AK-12の禁止リスト 連載版   作:一ノ瀬0512

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みなさんこんにちは。

もうすぐ異性体も終わりですね。
ランキング戦、なんとか30%以内には入れそうです。


今日はクリスマスイブですね!

クリスマスといえばなんでしょうか。

そう、ネトゲです。クリスマスだからこそイベントやってますよね。私もイベントで周回しています。


今回のメインはそんなネトゲイベントの周回に追われるRFBです。
うちの基地にクリスマスパーティーなんてしゃれたものはありません。



第二十五話 RFB「データルームの未来的なデスクをゲーム目的で使用してはいけません」

 ここはグリフィンS13地区。特徴がないのが特徴の地区である。当然のことながら基地も特徴がない。ゲームと変わらぬ標準的な基地だ。クリスマスであっても変化はない。

そんな基地のデータルームから今回も物語は始まる。

 

 

「やっぱこの端末だと動きが違うなー」

 

普段は後方幕僚が座っている席に一体の人形が座っている。彼女はサンタカラーのノースリーブのワンピースに黒いストッキング、それだけでは寒いのだろう、ベージュのジャケットを羽織っている。

そしてヘッドギアを付け、ゲームをしている。

彼女の名前はRFBという。自他共に認めるゲーム廃人だ。そんな彼女は今ゲームをプレイしている。どうしてデータルームでゲームをしているかは冒頭の台詞の通りだ。データルームの端末の処理速度は人形が使える一般的な端末とは桁が違う。

どんなゲームであっても快適に動く。そして対戦であったらその処理速度、回線速度は有利に働く。データルームの端末で亜部寛のホームページを見ようものならキーボードに触れた瞬間表示される。

とにかくすごい処理速度の端末なのである。

 

それでもRFBの表情は固い。そして目が死んでいる。攻略がうまくいっていないのだろうか、それともゲーム内で揉め事でもおこっているのだろうか。

そうではない。ずっと同じことをしているからだ。ゲームにおいてレベリング、アイテム採取などで単純作業を要求されることなどよくある。

RFBはその単純作業をずっと行っているのだ。時間にすると大体四日くらいだろうか。人間なら倒れるがそこは戦術人形。バッテリーさえあれば倒れずパフォーマンスを維持できる。

 

それでもRFBはゲームを続けていると突然視界が真っ暗になった。暗いステージになったのだろうか。違う、電源が切れたのだ。

驚いたRFBはヘッドギアを外して周囲を見た。四日ぶりのリアルは眩しい。

だんだん視界がはっきりしてくるとそこには指揮官が立っていた。指揮官はどこかあきれた表情でRFBを見ている。RFBは指揮官に対して抗議するも指揮官は端末の無断使用、バッテリーの無駄な消費について説明し、RFBを黙らせた。

そしてRFBに一緒にゲームをやろう、明日からなら攻略を手伝うと言った。指揮官は若い頃ネットゲームにハマった経験がある。それくらい言わないとRFBはゲームを続けると思ったのだ。

RFBにとってこの申し出は本当にありがたいものだった。今やっている周回はアイテム獲得を目的としたものだが、パーティーメンバーの人数が多い程ドロップ率が上がる仕組みになっている。しかしRFBは回りにパーティーメンバーがおらず、自立人形ということもあって人間はなかなかパーティーを組んでくれない。仮に組んでくれる人がいても地雷のような男しかいない。この基地の人形は剣と魔法のRPGに興味を持たない。このゲーム、戦術人形が遊ぶとなぜか現実でも身体能力が上がるのに。

それを説明しても誰も信じてくれない。少し前にルイスが一緒にプレイしてくれてルイスはE.I.L.Dを素手で殺せるし時々発光するようになった。

 

それでもみんな信じてくれない。

 

 

決してRFBと一緒にゲームをするのが嫌なわけじゃないはずだ。

決してRFBと一緒にゲームをするのが嫌なわけじゃないはずだ。

 

だいじなことなので二回言った。決して入力ミスではない。

 

 

RFBは指揮官の提案を受け入れて休むことにした。指揮官はゲーマーだと聞いたことがある。きっと戦力になるだろう。

RFBは自分がやっているゲームの説明をした。

 

ゲームの名前はドール/グランドオーダー。開発は16LABトワークスという企業。剣や魔法などを駆使して、人類を崩壊させる魔法使いを殺害するストーリー。今自分がやっているのはクリスマスイベントの周回で、プレイ人数が多い程ドロップ率が上がる。そしてI.O.Pの関連企業なので戦術人形もプレイできる。

 

指揮官に説明するとRFBは眠りについた。

 

 

 


 

・・・六時間後

 

指揮官と一緒にゲームをするのが楽しみで寝付けなかったということはなく、きちんと睡眠をとったRFBはスプリングフィールドのカフェへ向かった。

RFBはスプリングフィールドが入れた特別な薬が入っていないのに過労死寸前でも三時間は元気になるコーヒーを注文し、情報収集のため、自前のタブレット端末でグリフィン掲示板にアクセスした。

掲示板ではどう見てもAK-12と思われる人形がこのゲームのセキュリティには脆弱性があるが絶対にそこをついてはいけないと警告していた。どう考えてもセキュリティの脆弱性をつくよう煽っているとしか思えない。

そのAK-12はトナカイの着ぐるみを着たAN-94の上に座り優雅に紅茶を飲んでいた。AN-94は息を乱れさせ、頬を赤く染め興奮している。今この二人を見てはいけない。

脆弱性についていろいろと聞きたかったが、コーヒーを飲み干し、会計を済ませ、データルームに向かった。

コーヒーの効き目だろうか、元気が出てきた気がする。これなら三十時間はプレイできるはずだ。

 

 

データルームに行くと指揮官は既に到着していた。指揮官は既にアカウント登録を済ませ、事前に打ち合わせた通りステータスを知性に特化させ、魔法使いになっていた。

指揮官と二人でクエストの場所に向かう。指揮官は昔この手のゲームをプレイしたことがあるようでRFBの説明もすぐに理解してくれた。

クエストの場所についた。ここから地獄のマラソンが開始される。

 

クエストそのものは単調で簡単にクリアできるが、目的のアイテムは大量に獲得する必要があるうえ、ドロップ率はそこまで高くはない。つまり数をこなさないといけないのだ。周回というやつである。

 

RFBも指揮官も覚悟を決め、クエスト受注のボタンを押した。

 

 

 


 

・・・五時間後

 

二人になったことで、ドロップ率は上がったが、それでもたかが知れている。

RFBも指揮官も必死にやり続けた。

 

 

・・・八時間後

指揮官の様子がおかしくなってきた。おなかが減ったのだろうか。

 

 

十時間後、指揮官が今日は切り上げようと言い出した。夜も遅い時間だが、人間の指揮官がこのまま続けると倒れかねない。

しかたなくRFBも切り上げを了承した。

 

ドロップ率が低すぎる。なんたる糞運営なのだろうか。

 

RFBはドアを蹴り開けようとした。そうするとドアが吹き飛んだ。吹き飛び壁を貫き、外が見える。外骨格を付け完全武装の戦術人形でもここまでの脚力は出せない。風が入ってきて寒いのでRFBは何も見なかったことにして自室に戻った。

RFBはゲームが好きなかわいい女の子。決してドアを足で開けるような野蛮な子ではない。読者のみなさんいいですね?

 

 


 

・・・翌朝

 

朝食を済ませたRFBはショップにあった三十時間はPONと笑顔になれるNEOエナジードリンクを飲みながらデータルームに向かった。表情筋が無理やり動かされて笑顔になったRFBは端末に向かいなにかを準備している指揮官にあいさつした。

 

 

「指揮官、ハロー!今日もガンバロー!ところでなにやってるの?」

 

「RFBか、プログラムの脆弱性があると聞いてアバターの設定をいじっているんだ」

そういい指揮官は説明する。真面目にやっていてもでる見込みがないからアバターの設定でステータスをいじって、ついでにドロップアイテムが確実にでるようにすると。

 

チート行為である。グリフィンの指揮官ともあろうものが堂々とチート行為を働こうとしているのだ。RFBがそれはチート行為で下手したら違法でアカウントBANだけじゃなく訴えられるかもしれないと指揮官に指摘する。しかし指揮官は若い頃は成功したし今回も大丈夫だと言う。成功したが、運営に見つかり、訴えられそうになって逃げるようにグリフィン社に入ったのだと。

 

それは成功しているといえない気がするが、ドロップアイテムの誘惑に負けたRFBは指揮官の行為を黙認することにした。仮に運営にばれてもペナルティをくらうのは指揮官だ。

自分のアカウントに影響はないはず。

指揮官の作業が終わり、二人はヘッドギアを付け、ゲームを開始した。

 

RFBのアバターは変化がないが指揮官のアバターはどこかおかしい。昨日まで普通の成人男性だったはずなのに頭が異様に大きくなっている。

チートの影響だろうか。

「指揮官大丈夫?アバターの見た目変わってるよ」

RFBも心配するが指揮官は大丈夫だと答える。

 

昨日と同じクエストの場所にたどり着き、クエストを受けた。

指揮官が攻撃魔法を使うと敵は一撃で死に、バフを使うとRFBのステータスも最大まで上昇した。

驚きながらもRFBは敵を倒し、指揮官も後方にいたエネミーを魔法の一斉掃射で始末する。

 

モンスターを全部倒した。これでクエストクリアだ。

ドロップアイテムを確認すると目的のアイテムは手に入った。手に入ったどころか最大数になった。99999個だ。

後はこれを交換するだけだ。

「指揮官、アイテムドロップしたよ。すごいね、一気にマックスまでいったよ。後は交換するだけだね。これなら指揮官の分もあるし、MDRやKSGにプレゼントもできるよ」

ぴょんぴょん跳ね喜ぶRFBだが、指揮官の様子がおかしい。フリーズしたかのように固まって動かない。ここがゲームの中ということを考えれば実際にフリーズしたのだろうか。

 

「指揮官?」

 

指揮官の目の前で手をひらひらさせたり、指揮官のほっぺをつねってみたが反応しない。運営にばれて強制ログアウトされたのだろうか。

 

「あっ」

 

そう小さな声を上げると指揮官は急に光そのまま爆発して消えてしまった。とっさに受け身をとった物のRFBもびっくりである。

 

ログアウトして指揮官の様子を確認しよう。そう思いRFBはログアウトしたが指揮官はいなかった。指揮官の座っていた椅子には燃えカスのような物が残っている。

トイレにでも行ったのだろうか。爆発オチってもしかして漏らしたのだろうか。

RFBがどうするか考えていると、AK-12がハッキングされた軍用人形を伴って入ってきた。AK-12も軍用人形もサンタ帽をかぶっている。どちらも絶望的なまでに似合っていない。

 

「うーん、AK-12どうしたの?それより指揮官知らない?ネトゲしてたんだけど急に落ちちゃったんだ。しかも爆発落ち。トイレにでも行っているの?」

 

どう答えたらいいのかしらね。

 

「指揮官は緊急の用事で遠くに行ったわ。それよりひどい顔よ。少し眠ったほうがいいわ」

結局はぐらかすことにしたAK-12はRFBのメンタルをハッキングして眠らせた。

 

 

RFBが眠った後、軍用人形に指揮官の燃えカスのような物を掃除させた。近未来的掃除機でゴミを吸い、そのゴミをさらに袋に移し替える。そしてゴミ捨て場に向かった。

端末で指揮官のアカウント情報を確認し、AK-12も部屋を出て行った。

 

 

「メリークリスマスRFB。今日はクリスマス。起きたらいいことが待ってるはずよ」

 

 

 

指揮官が使っていたアカウント情報にはこう書かれていた。

 

 

『このユーザーはハッキングを行ったことによりBANされました』

 

 

 

 

 

 

 

 

25.データルームの未来的なデスクをゲーム目的で使用してはいけません。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございました。

RFBちゃんは無事目的の物を手に入れられました。クリスマスらしいハッピーエンドですね。




今回出てきた用語


亜部寛:ジャパンの俳優。出演作品もだが、HPの読み込みが速い事で有名。元ネタは言わずもがな。字が違うのは念のため。

ドール/グランドオーダー:ゲームのタイトル。周回とガチャが過酷。

16LABトワークス:↑の開発・運営企業。I.O.Pの関連会社

NEOエナジードリンク:強制的に笑顔になれる

スプリングフィールドが入れた特別な薬が入っていないのに過労死寸前でも三時間は元気になるコーヒー:名前の通り

近未来的掃除機:この時代の掃除機


今回モチーフにしたオブジェクトはコチラ

SCP-896『オンラインロールプレイングゲーム』
http://scp-jp.wikidot.com/scp-896



それではみなさん、メリークリスマス!!

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