メンタルアップグレード来ましたね。私はUMP9と漢陽88式をMOD3にしました。
今回は人形にSCP要素を混ぜるのではなく人形とSCPが出会うお話です。
89式は前線探索で廃屋に立ち寄ることに。
そこである物を見つける・・・
感想ください。
ここはS13地区基地ではない。今回の物語はとある廃屋から始まる。
人形達は探索任務に来ていた。探索では物資の確保や各地の情報を得ることを目的としている。途中で訪れた街で入ったら出られない家があると聞き、鉄血人形の隠れ家の可能性も視野にいれ、調査に入った。
もともとは小奇麗な一軒家だったと思われるが今ではすっかり荒れ果てている。鉄血人形の姿は見当たらず、無人のようだ。中に入りまずは一階を調べたが何もなく、人形達は二階に上がり各部屋を調べた。
「ねえみんな、こっちきて」
寝室を調査していた人形が皆を呼ぶ。
寝室には異様な存在感のある振り子時計と、数体の白骨死体があった。一体この部屋で一体何があったというのだろうか。
探索班の班長、89式はこの時計を持って基地に帰還することに決めた。
・・・グリフィンS13地区基地の一室
朝日が昇ってしばらくたった時間帯。
この部屋の住民である美女達はまだ動き出さない。
銀髪の美女、AK-12は隣で寝ているパートナーの頬に触れる。するとパートナーも眠りから覚めたのか、目を開けた。
「おはよう、AN-94」
AK-12は目覚めたAN-94にキスをする。
寝起きからのいきなりの不意打ちにAN-94は顔を赤らめ口をパクパクさせる。そんなAN-94の可愛らしい様子にAK-12は彼女を抱きしめ、美しい金髪をなでる。その心地よさに身を委ねるAN-94。
「昨日は激しかったわね」
AK-12の言葉に昨夜を思い出し、再び頬を赤らめるAN-94。昨夜は戦闘任務の後だったから、特に激しく愛し合っていた。
頭をなでられながらAN-94は気が付いた。自分は非番だが、AK-12は非番ではない。
行かなくていいのかと彼女に聞いてみた。するとAK-12はAN-94の口を塞ぎ舌を絡めてきた。たっぷり舌を絡め合う。唇が離れると彼女はベッドから出る。
彼女の裸体が露になる。世の女性たちが嫉妬するような白い肌に、日の光で輝く美しい銀髪。銃など持って戦場を歩くより、美しい服を着てランウェイを歩いた方がいいのではないかと思うくらい細く長い手足。ウエストはくびれて、バストも下品にならない程度に出ている。至高の芸術品かと思う美しさにAN-94は見惚れた。AN-94が見惚れている間にAK-12は服を着て身だしなみを整えた
見惚れたまま動かないAN-94の額にキスをしてAK-12は部屋を出た。
時計を見ると遅刻確定だがなんとかする方法はある。
AK-12は眼を開き、深度演算モードを起動し基地のコンピューターに接続した。
・・・執務室
始業時間になったがAK-12がこない。遅刻するとの連絡はない。人形は基地の宿舎住まいだ。通勤時間などというものはほぼない。なにをしているかしらないが、来月の給料日を楽しみにしてほしい。
指揮官は書類仕事を開始した。待つ必要はない。
この指揮官、現在妊娠八ヶ月で、後三日すれば産休に入る。ここ最近は代理で入る指揮官への引継ぎ資料を作成していた。資料の作成を開始して数分後、AK-12が部屋に入ってきた。
遅刻したことを指摘すると、彼女は否定した。
「時計を見てちょうだい。遅刻してないわ。ギリギリなだけ」
彼女に言われ、時計を見てみる指揮官。壁にかかっている電子時計も、コンピューターに表示されている時間も、ギリギリだ。
「あなた、ハッキングしたわね」
そう指揮官は問い詰めるも、彼女はどこ吹く風だ。いつも通り席に座って仕事を始めた。
「指揮官、そうイライラするとおなかの子供に悪影響よ」
誰のせいだと言いたいが、指揮官はぐっと堪え、深呼吸してから水を飲み、怒りを飲み込んだ。
書類仕事を開始して数時間。探索に出てきた部隊が帰還する時間になった。指揮官は報告を受けるため、AK-12を伴って探索メンバーを出迎える。
「指揮官、おなか大きいのにここまで歩いてきて大丈夫なの?」
探索メンバーの一人、スコーピオンがそう指揮官に尋ねる。指揮官は彼女の頭を撫でながら、少しくらい歩いた方がいいと答える。
そして探索部隊のリーダー89式に成果を聞く。
いつもと同じ様な物資だけではなく、布で包まれた物を見せられる。89式は布を取り説明する。
「街を探索しているとき、入ったら出られない家の話を聞いたんです。始めは鉄血の隠れ家かなと疑ったんですが、鉄血はいなくてこの振り子時計の前に数名の白骨死体があったんです。わたし達はこの振り子時計が何かあると思い持って帰ってきました」
指揮官はその振り子時計をじっくりと見た。見た目だけならただのアンティークの時計だ。売ればいくらかにはなるだろう。だけどその時計に何体もの白骨死体はおかしい。放射能ではないだろう。ここに入る途中に放射能があれば検知されている。麻薬か金塊でも入っているのだろうか。89式たちに倉庫部屋に運び込むよう指示した。何もない可能性の方が大きいのだ。中に何も入ってなければ修理させた後ロビーの時計にしよう。
物置に運び込んだ後、89式に時計の中に麻薬などが入っていないか確認して、なにもなければ時計を動くように修理するよう指示した。
「麻薬が入ってた場合、売るんですよね」
「売らないわよ」
・・・数分後
指揮官は執務室に戻り書類仕事の続きをしようとしたが89式から時計が動いたと連絡が入った。まだ数分しかたっていない。もしかしてどこかのスイッチを押すだけだったのだろうか。
再び倉庫部屋に戻った指揮官はスマートフォンでお米の動画を見ていた89式に声をかけた。時計はもう動いているのだろう。コチコチという音がしている。指揮官はこの音に対してどこか嫌な予感を覚えた。
指揮官が入ってきたことに気が付いた89式は時計について説明した。中に麻薬などの違法な物や爆発物などの危険物は入っていない。ただ中の構造が複雑で調べるのに時間がかかったのとアンティークの時計は初めて見るからどうやって動かすかも分からず試行錯誤して鍵でネジを巻いて動かすことを突き止めた。そしてネジを巻くと時計は動き出した。
「変な物入っていないか確かめて、時計の針を調整するの忘れて一回だけすぐにボーンって鳴ったんですけどいい音ですよ。指揮官さまも聴いてみてはどうです?」
数分でそこまで分かるとはすごいと指揮官は89式を褒めた。
「わたし一時間くらい調べてましたよ。ほんと大変だったんですからね」
89式の言葉に疑問を覚えつつも指揮官は褒美としてBセットの食券を渡した。身重の体に油物はよくない。
渡された89式は昼食代が節約できたと喜びながら部屋を出ていった。
時計はもう少しで十二時になる。せっかくだしどんな音か聞いてみようと思い、指揮官は近くに置いてあった椅子に腰かけた。
そして時刻は十二時。
──鐘の音は鳴る──
昼食を済ませ、射撃訓練場で訓練をしていた89式はAK-12に声をかけられた。
用件を聞くと、指揮官が戻ってきていないそうだ。指揮官の端末に電話しても出ないので、直前まで一緒にいた89式に聞きにきたとのこと。89式は昼前に倉庫部屋で分かれたきりだと話した。89式も訓練を切り上げ、倉庫部屋についていくことにした。指揮官は妊婦だし、体調を崩して動けなくなっているのかもしれない。一体より二体の方が指揮官を医務室に運びやすいはずだ。
AK-12と89式は倉庫部屋の前に着いたのだが、異臭がする。AK-12は銃を構え、89式はドアを蹴破り、二体は中に突入した。
突入した先には異様なことになっている。
灯りは消え、保管してあったものはボロボロになり、埃が積もっている。先ほどまでは清潔とはいかなくても、何十年も放置されたような部屋ではなかった。余裕のある表情を絶対に崩さないAK-12も眼こそ閉じたままだが、眉をひそめている。
部屋の片隅に赤黒い何かがあった。最悪の事態を覚悟しつつその物体に近づく89式とAK-12。
赤黒いものは予想通り、指揮官の遺体だ。ただ、遺体の様子がおかしい。指揮官が死んだとしてもここ数時間のはず。遺体はまるで死後何年も経過したかのように白骨化している。遺体から何か情報を読み取れないだろうか。
89式には指揮官の遺体は何かを示しているように思えた。出口に向けて逃げるべきなのに、どうして指揮官は奥の方を向いているのだろう。
そして二体はあることに気が付いた。コチコチという音がする。部屋は何十年も放置されていたかのようになっているのに振り子時計は89式がネジを巻いたときと変わらず動き続けている。
「89式、これって何か変な物入っていたの?」
「いいえ、入ってないです。中も確認しましたけど、すごく複雑な時計っていうだけです」
異常がないのが最大の異常だ。89式とAK-12は顔を見合わせた。
その時、なにかが倒れるような音がした。今度は何かと思いながら二体が向かうと異常な見た目の人物がいた。その人物は全裸で肌は産まれてから一度も日の光を浴びたことがないかのごとく青白い。頭髪は抜け落ち、背中は折れ曲がっている。そして成人の体格に赤子のような目つき。生理的嫌悪を感じさせる。
乳房がなく、男性器らしきものがあることから性別は男だろう。仰向けになったままこちらを見ている。成人している印象を受けるが正確な年齢は推測できない。
89式は反射的に撃ちそうになったがAK-12が慌てて止めた。その見た目に吐き気を催した89式は両手で口を押える。
非常に不気味だが男はまだ生きている。なにか情報を得られるかもしれない。
「深度演算モード起動」
AK-12が目を開けて観察する。戦闘用だが使わないよりマシだろう。男はこちらを見ているだけで動きはない。
五分ほど観察し、目を閉じる。そしてAK-12は紐を取り出し、男性の手と柱につなぐ。束縛という程ではないが、念のためだ。
男性が声を発する。
「おぎゃああああ」
その見た目で赤子のように鳴き声を上げる。発声器官は生きていても言葉が喋れないのだろうか。
AK-12は89式を連れ倉庫を出た。そして近くにあるトイレから掃除中の看板をとってきて立てかける。89式は一連の異常事態に理解が追いついていないのか、なにも言わない。
二体はそのまま警備室に向かった。警備室には人形もいたが、メンタルをハッキングして偽の命令を植え付け外に出した。
そして倉庫部屋の監視カメラの映像記録を探し出す。
「あの、AK-12さん。わたし・・・・・・えっと。あっ、あれはいったい・・・・・・」
89式は怯えながらもAK-12にあれが何か問いかける。
倉庫部屋の映像記録を見つけ出したAK-12はこう答えた。
「あれがなにか。その答えが今からわかるわ」
再生ボタンを押し、映像が再生される。
・・・監視カメラの映像
指揮官はパイプ椅子に座り、時計の方を見ながらおなかをさすっている。
AK-12は時計の針が十二時になるまで早送りをした。
十二時になり、鐘の音が鳴った。
AK-12はこの音が好きではないと感じた。綺麗な音なのだが、不吉な感覚を覚える。
指揮官に変化があった。腹部を押さえ苦しみだした。これだけだったらただの体調不良だ。
きっとこの後に何か来るのだろう。
音とともに指揮官の腹部が急激に膨らみだした。通常ではありえない膨らみ方だ。
指揮官は苦しみから叫び声をあげ、椅子から崩れ落ちる。その間にも腹部は膨らみ続け、股から血が流れる。
指揮官は断末魔の叫び声をあげるとともに、腹部を突き破り中から乳児が出てきた。血まみれの乳児は徐々に大きくなり幼児から男児、少年、青年へと成長していく。
その気持ち悪さに堪えきれなくなった89式は床にうずくまり嘔吐した。
吐瀉物が床を染め、酸っぱい匂いが部屋に充満する。
89式は制服のブレザーに吐瀉物が付くも、それに気づかず、胃の内容物を吐き続けている。
「オロロロロオエエエエ・・・・・・ハァハァ」
胃の内容物を全て吐き出し、胃液までも吐き出たからか、89式の嘔吐が止まる。
しばらくは部屋の様子を映していたが映像は途中で途切れた。映像の記憶容量に限界が来たのではなく、撮影しているカメラが壊れたのだのだろう。映像が途切れ、音が聞こえなくなり安心したのか、89式は吐瀉物の中で気を失った。
あの振り子時計は直接鐘の音を聞くと時間を加速させる性質があるとAK-12は結論付けた。一刻も早く破壊する必要がある。
ハッキングされた軍用人形達に爆薬を取り付け、倉庫部屋に突入させ爆破した。
部屋を爆破した後は89式の記憶の一部を削除し、別のハッキングされた軍用人形達の一体に彼女をシャワールームに運ばせ、残りにはこの部屋の清掃させた。
「カバーストーリーはどうするべきかしら。鉄血の襲撃ということで構わないわね」
グリフィンも16LABもおそらくその筋書きで納得するだろう。そのままデストロイヤーが爆弾を仕掛けている映像の作成を済ませたAK-12は自身についた臭いを落とすべくシャワールームに向かった。
──数日後のニュース──
本日S13地区グリフィン基地で爆破事件がありました。犯人は鉄血製ハイエンドモデル人形デストロイヤーと見られます。この人形はは爆発物の扱いに長けており、他の上級モデルの指示で動いているとみられます。グリフィン社は監視カメラの映像を公開し、情報提供を募っています。有力な情報を提供してくれた方には報奨金が支払われるとのことです。
グリフィン社最高責任者ベレゾヴィッチ・クルーガー氏は記者会見で「亡くなった指揮官へは心より御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げる。この度の攻撃に対してグリフィン社は断固とした措置をとる」と述べており、鉄血勢力圏とグリフィン勢力圏の間での戦闘が激化されることが懸念されます。
33.AK-12は朝遅れそうだからと言って基地の時計をハッキングして時間をいじってはいけません。
ベイビー「オギャア」
デストロイヤー「それでも私はやっていない」
キャラ紹介
89式:ゲーム本編よりだけ論理感が低い。機械の修理とかたまに頼まれる。あの後シャワー浴びて服は選択した。
指揮官:女性。妊娠8ヵ月で産休に入る直前だった。腹から子供が突き破り死亡。
指揮官息子:見た目は悪霊。中身は乳児。爆殺される。
ハッキングされた軍用人形達:爆弾括り付けて特攻させられたり、掃除させられたりした。割と色々できる。
用語
倉庫部屋:倉庫として使っている部屋
Bセット:油物が多いセット。妊婦さんにはつらい。
今回モチーフにしたSCP
SCP-224 『振り子時計』
http://scp-jp.wikidot.com/scp-224
鐘の音の効果範囲で時間加速を引き起こすやばいやつ。固有時制御の比じゃないくらいヤバイ。