閃の軌跡~軌跡の刃~   作:兄上、お労しい

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実習地へ

特別実習の朝。

 

エルドが、寮のロビーに向かう。

 

そこには既にリィンたちが揃っていた。

 

「皆、おはよう」

 

「エルド、おはよう」

 

「うむ、おはよう」

 

「おはよう」

 

「ああ、おはよう」

 

エリオット、ラウラ、アリサ、リィンの順に挨拶をしてくれる。

 

その時、エルドはリィンとアリサを見て、前まであったギクシャクした雰囲気がないことに気づく。

 

「どうやら、二人とも仲直りしたみたいだな」

 

「あ、やっぱりエルドも気づいた?」

 

「ははは……すぐにわかるってことは余程、露骨だったんだな」

 

「べ、別に喧嘩してたわけじゃないわよ!」

 

「まぁ、全員揃ったことだ。駅へ向かうとしよう」

 

ラウラの言葉に従い、駅へと向かう。

 

駅に着くと、ガイウス達がちょうど受付で券を購入していた。

 

「ああ、リィンたちか」

 

「そちらもこれからですか?」

 

「そっちは今から出発か?」

 

「ああ。だが……」

 

ガイウスとエマの二人が、背後で顔を合わせずに、険悪な雰囲気を出してるマキアスとユーシスを見る。

  

「なんか大変みたいだな……」

 

「なんと言うか、頑張れ」

 

「まぁ、やるだけのことはやってみるさ」

 

「正直、かなり心配なんですが……」

 

ガイウスもエマも、困り気味に笑う。

 

「めんどくさい……エルド、代わって」

 

いつの間にかエルドの近くにいたフィーが、の袖を引っ張って言ってくる。

 

「そう言うことはサラ教官に言ってくれ。……そうだ、ガイウス。これ、道中皆で食ってくれ」

 

そう言って、エルドは荷物から人数分の包みをガイウスに渡す。

 

「これは?」

 

「朝食代わりの弁当だよ。この時間じゃ、トリスタの店はまだ開いてないし、買うのも金が掛かるだろ?ま、味はそれなりだから心配はいらないぞ」

 

「エルド、料理が出来たのか?」

 

「ああ、我が家の方針でな。男たるもの、出来ることは万能でなくともなんでも出来るようになれってさ。特に火の扱いにはうるさくてさ。」

 

「悪いな。有り難く頂くとしよう」

 

そこで時間が来て、ガイウスたちは列車に乗り、実習地へと向かった。

 

「俺たちも乗車券を購入しよう」

 

エルドたちA班が乗る列車の到着時間も間近だったので、乗車券を購入し、ケルディック行きの列車に乗った。

 

座席順は窓際にリィン、通路側にエルド、その間にエリオット。

 

そして、向かい側の席にアリサとラウラだ。

 

「ケルディックか。確か一年通して開かれる大市があるんだったな」

 

「実習前に軽くおさらいしておきましょうか」

 

交易町ケルディック

エレボニア帝国東部の都市。

帝国東部のクロイツェン州の北端近くに位置し、大貴族《四大名門》のアルバレア公爵領内にある。

近隣に帝国の食料供給に重要な役割を持つ大穀倉地帯を抱え、都市外には一面の麦畑が広がっている。

同時に、ケルディックは大陸横断鉄道とクロイツェン本線の分岐点であり交通の要所である為、古くから人と物が集まる交易の町として発展してきた。

毎週『大市』と呼ばれる市場が開かれている。

名産品として地ビールや野菜が有名。

クロイツェン州領邦軍によって担われている。

交通の要所である事から鉄道憲兵隊も積極的に介入している。

 

「しっかし、乗車券の手配に、実習地での宿、おまけに実習内容の受け取り方法。準備が良すぎるな」

 

「確かに、いくら士官学院って言っても……」

 

「それだけ、学院側も君たちに期待してるのよ」

 

突然、サラが現れ、エルドたちにそう言った。

 

「サラ教官!?」

 

「どうしてここに?」

 

「まぁ、最初ぐらいは付いてって上げようと思ってね」

 

「なら、こっちより、B班の方に付いて行くべきなんじゃ………」

 

エルドはB班のマキアスとユーシスの顔を思い浮かべる。

 

「えー、だってメンドくさそうだし。まぁ、どうしようもなくなったらフォローには行くつもりよ」

 

そう言ってサラは隣の席に座る。

 

「私には構わず話してていいから。ちょっと最近徹夜続きで眠いから寝るから……………すー……すー……」

 

席に座って数秒で、サラは寝息を立て始める。

 

「もう寝た!?」

 

「なんと言うか、見事だな……」

 

「本当に士官学院の教官なのかしら……」

 

「まぁ、疲れてるみたいだし寝かせておこう」

 

「そうだ。皆も、朝ごはんまだだろ?俺たちの分も作ったし、食べてくれ」

 

エルドは荷物から人数分の包みを取り出し、それをリィンたちに渡す。

 

「悪いな」

 

「ありがとう」

 

「頂こう」

 

「いただきます」

 

全員に包みが行き渡り、中身を出す。

 

それはおにぎりだった。

 

「これは、米か?」

 

「米って東方の食べ物だっけ?」

 

「そうね、前に一度食べたことあるけど」

 

「おにぎりか、懐かしいな。昔は修業時代、よく食べてたよ」

 

そう言って、リィンが一口齧る。

 

「エルド、このおにぎり凄い美味いぞ」

 

「うわっ、本当だ!」

 

「初めて食べたか、なるほど。米とはこういう味なのだな」

 

「私が前に食べたのと味が全然違うわね。こっちの方が断然おいしいわ」

 

「炊き方にコツがあるんだよ。後は火加減だな。料理は火加減」

 

簡単な朝食の後、適当な雑談や、ブレードとか言うカードゲームで時間を潰し、エルドたちは実習地である、交易町ケルディックへと着いた。

 

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