人間と人形の幻想演舞 作:天衣
絶体絶命のピンチ。
強敵レミリアの前に、人形バトルで初めて「敗北」をしてしまうかと思われた。しかしその時、
「……ユキ?」
「な、何だあれは…?」
突然、炎の渦が激しく舞うとユキ人形は立ち上がる。
金色の気を全身から放って立ち尽くし、そして閉じていた瞳をゆっくりと開いた。
それと同時に、周りの炎の渦も消え去っていく。
「(間違いない。これはあの時の…)」
鏡介はこの現象に見覚えがあった。
光の人形である「げんげつ人形」を一緒に捕まえた際に見た、謎の覚醒現象。
スカウターの数値には、ユキ人形のステータスが大幅に上昇していることが示されている。
これによって一時的に覚えた技も数多くあり、それはどれも強力なものばかりだ。
何故これが今になって発動したのかは分からない。何せあれっきりだった。
しかし、この人形バトルに大きな勝ち筋が出来たのは間違いないだろう。
「…いけるか? ユキ!」
鏡介はユキ人形に呼びかけた。するとユキ人形は、こちらを向いて静かに頷く。
どうやらあの時とは違い、最初から理性をしっかり保てている。力を制御出来ずに暴走してしまうという心配はなさそうだ。いける、これなら…!
「…どんなトリックを使ったのかは知らないが、それでも暴走したこの人形は止められまい!」
レミリアの忠告と共に、暴走し殺意の波動に目覚めたフランドール人形は奇声を上げながらユキ人形に襲い掛かる。
「パニックコール」による、不協和音で聞く者を狂わせる音波攻撃が飛んできた。
「 ウルトラハイトーン だ! 」
鏡介から指示を受けたユキ人形は大きく息を吸い込むと、同じく強力な高音の音波攻撃を放つ。
そのままだと鼓膜がどうにかなってしまいそうなので、あらかじめ耳は塞いでおく。
強力な音圧のぶつかり合いが起こり、この空間全体に混じり合った音が響き渡る。
「…!?馬鹿な…タイプが一致している訳でもないというのに…!?」
闇タイプで一致している「パニックコール」の最大火力を、不一致である技でほぼ互角…それどころか、フランドール人形の方が僅かに負けている。
差は徐々に広がっていき、やがてフランドール人形に技が命中。そのまま吹き飛ばされた。
「 バーンストライク! 」
ユキ人形は炎を全身に纏い、猛スピードで突撃した。
そして吹き飛ばされている状態から更に追撃をする形で、フランドール人形を跳ね飛ばす。
フラン人形は宙に放り出されてしまった。
「 今だ! 彩光百花(さいこうひゃっか)! 」
ユキ人形は足を広げ、低く腰を下ろし、両手を構える。
すると、ユキ人形はその場から姿を消した。
「なっ…ど、どこにいった…!?」
突然の出来事にレミリアが困惑していると、宙に舞っているフランドール人形の背後にユキ人形の姿が現れる。
そしてそのまま、ユキ人形は両手に込めたエネルギーを無慈悲にその人形へと解き放った。
鮮やかな緑色の極太レーザー砲が、フランドール人形を勢いよく地面に叩き付ける。
「うわっ!?」
「ぐっ…!?」
その衝撃で発生した眩い閃光が、トレーナー二人を眩ませる。
やがて光は収まると、地面の中心には大きなクレーターがあり、その周りにはヒビが割れている。そしてそこには、フランドール人形が倒れていた。
攻撃を終えたユキ人形は華麗に着地を決め、腕を組みながら様子を伺う。
『全く、妹様の人形以上に滅茶苦茶な威力ね。……一応、確認はするわよ』
「(…妹様?)」
パチュリーはそれを確認すると、ゆっくりとフランドール人形の元へと移動する。
「もう見るまでもない」という言い方をしながらも、しっかり審判の役割を遂行してくれていた。
『…フランドール人形、戦闘不能。ユキ人形の勝ち、ね』
目を回しているフランドール人形を見て、パチュリーはそう宣言した。
レミリアは口を開けたまま、先程のバトルの一部始終を見ていた。
何が起こったのか理解が追い付かず、唖然としている。
「(この私の目にも、まるで分らなかった。瞬間移動…?あれがあの人形の俊敏値だとでもいうのか?
それに、あの人形の中にあるアイテム…「パニックコール」でも引き剥がせないなんて…くそっ!やはり、さっき見えたアレは…そういうことなのか)」
「…戻れ。フランドール」
レミリアは戦闘不能となったフランドール人形を封印の糸へと戻した。
彼女の中で、この人形バトルにおいて決めてある自己ルールがある。
それは「自分の能力で勝敗を操作しない」こと。人形バトルはフェアであるべき、そう思っているからだ。
だが、レミリアはその自分で決めたルールを破ってしまった。
何故か?それは「勝ちたかった」、「負けたくなかった」からに他ならない。
人形バトルは今まで無敗。自分以上に強い人形遣いはいないと、そう思っていた。
パチュリーの協力の元、魔法で作り出した仮想空間での人形バトルを毎日行うことで、レミリアは己の人形を鍛えている。
あらゆる人形のタイプ、技、アビリティを知り尽くした知識を生かし、完璧な作戦を立てての勝利…それがレミリアの人形バトルであった。
既に能力など使うまでもない領域へと、彼女は辿り着いていたのだ。
しかし、鏡介という外来人との人形バトルは今までのものとは何もかも違った。
予想もつかない行動、場の観察力、彼のバトルセンスはシュミレーションにはない独自性があり、レミリアはいつもの実力を出せていない。
それが何時しか焦りとなり、自身の能力である「運命操作」を使うことで、フランドール人形のアビリティを無理矢理発動させた。
…その判断がまさか、このような結果になろうとは思いもしなかった。
「…運命を捻じ曲げようとした報い、というやつか」
「?」
「こっちの話さ。…さて、これで一対一か」
レミリアは自身の人形の入った封印の糸を見ながら、そう呟く。
すると、魔法水晶がレミリアの元へとやって来た。
『これは、いよいよ分からなくなってきたわね』
「何だ、バトルの勝敗なんて興味ないんじゃなかったのか?」
『…あの人形の急なパワーアップに、少し興味が沸いた。それにあなたの人形が敵うのかも、ね』
「…私も、あんなのは初めて見た。面白い奴だよ、全く」
「(うーん…やっぱり、これってユキだけに起こる現象なのかな?)」
二人の会話と今までの経験から察するに、この強化は「ユキ」だけの特権らしい。
しんみょうまる人形やこがさ人形では起きない、特別な力。夢の世界で、二体がユキだけは他と何かが違うと言っていたのが引っ掛かる…それと何か関係が?
…いや、今それを考えるのはよそう。
「言っておくが、負けてやる気は更々ないぞ?」
レミリアは手に持っている運命の糸を強く握りしめ、鏡介を見据える。その瞳には、闘志が宿っていた。
「…はい、こっちだって!」
そうだ。今はこの熱い人形バトルを、精一杯楽しもうではないか。
「 永遠に幼き紅の女王!! スカーレットアバター!! 」
レミリアは最後の一体の入った運命の糸を掲げ、力強くその名を呼ぶ。
運命の糸は純白な白から漆黒の黒へとその色を染める。すると糸は無数の蝙蝠達へと変化し、バトルフィールドへと集まり出した。
そして蝙蝠達の集合体は一つの小さな人型となり、その背中からは大きな悪魔の翼が広がる。小さな人型は徐々にその姿を現し、目覚めた。
「スカーレットアバター」の登場である。
「さぁ行くぞ!舞島 鏡介!」
『…最終ラウンド、始め』
互いの人形が揃ったことを確認したパチュリーは、審判として最後の戦いの始まりを二人に告げる。
「スカーレットアバター! スピニングエア!」
「ユキ! スターフレア!」
風と光の弾幕が、互いを押し合いながら激しくぶつかる。
気象の恩恵でこちらに分があると思いきや、押し勝てずに均衡していた。やがて弾幕同士は激しく衝突し合う中で大きな爆発を引き起こす。砂煙が舞い、視界が悪くなった。
覚醒を果たしてようやく互角の勝負になる辺り、やはりこのレミリア人形は相当手強い。
「…クククッ、ようやくこの私の人形と互角に渡り合える相手が現れた。ならば、もう出し惜しみはしない!」
「…!(何かするつもりだ。止めないと…っ!)」
「ユキ! インフェルノ だ!」
レミリアが何かを企んでいるのを察知し、鏡介は先手を打つ。
ユキ人形に広範囲を焼き尽くす強力な技「インフェルノ」を指示し、視界の悪い中でも当てられるよう攻撃を仕掛けた。
灼熱の業火がうねりを激しく上げながら、レミリア人形に襲い掛かる。
「 まずはこの目障りな光を消し去るっ! 終焉の静風(しゅうえんのせいふう)! 」
レミリア人形は翼を大きく広げ、それを仰ぐことで風を発生させる。
そよ風程度のものにも拘わらず、その風はユキ人形の放った炎を寄せ付けない。
それどころか風は炎を容易に消し去り、そのまま相手を襲う。実際の風の強さとは矛盾した強烈な衝撃により、ユキ人形は大きく吹く飛ばされる。
「そんなっ!?「インフェルノ」がどうしてあんな技で!?」
「これは一応、奥の手だったのだがな…状況が状況だ。これで厄介な「極光」は消させて貰ったよ」
「…なっ!?」
レミリアに言われ、鏡介は上を見上げる。
先程までカンカン照りだった空は、紅い月を映し出す窓の照明へと戻っていた。
「(…そうか!さっきの技は…)」
「気付いたって顔だね。ご想像の通り、「終焉の静風」は気象をリセットさせ威力を倍増させる効果がある。
これでさっき見た瞬間移動する技も怖くない。あの技は本来、力を溜める時間が必要な技なんだからな」
「くっ…」
「さて、これでこちらの攻撃の準備は整った!スカーレットアバター! ウィンドジャベリン!」
レミリア人形は手元に旋風の槍を生成し、それを手に持つ。
鏡介は身構えるが、攻めてくる様子はない。何をするつもりだ?
「刮目するがいい!「合体技」だ!」
「 スマッシュスピン! 」
レミリア人形は槍を持ったまま、その場で高速回転を始める。
風技と風技の融合により、回っているレミリア人形は何者も寄せ付けない大きな竜巻となった。
「フフッ、案外やれば出来るものだ!それ突撃ぃ!」
巨大な竜巻がユキ人形に向かいゆっくりと襲い掛かる。
その勢いに立っていられるのがやっとなユキ人形であるが、必死に踏ん張りながらもこちらを見つめ指示を待っていた。
「頑張れユキ! フラッシュオーバー だ!」
ユキ人形は両手から無数の火球を出し、それをレミリア人形に放つ。
しかし、竜巻と化したレミリア人形の力で無念にも攻撃が弾かれてしまう。
「…!?」
「無駄だ!もはやどんな攻撃も、このスカーレットアバターには通用しない!」
鏡介がそのことに驚くのも束の間、ユキ人形は竜巻に巻き込まれてしまい、上空へ大きく吹き飛ばされる。
竜巻に激しく振り回されて抵抗する力が失われたユキ人形は、そのまま頭から落下していく。
「…ユキ!目を覚まして!!ユキッ!!」
「ふん、もう終わりだ。奴はただでさえ負傷している状態。そのまま落下してお前の負け…そして、私の勝ちだ!」
必死に呼びかけるが、ユキ人形は目を覚まさない。
このままだと落下の衝撃で、間違いなくユキ人形は戦闘不能。こちらの負け…そんなのは嫌だ。勝ちたい…絶対に!
「 ユキィィーーーーーッ!!!! 」
鏡介の心の底からの魂の叫びが、バトルフィールドに響き渡る。
『……ッ!!』
「ば、馬鹿な!?一体あの人形のどこにそんな力が!?」
「…! ファイアウォール で着地の衝撃を和らげてっ!」
その声が届き、ユキ人形は目を覚ました。
ユキ人形は指示通りに炎の壁を地面に向け、そのままぶつけることで落下を防ぐ。
そのまま着地を決めるが、足元がおぼつかなく息も相当荒い。レミリアの言う通り、もう限界なのは明白だ。
次の攻撃で決めないといけない。相手はまだ一度もダメージを追っていないとなると、相当強力な技を当てる必要がある。
落ち着け…焦ってもいけないが、じっくり考える暇もないぞ。
あの竜巻攻撃は、恐らく正面からでは攻撃が全く通用しない。敵ながら見事な連携技だ。
あれをされ続けたらこちらにまず勝ち目はないだろう。どうにかして、あの状態から攻撃を当てる方法を考えなければならない。
…あの技を、どうにかして当てられればいけるか?しかし、どうやって?あれは隙の多い技だ。
ただやるだけじゃ警戒して発動前に迎撃されてしまうだろう。
相手は竜巻…巨大な渦……渦の安全地帯と言えば…
「(そうだ!上からなら攻撃が通るじゃないか…!でも、問題はどうやってあそこまで行くかだな…)」
「しぶとい奴だな…だが、これで止めを刺してやるっ! スカーレットアバター! スマッシュスピン!」
「回転を更に早めろっ!念には念を入れてな!」
『ちょっとレミィ。そんなことしたらこの空間のもの全部巻き込んじゃうわよ』
「じゃあパチェ、魔法で私と咲夜、舞島 鏡介を守るバリアを張れ!ここまで来たら絶対に負けられないっ!」
『…はぁ、しょうがないわね。ほいっと』
レミリア人形の竜巻が先程よりも出力を上げ、この空間を覆ってしまうくらいの巨大のものとなる。
鏡介、レミリア、咲夜には魔法で出来たバリアがある為、影響を受けずにいられるが…
「ユ、ユキ!」
ユキ人形はこの風の渦に再び飲み込まれてしまう。
「(くそ…このままじゃやられる!ユキの覚えている技…「ファイアウォール」では精々巻き込まれてる障害物の衝突を防ぐことしか出来ない。
他の技だってこの状態じゃまともに当たる訳がないし、当然弾かれる。かと言ってこのままだと上に行くまでにユキが力尽きてしまう…)」
「(……待て?障害物…っ!)」
鏡介はある作戦が閃き、障害物を注意深く観察する。
理想的なものがないか一つ一つの障害物の材質まで見極め、そして見つけ出した。
「あれだ! ユキ! あの玉座に テルミット で金属部分に引っ付け!」
レミリアが鏡介を待っている際に座っていた玉座。
鏡介はそれに目を付け、僅かに存在する金属部分に賭けた。
竜巻の中にいる中、何とかユキ人形は飛ばされている玉座へしがみ付き「テルミット」で自身の両手を溶接する。
この固定された両手により、ユキ人形にかかる竜巻の負担を軽減させることに成功した。
「よし、いいぞ!ファイアウォール で他の障害物を防ぐんだ!」
「ちっ!悪あがきを…!だが竜巻の威力が上がったことでそのまま行けば天井にぶつかる!どっちにしても大ダメージだ!」
レミリアの言う通り、彼女の人形が作り出した強大な竜巻の頂点は天井に近いくらいになっている。
仮にこの竜巻からユキ人形が解放されたとしても、その勢いで天井に打ち付けられてしまうだろう。
「ユキ!天井に向かって バーンストライク!!」
「玉座ごと、突っ込めえぇーーーっ!!!」
ならば、こうだ。
半ば強引な手ではあるがその勢いを逆に利用し、更に「バーンストライク」での追撃をかます。
その強力なパワーによって天井は徐々に亀裂が走り、ついに…
「な…て、天井が…!」
『…あれまぁ』
「いっけえぇーーーーーーっ!!!」
ユキ人形は天井に大きな穴を派手に開けた。
両手にくっつけた玉座は砕け散り、ユキ人形は遥か上空…渦の中心にいる状態となる。
「ユキ! エンカレッジ!」
「(エンカレッジ…!?何故このタイミングで?)」
ユキ人形は口から音波を出し、渦の中心にいるレミリア人形に聞かせる。
「これで決めるっ! ヴォルケイノ だ!!」
天井の空いた空から見える紅い月が、眩く光る球体へと変わっていく。
それは徐々に膨らんでいき、強大となって太陽のような存在感を放った。
「(…!何か、大技が来る!…だが、幸いここからだと距離もあるし直撃は避けられる)」
「スカーレットアバター!攻撃を一旦中止して攻撃を避けることに……!」
レミリアは先程、鏡介がユキ人形に下した指示を思い出す。
「エンカレッジ」…攻撃技ではなく、補助技であるこの技の効果は、
「(一定の間、最後に使った技しか…使えなくなる!……し、してやられたっ!)」
レミリアは鏡介があのタイミングであの技を出した意味をたった今理解する。
そう、隙の多い大技を避けさせない為の技固定…レミリア人形はその間、ずっと「スマッシュスピン」を使い続けることになってしまった。
「…フッ、フフ……やはり、私が勝てない運命は変えられなかったようだ。…見事だよ、舞島鏡介」
レミリアは口元でそう呟き、竜巻の中心から太陽が落ちてくるのをただ静かに見守った。
そして太陽は地面に着弾すると、それに巻き込まれたレミリア人形と共に地面から巨大な火口が生えてくる。
火口は大噴火を引き起こし、火口の中に入っていたレミリア人形はそれに直撃…その勢いは天井を超えるぐらいの高さであった。
しばらくしてレミリア人形は黒焦げの状態で地面に落下。パチュリーが確認を行い、戦闘不能の判決が出た。
ユキ人形の方は気を失っている状態で落ちてきたのを、こちらで何とかキャッチ。こちらも戦闘不能の為、この人形バトルは「引き分け」となった。
「…舞島 鏡介」
「はい」
「今夜は本当に楽しかった。人形バトルの奥深さ、可能性を大いに感じたよ。本当にありがとう」
「いえ、そんな…」
人形バトルを終えたレミリアと言葉を交わし、握手する。
こちらだって、こんなに熱くなれたのは初めてだ。人形バトルがこんなにも楽しいものだったなんて…でも、やっぱりやるからには勝ちたい。
今回は引き分けになってしまったし、まだまだ勉強不足だと感じる一戦だった。
「実戦経験はやはり大事だな…まぁ、あまり外に出られない身としてはこれが結構難題なんだが。実を言うと、君が初めての実戦相手だったんだ」
「(あ、そっか…この人は吸血鬼だから夜にしか基本行動は出来ないよな…)」
鏡介はレミリアの境遇を理解し、少し同情した。
人間は問題なく朝から晩まで行動出来るものの、夜しか行動できないレミリアは時間がすごく限られる。
夜になると流石に人形遣いも全然いないし、滅多に人形バトルは出来ない。…だから、ここに僕を呼んだのか?
「…あの」
「?」
「もし良かったら、これからも人形バトルに付き合いますよ。異変解決が優先にはなっちゃいますから、いつになるのかはちょっと分かりませんけど」
「…!ほ、本当っ!?」
レミリアは鏡介の提案に羽をパタパタ動かし、嬉しそうな顔を浮かべる。
カリスマのある風格から一変、いつぞやの幼い部分のレミリアが顔を出したようだ。
「フフッ、今度やる時は絶対勝って見せるわ。覚悟しなさいっ!」
「こっちだって。負けませんよ」
鏡介とレミリアは互いに人形遣い同士のライバルと認め、友情を育むのであった。
『(…天井の修理、美鈴に任せるか)』