セフィロス逆行物語   作:怪紳士

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第6話 ガスト博士 その2

プロジェクトを宝条博士に託し、セフィロスと別れて神羅屋敷を後にした私は着の身着のまま、まずコスモキャニオンを訪れた。

コスモキャニオンの住民は大きな岩山に横穴を堀ってそこを居住としており、また星命学と呼ばれる学問の聖地でもある。

星命学はこの星に渦巻く精神エネルギーとはどういったものか、また星と人はどう歩んで行くかを探究する学問で住民達は人々にそれを説いている。

此処に居られるブーゲンバーゲン殿とは昔から交流があり齢100歳を超えても元気で、とても博識な方である。

彼から私は数々の事を学び、古代種についての研究にも多大な影響を受けている。

ブーゲンバーゲン殿の家は岩山の天辺に建てられていて大きな天体望遠鏡が備え付けられている。

私が彼の家に連絡もなくやってきても、さらに神羅から離れた事を伝えても特に驚くこともなく「ホーホーホウ」と笑って快く向かい入れてくれた。

 

フヨフヨと浮かぶ緑の不思議な玉に乗っているブーゲンバーゲン殿。

最初、すべてを話すつもりはなかった。

あくまで気分転換と近況報告で済ますつもりであった。

しかしいざ、今までの事を話し始めたら歯止めが利かなくなってしまった。

彼はそんな私の話を真剣に聞いてくれた。

古代種の研究に行き詰ってしまった事、自分で立ち上げたにも関わらず投げ出してしまったプロジェクトの事、そのプロジェクトの被検体となっているセフィロスの事、そしてそれらに対する罪悪感も……。

 

こちらの話を最後まで聞いたブーゲンバーゲン殿は長く白い髭を撫でながら「これも運命かのぅ」と重い口を開けて語りだした。

曰く、自分にも孫のように可愛がっている子がいるが両親はすでに亡くなっていると。

曰く、その子は父親恨んでいるがいつかは真実を伝えたいとは思っていると。

曰く、そのいつかは自分にもわからないと。

 

「ガスト君、わしは君の倍以上は生きているがそれでも悩みは尽きないんじゃ。

 君はまだ若い、すぐに答えを出すことからいったん距離を置いてみてはどうかのぅ」

 

穏やか口調で諭すように彼は語ってくれて、こちらも少し気持ちが楽になった。

 

話が終わり、私がコスモキャニオンで一晩泊り早朝出ていくことを伝えると、アイシクルロッジにイファルナという女性が住んでいるので訪ねてみると良いと助言をくれた。

その女性はどういう人物なのか聞き返すと「それは会ってからのお楽しみじゃ」

とはぐらかされてしまった。

ついでに「な~に、前に君からもらった望遠鏡のお礼じゃよ」とも。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

コスモキャニオンから数日かけて北に向かうと雪に覆われた大地に存在するアイシクルロッジにたどり着く。

小さな村だがスノーボードやスキーを嗜む者ならば一度は訪れたいという場所だそうで凄いゲレンデがあるんだとか。

立ち並ぶ家々には雪が降り積もっており。この雪は一年中そこに存在する。

道端では子供たちが雪だるまを作って遊んでいる。

既に日は傾いてもうすぐ夜を迎える時刻。

外気も冷え込んでおり寒いので早く宿屋に入り一息つこうと思い、INNの看板が掲げられた建物に入る。

中を見渡すと真ん中に二階の客室に続く階段があり右側にカウンターとロビースペース。

左側に大きなストーブがあり部屋全体を暖めているようだ。

従業員と思わしき若い女性がロビーにあるテーブルに置いてある花を整えており、ストーブの側では体格の良い男性が熱の調整をしようと四苦八苦している。

ストーブに当たらせてもらおうと近づくと「危ないから近寄るな」と言われてしまった。

仕方がないのでチェックインを済ませ、宿屋の女将にイファルナという女性を探していると伝えてみる。

すると先ほど花を整えていた女性が手を止めこちらに歩み寄ってきて

「イファルナは私ですが…」

恐る恐ると、警戒をしているような顔つきで声を掛けられた。

 

それが彼女と初めて会った日であった。

 

 

 




作中で登場人物の年齢は公式でしっかりと明記されてなければ明確に設定する気はありませんがおおよそこれくらいかなとは思って書いています。

ブーゲンバーゲンは公式でFF7本編時間で130歳とハッキリ明記されています。
セフィロスはCCの時20代前半、本編で20代後半くらいのイメージです
ガスト博士が出て行ってから2年以上は経っているのが本編中の宝条博士のセリフからわかり
さらにエアリスの年齢を考えると神羅屋敷時代のセフィロスはかなり幼い年齢ですね
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