人間と人形の幻想演舞   作:天衣

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断章7

幻想郷の人形の所持者達は、突如現れた謎の生き物「人形」についての緊急対策会議を開いていた。

 

 

「今回集まって貰ったのは他でもない。この宴会で得た人形の特徴についての情報を整理して、それで私達が今後どう対応していくかを考えていきたい」

 

 

参加者は私を始め、魔理沙、咲夜、早苗、アリス、人形に興味が尽きない「河城 にとり」、それに加えて「稗田 阿求」の系7人。

人里の代表である阿求にもこのことは話しておいた方が良いという判断で、会議をする場所として稗田邸の一室を借りるついでに参加して貰っている。

純狐は呼ぼうにもあの決勝戦以来姿がなく、いつの間にか消えた。全くどこまでも勝手な奴だ。

 

「…それで、一体何なのですか?この「人形」という生き物は?「これが幻想郷の脅威になるかもしれない」、とのことでしたが」

 

「あぁ、説明しよう」

 

今初めて人形を目にした阿求に、魔理沙がその生態を説明し始める。

 

当の人形達はというと、れいむ人形が優勝賞品の「ウルトラ有頂天セット」を幸せそうに頬張っているのを横目に、他の人形達が恨めしそうに涙目で眺めている。

人形達にとって、あのお菓子の山は至福の甘露。それを独り占めされてさぞ負けた人形達もご立腹だろう。

しかし、あれは勝者にのみ与えられたご褒美。それを横取りせず、ただ悔しそうに眺めているのもそれをちゃんと理解しているからなのか。律儀な奴らだ。

 

「…成程。霊夢さん達では直接どうにも出来ない…それは厄介ですね。そうなると頼れるのは同じ「人形」しかないと、そういうことですね?」

 

「理解が早くて助かるぜ」

 

 

「…となると、決勝戦の霊夢みたいに人形をこちらで上手く制御出来るようにならなくちゃいけないわね。それにはもっと研究資料が必要になるけど…」

 

「真っ先に作るべきはやっぱり「マジックアイテム」だな。パチェの奴にも協力して貰うか」

 

「はいはい!それ私にも参加させておくれよ!そういうアイテム作りは得意だし!」

 

魔理沙、アリス、にとりの三人が何やら始めようとしているみたいだ。

「人形を制御する」…か。確かに、私の人形のような都合の良い動きを他の人形も見せてくれるとは限らない。

 

「そういや霊夢、どうしてあの時人形に直接指示を送ったりなんかしたんだ?人形もちゃんということを聞いていたし」

 

「「 陰の気力 !!」とか、大声で言ってましたもんねぇ。まるで人形が何を使えるのか分かっているみたいに」

 

私があの時見せていた行動に、周りから疑問を持たれているようだ。まぁ当然といえば当然だろう。最初は人形同士が戦うのを見守っていたのに、何故そう言った戦い方を突然始めたのかと思われるのは、至って自然なものだ。

 

「いや、何と言うか…「そうしなければいけない」ってあの時は思ったというか…私が最初に避けるよう指示して、人形がこっちを見つめてからかな…何だか頭痛がしてさ?それから分かったのよ。あいつが何を使えるのかを」

 

「ほうほう、つまり人形が直接霊夢さんに情報を伝えたってことになるねぇ。確か霊夢さんとその人形は先月くらいから一緒に暮らしていたんだってね?もしかすると、「信頼」してくれたのかもしれない」

 

「まぁ霊夢さんってどこか人を寄せ付ける魅力がありますし、人形も霊夢さんを気に入ってくれたんじゃないですか?」

 

そういうものなのだろうか?

確かにどこぞの魔法使い、酒好きの鬼、説教ばかりの仙人、悪戯好きの妖精3人衆等々……何かと神社に客は沢山来るが、そこに更に人形まで沢山来客したらいよいよ大迷惑だぞ。

そう考えると…人形に好かれるのはあまりいい気はしないな。扱いには今後注意しよう。

 

「咲夜。こちらから呼んでおいて何だが、レミリアのとこに戻らなくて良かったのか?」

 

「…お嬢様自身から、この会議に参加するよう言われたの。何でも、さっきの人形バトルに興味を惹かれたみたいでね」

 

あの人形達のバトルは幻想郷に住む少女達のほぼ全員が目にした試合であり、レミリアもそれに関心を示しているようだ。

レミリアだけではない。他の人物もあの試合を見て何かしら行動を起こしている可能性は大いにある。てゐに色々と任せた結果ああなったのだが、今思えばちょっとマズかったか?

 

 

 

 

 

そう。

 

この人形、悪用しようと思えばそれが出来る能力も秘めている。野心を持った人物に人形が渡ればどうなるか?

 

 

それをこの時の私は、まだ想像していなかったのだ。

 

 

 

 

 

「あなたの野望、簡単に叶える方法があるって言ったら…どうする?」

 

 

「…?」

 

 

 

 

 

「姉さん、そろそろいいんじゃない?」

 

 

「フフッ…そうね。始めましょうか…楽しい楽しい宴を、ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、異変は起こった。その名も、「人形異変(にんぎょういへん)」。

 

 

人形は幻想郷各地に散らばり、それぞれの地域を縄張りとして幻想郷の住民達を困らせる。

この異変調査を依頼され、動いたのは我らが博麗の巫女の「博麗 霊夢」。

 

 

 

事前にそれを予知していた者達はそれに備え、準備は進めて来た。

 

 

魔理沙達魔法使いと河童の技術で作られた、人形を封じ込める「封印の糸(ふういんのいと)」。

 

人形の情報をある程度視認出来る「スカウター」。

 

沢山の人形を保管出来る、異次元に繋がった「人形箱(にんぎょうばこ)」。

 

 

これらのアイテムの開発により人形による被害はある程度は抑えられ、やがて「封印の糸」は幻想郷中に一般的に流通していくことになる。

 

 

戦わせることによって強くなる人形の特性を知った者は、いつしか宴会で行ったような人形同士のバトルをするようになった。

それはいつしか一つの「競技」へと発展していき、細かなルールを制定。「人形バトル」という名前を正式に決めた。

 

人形のその賢さに目を付けた者は、仕事の手伝いなどをして貰い生活のお供として活用し始める。

所持者は人形に感謝し、それに人形も応えることによって「信頼」が生まれた。

 

いつしか人形という存在はこの幻想郷にとってかけがえのないものとなり始め、住民達はこれが「異変」だということを徐々に忘れていった。

 

 

 

 

…だが、それは人形を悪用する者の発展も意味する。

噂によれば「人形解放戦線」なるものを掲げ、暴れ回っている集団がいるという。そういった者達の出現もこの人形異変がきっかけである。

 

使い方を誤れば、人形は凶器にもなる。このような危険な生き物は、やはりこの幻想郷にいてはいけない。

 

 

 

…私が解決しなければならない。この「人形異変」を。

 

 

 

「 行くわよ! れいむ !! 」

 

 

「!」

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「…紫様、それは本当ですか?」

 

 

八雲 紫(やくもゆかり)の式神、「八雲 藍(やくもらん)」は主の言葉に驚きを示した。

 

 

「本当よ。今回の異変、霊夢でも解決が難しいのは明白でしょう?」

 

「……」

 

「本来、この幻想郷においてそれは絶対に有ってはならないこと。でも、受け入れざるを得ない事実であることもまた確か」

 

「…でもだからといって、外の世界に助けを求めるなど…もし万が一しくじればどうなるか」

 

「安心なさい。有力な情報を入手したの。何でもこの前会ったあの人間が言うには、今回の異変は外の世界の「ある遊戯」に似ている…と」

 

「あぁ、最近異変を起こしたあの人間の女ですか。何でも夢を見ている間だけこちらに来れるとか…それで、その遊戯とは?」

 

「えぇ。その者が言っていたのは「ぽけ〇ん」…という遊戯で、外の世界にはこれを極めたものが少なからず存在しているらしいわ」

 

「な、成程…」

 

「だから、もしその者の協力を得ることが出来ればこの異変を解決することが出来ると、私はそう見ている」

 

「…ですが仮に協力を依頼したとして、素直にそうしてくれるでしょうか…?」

 

「ふむ、そうね…確かにその問題はあるか。……藍、貴方に仕事を与えるわ」

 

「はい?」

 

 

 

「 探しなさい ! 強く優しい心を持った 「トレーナー」 をッ !! 」

 

 

 

 

 

 

 





第二部の予告的な何か




『我こそは、深淵より来る悪魔の使者ッ!!』


『 地獄の破壊者《ヘル・デストロイヤー》!!!(決まった…) 』


『は?てかマジイケてんじゃんソレwwwウケるwww』


個性溢れる(濃すぎる)新たな人形達ッ!!




「時代の主役はあたし達ぃ!」


「我ら不死身のぉ!」


「「 摩多羅二童子(またらにどうし) !! 」」


ある人形を求め、主人公に襲い掛かる新たな敵ッ!!




様々な出会いが舞島 鏡介を待っている!

続編、乞うご期待!

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