人間と人形の幻想演舞   作:天衣

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ーー追記ーー
形式を意識して文章を一部変えたりしてみました。
多分、今出している全話(序章~17章)そうします。ご了承ください。


第三章

人形を抱き抱え、金髪の少女の後をついていく。

 

「そういや自己紹介がまだだったな。私は霧雨 魔理沙(きりさめ まりさ)だ。よろしくな!」

 

「あ、はい。僕は舞島 鏡介(まいじま きょうすけ)です。こちらこそよろしく」

 

軽くお互いに自己紹介をし合う。…きりさめ まりさ?やっぱりどこかで…

 

「お、そろそろ着くぞ」

 

魔理沙の案内で無事に山道を降りることが出来た。

ひとまずは安心だ。

 

 

 

そして、再び博麗神社本殿前にやって来た。

 

「こっちだ。着いてこい」

 

「…え?」

 

明らかにおかしな現象が起こっていた。

まず、ボロボロだったはずの神社が見違えるように綺麗になっていた。絵馬掛所や手水舎もきちんとしている。そして賽銭箱の中身。…入れたはずなのに空っぽだ。

 

「おい!何うろちょろしてんだ?」

 

「え…あ…ごめん」

 

さっきから本当に何が起こっているんだ?こんなの普通じゃあり得ない。

 

鏡介は目の前の現実を受け入れられずにいるが、とりあえず魔理沙の後に着いていく。

 

「おーい、いるかー?」

 

魔理沙が勢いよく襖を開けると、そこにはお茶を飲んでくつろいでいる緑髪の巫女さんがいた。

 

「あら魔理沙さん。おかえりなさい」

 

「早速で悪いが、こいつの事なんだけど…」

 

「…ど、どうも…」

 

魔理沙の後に部屋に入り、そっと襖を閉める。

 

 

少女説明中……

 

 

「…なるほど。それで舞島さんをこちらまで連れて来たということですね。そういうことでしたら、説明は私に任せて下さい!」

 

「あぁ、説明は苦手だからな。そうしてくれると助かるぜ」

 

「…楽もできるしな」

 

魔理沙の調子のいい発言に早苗と呼ばれている女の人は苦笑いしつつ、

 

「コホン!」

 

咳ばらいをし、話を始める。

 

「私は東風谷 早苗(こちや さなえ)といいます。ここは舞島さんの住んでいる所から結界で隔離された場所。幻想郷(げんそうきょう)というのですけど」

 

「…えぇ!!?」

 

「!?」

 

鏡介の突然の大声に、人形はビックリする。

 

「(今何って言った?幻想郷!?それってゲームの世界に出てくるところだろっ…!?)」

 

「あれ、もしかしてご存じななんですか?それなら話は早いですね。えっと」

 

「ちょ、ちょっと待って!色々待って!」

 

頭を抱える。そんな馬鹿な話があるか。

 

「…あの、確認したいんですけど」

 

「…はい」

 

「僕は友達と一緒に博麗神社に観光に行ってたんですけど、その…僕の友達…大森っていうんですけど、そいつは…ここにいますか?」

 

自分は今、大分頭が混乱している。せめて身内がいないかを確認して安心したいという感情が働く。

 

そして、それを聞いた早苗は心情を察してこう言った。

 

「…ふむ、どうやら色々と混乱なさっているようですね。 分かりました、説明しましょう」

 

「…?は、はい」

 

細かく今の状況を説明する必要があると判断した早苗は、一旦話を切り替える。

 

「そっか。まぁお前からしたら今起きていることは理解出来ないよな」

 

「えぇ。最初に説明をするべきでした」

 

一から説明をし直してくれるようだ。常識のある優しい女の人で良かった。

 

「……お願いします」

 

「はい。では舞島さん。まずあなたが置かれている状況を説明しましょう」

 

「あなたは、神隠しにあってしまったのです。こちらでは『幻想入り(げんそういり)』と呼んでいますが」

 

「…神隠し?幻想入り?」

 

「はい。先程も言いましたが、ここは忘れ去られたものがたどり着く世界。

 普段なら、あなたのような一般の人達は結界で隔離されているこの世界に来ることは出来ません」

 

「…普段なら、ですか」

 

「…春頃でしょうか。突然人形が各地に現れ始めたんですが、未だに原因はわかっておりません。あまりの人形の数に、私達も対処しきれない状況です」

 

「……」

 

また人形というワードだ。どうもこの人形が今の状況に関係しているのか?

 

「とりあえず結界を強めて外の世界に影響は出ないようにしているはずなんですが…。こうして舞島さんが迷い込んでしまった以上、完全ではなかったようですね」

 

 

…成程。大体だけど理解は出来た。

未だに信じられないが、ここは幻想郷らしい。自分はその人形にこちらの世界に飛ばされたと、そういうことみたいだ。

 

…あの八雲 紫にそっくりな人形によって。

 

最後に一番聞きたいことを質問する。

 

「あの、それで聞きたいんですけど」

 

「はい、何でしょう?」

 

「元の世界、自分がいた世界にはちゃんと帰れるんでしょうか?」

 

「…それはおそらく今は無理です。結界を強めている状況ですから…」

 

早苗は申し訳なさそうな顔をしながらそう答える。

 

「…そうですか。分かりました」

 

 

「「「……………」」」

 

 

少し重い空気になってしまう。振っておいてなんだが申し訳なくなる。すると、

 

「…ん?どうした?」

 

人形が袖を引っ張っているので正面に人形を向ける。

表情を見るに心配してくれているみたいだ。

 

「…慰めてくれるのか?ありがとうな」

 

何ていい子なのだろうっ!

この人形が今回の神隠し…幻想入りだったか?を引き起こす原因になったみたいだけど、今の仕草で何でも許してしまいそうだ…。

思わず帽子越しに頭をなでなでする。

 

「♪~」

 

「あら、人形と仲良しなんですね!」

 

「え!?あ、まぁ…」

 

「あぁ、不思議なことにその人形は封印の糸を使ってないのにそいつに懐いてるんだ」

 

「へぇ、そうなんですか!それはすごい!」

 

「アハハ…」

 

シリアスな空気から一変、少し和やかになった空間の中で誰かが襖を開ける。

 

 

「こんなにぞろぞろと何の騒ぎ?」

 

 

茶髪のポニーテールに赤と白の服を着た巫女さんが襖から出てくる。

…こっちの世界の巫女さんは大胆な服装してるなぁ。

 

「お、ちょうどいいタイミングで戻ってきたな!この舞島ってやつ、外の世界から来たみたいだぜ!」

 

「ふーん……なんか多いわね最近」

 

「しかも人形が懐いてるんですよ!」

 

それを聞いた紅白の巫女は表情が険しくなり、こちらをじっと睨みつけた。

 

「ーッ」

 

すごい気迫だ。睨みつけるだけでこんなにオーラが出るものだろうか。

思わず息を飲む。

 

「……。関係はなさそうね。どうせ監視もついてることだろうし」

 

そう言うと紅白の巫女は表情が和らぎ、普通の人間として話しかける。

 

「舞島、だったかしら。余計な首は突っ込まないことね。どうせ今は帰れないんだから、この異変が落ち着くまでどこかで静かにしてなさい」 

 

「は、はぁ」

 

そう忠告すると紅白の巫女はスイッチを切り替えたかのように、

 

「ほら、私は疲れてるのよ。部外者は出て行った出て行った!」

 

部屋にいるもの全員を無理矢理、外に追い出した。

 

 






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