「頼み事がある」
週に一度の検診日、パーテーションで仕切られた研究室の一角で検査を終えたセフィロスに体調の確認をしている時だった。
セフィロスの口からは滅多に出ない、もしかしたら初めて聞いたかもしれない単語に私の興味は引きつけられ、思わずペンを走らせている手を止めてしまった。
一体何の頼み事かと聞き返せば、
いくらジェノバ細胞で強化され、通常の人間より強いと言ってもまだ一桁の年齢の子供が科学者を護衛するなどとは前代未聞だよ。
どういうつもりか問いただせば「守るために必要だから」と返ってきた。
そういえば大分前に守るために力が必要だとか言っていたがまさかな……。
一瞬浮かんだありえない考えを振り払い、まずはこちらが思い付く理由を質問する。
――よくよく聞くと本人は私の側に居られるなら良いらしく、別に会社として正式に役職を与えて業務命令として護衛に付きたいという訳ではなく、賃金を求めてる様子でもない。
「ふぅむ、ならば今の
「俺は、外に行くときにも付いていきたい」
「ほう、それは何故かね?」
そう聞くとセフィロスは口を閉ざしてしまう。
全くいつも肝心な事は絶対に話さないものだな。
何かを企んでいる事は明白だが、言いたくないなら適当な事でも言えばいいものを、嘘は
「ちょっと待っていなさい」
そう言って私は座っていたオフィスチェアの背もたれに体を預け、セフィロスの希望を通す為にさてどうするかと腕を組み考える。
セフィロスの
神羅ビル内であれば社長室のような私自身もいちいち伺いを立てて許可を貰わないといけない場所以外は私が伴っていれば連れまわす事は可能だ。
セフィロス個人もある程度は自由に行動する事は許可されている。
外も必要であるなら許可を貰えばいい。
ただ、完全に私の個人的な考えだが、それが非常に面倒くさい。
外に連れ出すための許可を得るには詳細に説明しなければならないし、
つまり、逃亡の意志はなく、護衛もいつも通りで良いと示すことが出来ればいいのだな。
「まぁ、実力行使が手っ取り早いな。
治安維持部門に実力を示しなさい。
外に出るたびに護衛対象が増えたなどと文句を言われたくないのでね」
ため息を吐きながらそう伝えて私はデスクの上の受話器を取り、治安維持部門に内線を入れた。
セフィロスが退室したあと検査結果をまとめるため資料室に向かうと、後からホランダーも入室してきて私を見付けるなり突っかかって来た。
どうやら先ほどの会話をパーテーション越しに盗み聞きしていたらしい。
「セフィロスの奴、ガスト博士が居なくなったからお前に懐こうと必死なんじゃないか」
「馬鹿かね、君は」
適当に返事をしてあしらうつもりだったがあまりにも見当違いの発言してきたので思わず本音が出てしまった。
「いや-だがね、唯一慕っていた人間が突然いなくなった時、誰にすがればいいか。
真っ先に思い付くのが一番交流がある相手だ。
おまけにお前は責任者となって奴に対する態度を少しだが改めたじゃないか。
そうなれば子供なんか必死に庇護を求めたがるもんさ」
「・・・・・・・・・」
「今度の相手はいきなり居なくならないように常に側に居たい。
だが恥ずかしくて素直になれないから
まったくいじらしいねぇ」
コイツはセフィロスを何も分かっていない。
護衛に関してセフィロスが何かを企むのは大いに結構、むしろそうでなくては面白くない。
しかしホランダーの言う、ツマラナイ理由だったら私は心底残念に思うね。
「父親と明かすことの出来ないお前との不器用な親子関係なんて。
まさに、感動を唄った三流映画じゃないか!」
ハッハッハッ!と頭の悪そうな笑い声上げ、言いたい事を言って満足したのかホランダーは何も持たずに資料室から出て行った。
私を
だから嫁が愛想を尽かしたのだよ。
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神羅カンパニーは魔晄炉の建設をするとき、決まって俺たち治安維持部門の兵隊を投入する。
最初はただの警備員という役割であり、周辺にモンスターがいるような地域では建設作業の邪魔にならないよう武器を手に取り討伐も行った。
そして神羅カンパニーが大きくなるにつれ俺たちは警備員から治安維持部門などという大層な役割に代わっていき、部署の雰囲気もさながらな一国の軍隊のようになってきていた。
部隊のメンバーと次の作戦のブリーフィングをしていると統括から呼び出しがかかった。
呼ばれた部屋に赴くと科学部門からの依頼があったのでそちらの業務を遂行しろとの命令だった。
また研究者が何処かに出向くのでその護衛任務かと思えば違うらしく、実験体と戦闘訓練をして欲しいと頼まれたらしい。
「実験体ですか?またヤツら何か変なモノでも作ったんですかね」
「セフィロスの事だ、わかるか?」
「あーはい、なんとなくですが」
セフィロスと言えば一昨年くらいにニブルヘイムから研究者達と一緒にミッドガルに引っ越して来たうちの一人で銀髪の子供のことだなと頭に浮かべる。
引っ越しのときには大量の隊員を配置して厳重に身の安全を確保して連れてきたのを覚えている。
確かにあの子は毎日戦闘シミュレーターを使って訓練をしていてとんでもねぇ奴だとは思っていたが所詮はシミュレーター、実際の戦闘とは勝手が違う。
あんなもん俺に言わせりゃバーチャルゲームと変わらねぇさ。
科学部門はあの子に相当入れ込んでるみてぇだが戦闘のプロフェッショナルである俺を実際の相手にするのは、ちと舐め過ぎじゃねぇか。
とは言え、科学部門の依頼は優先的に聞くようにとのお達しが社長から出ているらしく統括も断る気はなく俺も渋々引き受ける。
「子供とチャンバラごっこをするとでも思えばいいさ」
ガハハと笑いながら統括は言っていたが今はこんなことに気をかけてる場合じゃねぇんだ。
最近は魔晄炉の建設に反発する人間も増えてきている。
今は俺達が
お遊びなんかしてる暇はないぜ。
さっさと終わらすため俺は本気で行かせてもらう。
まぁ大事な大事な科学部門の秘蔵っ子だから殺さないようにだけは気を付けねぇといけないな。
宝条博士にとってのホランダーとジリアンの件
アレを「愛想を尽かした」で片づけるヤバい奴
おまけに自分の事を棚に上げて
CCより前の話なのでシミュレーターもアレより性能が落ちるものだと思いました。
なんかこの時代はカクカクしてそうなポリゴンのイメージ