セフィロス逆行物語   作:怪紳士

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第7話 宝条博士 その2

ミッドガルにある神羅カンパニーの本社は通称“神羅ビル”と呼ばれる70階建の超高層ビルとして存在する。

ビルを中心に鋼鉄の8枚のプレートが地上から柱に支えられて円形に配置されており、プレート上層には都市が存在し()()()()()()()が住む壱番街~八番街と分かれている。

プレート下層には日光を遮られたスラム街が存在し、上層部に住むことが叶わないか、もしくは拒んだ者達が暮らしており、そんな上層と下層を繋ぐための列車が今日も定刻通り運航している。

そしてミッドガルには中心部の地下に一基、プレートの先端上に等間隔に配置された八基の計九基の電力供給を司る炉が建っている。

()()()と呼ばれるこの炉を開発し管理することによって神羅カンパニーは世界に多大なる影響を及ぼす大会社に成長したのだ。

 

 

 

 

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ジェノバプロジェクトの本社への移管が完了し、私が責任者になってからのセフィロスは特に変わった様子はなく、態度自体は相変わらず私を避けているようだが実験には素直に応じてくれている。

正直な話、慕っていたガスト博士が居なくなったとなれば、塞ぎ込んでしまうかもと少々心配はしたのだが杞憂だったようである。

その話をホランダーの奴にしたら「父性でも芽生えたか」と揶揄(からか)われた。

単純に塞ぎ込んで素直に言う事を聞かず実験が滞ってしまうのが嫌だったのだが、反論するのも面倒だと思ったので好きに言わせておいた。

ニブルヘイムからミッドガル本社の研究所に移って一番変わったことはセフィロスに対して戦闘訓練を始めたことだ。

あちらと違いこちらは戦闘シミュレーターがあるのでより詳細な検証や記録を付けやすい。

いずれは治安維持部門の兵隊を使っての訓練もしてもらう予定だ。

研究所自体の機械やシステムもあちらより整っているのでこっちの研究も捗り気分が良い。

戦闘訓練及びそれに関する実験には、当初神羅上層部は懐疑的な見方を持っていたようだが結果が出始めれば手のひらを返し、さらなる結果を求めてきた。

私自身もセフィロスの戦闘能力が予想以上に優れていたこともあって当初はバカにしていた奴らの鼻っ柱を折ってやることが出来て満足した。

そしてホランダーに「この親バカが」と言われた事には無視を決め込んだ。

ただ何より一番驚いたのはセフィロスが戦闘訓練は自ら進んで行っている事である。

他の実験はこちらから指示をしない限りは絶対にやらないが、戦闘訓練はセフィロスの日課となっているようで毎日戦闘シミュレーターを行っている。

これはかつての()()ジェノバの細胞が闘争心を駆り立ているのかどうか、セフィロスにいくつか質問して確かめてみる必要がありそうだな。

あとはそろそろ予算会議に向けて研究成果の提出と説明をしなければな。

まったく凡人どもに分かりやすく説明するのは何時だって骨が折れる。

とはいえそうもしないと研究の継続や予算が下りないから仕方がない。

そういった意味では説明が巧かったガスト博士が居ない事が残念である。

だが、ジェノバ細胞が古代種ではないと言う事実を知っている人間が居ないのは都合がいい。

そうだ、今回は私の考えるジェノバ細胞を使った()()を作る計画を提案してみるのも良いかもしれないな。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

セフィロスを探しに戦闘シミュレーターのあるフロアにきてみれば、ちょうど戦闘訓練を終えシミュレーター室から出てきた姿を目撃する。

セフィロスは汗をかいているようで一目散にシャワールームへと足を運んでいた。

そんな場面を見たとしても一切お構いなしと声を掛ける。

 

「セフィロス、いくつか聞きたいことがあるが良いかね、何すぐ終わる」

 

「……わかった」

 

相変わらず煙たそうにこっちを見つめてくるが、言う事は聞くので問題はない。

 

「君は毎日戦闘訓練をしているようだが戦いが好きなのかね?」

 

「別に好きではない」

 

「ふぅむ、体が戦いを求める衝動に駆られたりはしないかね?」

 

「しない」

 

必要最低限の言葉しか発しないが回答はしてくれるので気にせずに質問を続ける。

回答を聞けばどうやらジェノバ細胞が戦いを求めているという事ではなさそうだな。

しかしセフィロスが正直に答えてくれているという保証はないので、嘘を吐いている可能性も一考しておこう。

 

「…もう行って良いか?」

 

セフィロスもいい加減にしてくれという目つきでこちらを睨んでくる。

あまり気分を害しても益がないと判断したので、次の質問で最後にしよう。

 

「君は何のために毎日戦っているのだ?」

 

質問の内容を聞いたしたとたんに今まで即座に返事をしていたセフィロスが黙ってしまった。

そんなに変な質問をしたのだろうかと考えるが、一通り聞きたいことは答えてくれたので別に答えを聞けずとも問題ない。

 

「答えたくないのなら良い」

 

そう言ってその場を去ろうとしたらセフィロスは一言告げてきた。

 

「守るためには力が必要だからだ」

 

それだけ言うとさっさとシミュレーター室に併設されたシャワールームに入って行ってしまった。

 

「守りたいものねぇ、それはジェノバの意志か。

 それともセフィロス、君自身の意志かね」

 

クックックッと私の笑い声がその場に響いてた――。

 

 

 

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