人間と人形の幻想演舞 作:天衣
形式を意識して文章を一部変えたりしてみました。
多分、今出している全話(序章~17章)そうします。ご了承ください。
突然眩い光に包まれ、思わず目を閉じてしまった。
数分経った後、光が収まると鏡介はゆっくりと目を開ける。
「…ッ何だったんだ今のは?…そうだ!さっきの子はっ!?」
あたりを見渡すとさっきいた小さな子はどこにもいない…完全に見失った。
「うーん…」
…でもよくよく考えたらあんな格好の子供がいるだろうか。幻覚でも見たのかな?
自分が見たのをそう解釈し、先ほど来た道に戻り始めると、
「ッ!?何だ!?」
目の前の草むらが揺れている。
何かがいるようだ。無我夢中に追いかけてしまったがここは山道、しかも田舎だ。
野生の動物がいても不思議ではない。正直いって、かなり迂闊であった。
自分の行動を反省していると、草むらにいる何かが姿を現す。
「(まずいっ!)」
そこにいたのは、
「…えっ?」
金髪のショートヘアーに全体が黒のデザインの服、白いリボンを結んだ黒い帽子、そして綺麗な金色の瞳が特徴の身長が40cmくらいの三頭身の女の子だった。
三頭身の女の子はこちらをじっと見つめ様子を窺っている。
…なんだこの子は?さっき見た子と同じ仲間?
よく見たら人間の子供にしては小さすぎるし…ゲームやアニメのキャラを可愛らしくデフォルメした感じというか…何か現実離れしている。
「おい!何ボサッとしてんだ!」
「!?」
目の前の生き物のことを考えていると、横からこれまた金髪ヘアーに黒の服、リボンを結んだ黒い帽子、そして金色の瞳の女の子が駆け寄ってくる。
こちらは頭身を見るに人間のようだ。魔女っぽい恰好をしている。…ん?どこかで見たような?
「お前人形が出てきたのに何で何もしないんだよ!?」
「…人形?」
『人形(にんぎょう)』というワードに疑問を浮かべる。突然何を言っているのか。
「ん?お前人形を知らないのか?」
やってきた金髪少女は、少し考えた後にこう言った。
「…お前、もしかして外の世界から来たのか?」
…この子が何を言ってるのかサッパリわからない。ちょっと頭が心配になるレベルだ。
だが金髪少女は、話についていけない鏡介を尻目に話を続ける。
「そういう事なら教えてやる。いいか?目の前にいるあいつが人形だ。ある日いきなり現れて好き勝手暴れてやがる。」
「はぁ…」
人形?人形ってあの布に綿詰めたあの人形?日本の技術はいつの間に人形をあんなに精密に生き生きと作れるようになったのだろうか。
今まで見た事も聞いたこともないぞ。
「厄介な事に人形には人形しか対抗できない。だからこっちも人形を持っていれば戦えるんだがお前は…持ってないか。」
「えーっと…」
え?人形って戦うものなの?どゆこと?
きょうすけは こんらん している! ▼
すると痺れを切らしたのか人形が、
「ん?」
「っ!?」
こちらに向かって走って来ていた。
「何かこっちに来てます…。」
「まずい!こいつらは本当に危ないんだ!ただの人間のお前じゃすぐにやられちまう!」
人形は鏡介の目の前に来てピタリと立ち止まると、またこちらを見つめている。襲ってくる様子はない。
「……」
本当に危険なのだろうか?こんなに小さな人形というものが。
この時の自分は正直、そうは思えなかった。
人形も何やら構って欲しそうにしている様に見える。そうだ、試してみよう。
鏡介はその場にしゃがみ込み、人形と同じ目線に立つ。
「お、おいやめとけって!何されるかわからないぜ!?」
「多分大丈夫です。敵意を一切感じないから。…おいで?」
優しい表情で人形に向かって手を出した。すると、
「♪」
嬉しそうに近寄り、その小さな両手で自分の手をギュッと握ってくれた。
「おっ」
やばい可愛い。思わず口角が少し上がってしまう。
「なっ…」
金髪少女は信じられないという顔をしている。
「…おいおい。まさか、お前に懐いたのか?」
「え?まぁ…そうなのかな?」
「♪~」
人形と戯れながら鏡介はそう答える。
「おかしいな。普通の人形は封印の糸を使わなきゃ言うことを聞かないはずなんだが…」
「人形が特別なのか…いやそれともお前が…なのか?」
「?」
金髪少女はまた考え込む。
「…うーん、よくわからんな。まぁ、わからんことをグダグダ考えてもしょうがない。とりあえず博麗神社で色々と教えてやるから私に着いてきな。」
「神社に?いいですけど……あっ!」
ここで自分が軽い遭難状態だったことを思い出し、声を上げる。
「どうした?」
「あーいや、友達と一緒に神社に来てたんだけどはぐれて一人でここに来ちゃったの忘れてて…もしかしたら心配かけてるかも。」
色々あって忘れてたけど、あいつの事スッカリ忘れてた。
あれからどれくらい時間がたったのだろうか。まだ神社にいるといいんだけど。
「…まぁ今はとりあえず着いてこい。ここは危険だから。」
「…?わかった。」
…何やらここは危ないから場所を移すとのことらしい。
どういう事かはわからないが、正直言ってこんな山道の奥に来てしまい帰り道が分からないので、とりあえず彼女の言うことに従う。
「…お前も来るか?」
人形に語り掛ける。元気よく首を縦に振った。着いてきてくれるようだ。
「オッケー、いこう!」
鏡介はそう言うと人形を胸元に抱き抱えて立ち上がり、金髪少女の後に着いていくのだった。
主人公・舞島 鏡介が出会ったのは人形は?次回に続く!