※ カーズ様の海軍入隊
教官のゼファーは強い。少なくとも同期のクザンは死ぬほどしごかれている。オレはカーズ様なので教える側としてはあまりおもしろくないようだ。
海軍の軍艦に乗り込んでからはや数ヶ月。昭和レトロ感よろしく、その軍艦に乗っていたサカズキとはお互いに殴り合ったあとにできた友情と友好でオレとサカズキの仲は良好である。
マグマ人間に対抗する手段はある。というか、マグマに突き落とされた経験があるうえに死なないので殴り合ったと言ったが一方的に攻撃された(当然避けれるものは避けた)のが事実ではあるが、後にゼファーに教わった武装色の覇気でぶん殴ったので良しとした。
やはり能力者は差があるもののオレ以上の異能者や異種族もいる。
そしてオレ傷を負っても瞬間的に回復するので俺は何かしらの悪魔の実を食べた能力者という噂があるし殆どの海兵はそう思っているし、その誤解を解こうという努力もしていない。結果的に昇進が早ければどうでもよかろうなのだ。
当然のことながら、カーズ様だから覇王色の覇気の資質はあったし今では扱える。しかし、俺はどちらかというと、武装色の覇気と見聞色の覇気が得意である。特に見聞色の覇気はあらゆる生物の能力を兼ね備えおり、しかも、その能力を上回る性能を持っているし、熱や空気の動きを探知できる以上、普通の海兵や人間よりも強い。そりゃあ野生の動物の危険察知能力やサーチ能力を超えるものを予め持っているのだから普通の人間よりも感覚は鋭敏だ。
また学習能力についてはIQ400なので何も問題はないし、肉体面では言わずもがなである。
怪物海兵という呼ばれ方もしているが、気にしてはいない。
この世界に来る前に願った究極を求めて宇宙空間を含むあらゆる環境に適応して生きられるという願いがどうのような解釈を経て実行されるかが不明たところがあったが、現状でわかっていることは鍛えれば鍛えるほど強くなっていく成長性!!! 更に! 自身の持っている能力の向上などを感じている。この世界に適応、というよりも適合していくかのような気もしているが。それはそれとして、海軍の改革もしなくてはならないのだ。
一つに、一人の海兵が武官と文官を両立しているのが現状であり、戦闘能力が評価されがちになっているのが問題である。
「改革が必要だな」
そう、海軍は変わるべきだ。強さにしろ、事務処理にしろ、組織体制にしろ、やることはたくさんあるが、幸いにもこのオレ、カーズ様には無限の時がある。
……数年後。中将以上の武官の昇進試験に必須項目として覇気の取得に加え、六式、波紋という特別な呼吸法の取得が義務付けられ、昇進の厳しさは高くなったが、その分その強さは以前よりも遥かに上回っていた。