×◎月○×日
今年の冬は長い。
サウナ需要もあり、薪の値段が高騰している。
例年の数倍の値が付くほどだ。
そのため薪の買占めに走るものや、
薪を取りに山に入って帰ってこないものも出た。
実際俺も薪の利益を独占しようと持ちかけられた。
流石に今の状況でそんなことをしたら人から恨まれると突っぱねたが、
ちょっと不味いかもしれない。
この状況を打破すべく毎日大量に薪を集めている。
俺としてはただで配ってもいいのだが、
今度は高値で売られてしまうかもしれない。
そこで俺は閃いた。
俺個人ではなく神社からの配布ということにすれば良いと。
早速博麗と描かれた焼印を勝手に作って、
俺が取ってきた薪に焼き付け、里で配った。
神社の焼印を付けた薪を転売するような輩はそういないので、
これで薪の値段も落ち着くだろう。
×◎月○△日
【なるほどのう。焼印付きの薪を配ったことで新たに信仰が増えたのじゃな。】
うむうむと納得する神様。
こっちも神社の名前を使ったら信仰も増えるだろうなと納得。
今回増えた分の信仰で何かしらの能力を作ってくれるそうなので、
期待して待っておきますといったらちょっと困っていた。
×◎月○□日
「まさかこんな手で急かしてくるなんて、流石はあの神様に見込まれただけはあるわね。」
巫女さんが家に来て、開口一番にそんなことを言った。
何を言っているのかと思ったのだが、
どうやら薪を買った人が神社にお礼しに行ったらしい。
そこで薪不足で里が困っていることを知って、
異変の調査に出ることにしたと。
巫女さんてきにはいつもより食料の備蓄が多いし、
薪も俺が勝手に置いていっていたから例年よりもとても良い冬だったそうな。
それじゃあ異変の元凶を潰してくるわと言って巫女さんは飛んでいった。
なるほど一石三鳥のアイデアだったのか。
×◎月○☆日
薪を集めるため遠出して普段行かない道を歩いていると、
ふとこの辺にお地蔵様が立っていたことを思い出す。
記憶を頼りに雪の中に埋まっていたお地蔵様を掘り当てる。
今年は人の肩ほどまで積もっているからかなり苦労した。
雪とお地蔵様で笠地蔵の話を思い出した。
雪の降る日に雪の積もったお地蔵様に笠をあげたら恩返しされたというものだ。
童話では笠だったがこの雪の量だと意味が無さそうだったので、
お地蔵様用の小さな祠を作ってみた。
×◎月○◎日
何となく他のお地蔵さまが気になったので、
慧音先生にお地蔵様の場所を聞いて、
祠を建てて廻ることにした。
×◎月○★日
魔法の森のお地蔵様の所に行ったが、見当たらなかった。
もしやと思って古道具屋に行ったが、流石にお地蔵様は売っていなかった。
店主が僕を何だと思っているんだいと言っていたので、
少なくとも商才は無いよねと返しておいた。
帰りにすごい福耳の人と出合った。
薄そうなコートを着ていたので、
蓑をあげたらやたら遠慮された。
こんなところで何をと聞かれたので、
笠地蔵の話をして、お地蔵様の祠を作りに来たというと、
それにしては荷物が少ないですねと言われた。
材料は籠の中ですといって竹籠からワイルドな丸太のベンチを出すと非常に驚かれた。
どうやら納得して貰えたようだ。
それじゃ、といって別れようとしたら、
笠地蔵の話を本当に信じてるんですか?と聞かれたので、
神様がいて妖怪がいるならきっとお地蔵様も動くだろうと答えた。
今度こそ福耳の女性と別れる。
ああ、でもお地蔵様がうちの埴輪みたいに動かれたら笑ってしまうかも知れないな。
×◎月○●日
薪集めとお地蔵様の祠作りのついでに、
木像に相応しいいい感じの木が無いか探しているが、
中々ピンと来る物が無いな。
霧の湖近くのお地蔵様に祠を作っていると、
福耳の女性とまた出合った。
本当に作っているんですねと言われたので、
本当に作っているんですよと答えた。
大変じゃないですかと言われたので、
大変じゃないですよと答えた。
欲しい物はないですかと聞かれたので、
欲しい物はないですよと答えそうになったのを堪える。
俺はこだまじゃないので、
いい感じの木と答えた。
いい感じの木とは何ですかと聞かれたので、
神様の像に相応しいいい感じの木ですと答える。
福耳の女性は難しい顔をして、
お金とか女性とか即物的なものは欲しくないですかと聞いてきた。
この人は何を言っているんだろうか。
とりあえずいらないと答えると女性は去っていこうとする。
なんだったのかと女性を見ると、雪に足をとられて歩きづらそうにしていたので、
ワラ靴とかんじきをあげた。
前と同じく凄い遠慮してきたので押し付ける。
なんで泣きそうな顔になっているのだろうか。
流石に迷惑だったのかと、思って平謝りする。
・・・なんか凄い顔してる。
福耳の女性は頑張りますと言って去っていった。
何だったんだろうか。
×◎月×○日
今日も疲れたなと家に帰ると、
白い髪の女の子が立っていた。
何か人魂が浮いているな。
「あっこの家の方でしょうか?」
とりあえず寒そうにしていたので、
一旦家に上がってもらう。
なんの用だろうと思って話を聞くと、どうも探し物をしているらしい。
そして探し物はこの家にあるとのこと。
部屋の中を見回す女の子。
ここには埴輪と木像しかない殺風景な部屋。
俺はピンと来た。
入り口の片隅にある釣った長靴だ!
これだろうと差し出すと、どうも違うらしい。
なんだろうと思っていると女の子がこれですと、
鉢に入った花を持ち上げる。
お花が欲しいなんて女の子らしいな。
ちょっと悩んだけどあげることにした。
女の子は喜んだ後、花から何かを取り出して急いで帰っていった。
何かをとられた花が萎れたので、水をあげるとまた元気になった。
・・・花いらないの?
×◎月××日
巫女さんがまた家に来た。
どうやら異変の調査は難航しているらしい。
囲炉裏の火に当たっている巫女さんは腕を組んで唸っている。
何か変わったことがないかと聞かれ、
ちょいと考えてみる。
色々と変わったことがあるので巫女さんに教える。
まずマリちゃんが貸し本屋の嬢ちゃんを紅魔館に送迎する仕事を請け負ったこと
「へー魔理沙も働いてるのね。」
サウナ屋が盛況でまた店舗が増えたこと。
「私入ったこと無いけど、そんなにいいものなのかしら?」
春妖精が花に春度があると言っていたことと、
昨日女の子が花から何かを持っていったこと。
「ふーんあの花がねえ・・・ってそれよ!その人魂女が犯人だわ!」
やっと手がかり掴んだわよと不敵に笑う巫女さん。
犯人は現場に戻るということで、家で待ち伏せることになった。
俺は巫女さんに留守を任せて日課にでる。
部屋のものを壊さないといいけど・・・。
×◎月×△日
今日も巫女さんに留守を任せた。
日課を終えて帰ると、人魂の女の子がまた家の前にいる。
俺を見て笑顔になる女の子を家にあげると、
中で巫女さんが寝ていた。
とりあえず人魂の女の子にお茶を出してから、
巫女さんを起こす。
起きた巫女さんは花を見て不思議そうな顔をしている人魂の女の子に幣を突きつける。
「見つけたわよ!あんたが異変の元凶ね!」
「はっ、貴方は博麗の巫女!くっ、これは罠だったのか!」
人魂の女の子も慌ててお茶を置いて、刀に手をかける。
一触即発といっていい空気だが、一つ気になることがある。
人魂の女の子の隣に立っている女性は誰だろうか。
女性に気づいた人魂の女の子が刀を抜こうとしたが、
その手は女性に掴まれてしまった。
女性はこちらを見ている。
「もう二度と誰かにあげちゃ駄目よ。」
女性は女の子に膝蹴りを叩き込むと、髪を引っつかんで外に出て行った。
巫女さんも外に飛び出る。
女の子は無事だろうか。
というかあの女性は巫女さんに花を渡した人か。
花を見ると、なんとなく褒めて欲しそうだったので褒めておいた。
どうやらうちの花にはヤバイケツ持ちがいるみたいだ。
×◎月×□日
巫女さんがやってきた。
「異変解決したわよ!」
巫女さんから話を聞くと、
昨日の女性・・・花妖怪から人魂の女の子を救出し、
黒幕の元へ案内させたが、途中で氷精と雪女に絡まれて逃げられてしまう。
逃げた方向は分かっているので、追跡しているとマリちゃんとメイドさんと遭遇した。
彼女たちと情報を共有し、道中にいた猫妖怪や幽霊を蹴散らして、冥界に突入。
人魂の女の子が出張ってきたが、花妖怪にやられた傷が痛むのかへなちょこだった。
冥界の主が出てきて、まあまあ苦戦したけど、私の敵じゃなかった。
狐妖怪とスキマ妖怪が出てきたので、メイドさんとマリちゃんに任せて、
冥界の主から異変の目的を聞いていると、突然に苦しみ始めたと思ったら、
でかい桜が動き始めたので、とりあえず封印した。
スキマ妖怪が冥界の主の心配をしていたので、洗いざらい吐かせたそうだ。
冥界で集めていた春は全て解放したので、じきに春になるそうだ。
これにて一件落着ね!というと巫女さんは帰っていった。
外に出てみると空が晴れ渡り、気温もこころなしか温かくなった気がする。
×◎月×☆日
【我が信徒よ。新しい力を授けるのじゃ。】
神様が新しい能力をくれるらしい。
なんでも川を作る力らしい。
これは・・・島クリエイトの水関係のほうの奴!
すごいんだけど消せないの?と聞いたらどうもできないらしい。
【この力を使い川幅を広げるのじゃ。はよせんと雪解け水で川が氾濫をおこすでの。】
なんだって?