人間と人形の幻想演舞   作:天衣

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ーー追記ーー
形式を意識して文章を一部変えたりしてみました。
多分、今出している全話(序章~17章)そうします。ご了承ください。


第四章

三人は博麗神社の本殿付近に佇んでいた。

 

「追い出されてしまいましたね…」

 

「はい…。」

 

「舞島さん、先ほどの方が結界を司っている博麗 霊夢(はくれい れいむ)さんです。口ぶりからして、やはり結界は弱められそうにないですね…。」

 

「…あの人が…」

 

大森と意気投合していた中年男性が言っていた人物の名前だ。

東方projectの主人公。…やっぱりここは幻想郷で間違いないみたいだ。

いまいち信用が出来なかったが、早苗の今の言葉で確信せざるを得なくなる。

 

「ま、そんな不安がることはないぜ!私がパパっと解決してきてやるからさ!お前は早苗とここで日向ぼっこでもして待ってな。」

 

「え?いやそれはちょっと…」

 

「あはは…」

 

この事態を女の子達に任せて自分だけ何もしないのはどうなのか。

…仮にも男だし?何か手伝えればいいんだけど…

 

「何だお留守番じゃ不満か?やめとけやめとけ。お前に出来ることなんて…」

 

そう言いかけて魔理沙は話を止め、

 

「…いや」

 

考え込む。

 

そして魔理沙は二ヤリと笑った。何かを思いついたようだ。

 

「それなら私がお前を試してやるぜ」

 

「え?試す?」

 

「さっき付いてきた人形がいるだろ?そいつを私の人形と人形バトルで戦わせるんだ」

 

「こ、この子を戦わせる!?そんな無茶な…」

 

小さく愛らしいこの人形を戦わせるという魔理沙の鬼畜発言に困惑する。

 

「おい舞島。あったばかりの時も言ったが、人形はお前が思っているようなただの可愛い生き物じゃない。手強くて弾幕も撃てるし普通に強いぞ。」

 

「え?あ、そういえばそんなこと言ってたっけ…」

 

「大体、人形がその程度の奴だったら私も霊夢もこんなに苦労してないっての」

 

「そうですよね…」

 

かわいい見た目に反して実は危険だというのは、自分のような可愛い物好きには認可しづらい、というかしたくないな…。

 

「それじゃ話を戻すぞ。お前とその人形の力を試してみようと思うんだが…そうだな、お前は初心者だからな。準備ぐらいはさせてやるよ」

 

何だか気は進まないが、この子を戦わせることになった。

 

「…あのー、ちょっといいですか?」

 

「何だ?」

 

「戦うっていったってどう戦うんでしょう?」

 

いまいち想像が出来ない。見た目は普通の女の子だし。

 

「…あーそうだった。まだ人形バトルをしたことなかったなお前は」

 

「人形バトル?」

 

魔理沙は軽く頭をかき、どうしたものかと考えている。

説明は苦手と言っていたからどうしたものか悩んでいるのだろう。

 

「…おい早苗。ちょっと付き合え」

 

「はい?」

 

魔理沙は早苗を呼ぶと、コソコソ話を始めた。

 

「あいつにちょっと人形バトルを教えてやってくれよ。戦いながらさ」

 

「私がですか?まぁいいですけど」

 

魔理沙と早苗は話し合った後、鏡介の見やすい位置に移動しお互いに一定の距離をとる。

 

「よし舞島。今からお前に人形バトルがどんなものか見せてやるよ」

 

「よく見ててくださいね~」

 

どうやらお手本を見せて貰えるようだ。

 

「はい、お願いします」

 

魔理沙と早苗による人形バトル(チュートリアル)が幕を開けた。

 

「行くぜ! まりさ! でてこいっ!」

 

そう魔理沙が言いながら何やらひし形の小さな宝石を勢いよく投げつけた。

すると宝石は光輝き、そこには魔理沙にそっくりの人形が出て来た。

 

「…おお!?」

 

思わず声を上げる。魔理沙がモデルの人形が出てくるとは思わなかったので不意打ちを食らった。

 

「こちらも行きますよ! さなえ! でておいで!」

 

早苗も続いて人形を出す。そして早苗にそっくりの人形が出てくる。

 

「おお…(自分の人形を持ち歩いているんだ…)」

 

「では説明しますね。まずはこのようにお互い戦わせる人形を出します。そしたらバトル開始です」

 

「始まったら次に指示を人形に出します。魔理沙さんお願いできますか?」

 

「おう! まりさ! 陰の気力だ!」

 

攻撃の指示を受けたまりさ人形は、手に持ってる箒を振り回し赤い弾幕を放つ。

赤い弾幕は一点に集中するように飛んでいきながら、さなえ人形を襲う。

 

「ーッ!!」 

 

放った弾幕を早苗人形はまともに受け、軽く吹き飛ばされる。

しかしさなえ人形はすぐに起き上がりスカートについた砂を払うと、定位置に戻り早苗の指示を待っている。

 

「(…どこかで見た感じがするな…)」

 

早苗のターンが回ってくる。

 

「では今度はこちらの番です! さなえ! 陽の気力!」

 

攻撃の指示を受けたさなえ人形は手に持っているお祓い棒をかざし、そこから青い弾幕を放つ。

青い弾幕は扇状に広がりながら、まりさ人形を襲う。

 

まりさ人形は飛んでかわそうとするが、

 

「ッ!?」

 

完全にはかわしきれず、何発か被弾し落下してしまう。

しかし落下したまりさ人形はすぐに起き上がり、少々悔しそうな顔をしながら魔理沙の指示を待っている。

 

「(…そうだ!ポケ〇ンだ!それならわかるっ!)」

 

「…とまぁ、こんな感じで人形達に指示を出して戦うのが人形バトルの基本です。

 バトルをして先に相手の人形を倒した方が勝ちとなります。舞島さん、おわかりいただけたでしょうか?」

 

これならば経験してるし少しは自信がある。殿堂入りしたし。

 

「オッケー、ばっちり理解できたよ!」

 

「お、珍しくいい返事だ!それじゃ改めてお前たちの力、試させてもらうぜ!早苗と場所交代して定位置に着きな!」

 

「わかりました」

 

「頑張ってくださいね」

 

早苗は自分の人形を宝石の中に戻し、移動する。

 

 

初めての人形バトル。

 

正直言って不安しかないが、このバトルがあの有名なゲームと一緒ならやったこと

がある。多少の自信がある鏡介は堂々とバトルフィールドに向かった。

 

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