戦争を知る世代   作:moota

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こんにちは。mootaです。

開いてくださったあなた、ありがとうございます。
色々なフラグや設定にはこだわっていますが、このサイトの先輩方には遠く及ばないです。それでも一人でもかまいません、楽しい、面白いといっていただけるように頑張ります。

あ、では第一話をどうぞ。


第一幕
第一話 プロローグ


第一話 プロローグ

 

 

火の国歴55年5月1日 火の国国境 森

 

 

 

―澄んだ青い空にふわふわと綿菓子のような白い雲が漂っている。

さんさんと眩しいばかりの光が太陽からそそがれている。

 

 

―深緑の葉がちらちらと舞っている。

青いにおいを乗せている風は、深い木々の間をゆらりゆらりと流れている。

澄んだ藍色の川が、深い木々の根を張る地面をさらさらと流れている。

 

 

―ミンミンミンと、騒がしく蝉が鳴いている。

チュチュっと愛らしい声で色とりどりの小鳥が鳴いている。

キキっと可愛い鳴き声を上げながら茶色のリスは、木を駆け上がっている。

のそっと少し億劫そうに歩く鹿がいる。

その鹿に甘えるようにそっと寄り添う少し小さい鹿もいる。

 

 

―この森は平和だ。

命にあふれ、お互いがお互いを必要としている。

お互いがお互いを支え合っている。

お互いがお互いをきっと、愛し合っている。

きっと。。

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

静寂を打ち破るように、大きく、尖ったような音が平和な森に響く。

その瞬間に大きく地面が盛り上がり、あっという間に小さな石から鹿よりも大きい岩まで空高く舞い上がる。

大きく立派な木は、その根を見せるように横倒しになり、半分に折れるものもある。

もうもうと土ぼこりが舞いあがる。

 

―刹那、

その土ぼこりから多数の黒い影が同時に飛び出してくる。

影の数は、20ほど。

それぞれが相対するように半分ずつに分かれ、着地する。

それは“人”だった。

一方は、濃い赤い服で、右袖はなく、左袖が長袖とちぐはぐなものと、その上に薄い茶色のベストのようなものを着ている。額には、赤い布に金属がついている額当てを巻いている。

 

もう一方は、黒い長袖に、その上に多数のポケットがついている深緑の色をしたベストを着ている。額には同じように額当てが巻かれているが、こちらは、深い藍色の布である。

 

それぞれが手に鋭く光る刃物―クナイ、手裏剣、小刀などを持っている。

それは、ひどく使い込んでいるかのように黒々とした光を放っている。

 

“人”は、相手を親の仇のように睨んでいる。ギィっと。

じりっ、じりっと足を踏みしめ、力が入っているように見える。今にも飛び出しそうなのをギギギギっと抑えるかのように。

 

すっと“人”のうちの一人が手を挙げた。よく見ると、その手はふるふると怯えるように震えている。その場のすべての“人”がその手に注目している。

 

 

素早くその手が下される。

その瞬間にお互いが相手に飛び掛かる。

 

キンっ!

 

甲高い音がなり、刃物と刃物がぶつかり合う。

 

「ぎゃぁぁああっ!」

鈍く、重く、聞くに堪えない声がー悲鳴が上がる。

地面には、どろりどろりと赤黒い液体が小さな池を作っている。

その上に、ごろりと長いモノがー腕が転がっている。身体とつながっているはずのものが。

 

一方では、ゴォオオっと火を噴いている“人”がいる。

「あ゛ぁぁあ゛ぁぁあ」

その火に巻かれた“人”が暗く、黒い悲鳴を漏らす。

嘔吐を誘うような、鼻の奥を突き刺すようなにおいが立ち昇る。

 

パンッ!

 

風船が破裂したような音が鳴る。

“人”であったものの首から上がない。そこからは血が噴水のように噴き出している。

 

 

あちらこちらから悲鳴や怒号が聞こえる。

爆発する音や何かが切れる音、何かかが折れる音、鈍い金属の音、薪が燃えるような音、色々な音がやまない。

腕のない“人”、頭がない“人”、黒く炭化した“人”、半分に分かれている“人”、その他にも”人”が転がっている。

 

 

 

―空に黒く澱んだ雲が漂っている。

さんさんと眩しかったはずの光は隠れている。

 

 

―深緑の葉は、舞うこともなく、地面に落ちている。

青いにおいを乗せていた風は、流れることなく、その場に漂い濁っている。

澄んだ藍色の川は、その色を赤黒い色が侵している。

 

―ミンミンミンと騒がしかった蝉は鳴いていない。

チュチュっと愛らしい声で鳴いていた色とりどりの小鳥はいない。

キキっと可愛い鳴き声を上げていた茶色のリスも姿が見えない。

のそっと少し億劫そうに歩いていた鹿は横たわっている。

その傍には、小さい鹿が横たわる鹿に顔を擦りつけている。まるで寝ているのを起こすかのように。

 

 

―この森は平和だった。

命を削り合い、お互いがお互いを敵と認識している。

お互いがお互いを傷つけあっている。

お互いがお互いをきっと・・・・

 

“きっと” この言葉の先は言えない。

森にいた命には言えても、“人”には言えない。

 

“人”は、奪い合う存在だから・・・・

 

 

 

 




皆様、いかがでしたでしょうか?

第一話は、わたしでもこそばゆいものでした。
こう、プロローグってこういうイメージがあったので書いてたら、こそばゆいもののに出来上がりました。

第二話からは大丈夫、です。

ありがとうございました。
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