人間と人形の幻想演舞   作:天衣

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どうも、てんいです。

こちらは第二部となっています。予めご了承下さい。



軽くおさらいしますと、原作の進行度的に言えば「紅魔館」まで進み、レミリアを倒しました。二部はその続きからとなります。



そして


・この小説は、東方projectの二次創作作品である「幻想人形演舞」、「幻想人形演舞~ユメノカケラ~」を元に執筆した三次創作の小説です。ネタばれ注意です。

・オリジナル展開多めです。オリキャラもいて、主人公もしゃべりますし何なら別パートで人形もしゃべらせます。

・原作とはキャラが違うところも多々あります。要はキャラ崩壊注意。

・つたない文章です。



それでも良ければ、どうぞご覧ください。



第二部
序章


僕の名前は舞島 鏡介(まいじま きょうすけ)。

15歳の中学3年生で、好きなものはゲーム。そして何より「小さくて可愛い生き物」。

 

もうすぐ高校生になるということで、受験シーズンである僕は今…

 

 

 

「幻想郷」という、異世界に迷い込んでおります。

 

「人形」と呼ばれた可愛らしい生き物達と一緒に。

 

 

 

 

 

僕がここに招かれたのは幻想郷に起こった「人形異変」を解決する為らしい。何故僕なのかと聞きたいが、生憎それに答えてくれる者はいない。

ここに連れて来た張本人である「八雲 紫」はここに来てから一度も姿を現さないし、よりにもよってこの異変を解決しなければ元の世界へ帰る目途が立たないとのこと。

 

 

心配なことも多い中、僕は人形達と共に幻想郷を巡り回った。

 

博麗神社、人里、香霖堂、魔法の森、永遠亭、そして紅魔館……

 

 

 

流石ゲームの世界なだけあって、非現実的でこの世のものとは思えないものも沢山あった。正直言うと、少しこの旅にワクワクしている自分もいる。

こんな経験は人生一度きり…いや、普通だったらその一度さえも本来は有り得ないのだから。

 

そして現在は「紅魔館」におり、あのバトル後に主であるレミリアの計らいでもう一泊させて貰ったことろである。

もうすっかりお世話になってしまった。戦った人形達も、十分に体力を回復出来たことだろう。

 

 

 

各地を巡っていく中でも、色んな人物に出会った。

 

魔理沙、早苗さん、霊夢さん、浩一さん、阿求さん、光ちゃん、霖之助さん………うん、とにかく沢山出会った。

 

 

 

「 お~~~い!!舞島~~~!! 」

 

 

 

噂をすれば何とやら。この声は聞き覚えがある。

空からこちらに話し掛ける人物は、僕が最初に出会った幻想郷の住民だった。

 

 

「よう、しばらくぶりだな!頼まれていた機能、完成したぜ」

 

「本当?ありがとう、助かるよ」

 

 

魔理沙は背負っている鞄からチップのようなものを取り出した。どうやらあれでスカウターのバージョンアップを行うみたいだ。

早速スカウターを魔理沙に渡してバージョンアップをして貰う。

 

魔理沙は手慣れた手つきで側面の蓋を開けると、そこに先程のチップを入れた。

するとスタウターが起動し、現代のパソコンでよく見る緑のゲージが少しづつ左へ伸びていくのが分かる。

ウィンドウが複数展開されながら順調にダウンロードが進み、あまり時間も掛からずにゲージの色が緑一色となった。

 

「……よし、これで終わりだ。つけてみろよ」

 

スタウターの画面に「OK」の文字が映ったのを確認すると魔理沙はチップを取り出し、こちらにスタウターを返却した。

そして言われた通りにスカウターを装着し、機能を確認すべく懐から複数宝石を出す。

 

 

「 ユキ、しんみょうまる、こがさ! 出てきて!!  」

 

 

こちらが掲げた3つ宝石…通称「封印の糸」の中にいる仲間達を一斉に呼び出す。

その呼び声に応え、封印の糸から飛び出した「炎」の中からユキ人形、「銀の閃光」からしんみょうまる人形、「水滴」の中からこがさ人形が現れた。

 

3体の人形はこちらを向き、何をするのかと指示を待っている。

 

 

「皆おはよう。今からスカウターの機能をチェックするから、少しジッとしていてね?」

 

 

それを聞いた3体は元気よく頷く。うん、良い子達だ。

 

 

さて、まずは「こがさ」から。

 

 

 

『名前:こがさ  種族:妖怪  説明:鍛冶が得意 / スタイル:エクストラ  タイプ1:水 タイプ2:音 / 印:赤の印』

 

『アビリティ:「冶金術」 鋼鉄属性のスキルを無効化し、集弾が1段階上がる』

 

 

 

情報が出てきた。

 

こちらの注文通り、アビリティの詳細が追加されている。後、現在のスタイルも。

今までタブレットの「アビリティの変更」でしか確認出来なかったのがこれで解決した。

 

 

お次は「しんみょうまる」。

 

 

 

『名前:しんみょうまる  種族:小人  説明:打ち出の小槌を扱える / スタイル:ディフェンス  タイプ1:鋼鉄 タイプ2:大地 / 印:青の印』

 

『アビリティ:「達人の体捌き」 闘属性のスキルを無効化し、集弾が1段階上がる』

 

 

 

レミリア戦でアビリティの変更を行ったままにしていた。後でちゃんと戻しておこう。

このアビリティはあまりにも限定的だし、もう一つの「打ち出の小槌」の方が使い勝手は良い。

 

 

最後に、「ユキ」。

 

 

 

『名前:ユキ  種族:魔法使い  説明:??? / スタイル:スピード  タイプ1:炎 / 印:黒の印』

 

『アビリティ:「突貫」 確率で発生する追加効果のあるスキルの与ダメージが1.3倍になるが、 追加効果が発動しなくなる』

 

 

 

相変わらず説明の部分が分からないまま…か。

 

そしてユキだけに発動するアビリティとは別の力の正体も、未だに何なのかは不明。

ユキは本当に頼りになるが、その分謎の多い人形でもある。

 

 

 

 

 

「うん、問題なく表示されてるみたい」

 

「そりゃ良かった。今度は一回スイッチを押してみな」

 

「?」

 

 

魔理沙にそう言われ、スカウターのスイッチを押してみると現在の時刻が表示される。デジタル式のようだ。

この世界に時計というものが一つも見当たらなかったので、正直これは無茶かと思ったが…「にとり」という人物の技術力には驚かされる。

 

「外から流れ着いてきた物をヒントに作ったんだとよ。…結構苦労したらしいぜ?」

 

「おぉ!本当にこれは助かるよ!ここの時間間隔、全く分からなかったからね」

 

現代に住む者として、やはり「時計」がないとどうも落ち着かない。

今は恐らく早朝なのだが、何時何分何秒なのかは全く分からない状態だった。だがこれさえあれば、それも解決するだろう。

 

「…それにしても、現代じゃその時計とやらが必要なのか?私は無くても全く問題ないがなぁ」

 

「そうなの?じゃあ魔理沙は今の時間分かる?」

 

「さぁね?そんなのここじゃ何の意味もない。気にすることといえば、今の季節くらいなもんだよ。旨いもん食う為にな」

 

「……そ、そういうものなの?」

 

「あぁ、少なくとも私にとってはな」

 

言われてみれば、この世界では誰もが束縛も無く自由に行動しているように思える。

「~時までに家に戻らないといけない」という考えは、ここでは馴染みがないのだろうか?

 

 

「そう言えば、魔理沙って親はいないの?そこら中に飛び回ってて心配とかされない?」

 

「…ーーッ!」

 

 

その質問をした瞬間の魔理沙の表情と仕草からは、何か複雑そうな感情が読み取れた。

「言いたくない」というのが嫌という程に伝わって来て、自分は良くないことを言ったのだと悟る。

 

 

「あ…ご、ごめんっ!」

 

 

いつもの魔理沙からは想像がつかない、シリアスな表情。

それを見た僕は驚くのと同時に申し訳なくなり、思わず謝ってしまった。

 

「な、何で謝るんだよ?私は別に怒ってないぜ?」

 

「嫌なこと思い出させちゃったかなって感じたからさ…デリカシーがなかった。誰にだって言いたくないことの一つくらいあるのに…ホントにごめん」

 

「………舞島」

 

 

「…痛ッ!?」

 

下げた頭に魔理沙が箒を振り降ろす。

それは軽いものだったとはいえ、やはり彼女に対していけないことを言ってしまったのだろう。

怒るのも当然だ。

 

「お前な、他人に気を遣いすぎ。そういうの良くないぞ」

 

「…へ?」

 

魔理沙からの言葉は意外なものだった。

怒るといっても、まさかこちらが謝ったことに対して怒るとは思ってもみなかった。

 

「先に言っとくと、答えはお前が想像してるようなものじゃない。…お前さ、普段から人の顔色ばっかり窺ってるだろ?」

 

「う…」

 

「まぁ、その優しさを悪いとは言わん。だが、気を遣いすぎるのも体に毒なんだぜ?」

 

「……」

 

何だか、その言葉は前にもどこかで聞いた気がした。

 

「他人に気を遣いすぎると、自分が損をする」。

 

分かってはいるのに、どこかそれを受け入れられない自分がいる。それを見兼ね、魔理沙はこうやって説教してくれたのだろうか。…自分の学習能力のなさに、少しうんざりしてしまう。

 

 

「それにしても…プククッ…私に跪くその姿は実にお笑いだったぜ。ちょっと暗い顔の演技したくらいでなぁ」

 

「……!なっ…」

 

「いや~舞島はからかい甲斐があるな~~。ニシシッ♪」

 

「だ、騙したな!?このっ…!」

 

「おおっと!」

 

 

あれが演技だったという事実に、気持ちを蔑ろにされた怒りが芽生える。

怒りで顔が熱くなって思わず女の子にも手が出てしまう程には、理性がない状態となっていた。

そしてその攻撃を軽々しく避ける魔理沙。馬鹿にしているその憎たらしい顔つきに、こちらのボルテージも上がっていく。

 

「何だ、ちゃんと怒れるじゃないか!ちょっと安心したぜ」

 

「な、何を…!」

 

「年相応なとこもちゃんとあるんだなって思ってさ。お前、何か普段から大人しすぎてどうも心配だったんだ。この先も気を付けて行けよ!じゃあなーー!」

 

「…!」

 

そう言うと、魔理沙は素早く箒に乗って何処かへ行ってしまった。

 

 

大森以外でこんなに怒ったのは人生で初めてかもしれない。何だか、無性に負けた気分となる。年相応…か。

 

あれだけ自分を見せるのが怖かった筈なのに……

 

勇気を出すというのは、実はそんなに難しいことじゃないのかもしれないな。

 

 

 

自分の抱えていた悩みなんて案外ちっぽけなものではないのかと、そう思った鏡介は人形達を元に戻し、紅魔館を後にした。

 

 

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