第二回局地戦区始まりましたね。
進捗どうですか?私はM2を星5にできるか不安です。
今回のメインは9A-91ちゃんです。
指揮官に自分を見てほしい、指揮官が自分の視線から離れてほしくない。そんな健気な女の子。
私が初日勢だからかもしれませんが、彼女ってメイド服スキンがデフォルトのように思えてきます。違うのは分かってるんですけどね。
話が脱線してしまいました。
そんな彼女が指揮官と二人きりになれる、アメリカ映画みたいにハッピーエンドなお話です。
作者主観ではハッピーエンドです。
ここはグリフィンS13地区。特徴がないのが特徴の地区である。当然のことながら基地も特徴がない。ゲームと変わらぬ標準的な基地だ。
そんな基地の執務室から今回の物語は始まる。
この日は事件もなく、数日後に開催される特別演習『局地戦区』に送り出す人形の編成と、弾薬に装備、当日使用する妖精の確認。S13地区の治安状況をまとめた報告書の作成といつもより少ない。珍しく夕食までに業務を終える事ができた。
業務を終えた指揮官は、副官のAK-12と一緒に夕食を食べた。
「ステンから聞いたんだけど、呪いのメールというのがあるらしいわよ」
このご時世に呪いのメールとは。まずいD定食の味から意識をそらすにはちょうどいい話だ。いつもなら話半分にしか聞かないが今回は聞いてみよう。
「呪いのメール?どのようなウイルスだ?」
「ウイルスじゃないわ」
指揮官の反応に気をよくしたのか、彼女は意気揚々と語り始める。
謎のメールが来て、そのメッセージを閲覧すると外界から隔離される。
メッセージの最初に画像があってその画像は着々と変化するから文章を読み続けながら定期的に最初の画像を見なければいけない。
画像は変化し続けていて取り返しのつかないところまで変化する。
メッセージを閲覧中、携帯端末などで助けを呼ぼうとすれば直視できない幻覚に苦しめられることになる。だから画面からは絶対に目を離してはいけない。
画面から目を離すと脱出が不可能なことに気が付いてしまう。
「というわけよ」
思ったより本格的な怪談話に指揮官は思わず聞き入ってしまった。
なんとなく指揮官は疑問に思った。メールアプリを閉じたり、パソコンの電源を切ったらどうなるのか。そのことを彼女に聞いてみた。
「そこまでは私も分からないわよ。私はステンから聞いただけ。詳しいことは彼女に聞いて」
そう言って彼女は席を立ち、宿舎に戻っていった。指揮官もD定食の残りを平らげ、支払いをしようとしたら二人分請求された。AK-12は食事代を払わなかったらしい。
あの副官、本当にいい性格をしている。
執務室に戻った指揮官は翌日の大まかな予定の確認を済ませ、メールを見るため、アプリを起動させた。新しいメールは一件。フリーメールからで差出人は不明。
件名は【局地戦区における偵察の傾向について】
局地戦区の演習では戦闘後偵察を出すことになっている。それに関する内容なのだろう。Cを選択するのが最適だと言われていたので指揮官はいつもCを選択していた。結果として問題なかったので今回もそうしようと思ってたが、なにかあるのかもしれない。
ウイルスが入っていれば受信されることもないから大丈夫だろうと思い、指揮官はメールを開いた。
最初に9A-91の写真が添付されている。この背景、どこかでみた覚えがある。
指揮官はメッセージを読み進めてみることにした。
指揮官は私を見てくれない。私はずっと指揮官を見続けているのに。
私はこの基地に来てからの指揮官の行動の全てを見ています。
今日の朝は六時三十分に起きました。そして棚から下着を取り出してそれをシャワールームの前に置いてあるカゴに入れ、二十分程シャワーを浴びました。体を拭き、ドライヤーで神を乾かし、七時ちょうどに基地の食堂でB定食を頼みました。美味しくなかったみたいですね。
そして食べ終わった後は基地の射撃訓練場で射撃訓練をしていました。74ちゃん、一緒に訓練できて羨ましいです。
九時からAK-12さんと一緒に書類仕事を開始。
十三時に遅めの昼食をとりはじめます。食堂ではなく購買でサンドウィッチを買ってきて食べていました。十三時三十分から仕事を再開します。関係各所に連絡して、局地戦区の打ち合わせをしています。指揮官にお詫びの言葉を言わせるなんて酷い人たちですね。
今すぐに
十七時にカリーナさんの所へバッテリーを受け取りに行き、そのまま後方支援に出ていた子達を出迎えました。G41ちゃんが指揮官さんに頭をなでてとおねだりしています。指揮官はそれにこたえG41ちゃんの頭をなでます。G41ちゃんは私に気づいたようで見下した笑みを浮かべながらこっちを見ました。
指揮官はいったん、画像を見返した。気のせいであってほしい、9A-91の画像が変化している。なぜか画面から目を離せない。指揮官は画面を見ながら携帯端末で助けを呼ぼうとしたが、恐怖で手が震えていて、端末を床に落としてしまった。AK-12が言っていた話は本当だったのか。
指揮官は画面を見直す。画像はまた変化していて、少しずつこちらに近づいてきているように思える。
文章を読み続けることにした。
指揮官は資源の在庫確認をしました。資源だいぶ増えて嬉しそうでしたね。指揮官が嬉しいと私も嬉しいです。
十八時になり、妖精の状態を確認して、十八時三十分に治安状況の報告書を書いていました。
今日は特筆すべことがない日だったので報告書の作成はすぐに終わりました。
そのままAK-12さんと一緒に食堂で夕食をとっていました。D定食、私も食べたことがありますが、余り美味しくないですよね。
AK-12さんは先に席を立ち、指揮官も残りを平らげ、明日の準備のために執務室に戻ってきました。
指揮官、やっと二人きりになれましたね。指揮官が私を見てくれて嬉しいです。
指揮官は椅子から立ち上がり周囲を見渡す。そして画面から目を離してしまう。
ドアも窓も閉まっている。出られない。脱出できない。何か方法はないのか。
指揮官は画像を見返す。画像の中の9A-91はさらに近づいてきているように見える。
どうすればいいか、指揮官は必死に思考を巡らせる。AK-12の話していた内容を思い出せ。そしてAK-12の話していない内容を見つけ出せ。
画像を見返す。もう取り返しがつかないところまで変化している気がする。
指揮官はまず他のウェブサイトが開けないか試行錯誤してみた。他のサイトのアイコンを何百回もクリックしてみたが、一切反応がなく、URLの直接入力もできない。このメールを見ることだけしかできない。
指揮官からだんだんと余裕が失われつつあった。
それでも諦めきれずなにかないかと下にスクロールして下の方に何か書いてあったが、内容が頭に入ってこなかった。最後の首なし死体の画像をみても、それがどういう意味があるのか理解できなかった。
余裕がない中必死に考えていた指揮官はあることに気が付いた。メールはウェブアプリだ。つまりネットを介してきているのだろう。パソコンを破壊すればどうにかなるんじゃないだろうか。
そう考えた指揮官は電源ボタンを長押ししてパソコンの電源を切り、椅子でモニターを叩き壊し、ハードウエアも叩き壊した。そして駄目押しとばかりに水をかけた。
これで外に出られると指揮官は考えた。実際は逆なのだが。
「指揮官、どうして私の視線から離れたんですか?」
後ろから声がし、指揮官は振り返った。
9A-91が立っている。
後ずさる指揮官。一歩ずつこちらに近づいてくる9A-91。
彼女は指揮官の携帯端末を踏み潰した。これで指揮官が救助を呼べる可能性は立たれた。
「指揮官、私をみてください・・・・・・」
壁際に追い詰められた。地面にへたり込み、それでも必死に足をばたつかせ後ろに下がろうとする。指揮官は恐怖で声が出ない。
9A-91は歩調を早め、両手で指揮官の顔を固定し、自身の方に振り向かせる。そして足で指揮官の体を固定する。
そして指揮官の顔をこちらに寄せようとしてくる。指揮官の首は限界まで伸びきる。その後はどうなるか、分かり切ったことだろう。
「私を見てください」
骨が折れ、なにかが抜ける音と指揮官の断末魔の叫び声が響く。後に残ったのは首なし死体と指揮官の首を抱きしめ、指揮官の目をいとおしそうに見つめている9A-91。これで指揮官は私の視線から離れることはない。ずっと一緒だ。
「これでずっと一緒ですね」
9A-91は指揮官にキスをした。
28.報告の締めに指揮官の部屋の盗撮写真を添付してはいけません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
最後はキスをして終了。間違いなくハッピーエンドじゃないですか。
可愛い女の子の幸せはハッピーエンド。たとえそばに死体が転がっててもね。
キャラ紹介
9A-91:指揮官大好きな人形。
AK-12:副官やってる。お船のゲームでいう秘書艦ですね。ステンから聞いた怪談話を教えてあげる優しいお姉さん。
指揮官:能力的には普通。この基地の食堂の食事が合わず苦労している。死亡した。
ステン:十四話で登場した子。AK-12に怪談話を教えたが今回は未登場。
下記は今回モチーフにしたSCPオブジェクトです。
SCP-3626『本文書の閲覧を中止しないでください』
http://scp-jp.wikidot.com/scp-3626
平たく言うとヤバイチェーンメール。