すればいい?

 

必死に追いかけ、光の手を掴む。

 

「光ちゃんっ!だから危ないってば!」

 

「……」

 

光は立ち止まり、道の方向を見て固まっている。

 

「…?」

 

不思議に思い、後を追うように見上げると、

 

そこには、金髪で背中に天使の羽を生やした人形の姿があった。

 




これは何の人形か分かりやすいかな?次回、その人形の正体現る!

ちなみに光(ひかる)は、ゲーム内に登場する人里で人形使いになりたいと言っている
女の子から連想して作りました。今後の活躍にご期待下さい!


ーー追記ーー

やっと書き換えが終わったので、「台本形式」タグは消しておきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。